172 / 264
5年生 3学期 3月
約束された風景
しおりを挟む
ここは〝落日と轟雷の塔〟の地下深くに広がる大迷宮。
……って、いくら何でも、巨大過ぎるだろう!
ブルー。ここに入ってどれくらい経ったんだ?
『だいたい、51時間だね』
マジかよ。もうそんなに? ずっと地下だから、時間の感覚が狂う狂う。
えっと……迷宮を進むこと、まる2日。さすがにそろそろ目的地に辿り着いても良いんじゃないか?
「はい、もう少しです。この下のフロアーですので」
持ってきた食料も、残り僅かだ。僕は食べなくて平気だけど、
いざとなればブルーに例の木の実を作ってもらうか。あとは……
「達也さん。狩りでもする?」
「……いや、魔物しか居ないこの場所で〝現地調達〟は、ちょっとハードル高いな」
「ふふ。好き嫌いなんて、子どもみたいね、達也さん」
ちょっと待ってよ……それを〝好き嫌い〟っていうなら、僕もう一生〝子ども〟でいいんだけど。
>>>
「つきました。私の目的地はここです」
ひどく狭い〝隠し部屋〟の中。目の前には、大きくて古びた鉄の箱が置いてある。
これが、織田さんの求めていた物なのか?
『主よ。城塞都市の地下、私の居城にも、この箱は置いてあります。中には用途のわからない石像が2対あるのみです』
箱を開けると、確かに石の像が入っていた。
どちらも人間の姿をしているが、頭部だけは、片方が狼、もう片方は山羊に似た形をしている。
……固定されていて取り出すことは出来ないようだ。
「内海さん、ちょっといいですか?」
織田さんは、鉄箱の蓋を閉めた。
……って、え? 閉めちゃうの?
「いえ、開ける前に、こうするんです。あ、皆さんも」
織田さんは、クルッと回れ右をし、箱に背を向けて立つ。僕たちも、その真似をした。
「いいですか? 何があっても、振り向かず、何も喋らないで下さい」
「何だよ織田っち。何が始まるんだ?」
「ねーねー? これって何のおまじない? 気味わりーんだけど」
「シッ! 喋らないで」
……ちょっと強めに言われて、全員ジッと突っ立っている。何だこの状況?
しばらくすると、何か聞こえてきた。
「メェェェエ!」
「ガウッ! ガウガウ!」
背後から、リアルな獣の声。
思わず声が出そうになるが、織田さんが僕たちを見て人差し指を口に当て、ニッと笑う。
おっと。喋っちゃダメなんだな。
背後からはバタバタという音が響き、獣の声が聞こえ続ける。
「グルルル……ガウッ!!」
「メェェエェェェ……」
……静かになった。何なんだ?
「もういいですよ。内海さん、箱の中を」
鉄箱をもう一度開けてみた。
「……っ?! 達也さん、これ……!」
「うっわ! どうなってるんだ?!」
箱の中には2対の像。ただ、山羊に似た方の像の、首から上が無くなっている。
……そして、箱の中は鮮血をぶち撒けたように真っ赤だ。
「こっちの像、口の周りだけ真っ赤だし! 怖ぇし!」
狼の口からは、狩りを終えた獣のように、赤い液体が滴り落ちている。
「内海さん、蓋を閉じないで下さいね。もとに戻ってしまいますから」
これがどうやったら元に戻るのか見てみたいけど……
悪趣味な仕掛けだなあ。
『主よ。この仕掛は、私も知りませんでした』
そうなのか? 魔王よりも詳しいって、どういう事だよ織田さん……
「これでよし……と。有難うございます。私の用事はこれで終了です」
織田さんは、像から滴り落ちている液体を小さな瓶に入れ、ホッとした表情を浮かべた。
「織田っちー、本当に何なの? ますますワケがわかんないし!」
辻村の言葉に、困った顔の織田さん。
「俺たち、仲間じゃねーか。教えてくれたっていいだろ!」
真剣な表情の遠藤。
「……知れば、命を掛ける事になるかもしれません。それでも良いのでしたら、無事に城塞都市に戻れた時にお話します」
それまでに、よく考えておいて下さい。そう言って、少しだけ微笑む織田さん。
そんなに大変な事になるのか? ……あの赤い液体を何に使うんだろう。
「お、おう。約束だぜ?」
「織田っちはマブダチだからさ、ちょっと怖いけど……知らないままの方が嫌だし」
やっぱマブダチ認定されてたのか。そういえば〝織田っち〟って呼び方も違和感なくなったよな。
「さて、急ぎではありますが、私の用事は、予定より10日以上早く済みました。もしよろしければ、内海さんと藤島さんの要件もご一緒させて頂けますか……」
と言った後、織田さんはボリボリと頭を掻いて続ける。
「……といいますか、実のところ、帰り道もご一緒頂きたいというのが本音です」
白い歯を見せて笑う織田さん。この人は本当に悪意のない人だな。全部言っちゃうんだもん。
>>>
豪華な装飾の大きな扉の前。織田さんは今までで一番驚いた表情で言った。
「……玉座の間? なぜあなた達がここを知っているのですか?」
それはこちらのセリフだ。やっぱり織田さんは……
『主よ。〝魔王イブリース〟の封印はいつも型通りでお決まりの物です。私が解きましょう。ゴーレムをお貸し頂けますでしょうか』
そういうので、早速〝使役:土〟で用意する。
「……なんだよ、そのゴーレム! ずいぶん悪そうなデザインだなぁ!」
「パネぇ! 邪悪じゃね? 超怖いし!」
……そっか、別に魔王の姿にする必要なかったんだ。
『少し下がって頂けますでしょうか』
おっと了解。
全員が、扉から少し離れると、パズズは何やら呪文を唱え始めた。
「驚いた……! これは古代語? 内海さん、あのゴーレムは、なぜ自律行動する上に、失われた言語まで使うのですか?」
「織田さん。それを聞いたら、命を掛ける事になるかもしれないですよ?」
ニヤリと笑う僕を見て、後ずさり、少し強張った表情の織田さん。
「ふふ。達也さんも言うわね」
いや、だってさ。あれが本物の魔王だって知ったら、死ぬほど驚くだろ? 特に、織田さんは……
『衝撃が来ます。お気をつけて』
パズズがそう言うと、扉の前に魔法陣が現れた。
ひとつひとつの文字が、パラパラと剥がれ落ちていく。
「彩歌さん、障壁を」
と言う前に、彩歌は詠唱を始めていた。さすがだ。
「HuLex UmThel wAl iL」
先頭に立つ僕の〝背後〟に、大きめの障壁が現れた。
「ええー? 僕の分は?」
「達也さんは、どんな障壁より硬いでしょう?」
クスクスと笑う彩歌。そうなんだけどさ。なんか疎外感が……
「……まさか、ここにも魔王が?! 内海さん、藤島さん、この中に魔王が居るのですか?!」
〝ここにも〟……か。やっぱりね。
「織田さん安心して。この中には魔王は居ないから」
魔法陣に描かれた模様と、全ての文字が剥がれ落ちた。
……次の瞬間、激しい衝撃が襲って来る。
「うっお!!」
仰け反る遠藤。大丈夫だよ。彩歌の障壁は頑丈だから。
『主よ。体をお返しします』
『ああ。ありがとう、パズズ』
ゴーレムが土に還っていくのを横目に、僕は扉を開けた。
「うわ、広いな! 何も無いけど」
だだっ広い部屋の中央に台座があり、その上には小箱が置かれている。あの中に〝砂抜きされた砂時計〟が入っているのだろう。
「中はこうなっていたのですか……!」
この恐ろしく深くて広大な迷宮を自分の庭のように振る舞っていた織田さんが、珍しいものを見るような目で室内を見回している。
『私の根城にある玉座の間は、それなりの装飾がなされて、こことは少し趣が違います』
「そうだろうな。魔王との最終決戦がここまで殺風景だと、テンションが上がらないよ」
「達也さん、魔王との決戦って?」
「ああ、ゲームの話だよ。大体、最後の戦いは、魔王の玉座の間なんだよね」
魔王の就寝時を狙うとか、逆に面白そうだけどな。僕なら絶対そうするぞ?
……それじゃ、お宝をゲットしますかね。僕は部屋の中央にある小箱に目を移した。
「おお? 何だそれ! ちょっと見せてみろよ!」
「ちょ! 翔! 何するし! ……あ!」
僕の目には、勝手に箱を開けて、中の物を取り出した辻村と、その手から遠藤が奪い損ねて落下している最中の〝砂抜きされた砂時計〟が映っていた。
……って、いくら何でも、巨大過ぎるだろう!
ブルー。ここに入ってどれくらい経ったんだ?
『だいたい、51時間だね』
マジかよ。もうそんなに? ずっと地下だから、時間の感覚が狂う狂う。
えっと……迷宮を進むこと、まる2日。さすがにそろそろ目的地に辿り着いても良いんじゃないか?
「はい、もう少しです。この下のフロアーですので」
持ってきた食料も、残り僅かだ。僕は食べなくて平気だけど、
いざとなればブルーに例の木の実を作ってもらうか。あとは……
「達也さん。狩りでもする?」
「……いや、魔物しか居ないこの場所で〝現地調達〟は、ちょっとハードル高いな」
「ふふ。好き嫌いなんて、子どもみたいね、達也さん」
ちょっと待ってよ……それを〝好き嫌い〟っていうなら、僕もう一生〝子ども〟でいいんだけど。
>>>
「つきました。私の目的地はここです」
ひどく狭い〝隠し部屋〟の中。目の前には、大きくて古びた鉄の箱が置いてある。
これが、織田さんの求めていた物なのか?
『主よ。城塞都市の地下、私の居城にも、この箱は置いてあります。中には用途のわからない石像が2対あるのみです』
箱を開けると、確かに石の像が入っていた。
どちらも人間の姿をしているが、頭部だけは、片方が狼、もう片方は山羊に似た形をしている。
……固定されていて取り出すことは出来ないようだ。
「内海さん、ちょっといいですか?」
織田さんは、鉄箱の蓋を閉めた。
……って、え? 閉めちゃうの?
「いえ、開ける前に、こうするんです。あ、皆さんも」
織田さんは、クルッと回れ右をし、箱に背を向けて立つ。僕たちも、その真似をした。
「いいですか? 何があっても、振り向かず、何も喋らないで下さい」
「何だよ織田っち。何が始まるんだ?」
「ねーねー? これって何のおまじない? 気味わりーんだけど」
「シッ! 喋らないで」
……ちょっと強めに言われて、全員ジッと突っ立っている。何だこの状況?
しばらくすると、何か聞こえてきた。
「メェェェエ!」
「ガウッ! ガウガウ!」
背後から、リアルな獣の声。
思わず声が出そうになるが、織田さんが僕たちを見て人差し指を口に当て、ニッと笑う。
おっと。喋っちゃダメなんだな。
背後からはバタバタという音が響き、獣の声が聞こえ続ける。
「グルルル……ガウッ!!」
「メェェエェェェ……」
……静かになった。何なんだ?
「もういいですよ。内海さん、箱の中を」
鉄箱をもう一度開けてみた。
「……っ?! 達也さん、これ……!」
「うっわ! どうなってるんだ?!」
箱の中には2対の像。ただ、山羊に似た方の像の、首から上が無くなっている。
……そして、箱の中は鮮血をぶち撒けたように真っ赤だ。
「こっちの像、口の周りだけ真っ赤だし! 怖ぇし!」
狼の口からは、狩りを終えた獣のように、赤い液体が滴り落ちている。
「内海さん、蓋を閉じないで下さいね。もとに戻ってしまいますから」
これがどうやったら元に戻るのか見てみたいけど……
悪趣味な仕掛けだなあ。
『主よ。この仕掛は、私も知りませんでした』
そうなのか? 魔王よりも詳しいって、どういう事だよ織田さん……
「これでよし……と。有難うございます。私の用事はこれで終了です」
織田さんは、像から滴り落ちている液体を小さな瓶に入れ、ホッとした表情を浮かべた。
「織田っちー、本当に何なの? ますますワケがわかんないし!」
辻村の言葉に、困った顔の織田さん。
「俺たち、仲間じゃねーか。教えてくれたっていいだろ!」
真剣な表情の遠藤。
「……知れば、命を掛ける事になるかもしれません。それでも良いのでしたら、無事に城塞都市に戻れた時にお話します」
それまでに、よく考えておいて下さい。そう言って、少しだけ微笑む織田さん。
そんなに大変な事になるのか? ……あの赤い液体を何に使うんだろう。
「お、おう。約束だぜ?」
「織田っちはマブダチだからさ、ちょっと怖いけど……知らないままの方が嫌だし」
やっぱマブダチ認定されてたのか。そういえば〝織田っち〟って呼び方も違和感なくなったよな。
「さて、急ぎではありますが、私の用事は、予定より10日以上早く済みました。もしよろしければ、内海さんと藤島さんの要件もご一緒させて頂けますか……」
と言った後、織田さんはボリボリと頭を掻いて続ける。
「……といいますか、実のところ、帰り道もご一緒頂きたいというのが本音です」
白い歯を見せて笑う織田さん。この人は本当に悪意のない人だな。全部言っちゃうんだもん。
>>>
豪華な装飾の大きな扉の前。織田さんは今までで一番驚いた表情で言った。
「……玉座の間? なぜあなた達がここを知っているのですか?」
それはこちらのセリフだ。やっぱり織田さんは……
『主よ。〝魔王イブリース〟の封印はいつも型通りでお決まりの物です。私が解きましょう。ゴーレムをお貸し頂けますでしょうか』
そういうので、早速〝使役:土〟で用意する。
「……なんだよ、そのゴーレム! ずいぶん悪そうなデザインだなぁ!」
「パネぇ! 邪悪じゃね? 超怖いし!」
……そっか、別に魔王の姿にする必要なかったんだ。
『少し下がって頂けますでしょうか』
おっと了解。
全員が、扉から少し離れると、パズズは何やら呪文を唱え始めた。
「驚いた……! これは古代語? 内海さん、あのゴーレムは、なぜ自律行動する上に、失われた言語まで使うのですか?」
「織田さん。それを聞いたら、命を掛ける事になるかもしれないですよ?」
ニヤリと笑う僕を見て、後ずさり、少し強張った表情の織田さん。
「ふふ。達也さんも言うわね」
いや、だってさ。あれが本物の魔王だって知ったら、死ぬほど驚くだろ? 特に、織田さんは……
『衝撃が来ます。お気をつけて』
パズズがそう言うと、扉の前に魔法陣が現れた。
ひとつひとつの文字が、パラパラと剥がれ落ちていく。
「彩歌さん、障壁を」
と言う前に、彩歌は詠唱を始めていた。さすがだ。
「HuLex UmThel wAl iL」
先頭に立つ僕の〝背後〟に、大きめの障壁が現れた。
「ええー? 僕の分は?」
「達也さんは、どんな障壁より硬いでしょう?」
クスクスと笑う彩歌。そうなんだけどさ。なんか疎外感が……
「……まさか、ここにも魔王が?! 内海さん、藤島さん、この中に魔王が居るのですか?!」
〝ここにも〟……か。やっぱりね。
「織田さん安心して。この中には魔王は居ないから」
魔法陣に描かれた模様と、全ての文字が剥がれ落ちた。
……次の瞬間、激しい衝撃が襲って来る。
「うっお!!」
仰け反る遠藤。大丈夫だよ。彩歌の障壁は頑丈だから。
『主よ。体をお返しします』
『ああ。ありがとう、パズズ』
ゴーレムが土に還っていくのを横目に、僕は扉を開けた。
「うわ、広いな! 何も無いけど」
だだっ広い部屋の中央に台座があり、その上には小箱が置かれている。あの中に〝砂抜きされた砂時計〟が入っているのだろう。
「中はこうなっていたのですか……!」
この恐ろしく深くて広大な迷宮を自分の庭のように振る舞っていた織田さんが、珍しいものを見るような目で室内を見回している。
『私の根城にある玉座の間は、それなりの装飾がなされて、こことは少し趣が違います』
「そうだろうな。魔王との最終決戦がここまで殺風景だと、テンションが上がらないよ」
「達也さん、魔王との決戦って?」
「ああ、ゲームの話だよ。大体、最後の戦いは、魔王の玉座の間なんだよね」
魔王の就寝時を狙うとか、逆に面白そうだけどな。僕なら絶対そうするぞ?
……それじゃ、お宝をゲットしますかね。僕は部屋の中央にある小箱に目を移した。
「おお? 何だそれ! ちょっと見せてみろよ!」
「ちょ! 翔! 何するし! ……あ!」
僕の目には、勝手に箱を開けて、中の物を取り出した辻村と、その手から遠藤が奪い損ねて落下している最中の〝砂抜きされた砂時計〟が映っていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
