プラネット・アース 〜地球を守るために小学生に巻き戻った僕と、その仲間たちの記録〜

ガトー

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春休み

吸血鬼

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 七宮ななみやさんが、ようやく〝神の愛〟を知り、裁きを受け入れて、自分の罪を深く反省し始めたよ。
 やっぱり罪滅ぼしは、生きている間にしなきゃだよね、七宮さん?

「あ、あ、か、かみ、かみさ……ま……」

 えへへ。いまはちょっと、コメントできないみたい。
 でも七宮さん、僕の〝裁き〟で受ける傷と痛みが、少なくなってきているよ。という事は、善良な人間に近づいてるって事だよね!

「ご、ご、めんな……さ……ゆ、ゆる、し、て……」

 涙を流しながら、しきりに謝っている七宮さん。
 ……やがて、彼の背後にいた〝最後の霊体〟が、光の差すほうへと旅立っていった。これで〝眷属けんぞく〟にされちゃった94人の魂も、救うことができたよ。

「七宮さん。もう、悪いことしちゃ、ダメだよ?」

「は、い……! もう、に、どと。わた、し、は……」

 うん、うん。よく頑張ったね。
 七宮さんの言葉は、本物だよ? 僕には〝精神感応〟があるから、本当の反省か、口先だけかは、分かっちゃうんだ。

「あ、時間みたい。七宮さん。僕、行くね?」

 七宮さんは、心から反省しているよ。だから、ここに残していっても大丈夫だよね。
 だって僕は、たったいま目の前に現れた〝扉〟の先に行かなきゃならないから。

「えへへ。良かった! なかなか呼んでくれないから、そろそろ、この空間ごと壊しちゃおうと思ってたんだよ?」

 僕は、扉に近づいて行く。

「ひぃ?! そ、それ……!」

 七宮さんは、扉の存在に気づき、後ずさる。

「七宮さん、これは吸血鬼のところに通じる扉?」

 ガクガクと震えながら、首を縦に振る七宮さん。そうか。七宮さんは、吸血鬼が怖いんだね。

「それじゃ僕、ちょっと行ってくるよ!」





 >>>





 えりの長い、黒いマント。うわあ、裏地が真っ赤だよ。白いシャツの、袖まわりと胸のボタンの左右には、ヒラヒラがいっぱい付いてる。あんなのが似合うなんて、本物の吸血鬼だけだよね!

「ようこそ、私が誰だか知っているかね」

「吸血鬼だよね。僕、知ってるよ?」

 ちなみに、吸血鬼に〝さん〟は、付けないんだ。
 理由は……あ、ちょっと説明が難しいよ。たぶん、それを知った人は、ムエ……あ、えっと。うん、えへへ! とにかく良くないんだ……ごめんね。

「……ここまで来たのは、貴様で二人目だ。まずは、貴様の勇気と力を讃えよう。おめでとう」

 えへへ。それはいらない。
 そんな事より、僕の他にも、あの〝試練〟を突破した人がいたんだね!

「以前、ここに辿り着いたのは、神の〝信徒〟だった。貴様のように〝神の奇跡〟を傘に着て、好き放題暴れおったな」

 神様の力を借りられるひとだったの? すごいよ!
 それにしても……吸血鬼は、僕の力が神様のものだって気付いてるんだね。だったら、絶対に勝てないって、分かってるはずなんだけどな。

「せっかく、ここまで来れたというのに、その者は私からの褒美を要らんと言いおった。まあ、もちろん無理やり、受け取ってもらったのだがな?」

 そういう事なんだ。
 ひどいよ。いらなくて当たり前だよね〝眷属けんぞく〟にされちゃう権利なんか。
 あ。吸血鬼のとなりに、十字架を首に掛けた眷属けんぞくが現れたよ。

「この者は、元が〝信徒〟だからな。貴様の力も効かぬだろう?」

 ……あ、そっか。そういう作戦なんだ。

「ちょっとやりすぎじゃない? 僕、怒っちゃうよ」

 がんばって試練を勝ち抜いても、けっきょく眷属にされちゃうなんて、ズルいし卑怯すぎる。

「ははは! 威勢がいいな。だが、貴様のその力、果たしてこの者に通用するかな?」

「……ううん。通用するとかしないとか、関係ないから。彼女は、あるべき姿に戻って、いるべき場所に行くんだ」

 吸血鬼のとなりにいた眷属さんは、一瞬で消えた。
 最期に見せた、穏やかな笑顔が印象的だったよ。

「な、何だと! あの眷属をも、一瞬にして浄化するのか。となると、恐らく……」

 あ、気付いちゃったかな? 僕は〝信徒〟なんかじゃないもんね。

「貴様は〝使徒〟だろう」

 ブッブー! はずれー!

「確かに、敬虔な神の〝信徒〟や〝使徒〟どもは、その信仰心だけで、私の力に少なからず抵抗しおる……」

 はずれのまま、先に進んだよ? あわてんぼうだなあ。

「しかし! 私が真に恐れるのは神のみ! いくら神の力を使えようと、所詮は人だ。借りものに過ぎぬ」

 ……教えた方がいいのかなあ。だって、このままじゃ、だまし討ちみたいになっちゃうよ。〝なんだと?! お前、神だったのか?!〟とか言っちゃうパターンだよ? それは卑怯だよね! よし、教えてあげちゃおう。

「僕、神様だよ? あ、まだ完全じゃないけど」

 あ、勘違いしないでね。〝神様候補〟っていうのは、〝神様じゃない〟って事じゃないんだよ? たとえば〝子犬〟は、まだ小さいけど、間違いなく〝犬〟だよね? だから、僕も神様なんだよ。

「は? はは! あーっはっはっは! 何を言い出すかと思えば!」

 ……あれ? もしかして、この吸血鬼。

「お前の信仰心はどうなっておるのだ? 神をかたるなど、言語道断ごんごどうだんであろうが」

 ぜんぜん信じないパターンのやつだ。念のため、もう一度、言っとこう。

「ううん。かたるとか、そんなんじゃなくって、ホントに神様なんだけど……」

「ええい! れ言は聞き飽きたわ!」

 えへへ。もう飽きちゃった。はやいよね!
 ……まあ、いいか。一応、ちゃんと言ったからね。あとで泣いても僕のせいじゃないよ?

「さあ、さっさと貴様の血をいただこう。今日は他に、5匹もの獲物が届いておるのでな?」

 たっちゃんたちだ。
 無事なのは分かってたけど、ちょっと安心しちゃった。

「えへへ。それじゃ、さっさと終わらせちゃうよ。覚悟してね?」

「〝使徒〟ごときが、私にかなうと思っているのか? これでも喰らえ!」

 吸血鬼が両手を挙げると、黒い霧のようなものが集まっていく。あれは〝良くない感情〟を集めているの?
 霧は、やりみたいな形になって、僕の方に飛んできたよ。

「終わったな、他愛もない……な、なにぃ?!」

 僕に命中しそうになった黒い槍は、ポロポロと真っ白に変わって、崩れて消えちゃった。
 ……マイナスの感情は、僕には触れることもできないんだ。

「えへへ。ムダだよ?」

「そ……? そんなバカな! ええい! ならばこれでどうだ!」

 吸血鬼の周りには、さっきの黒い槍が、同時に5本浮かんだ。

「ムダだ。お前のどんな攻撃も、僕には届かない。世界がそういう仕組みになってるんだから、仕方がないんだよ?」

 僕に届く前に、黒い槍は次々に消えていく。
 面倒だから、次に作ろうとしていた槍も、全部消しちゃった。えっと、そのよく分からない黒っぽい火の玉とかも、どうせ僕には効かないから、消しとくね?

「なっ?! 術が掻き消されていく?! ……な、なぜだ? なぜ効かぬ?! お前はいったい何者だ!」

 本気で言ってるのかな?
 あ、そうか。怖いから、気づかないフリをしてるんだ!

「えへへー? ホントは、分かってるんでしょ?」

「……何の事だ?」

 わあ! 本当に気付いてないよ? 僕、2回も言ったのに! 仕方ないなあ。

「あのね、よーく聞いて? 〝信徒〟でも〝使徒〟でもないんだけど、神様の力を好きな時に、好きなだけ使えて〝呪い〟も〝悪意による攻撃〟も効かないし、お前の眷属けんぞくになってしまった〝死者〟を葬送おくることができる。さて、そんな僕は、何者でしょう」

 吸血鬼の白い顔が、白を通り越して、青くなっていく。

「ま、まさか……? まさかまさかまさか!」

 ジリジリと、後ずさる吸血鬼。
 顔を洗った後みたいに、滝のような汗が流れている。

「神……なのか?!」

「あったりー!」

「ヒイィィ?! バカな! 神が顕現けんげんするなど……有り得ん!」

 もー! 現にここにいるじゃない! ……まあいいか。

「それじゃ、浄化するね?」

「ち、近づくな! やめろ!」

「えへへ。大丈夫だよ? お前が苦しめた人たちの分、痛くて苦しい想いはするけど、そのあと、お前は許されるんだよ」

 だいたい、千年ぐらいは、死ぬほどの痛みを受け続けると思うけど、悪いことをしたんだから、仕方ないよね。

「ぬぐぐ……ええい! かくなる上は……! そ、それ以上、近づくな!」

 吸血鬼がマントをひるがえすと、そのかたわらに、黒くて丸い大きな玉が、五つ現れた。

「あーっはっはっはっは! よく見ろ! それ以上近づけば、貴様の仲間が無事では済まぬぞ?」

 黒くて分かりにくいけど、玉の中にいるのは、たっちゃん、彩歌さん、大ちゃん、ユーリちゃん、河西さん。

「うーん。一応聞くけど、みんなをどうするの?」

「お前の出方次第だ……神よ。私をこのまま見逃せば、この者たちを開放しても良い」

「えへへ。やっぱりお前も、嘘つきだね。隙をついて、五人とも連れていっちゃおうだなんて」

 えへへ。ずいぶん時間が経ったから〝精神感応〟で吸血鬼の声も聞こえるようになったよ。

「な?! く、クソっ! だが、時間は稼げたぞ! コイツらもろとも、転移して……

「時間稼ぎをしちゃったのは、失敗だったね。そろそろ、みんな出て来るよ?」

「はははは! 何を言って……ん? こ、これは一体……?!」

 吸血鬼のかたわらにある黒い玉が、次々と消えていく。
 やっぱり。みんな、さすがだよね!

「こんな……こんな事が……?!」

 ひとつは、霧が晴れるように。
 ひとつは、ガラス細工が砕けるように。
 ひとつは、絡んだ糸がほどけるように。
 ひとつは、夏の夜の花火のように。

「えへへ。千夏さんは、僕が出してあげるよ!」

 ひとつは、光が闇をかき消すように。
 五つの黒い玉は、それぞれ違う消え方で、跡形もなくなってしまった。

「ふう。やっと出られた。お、声も出せる! ありがとうな〝パズズ〟!」

『ご無事で何よりです、あるじよ』

 たっちゃんは、魔王パズズに〝禁止〟を解いてもらったんだね。

「ルナ、あなた、こんな事ができたのね」

『えっへん! 僕は〝魔界の軸石じくいし〟だよ? その僕を呪いに挟んだりするから、隙間ができちゃったのさ』

 彩歌さんは〝ルナ〟が呪いをこじ開けたみたい。

「あー、仕組みが分かれば〝禁止〟のシステムって、簡単にクラッキングできるんだなー!」

『ダイサク、キミのダメージは大きい。早くベルトをつけて変身するんだ』

 大ちゃんは〝精神〟だけ〝バベルの図書館〟に逃がして、そこから〝禁止〟を解いたみたい。さすがは〝全てを知ることができる図書館〟だよね。

「やー! 見たか! ユーリちゃんのパワー! 全部ぶっ壊してやったよー!」

『幾重にも練り込まれた〝呪い〟の〝構成要素〟を、まさか〝物理的に破壊〟するなど……このノーム、本当に恐ろしいものを見てしまいました……』

 ユーリちゃんは〝ちからわざ〟で呪いを解いちゃったんだ……ちょっともう、意味がわからないよ!

「えへへー! 遅れてごめんなさい!」

 みんなすごいよね! 自力で〝禁止〟を解いちゃった。やっぱり、僕が来なくても平気だったんじゃないかな。

「私、いったい……?」

川西千夏かわにしちなつさん。あなたの、おじいさんとおばあさんに頼まれて、助けに来たよ!」

「ば、ばかな……貴様ら、どうやって?!」

 吸血鬼は、ガクガクと震えながら、真っ青な顔をしている。
 さあ、さっさとコイツを浄化して、川西さんをここから出してあげなきゃ。

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