D.D.D

れのひと

文字の大きさ
1 / 20
1章 柚木と柚果

初ダンジョン!

しおりを挟む
 時は金なりということわざがあるけれど、それは本当のことだと俺は思う。

「よっと…っ」

 世界各地にダンジョンが現れて5年、ダンジョンの運営が設立されて2年…いまだに謎が多い場所だけれどこんな世の中真面目に学校へ通うのは馬鹿らしいと思い、俺は今日ダンジョンデビューした。

「うっし」

 先ほどから俺が倒している相手は見た目が青虫…というかしゃくとりむし? みたいで動きもそっくりなダンジョンモンスターだ。名前は知らん。動きはそれほど早くなく長めな胴体が少し厄介かなと思う。体を起こすと俺の身長を軽く超えるくらいの大きさなんだよね。軽くホラーだわ。

「よいしょっと」

 体を起こしたモンスターの背後へ周り手に持っている木刀を振り下ろす。いやな感触がしてモンスターは潰れて消えた。その消えた後に石のようなものが転がっている。

「おっ 初ドロップ! 修学旅行の時にノリで買った木刀を使用してるから実質ドロップはすべてプラス!! やったねっ」
「それは魔石ですね~」
「……へぇ」

 気分がそがれた。見た目手乗りウサギが俺の頭の上で口を開いたからだ。ぬいぐるみみたいな見た目しやがって言葉話すとかアニメかよって話だ。こいつはダンジョンのサポーターのようなものらしい。初めてダンジョンに足を踏み入れると誰しもが手に入れるスキルのようなものなんだとかこいつが言っていた。サポーターの見た目も人によってそれぞれだそうで俺はこいつだったわけなんだが…

「現在魔石の使用方法はダイバーが魔力に変換するのみなので、大した金額にはならないみたいだよ?」
「あーもうっ しゃべるなよ! 俺が質問しない限り口開くなっ」
「きゅっ…」

 本当なら動いても欲しくないんだが…前足で口を押さえていないとついしゃべってしまうんだろう。その動きがまたうざい。まあ構っていても仕方ないしダンジョンの探索を再開しますか。

 何匹目かわからないしゃくとりむしみたいなモンスターを倒した。ドロップは魔石となんか変な液体くらいしかない。いい加減別のモンスターに会いたいところだな。

「む…やっぱ鞄が小さかったな」

 リュックとかだと背中で動くのが邪魔だからウエストポーチにしたら全然荷物が入らなかった…一度帰らないといけないな。どうせ序盤なんて大きなものとかでないだろうからと甘く見すぎたかな。まあ普通に数出たらだめなのは当たり前か。

 さて、今回のでいくらの稼ぎになったかな~ バイトとかするよりは稼げているといいんだけどね。
 ダンジョンの外に出るとすぐそばにあるダイバー組合へと足を運んだ。ここでダンバーと登録とドロップ品の買い取りをしてもらえる。もちろんドロップ品は自分で使って売らないという選択も出来るんだけど、今回は全部売ってしまおうと思う。変な液体と石とかいらんしね。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

勘当された少年と不思議な少女

レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。 理由は外れスキルを持ってるから… 眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。 そんな2人が出会って…

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

処理中です...