D.D.D

れのひと

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1章 柚木と柚果

ウサギ狩り

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「ん…っ 次はちゃんとする! しっかりと稼げるようにならないとお母さんも助けられないっ」

 頬を両手で叩いて柚果が気合を入れなおした。当り前だろうが…そもそもダンジョンは遊ぶ場所ではない。他の人は知らないが俺達にとっては金稼ぎの場だ。しかも命を懸けた…ね。今のところモンスターも強くはなくて少し厄介なくらいだからあまり実感はわかないが、奥へ行けばどうなるかわからない。稼ぎたいだけなら安全なところで確実に稼いだ方がいいだろう。

「わかったんなら進むぞ~?」
「うん!」

 洞窟型の通路をまっすぐと進んでいく。どうやら最初のうちはどのダンジョンも同じなのかもしれない。今のところ分かれ道がない。迷わなくて助かるが少し残念なきもする。

「おっ ほらゆずかモンスターがいるぞ」
「…っ」

 ゴクリと柚果が喉を鳴らした。柚果の武器はバトンだ。バトンといってもリレーとかの受け渡しに使う方ではなくくるくると回して踊る? 方のやつだ。両端はゴム製だが軸は金属なのでそれなりに威力はあると思う。というか下手したら俺の木刀より火力は上かもしれない。

「…さっきはグレーのうさちゃんだったけど今度の子は黒いね~かわいいー…けどっ」

 柚果はバトンを握りなおすとウサギに向かって走り出した。

「ごめんねぇぇぇぇぇっ」
「ばかっ おまっ 目は開けろーーーー!!」

 戦う気になってくれたのはいいんだが目をつぶって向かって行ったらだめだろうが~~~~!!

「えええいっ この辺だったはず! …あれ?」

 もちろんうさぎには当たらず柚果の叩きつけたバトンは地面にぶつかった。というかウサギの姿がないぞ?

「あ、あれ?? どこいっちゃったの~」
「左やっ」
「ふぇっ? きゃふっ」

 柚果の左側からウサギがぶつかってきた。いや…違うなあれは飛び蹴りか? そのままウサギはさらに飛び上がり壁を蹴って床を蹴って…ぴょんぴょんぴょんぴょんとうぜぇ…どうやらこの黒いウサギは跳ねまくって攻撃してくるタイプみたいだ。

「きゃっ …・もう~痛いじゃない!」

 また柚果がウサギに蹴られた。

「まずいでぇ~ ここままやと体力が先につきるっ」
「助けてあげないの~?」

 ……くそっ 助けてやりたいが、柚果がこのまま全く狩れないままでは意味がないんだよっ

「あーもう跳ね回らないでっ」

 バトンを両手で持った柚果がくるくるとバトンを回し、自分もそのままくるくると変わり出した。なるほど…どこから飛んでくるか回らないから全体的にはじくつもりなんだな。

「あ、当たった!」

 くるくると回されたバトンにウサギがぶつかり地面へと落ちた。すぐには起き上がれないらしい。

「ゆずかとどめっ」
「え、あっ えーーーい!」

 バトンを両手で振り上げウサギのいる位置へと振り下ろした。やっぱり目をつぶっている…おいっ
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