D.D.D

れのひと

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1章 柚木と柚果

ニューダンジョン

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 休憩も終わりにしてそろそろダンジョンへ入ろうと思う。ゆずかもだいぶ落ち着いたみたいだしな。

「なあ、ここは何が出るんだ?」
「まだわかるわけないやろう? ダンジョンの中に入らな流石にわからんわ~」

 そういうものなのか。知らんかったし。まあそういうことならさっさと入ろう。

「ゆずか行くぞー」
「ふあ~い…」

 気が緩んでいるな休みすぎたか?

「ほうほう…なるほどなっ」
「このダンジョンは12階層まであるみたいよ~」
「で、何が出るんだよ」
「動物系…というか、この世界で言うところの哺乳類? ってくくりか?」

 哺乳類…またざっくりだな。

「もちろんすべての哺乳類ではないな。でかすぎるものや環境に合わんもんはおらへんし」

 デカくて環境にあわない生き物…クジラとかか? 水場がないと無理だしこの洞窟内に居たらすごく広い部屋とかになりそうだしな。

「ほらそんなこというとったら早速おでましやっ」

 相変わらず色んな方言がまざってるのか変なしゃべり…とそんなことはどうでもいいか。

「きゃーーーーーっ」
「なっ どうした?」
「かわいい~」
「………は?」

 柚果の体に隠れて見えなかったダンジョンモンスター。ひょいっと動いて見てみると…

「ウサギ…?」

 うん、見た目はまんまウサギだ。でもここはダンジョンなのだからあいつはモンスター でもその可愛さに柚果が近寄っていく。

「おい、かわいくてもモンスターだぞ?」
「わかってるよ~ でももふもふしたいっ」

 ええー…危ないくないか? 小首をかしげてウサギは逃げる様子もないんだが…逆に怪しい。野生の動物とかって普通見知らぬ相手には警戒するものじゃ??

「よーしよーし…ね? 大丈夫でしょう?? こんなにかわいいんだもんありえないよ~」

 ウサギを抱き上げ柚果が嬉しそうにしている。まじか…でもな~ もっとじっくりと見ようと腕の中にいるウサギを覗き込むとみるみるうちにふわふわだった耳が鋭い刃物に変わっていった。

「ゆずか危ないっ」
「え?」

 ウサギを抱いていた腕が緩んだすきに柚果とウサギの間に木刀を差し込む。あぶねぇぇぇっ 鋭くなったウサギの耳が柚果の腕へと刺さるところだった。どうにか木刀に突き刺さり耳が抜けなくてやつは焦っている。

「このっ」

 そのまま木刀を奥へと振り抜き柚果から引き離すと地面にたたきつけた。

「うさちゃんっ」

 モンスターは動かなくなりそのまま消えた。

「うさちゃん…じゃねぇっ お前危うく腕を切りつけられるところだったんだぞ!!」
「ご、ごめんなさい…かわいくてつい…」
「嬢ちゃん…ダンジョンでは知り合い以外はみんな敵とおもわなあかんで?」

 おい…流石にそれは極端だろうが。それじゃあ人間も知らない人は敵ってことになるだろうがっ …あれ? いやまさか…え?? 
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