異世界人って本当ですか?

れのひと

文字の大きさ
1 / 8

出会ってしまいました

しおりを挟む
 ある日のこと。
 いつものように私は依頼を受け、町の隣の森へと足を運びました。冒険者にとってコレは当たり前のこと。かく言う私もそんな冒険者の一人。今ではこんな毎日も慣れたもので、軽い足取りと言いますか軽くスキップなどをしながら森の中を進みます。

「なんだってぇぇぇぇ~~っ」

 突然叫び声が聞こえてきました。助けを求めている…のとは違うようですが、気になります。確かめましょう。念のためコッソリと…足音を忍ばせ木々に隠れながら。

 …いえ、怖いわけではないんですよ? もしもとかあるかもしれないじゃないですか。慎重な行動は長生きのコツですね。

 そろそろ声の主の姿が見えると思うんですが…変ですね…え? 今わたしのお尻に何かがぶつかりましたよ? これはちょっと怖いですが確認しないわけにはいかないでしょう。ゆっくりと振り返った先には人間の顔が…

「「なんだってぇぇぇぇぇ~~っ」」

 探していた相手と思われる人とぶつかっていたみたいです。お互い驚いて声をあげてしまいました。いけません…まだ森の浅い場所とはいえ何がいるのかわからないのです。大きな声で自分の居場所を伝えてしまいます。

「し~~~っ」

 私が指を口に当ててこうしますと相手も同じ動作をしました。どうやらわかってくれたようです。

 さて…ふむ。この辺では見ない服装をしていますね。と言うことは何処か他所の国の人なのでしょう。

「なあ…」

 私がジロジロと眺めていると声をかけられました。首をこてりと横に倒し私は返事を返します。

「何?」
「お前コスプレイヤーなのか?」
「……?」

 意味がわかりません。どうやら私の耳を指して言ったみたいです。そのコス…何とか? よくわかりませんがどうやら学がないか田舎者なのでしょう。私のように可愛らしいラビチューン族を知らないなんて。

「私ラビチューン族なんですよ。ほら、この長い耳が特徴なのです」
「ラビ…なんだって?」

 やっぱり知らないみたい。私が耳をピコピコと動かすと目を輝かせています。

「獣人! そうかそう言うことかっ」

 なんだか一人で納得したみたいです。獣人というのは知ってるようですが…手を耳に伸ばして来たのではたきおとしてやりました。

「ん、んっ えーと、俺はダイス。まあ見たまま人間だ。とりあえずここじゃない世界から来たっぽい。異世界人? ってやつ」

 ちょっと待ってください…別の世界から来た? なんなんですかっ 頭のおかしい人じゃないでしょうね…

「で、お前の名前は?」
「ユーナ…ですけど」
「ユーナ早速で悪いんだけどさ」

 いきなり呼び捨てとか誰がいいと言いましたか…

「お金ちょうだい?」

 これが私と自称異世界人ダイスの出会いでした。最悪としか言えません。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

処理中です...