異世界人って本当ですか?

れのひと

文字の大きさ
8 / 8

何が起こったの??

しおりを挟む
 森へやってきた。私はいつもより慎重にだけど歩く足取りは早く、そして視線は鋭く薬草を見極めながらいつもよりも奥へと進んでいく。視界の端にはちらちらと映る人間の影…うん、違うのよ? たまたま私が進んでいる方向に薬草が生えている方向にダイスがいるだけなのよ。

 おっといけない…ダイスがちらりと振り返ったわ。私はただ薬草を採取しているだけですよーと。中々よさそうなものが取れたわっ さて、次へ進みましょうか…あれ?

 私は軽く走り出す。

 さっきまで前を歩いていたのにダイスの姿が見えない。もしかして気がつかれたのかしら…だとしたら気を付けないといきなり驚かせてきて大きな声をあげたりしないようにしないと。だってここはいつもよりも森の深い場所。今のところは魔物は見かけないけれど、いつ何に遭遇するかわからない。もしもの時は逃げるか戦うしかないのだから…

 もう少しだけ先へと進む。少し目を離したすきに進んでしまっただけなのかもしれないから。あ…ほら音が聞こえる。草をかき分ける音と走ったりぶつかったりする音が。

「このっ 中々すばしっこいなっと!」

 ダイスだ。ほらやっぱり苦戦しているわっ 武器もないしまだ駆け出しなんだものランクの高い魔物なんて無理なのよ。

「それならっ」

 …え? 何が起こったの?? ほんとに一瞬…瞬きの間に、目を開けた次の瞬間には魔物が倒れていた。急な展開についていけない私はちょっとだけ怖くなる。

 手には汗が…心臓の音が早くなる…視線は魔物に釘付けだ…

「何してんだ?」
「ひゃああああああああっっ」

 突然背後から肩を叩かれ思わず声をあげる。

「わ…ばかっ 大きな声はだめだろうがっ」
「ふぎゅっ」

 ダイスが両手で私の口を塞いだ。これじゃ何も言えないじゃないの!

「…ちっ 気がつかれたか」

 なんで? さっきまで前にいたのにっ というか手をどかしてよ~

「とりあえず落ちつけ…三匹か? 狙われてるぞ」
「…っ」

 狙われてる? 何に?? 手をどけてくれたのでゆっくりと周りを見てみるけど…姿は見えない。

「魔物に決まってるだろう? 名前は…フォレストウルフか」
「な、なっ 三匹も…?」
「ほら姿を現しだした」

 ガサガサと音を立てなが四つ足の魔物が姿を現す…フォレストウルフ。彼らは駆け出しの冒険者にとっては素早くて厳しい相手だ。戦ったことがない私とついさっき初めてフォレストウルフを倒したダイス。この二人で三匹を相手にするのはどう考えても難しいこと…ここで死んでしまうかもしれないっ

「や…やだ…」

 怖くて怖くて足の震えが止まらない。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...