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第7話 報告をするぞ
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宿屋での仕事を終えた私は彼女を連れてまた冒険者ギルドへと足を運んだ。先ほど終わらせたばかりである依頼の報告のためだ。
「あら早かったですね。その様子だと依頼は終わりましたか?」
「はい」
私は首から提げていた登録時に貰ったギルドカードを受け付けの女性へと手渡す。何をしているのかはわからないが女性がカードを受け取り、少しすると返却された。
「はい、マノンちゃんのも貸してね?」
「私は何もし…ぐむぅ」
「はいどうぞ」
彼女は掃除に参加せず座っていただけだったけれども、ここで正直に答えてしまうとペナルティが発生してしまう。私はこれを避けるために彼女の口を塞ぎ彼女のカードを受け付けの女性へと渡す。
「あらあら…大丈夫ですよ。仮登録のペナルティはありませんから。それに黙っていても依頼者から報告もされていますので無駄ですよ?」
「あー…そうなんですね」
「ぷはっ …こらアルクウェイ苦しいではないかっ」
「はい、マノンちゃんのカードも返しますね」
どうやら私の行動は無駄だったみたいです。彼女に苦しい思いをさせてしまうだけなんて後で謝ることにしましょうか。
「それで報酬なんですけど、こちら銀貨5枚になります」
ふむ…あの程度の掃除で銀貨5枚ですか。とりあえず宿と食事はしばらくなんとかなりますし、このお金は私がちゃんとしまっておきましょうかね。
「それがお金か~ 初めて見たな」
「そういえばマノン様はお金を使う機会がありませんでしたからね」
「そうなのじゃ。だからちょっと使ってみたいんだがのう…ほれ、腹も空いただじゃろう?」
お腹が空いているのは彼女だと思われます。私は忙しい時には一食くらい抜くこともありましたからまだ平気ではありますが…
「宿で夜までは流石に待てないのですか?」
「ぬ…っ それだとお金が使えないではないか!」
無一文だったんですけどね私達。増やすまで無駄に使うべきではないと思うんですけども。
「では少しだけですよ?」
「わかってるのじゃっ」
私と彼女は冒険者ギルドを後にすると、町の中を歩き食べ物を買うために店を探すことにした。簡単な町の地図のようなものはすでに歩きながら記入してみているのだけど、今まで歩いた場所には食材は売っていても飲食店はまだ見かけていなかった。
「アルクウェイよ…わらわはあれが食べたいのじゃっ」
彼女の指が向いている先にあるのは一つの屋台。どうやら肉を木の棒に刺して焼いたもののようです。なるほど…あたりに匂いをまき散らし客を誘い込む寸法ですか。彼女もすっかりとその罠にはまっています。
「えーと…座って食べられませんけどいいのですか?」
「構わぬのじゃっ さあお金をよこすのじゃ」
どうやら彼女は肉が焼ける匂いに刺激されもう我慢が出来ないようです。仕方がないので私は彼女の手に銀貨を一枚握らせます。
「では一つ私の分もお願いしますね」
「任せるのだ!」
屋台へと走り寄っていく彼女を少しだけ離れた場所から眺めます。初めての買い物に浮かれている様子はどう見ても普通の子供です。ちょっと微笑ましいですね。
「んっ ふぉふふふぇいふぉふぁふぇふふぉふぁっ」
「………」
肉にかぶりついて口の周りをべたべたにして私に串を一本差し出している彼女。もう一方の手には紙に包まれてはいるけれどもやはり同じものが見えている。
「マノン様…まさか全部お金を使われたのですか?」
「んぐぐっ 丁度5本買えたぞ」
「銀貨一枚で5本ですか…それ、誰が食べるのですか?」
「なんじゃ、アルクウェイもまだ欲しいのか?」
「結構です…」
どうやら私が甘かったようです。初めて買い物をする子供はしっかりと見ていないといけなかったようです。まさか買えるだけ買ってこられるとは思わないじゃないですか…無駄遣いもそうですけれど、そんなに食べたら夜の食事が喉を通らないと思うのですが…まあ終わったことは仕方がありませんね。
「あら早かったですね。その様子だと依頼は終わりましたか?」
「はい」
私は首から提げていた登録時に貰ったギルドカードを受け付けの女性へと手渡す。何をしているのかはわからないが女性がカードを受け取り、少しすると返却された。
「はい、マノンちゃんのも貸してね?」
「私は何もし…ぐむぅ」
「はいどうぞ」
彼女は掃除に参加せず座っていただけだったけれども、ここで正直に答えてしまうとペナルティが発生してしまう。私はこれを避けるために彼女の口を塞ぎ彼女のカードを受け付けの女性へと渡す。
「あらあら…大丈夫ですよ。仮登録のペナルティはありませんから。それに黙っていても依頼者から報告もされていますので無駄ですよ?」
「あー…そうなんですね」
「ぷはっ …こらアルクウェイ苦しいではないかっ」
「はい、マノンちゃんのカードも返しますね」
どうやら私の行動は無駄だったみたいです。彼女に苦しい思いをさせてしまうだけなんて後で謝ることにしましょうか。
「それで報酬なんですけど、こちら銀貨5枚になります」
ふむ…あの程度の掃除で銀貨5枚ですか。とりあえず宿と食事はしばらくなんとかなりますし、このお金は私がちゃんとしまっておきましょうかね。
「それがお金か~ 初めて見たな」
「そういえばマノン様はお金を使う機会がありませんでしたからね」
「そうなのじゃ。だからちょっと使ってみたいんだがのう…ほれ、腹も空いただじゃろう?」
お腹が空いているのは彼女だと思われます。私は忙しい時には一食くらい抜くこともありましたからまだ平気ではありますが…
「宿で夜までは流石に待てないのですか?」
「ぬ…っ それだとお金が使えないではないか!」
無一文だったんですけどね私達。増やすまで無駄に使うべきではないと思うんですけども。
「では少しだけですよ?」
「わかってるのじゃっ」
私と彼女は冒険者ギルドを後にすると、町の中を歩き食べ物を買うために店を探すことにした。簡単な町の地図のようなものはすでに歩きながら記入してみているのだけど、今まで歩いた場所には食材は売っていても飲食店はまだ見かけていなかった。
「アルクウェイよ…わらわはあれが食べたいのじゃっ」
彼女の指が向いている先にあるのは一つの屋台。どうやら肉を木の棒に刺して焼いたもののようです。なるほど…あたりに匂いをまき散らし客を誘い込む寸法ですか。彼女もすっかりとその罠にはまっています。
「えーと…座って食べられませんけどいいのですか?」
「構わぬのじゃっ さあお金をよこすのじゃ」
どうやら彼女は肉が焼ける匂いに刺激されもう我慢が出来ないようです。仕方がないので私は彼女の手に銀貨を一枚握らせます。
「では一つ私の分もお願いしますね」
「任せるのだ!」
屋台へと走り寄っていく彼女を少しだけ離れた場所から眺めます。初めての買い物に浮かれている様子はどう見ても普通の子供です。ちょっと微笑ましいですね。
「んっ ふぉふふふぇいふぉふぁふぇふふぉふぁっ」
「………」
肉にかぶりついて口の周りをべたべたにして私に串を一本差し出している彼女。もう一方の手には紙に包まれてはいるけれどもやはり同じものが見えている。
「マノン様…まさか全部お金を使われたのですか?」
「んぐぐっ 丁度5本買えたぞ」
「銀貨一枚で5本ですか…それ、誰が食べるのですか?」
「なんじゃ、アルクウェイもまだ欲しいのか?」
「結構です…」
どうやら私が甘かったようです。初めて買い物をする子供はしっかりと見ていないといけなかったようです。まさか買えるだけ買ってこられるとは思わないじゃないですか…無駄遣いもそうですけれど、そんなに食べたら夜の食事が喉を通らないと思うのですが…まあ終わったことは仕方がありませんね。
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