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王都までの旅路

72. 夕食2

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 打ち合わせは警備の話だった。時間を3交代で見張りを立てるらしい。もちろんどの時間にもそれぞれ何人か出せる範囲でだし、ある程度の公平性を保っている。こちらはそれぞれの時間に2名出すそうだ。もう1人の貴族も2名、冒険者は1名だそうだ。まあ全体の人数を考えたら妥当なところだろうという話になった。ついでにネコルーを紹介しておいた。そうしないと間違って攻撃されてしまうからだ。後で自由にさせるからこれは必要なことなんだとか。気のせいかもう1組の貴族の所から話しに来た人がじっと俺を見ていたんだが何なんだろうか? とりあえず見たこともない人だったけども。

 ともあれこれで安心してネコルーを自由に遊ばせてやれるので、俺は自分のことを始めようか。まずは調理場を設置し紅茶の準備だ。もちろん俺のやり方に慣れてきたノノさんが準備をしている。まだ全然暗くないのでとりあえずはおやつタイムを楽しんでもらおうかな。実はあの乾く皿に朝仕込んでいたものがあるんだよね。

「おっ これ出来てるんじゃないかな」
「それはなんですか?」
「はい味見して」

 ノノさんに完成品の切れ端…というかパンの耳の部分を食べてもらった。そう俺が作ったのはラスク。お皿に乗るサイズしか作れないのであれだが、食パンを1枚スライスして耳を切り落としいくつかに切り分け砂糖水を吸わせたんだよね。それをこのお皿に乗せて置くと水分が抜けて砂糖だけがパンに残り乾燥した状態になる。つまりラスクの完成ってわけだ。

「見た目はあれですが贅沢な味ですね~」
「見た目か~」
「はい、このように手でつまむことになりますから、出来るだけ噛み切らないでいいように作ると上品だと思います」

 つまり一口大がいいということか。

「それとやっぱり色がさみしいですね」
「色…うーん」

 出来ないことは仕方がない。それよりもラスクを食べてもらってる間に夕ご飯の準備をしなければ。今日はお好み焼きっぽい物を作ってみた。食べやすいようにフォークで持ち上げれるサイズにカットしてお皿に乗っている。ぽいものというのは出汁とか足りないものが多いからだ。キャベツ、もやし、卵、小麦粉、豚っぽいバラ肉それにカツオふりかけを混ぜて焼いた。中濃ソースと手作りのマヨネーズをかけて完成。マヨネーズはノノさんが頑張って混ぜてくれていた。もちろんあのハンドミキサーのパーツで。これだけだとテーブルがさみしいので小さい器に麻婆豆腐を少しずつ入れておく。組み合わせが変とかは受け付けないよ! 2人で準備するのに出来る範囲でやるからしかたないんだよっ

 まあとにかくこれらを机に並べヨルさんとジルベスターさんには赤ワイン。俺とレアナさんに水を注いで並び終えた。今日は残りがなくノノさんが残念そうにしていたので俺のお好み焼きを一切れあげた。ちょっと甘やかせすぎかもしれない。

「…ですから今食事中ですのでと申し上げております」
「こんなところで礼儀も何もないだろう?」
「それは存じ上げておりますが、せめて食事が終わってからがよろしいかと」

 何か騒がしい。というかアルバトロスと誰かが会話しながらこっちへ向かって来ているんだが…誰だ?
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