86 / 356
王都までの旅路
73. 回復魔法
しおりを挟む
少し小太りの男の人が俺たちが食事をしている席にやってきた。もちろん1人ではなく護衛らしき人を2人ほど引き連れて。このおっさん見たことある…昨日立ち往生していた馬車に乗っていた人だ。
「…これはこれはダルシア男爵。今食事中でしてこのような状態で申し訳ない」
「いえいえ、こちらこそ出来るだけ早く挨拶をと思いまして」
…うへい。気のせいじゃなければジルベスターさんちょっと怒っていませんか? まあ食事を邪魔されたくなかったんだろうけど、目つきが鋭くなってて怖い。
「それにしても…こんなところで温かい食事とは余裕がおありでうらやましい限りですな」
「ははは。今回はたまたまですよ。ちょっと優秀な料理人に来ていただくことが出来ましてね」
…このダルシア男爵ってのにまた俺睨まれたんだけどなんだ?
「ああそうでしたこんなことを言いたいわけじゃないんですよ。えーとどうでしょう行き先は同じでしょうしこの先一緒に行動してはと。まれに盗賊なども出ますし、手が多ければそれだけ安全だと思いませんか?」
「一緒に…ですか…そうですね、お互いの都合もあるでしょうから出発時間が合うようでしたら、といったところでどうでしょう」
「なるほど、そうですなっ これは失礼いたしました。ではそのようにいたしましょう」
頭を下げるとダルシア男爵は自分のテントへと戻っていった。うーんこのおっさんどこで会ったんだったかな…
「アルバトロス後で顔を出すように」
「はっ」
食事を終えノノさんに片付けを任せ今日の食後は緑茶を提供。少しするとアルバトロスがやって来てジルベスターさんとともに馬車の中へと消えた。お茶を飲み終わると俺は調理場へと引っ込み、明日の仕込み的なことをやる。まあまずはご飯を炊いておくことなんだけどね。これをやっておくだけで楽になるだろう。
「あ、ノノさんごめん俺ネコルー回収してくる」
「わかりました」
別にこの中で召喚してもいいんだけど、どうせ血だらけだろうから外で回収して洗い流してしまいたいからね。ん-…だいぶ暗くなって来たかな。うろうろしてる人がいないし。今外に出てるのは見張りとかする人なんだろう。さて、
「ルーーーーーーーッ」
あれ? ネコルーの声かな…結構近くで声がしたけど少し待てば戻ってくるかも??
「何をしている…っ 今のは白ネコの声ではないのか?」
「多分そうだと思うけど…」
「…普通じゃない鳴き方じゃないか。早く呼び戻したほうがいい…人は襲わないように言ってあるのだろう?」
「け…契約召喚!」
アルバトロスがやって来て早く呼び戻せと言う。確かに人は襲わないようにいってあるけど…それってどういう??
魔方陣が現れネコルーの姿が見えた。やっぱり相変わらずの血だらけだった。そしてガクンと倒れるようにその場に寝そべる。
「ネコルー?」
「ル~…」
「後ろ足の右側、怪我をしているように見えるが…ちょっと見せてもらおうか」
本当だすぐに洗い流そうと思ったけど先に治療してやらないといけないな。
「おやおや怪我をしているようじゃないか。よかったら私の連れている治療師に見せてみてはどうかね?」
えーと…ダルシア男爵だったっけ。なんでこんな時間にうろついているんだ…?
「お心遣い感謝いたします。ですがそれには及びません…治せるのだろう?」
「ん、ああ俺か」
ん-…薬も魔法もどっちも試したことがないんだけど、確か魔法は知力依存だったっけ? なら魔法のほうが確実に直せるか。
「…ヒール」
ネコルーの怪我に手を当て魔法を使用する。手の周りがぼんやりと黄色く光り温かく感じた。手当てって言うくらいだもんなこうやって手をあてて使うのがきっと正解だよね。
「お、治った」
「「………」」
あれ? ダルシア男爵はわかるけどなんでアルバトロスも驚いているんだよ…治せると思ったから言ったんじゃなかったのか??
「ご、ご覧のように…」
「ふんっ…ただの平民がくっついて来てたのかと思ったが、治療師だったのか…まあ治ってよかったな」
少し何か考えるそぶりをしてダルシア男爵は去っていった。
「…これはこれはダルシア男爵。今食事中でしてこのような状態で申し訳ない」
「いえいえ、こちらこそ出来るだけ早く挨拶をと思いまして」
…うへい。気のせいじゃなければジルベスターさんちょっと怒っていませんか? まあ食事を邪魔されたくなかったんだろうけど、目つきが鋭くなってて怖い。
「それにしても…こんなところで温かい食事とは余裕がおありでうらやましい限りですな」
「ははは。今回はたまたまですよ。ちょっと優秀な料理人に来ていただくことが出来ましてね」
…このダルシア男爵ってのにまた俺睨まれたんだけどなんだ?
「ああそうでしたこんなことを言いたいわけじゃないんですよ。えーとどうでしょう行き先は同じでしょうしこの先一緒に行動してはと。まれに盗賊なども出ますし、手が多ければそれだけ安全だと思いませんか?」
「一緒に…ですか…そうですね、お互いの都合もあるでしょうから出発時間が合うようでしたら、といったところでどうでしょう」
「なるほど、そうですなっ これは失礼いたしました。ではそのようにいたしましょう」
頭を下げるとダルシア男爵は自分のテントへと戻っていった。うーんこのおっさんどこで会ったんだったかな…
「アルバトロス後で顔を出すように」
「はっ」
食事を終えノノさんに片付けを任せ今日の食後は緑茶を提供。少しするとアルバトロスがやって来てジルベスターさんとともに馬車の中へと消えた。お茶を飲み終わると俺は調理場へと引っ込み、明日の仕込み的なことをやる。まあまずはご飯を炊いておくことなんだけどね。これをやっておくだけで楽になるだろう。
「あ、ノノさんごめん俺ネコルー回収してくる」
「わかりました」
別にこの中で召喚してもいいんだけど、どうせ血だらけだろうから外で回収して洗い流してしまいたいからね。ん-…だいぶ暗くなって来たかな。うろうろしてる人がいないし。今外に出てるのは見張りとかする人なんだろう。さて、
「ルーーーーーーーッ」
あれ? ネコルーの声かな…結構近くで声がしたけど少し待てば戻ってくるかも??
「何をしている…っ 今のは白ネコの声ではないのか?」
「多分そうだと思うけど…」
「…普通じゃない鳴き方じゃないか。早く呼び戻したほうがいい…人は襲わないように言ってあるのだろう?」
「け…契約召喚!」
アルバトロスがやって来て早く呼び戻せと言う。確かに人は襲わないようにいってあるけど…それってどういう??
魔方陣が現れネコルーの姿が見えた。やっぱり相変わらずの血だらけだった。そしてガクンと倒れるようにその場に寝そべる。
「ネコルー?」
「ル~…」
「後ろ足の右側、怪我をしているように見えるが…ちょっと見せてもらおうか」
本当だすぐに洗い流そうと思ったけど先に治療してやらないといけないな。
「おやおや怪我をしているようじゃないか。よかったら私の連れている治療師に見せてみてはどうかね?」
えーと…ダルシア男爵だったっけ。なんでこんな時間にうろついているんだ…?
「お心遣い感謝いたします。ですがそれには及びません…治せるのだろう?」
「ん、ああ俺か」
ん-…薬も魔法もどっちも試したことがないんだけど、確か魔法は知力依存だったっけ? なら魔法のほうが確実に直せるか。
「…ヒール」
ネコルーの怪我に手を当て魔法を使用する。手の周りがぼんやりと黄色く光り温かく感じた。手当てって言うくらいだもんなこうやって手をあてて使うのがきっと正解だよね。
「お、治った」
「「………」」
あれ? ダルシア男爵はわかるけどなんでアルバトロスも驚いているんだよ…治せると思ったから言ったんじゃなかったのか??
「ご、ご覧のように…」
「ふんっ…ただの平民がくっついて来てたのかと思ったが、治療師だったのか…まあ治ってよかったな」
少し何か考えるそぶりをしてダルシア男爵は去っていった。
3
あなたにおすすめの小説
元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~
下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。
二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。
帝国は武力を求めていたのだ。
フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。
帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。
「ここから逃げて、田舎に籠るか」
給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。
帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。
鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。
「私も連れて行ってください、お兄様」
「いやだ」
止めるフェアに、強引なマトビア。
なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。
※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム
前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した
記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた
村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く
ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた
そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた
私は捨てられたので村をすてる
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
寿明結未(ことぶき・あゆみ)
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる