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北のダンジョン
107. 初ボス戦
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あー起きた。いや、起こされた。今日はノノさんが早かったからピロンピロンという音で…まあそれはいい。身支度を整えるために先にののさんに材料と道具を渡した。まあ適当に着替えて出しっぱなしになっている物をしまっておくくらいだが。浴室に行って顔を洗い調理場へ。すでに材料は混ぜ終わりノノさんはレタスポイ野菜をちぎっていた。じゃあ俺はお湯を沸かして焼き始めるか。
全部焼き上げインベントリにしまっておき、ノノさんと2人で先に朝食を済ませる。順番にみんなも起きてきて全員が食べ終わるといよいよボス戦へとテントの外へと出ていった。
「ん…どうやら順番待ちみたいだな」
ボス部屋の扉の前にはざっと見た感じ10人くらいの人が座っていた。まあそりゃそうか知らない人と一緒に狩るなんていきなりあるわけがない。
「ボスってそんなにすぐわくのか?」
「えーとたしか倒されてから10分ほどは出ないんじゃなかったかなここの部屋は」
つまり他の部屋のことは知らんってことね。
「といってもまだ地下20階のボスが倒されていないらしいから、詳しくはわからないんだよね」
「…ん? じゃあなんで地下50階までって情報が出てるんだ…おかしくないか?」
「ああ、それはスキルで調べたらしいぞ。誰がやったのか知らないけどな…っと次の人が入るみたいだぞっと」
そういえばさっきまで開いていた扉が閉まっている。その扉を開け次のパーティが中へと進んでいった。
「扉が閉まっている時はボスがいるときなんだそうですよリョー」
「へー」
だからさっきまで開いていたのか。じゃあ俺たちは順番が来るまでここで待たないといけないわけね。
感覚で数分ほどたつと扉が開いて中から人が出てきた。さっきは出てこなかったのに…なんでだ? と思ったらこの出てきた人は部屋待ちの最後尾に再びならんだ。なるほどね…出るのはどっちからでもいいのか。進むのも戻るのも自由と。そしてまた次のパーティが入っていく。これで俺たちが先頭になる。
ある程度時間が経過したころ少し周りが騒がしくなった。扉が開かない…と。言われてみればもうひとつ前のパーティの倍くらい時間がすぎているが中々扉がひらかない。
「おい、次のパーティ中覗いてみろよ」
「だってたけ…」
「ん? ああ、そうだな」
たけが扉の取っ手をつかみ中へと押し込むとすんなりと扉が開いた。その隙間から覗き込んだたけは再び扉を閉め、困った顔をして俺のほうを見た。
「スライムがいる…人がいない」
その言葉に部屋の前で待っている人たちからいろんな声が上がった。こちら側に逃げていないってことは全滅したんじゃないか、と。ボスを倒さなければ先の扉は開かないらしく中にいないのならその可能性が高い。高価なアイテムを消費すればダンジョンからの脱出も可能だが、ここで周回しているやつらにそんなものは買えないだろうと。
「これってどうなるんだ?」
「次のパーティが行くしかないだろう?」
じーっと俺たちのほうに視線が向けられる。
「ノノさん、俺たちでボススライムかれると思う?」
「どうでしょう…やり方次第だと思いますが、ルーさんは役に立ちません」
「魔法玉使ったらどうでしょうか?」
「それならダメージは通ると思いますよ」
ルーが嬉しそうにうなずいている。
「じゃあ俺は今回は惹きつけるのが目的になるかな」
「はい、魔法での攻撃がメインになると思われます」
「じゃあ俺は? 同じく魔法玉使えばいいか?」
「リョーは…それでもいいですけど、他に何が出来るのかよくわかりません」
なんだとう? まあ全部のスキルや魔法を教えていないからしかただないか。でもそれはみんな同じなのになんか俺の扱いだけひどくない?
全部焼き上げインベントリにしまっておき、ノノさんと2人で先に朝食を済ませる。順番にみんなも起きてきて全員が食べ終わるといよいよボス戦へとテントの外へと出ていった。
「ん…どうやら順番待ちみたいだな」
ボス部屋の扉の前にはざっと見た感じ10人くらいの人が座っていた。まあそりゃそうか知らない人と一緒に狩るなんていきなりあるわけがない。
「ボスってそんなにすぐわくのか?」
「えーとたしか倒されてから10分ほどは出ないんじゃなかったかなここの部屋は」
つまり他の部屋のことは知らんってことね。
「といってもまだ地下20階のボスが倒されていないらしいから、詳しくはわからないんだよね」
「…ん? じゃあなんで地下50階までって情報が出てるんだ…おかしくないか?」
「ああ、それはスキルで調べたらしいぞ。誰がやったのか知らないけどな…っと次の人が入るみたいだぞっと」
そういえばさっきまで開いていた扉が閉まっている。その扉を開け次のパーティが中へと進んでいった。
「扉が閉まっている時はボスがいるときなんだそうですよリョー」
「へー」
だからさっきまで開いていたのか。じゃあ俺たちは順番が来るまでここで待たないといけないわけね。
感覚で数分ほどたつと扉が開いて中から人が出てきた。さっきは出てこなかったのに…なんでだ? と思ったらこの出てきた人は部屋待ちの最後尾に再びならんだ。なるほどね…出るのはどっちからでもいいのか。進むのも戻るのも自由と。そしてまた次のパーティが入っていく。これで俺たちが先頭になる。
ある程度時間が経過したころ少し周りが騒がしくなった。扉が開かない…と。言われてみればもうひとつ前のパーティの倍くらい時間がすぎているが中々扉がひらかない。
「おい、次のパーティ中覗いてみろよ」
「だってたけ…」
「ん? ああ、そうだな」
たけが扉の取っ手をつかみ中へと押し込むとすんなりと扉が開いた。その隙間から覗き込んだたけは再び扉を閉め、困った顔をして俺のほうを見た。
「スライムがいる…人がいない」
その言葉に部屋の前で待っている人たちからいろんな声が上がった。こちら側に逃げていないってことは全滅したんじゃないか、と。ボスを倒さなければ先の扉は開かないらしく中にいないのならその可能性が高い。高価なアイテムを消費すればダンジョンからの脱出も可能だが、ここで周回しているやつらにそんなものは買えないだろうと。
「これってどうなるんだ?」
「次のパーティが行くしかないだろう?」
じーっと俺たちのほうに視線が向けられる。
「ノノさん、俺たちでボススライムかれると思う?」
「どうでしょう…やり方次第だと思いますが、ルーさんは役に立ちません」
「魔法玉使ったらどうでしょうか?」
「それならダメージは通ると思いますよ」
ルーが嬉しそうにうなずいている。
「じゃあ俺は今回は惹きつけるのが目的になるかな」
「はい、魔法での攻撃がメインになると思われます」
「じゃあ俺は? 同じく魔法玉使えばいいか?」
「リョーは…それでもいいですけど、他に何が出来るのかよくわかりません」
なんだとう? まあ全部のスキルや魔法を教えていないからしかただないか。でもそれはみんな同じなのになんか俺の扱いだけひどくない?
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