【本編完結】異世界に召喚されわがまま言ったらガチャのスキルをもらった

れのひと

文字の大きさ
173 / 356
中央の島

157. 打ち上げ

しおりを挟む
 あらかた調理は終了。後はテーブルが狭いからコピーさせてもらって同じものをもう一つ並べる。ちょっと見た目が寂しいのテーブルの中央にガラスのコップにさした造花のバラを。もちろんバラの数も増やしてワサワサだ。うん、いいんじゃないかな。

「ヨルさーん、あとは食べ物とか並べたら始められるけど」
「じゃあ2階のやつらを呼んでくるわ」

 普通ヨルさんに呼びにいかせないんだけど、部屋をどのように使っているのかわからないので俺が動くわけにはいかない。と思ったら呼びに行くのはアルバトロスか。

 少しするとみんな降りてきたようだ。メンバーはヨルさん、セブンシ―、アルバトロス、ミリエル、ルー、ジエル、俺と名前も知らない護衛メンバーが5名。人数のわりに種類を用意しすぎたかもしれんな。まあいいか。

「あ、ヨルさん始める前にちょっとした余興やっていいかな」
「それはいいのだが、まだ飲み物も配ってないぞ?」
「成功したらわかりますよ。失敗したら別に用意するんで」
「ならいいぞ」

 許可が下りた。そう、ここであのどうしたらいいのか放置していたシャンパンタワーをだすのだ! 成功すればラッキーくらいだが…失敗したら片付けが大変になる。

「ではいきますっ」

 といって取り出したカード。椅子の上に立ち上がり身を乗り出してテーブルの中央あたりをめがけ…びりっと!!

 カシャン カシャン カシャン…

 おっと…端が数個倒れたがほぼ成功。思ったよりきれいに出るもんだな。ワイングラスが割れなかったのはいいことだ。そして中々みんな驚いてくれたみたいだ。やっぱりワイングラスは重ねてタワーなんて普通作ろうとしないよね? お酒が飲める人はそのワイングラスを手に取り飲めない人にはジュースをコップに注いて料理をテーブルに並べる。魚料理各種と肉料理各種、フライドポテトにサラダ…ポテトとサラダは取り皿に取って食べてもらうことにして他は適当にいくつか出しておく。食べたいものを自分の所に持ってきて食べるがよい。足りなくなったらまた出せばいいからね。

「では…平和への第一歩成功を祝って」

 …ん? そうだったの?? 一斉にみんなコップを上へと掲げた。俺を除いて…

 料理は好評だった。ちょっとジエルが羽目を外しすぎて他の人と皿を取り合いになりそうになったりとか…ヨルさんがワインばかりのもうとしてアルバトロスに止められたりしていたくらいで。口を開かなければセブンシ―は大人しいもんだし、ミリエルに至ってはろくに会話もせずため息ばかりついている。人の作ったもの食べながらため息とか失礼だよね? そして知らない間に空いたお皿はアルバトロスが片付けていた。そうだった、片付けないと邪魔になるじゃないか…すっかりそんなことは頭から抜けていた。アルバトロスと視線が合うと口の端を釣り上げていた。くそう…っ

 まあそんなことはいいや。久々の魚はやっぱりいいね。干物じゃ焼くくらいしか出来ないもんね。これからは肉も魚も自由だ! ただ自分が食べている魚が何なのかはよくわからないが。鑑定したってこの世界の魚の説明だからね。白身、赤身、青身で調理方法を変えるくらいしか思いつかなかったし。どう食べたらおいしいのかはよくわからない。スキルさまさまですわ。

 好きに飲み食いしてみんなの手が止まり始めたころ、俺はここで爆弾を投入することに。

「まだデザートがあるけど食べれる?」
「食べる」
「うーん少しなら」

 ジエルが即答し、ヨルさんが迷っている。他は食べすぎたのか口元を抑えた。取り出したのはやっぱりカードだ。破く前にカードの状態で複製してしまっておく。そしてびりっと。見たことのない見た目に口を押えていたルーとセブンシ―とミリエルは目を輝かせた。女の子は鋭いよね…おいしいものだと気がつきすでにロックオンしている。

「食べる人数で切り分けるよ」

 ジエル、ルー、セブンシ―、ミリエル…あとヨルさんと俺とアルバトロス?? 中々切り分けるのが難しい数だな。

「私が切り分けましょう」

 アルバトロスが切り分けたいらしい。レアチーズケーキのホールを手に持ちアルバトロスはキッチンへと向かう。運ぶのに手がいるだろうから俺もその後について行った。
 包丁を手に持ちアルバトロスが真剣な顔をしている…

「なんですか。気が散るのであまり見ないでください」
「お、おう…」

 もしかして意外と甘いものが好きなのかこいつは。

 そしてほとんど同じサイズで切り分けられたケーキを皿にのせみんなの元へ。すごいよろこんでいたよ…ヨルさん以外は。お腹が空いている時に食べたかったとのこと。で、アルバトロスはとても機嫌がよさそうだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

処理中です...