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中央の島
157. 打ち上げ
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あらかた調理は終了。後はテーブルが狭いからコピーさせてもらって同じものをもう一つ並べる。ちょっと見た目が寂しいのテーブルの中央にガラスのコップにさした造花のバラを。もちろんバラの数も増やしてワサワサだ。うん、いいんじゃないかな。
「ヨルさーん、あとは食べ物とか並べたら始められるけど」
「じゃあ2階のやつらを呼んでくるわ」
普通ヨルさんに呼びにいかせないんだけど、部屋をどのように使っているのかわからないので俺が動くわけにはいかない。と思ったら呼びに行くのはアルバトロスか。
少しするとみんな降りてきたようだ。メンバーはヨルさん、セブンシ―、アルバトロス、ミリエル、ルー、ジエル、俺と名前も知らない護衛メンバーが5名。人数のわりに種類を用意しすぎたかもしれんな。まあいいか。
「あ、ヨルさん始める前にちょっとした余興やっていいかな」
「それはいいのだが、まだ飲み物も配ってないぞ?」
「成功したらわかりますよ。失敗したら別に用意するんで」
「ならいいぞ」
許可が下りた。そう、ここであのどうしたらいいのか放置していたシャンパンタワーをだすのだ! 成功すればラッキーくらいだが…失敗したら片付けが大変になる。
「ではいきますっ」
といって取り出したカード。椅子の上に立ち上がり身を乗り出してテーブルの中央あたりをめがけ…びりっと!!
カシャン カシャン カシャン…
おっと…端が数個倒れたがほぼ成功。思ったよりきれいに出るもんだな。ワイングラスが割れなかったのはいいことだ。そして中々みんな驚いてくれたみたいだ。やっぱりワイングラスは重ねてタワーなんて普通作ろうとしないよね? お酒が飲める人はそのワイングラスを手に取り飲めない人にはジュースをコップに注いて料理をテーブルに並べる。魚料理各種と肉料理各種、フライドポテトにサラダ…ポテトとサラダは取り皿に取って食べてもらうことにして他は適当にいくつか出しておく。食べたいものを自分の所に持ってきて食べるがよい。足りなくなったらまた出せばいいからね。
「では…平和への第一歩成功を祝って」
…ん? そうだったの?? 一斉にみんなコップを上へと掲げた。俺を除いて…
料理は好評だった。ちょっとジエルが羽目を外しすぎて他の人と皿を取り合いになりそうになったりとか…ヨルさんがワインばかりのもうとしてアルバトロスに止められたりしていたくらいで。口を開かなければセブンシ―は大人しいもんだし、ミリエルに至ってはろくに会話もせずため息ばかりついている。人の作ったもの食べながらため息とか失礼だよね? そして知らない間に空いたお皿はアルバトロスが片付けていた。そうだった、片付けないと邪魔になるじゃないか…すっかりそんなことは頭から抜けていた。アルバトロスと視線が合うと口の端を釣り上げていた。くそう…っ
まあそんなことはいいや。久々の魚はやっぱりいいね。干物じゃ焼くくらいしか出来ないもんね。これからは肉も魚も自由だ! ただ自分が食べている魚が何なのかはよくわからないが。鑑定したってこの世界の魚の説明だからね。白身、赤身、青身で調理方法を変えるくらいしか思いつかなかったし。どう食べたらおいしいのかはよくわからない。スキルさまさまですわ。
好きに飲み食いしてみんなの手が止まり始めたころ、俺はここで爆弾を投入することに。
「まだデザートがあるけど食べれる?」
「食べる」
「うーん少しなら」
ジエルが即答し、ヨルさんが迷っている。他は食べすぎたのか口元を抑えた。取り出したのはやっぱりカードだ。破く前にカードの状態で複製してしまっておく。そしてびりっと。見たことのない見た目に口を押えていたルーとセブンシ―とミリエルは目を輝かせた。女の子は鋭いよね…おいしいものだと気がつきすでにロックオンしている。
「食べる人数で切り分けるよ」
ジエル、ルー、セブンシ―、ミリエル…あとヨルさんと俺とアルバトロス?? 中々切り分けるのが難しい数だな。
「私が切り分けましょう」
アルバトロスが切り分けたいらしい。レアチーズケーキのホールを手に持ちアルバトロスはキッチンへと向かう。運ぶのに手がいるだろうから俺もその後について行った。
包丁を手に持ちアルバトロスが真剣な顔をしている…
「なんですか。気が散るのであまり見ないでください」
「お、おう…」
もしかして意外と甘いものが好きなのかこいつは。
そしてほとんど同じサイズで切り分けられたケーキを皿にのせみんなの元へ。すごいよろこんでいたよ…ヨルさん以外は。お腹が空いている時に食べたかったとのこと。で、アルバトロスはとても機嫌がよさそうだった。
「ヨルさーん、あとは食べ物とか並べたら始められるけど」
「じゃあ2階のやつらを呼んでくるわ」
普通ヨルさんに呼びにいかせないんだけど、部屋をどのように使っているのかわからないので俺が動くわけにはいかない。と思ったら呼びに行くのはアルバトロスか。
少しするとみんな降りてきたようだ。メンバーはヨルさん、セブンシ―、アルバトロス、ミリエル、ルー、ジエル、俺と名前も知らない護衛メンバーが5名。人数のわりに種類を用意しすぎたかもしれんな。まあいいか。
「あ、ヨルさん始める前にちょっとした余興やっていいかな」
「それはいいのだが、まだ飲み物も配ってないぞ?」
「成功したらわかりますよ。失敗したら別に用意するんで」
「ならいいぞ」
許可が下りた。そう、ここであのどうしたらいいのか放置していたシャンパンタワーをだすのだ! 成功すればラッキーくらいだが…失敗したら片付けが大変になる。
「ではいきますっ」
といって取り出したカード。椅子の上に立ち上がり身を乗り出してテーブルの中央あたりをめがけ…びりっと!!
カシャン カシャン カシャン…
おっと…端が数個倒れたがほぼ成功。思ったよりきれいに出るもんだな。ワイングラスが割れなかったのはいいことだ。そして中々みんな驚いてくれたみたいだ。やっぱりワイングラスは重ねてタワーなんて普通作ろうとしないよね? お酒が飲める人はそのワイングラスを手に取り飲めない人にはジュースをコップに注いて料理をテーブルに並べる。魚料理各種と肉料理各種、フライドポテトにサラダ…ポテトとサラダは取り皿に取って食べてもらうことにして他は適当にいくつか出しておく。食べたいものを自分の所に持ってきて食べるがよい。足りなくなったらまた出せばいいからね。
「では…平和への第一歩成功を祝って」
…ん? そうだったの?? 一斉にみんなコップを上へと掲げた。俺を除いて…
料理は好評だった。ちょっとジエルが羽目を外しすぎて他の人と皿を取り合いになりそうになったりとか…ヨルさんがワインばかりのもうとしてアルバトロスに止められたりしていたくらいで。口を開かなければセブンシ―は大人しいもんだし、ミリエルに至ってはろくに会話もせずため息ばかりついている。人の作ったもの食べながらため息とか失礼だよね? そして知らない間に空いたお皿はアルバトロスが片付けていた。そうだった、片付けないと邪魔になるじゃないか…すっかりそんなことは頭から抜けていた。アルバトロスと視線が合うと口の端を釣り上げていた。くそう…っ
まあそんなことはいいや。久々の魚はやっぱりいいね。干物じゃ焼くくらいしか出来ないもんね。これからは肉も魚も自由だ! ただ自分が食べている魚が何なのかはよくわからないが。鑑定したってこの世界の魚の説明だからね。白身、赤身、青身で調理方法を変えるくらいしか思いつかなかったし。どう食べたらおいしいのかはよくわからない。スキルさまさまですわ。
好きに飲み食いしてみんなの手が止まり始めたころ、俺はここで爆弾を投入することに。
「まだデザートがあるけど食べれる?」
「食べる」
「うーん少しなら」
ジエルが即答し、ヨルさんが迷っている。他は食べすぎたのか口元を抑えた。取り出したのはやっぱりカードだ。破く前にカードの状態で複製してしまっておく。そしてびりっと。見たことのない見た目に口を押えていたルーとセブンシ―とミリエルは目を輝かせた。女の子は鋭いよね…おいしいものだと気がつきすでにロックオンしている。
「食べる人数で切り分けるよ」
ジエル、ルー、セブンシ―、ミリエル…あとヨルさんと俺とアルバトロス?? 中々切り分けるのが難しい数だな。
「私が切り分けましょう」
アルバトロスが切り分けたいらしい。レアチーズケーキのホールを手に持ちアルバトロスはキッチンへと向かう。運ぶのに手がいるだろうから俺もその後について行った。
包丁を手に持ちアルバトロスが真剣な顔をしている…
「なんですか。気が散るのであまり見ないでください」
「お、おう…」
もしかして意外と甘いものが好きなのかこいつは。
そしてほとんど同じサイズで切り分けられたケーキを皿にのせみんなの元へ。すごいよろこんでいたよ…ヨルさん以外は。お腹が空いている時に食べたかったとのこと。で、アルバトロスはとても機嫌がよさそうだった。
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