197 / 356
マリジアナの町
181. 町長の家
しおりを挟む
ルーが帰って来てから身支度を整えローレンスさんが用意した馬車に乗って目的地に向かった。ちなみに身支度にはちょっと時間がかかってしまったのだが、いやな顔せず待っていてくれた。この町の町長に会うことをルーに話したら…
「服を買いに行きましょう」
と言い出したんだよ。ジエルとルーは大丈夫だが、俺とシズクが問題なんだそうだ。まあそんなわけでとりわけ綺麗そうで安めの見栄えもほどほどの服をシズクの分を買ったんだ。ちなみに俺はこの世界に来た時の学生服を着ることにした。ルーに見せたら問題ないと言われたからね。
まあ…町の中の移動だけなのであっさりと目的地に到着。馬車の外に出てその建物を見上げ…まあそれほど驚かなかった。王都で城は遠目でみたし、ヨルさんの家の方が大きい。ただ他の民家に比べれば大きいってくらいかな。
「おっとそうだ。契約召喚…ネコルー、アス」
目の前に魔方陣が2つ現れネコルーとアスが飛び出してきた。初めて試したが箱庭の中にいても呼び出すことは可能らしいね。アスは速俺の肩によじ登り…まああれだ、羽はあるが軽くしか飛べないからちまちまと飛びながらよじ登る。ネコルーは言うまでもなく魚をくわえていた。早く食べてしまいなさい!
2匹の獣魔を呼び出したら若干執事のローレンスさんの顔が引きつっていた。獣魔も一緒でいいと言っていたから呼び出したんだけどね? いきなり建物の中で呼ばなかっただけ良心的だと思うんだけど。そしてそんな視界の端でジエルがネコルーによじ登ろうとしていてルーに叩かれていた。うん…ビラビラした服着てそれはないわ。
コンコンとローレンスさんが案内して連れてきた先の扉を叩いた。場所からしていきなり食堂とかではないみたいだが、建物のわりに部屋数が多いので何の部屋だかわからんな。普通に考えたら居間というか呼び出した人がいる部屋とかになると思うんだが…もしくはとりあえず客間に通して相手を呼んでくるとか? まあよくわからんから黙ってついてきている。
「入ってくれ」
中から声がしてローレンスさんが扉を開けた。俺たちが入るように扉を持ち、手を差し出している。真っ先に中に入ったのはジエル。その後ろからルー、シズク、俺とネコルーとアス。
「よく来てくださった」
そういうと男性は私達にソファーに座るように勧めてきた。
ソファーに座るのは俺とジエル。ジエルの後ろにはルーが立ち俺の後ろにはシズクが。そして俺の肩にアスは乗ったままだし、ネコルは横手に寝そべった。とりあえず大人しくしてくれるようでほっとする。
「この度は孫娘のために譲ってくださったそうでありがとうございました」
話によると港町に住んでいた孫娘が馬車でここに向かう途中で、どうしても馬車を止めなければならなくなったらしい。詳しい理由は本人が許可しない限り教えられないと言われた。まあ身分的に知られたら弱みになるとか何か問題があるのかもしれないからそれ以上聞くのはやめた。
「それにしても…」
とちらりとジエルの方を見る男性。まあ自己紹介をしたのでエルフの姫だということがわかってちょっと驚いていたからね。相変わらず裏でルーが喋る謎仕様だ。まああんな小さな馬車にそんな立場の人がいるなんて思わないわな。俺だったらそんなの知ったらかかわりたくもない。
「こちらは里への帰還中でありますが…困るものがいるのであれば道を譲るくらいは問題のないこと」
いや、ルーがめっちゃ断ってたじゃん! なにしれっと嘘いってんのっ シズクはめんどくさいのか終始よそ見をしているし、ジエルは左横から俺を通り越してその先の寝そべっているネコルーを見て嬉しそう…せめてちゃんと前を向けよと言いたい。
「いえいえ本当に助かりましたから、簡単ではありますがぜひ我が家で食事をしてってください」
「わかりました、それを礼とみなし受け取りましょう」
とりあえず話は終わったみたいだ。実は俺もあまり話は聞いていなかった。まあルーだけは聞いていただろうから問題ないだろう。
「服を買いに行きましょう」
と言い出したんだよ。ジエルとルーは大丈夫だが、俺とシズクが問題なんだそうだ。まあそんなわけでとりわけ綺麗そうで安めの見栄えもほどほどの服をシズクの分を買ったんだ。ちなみに俺はこの世界に来た時の学生服を着ることにした。ルーに見せたら問題ないと言われたからね。
まあ…町の中の移動だけなのであっさりと目的地に到着。馬車の外に出てその建物を見上げ…まあそれほど驚かなかった。王都で城は遠目でみたし、ヨルさんの家の方が大きい。ただ他の民家に比べれば大きいってくらいかな。
「おっとそうだ。契約召喚…ネコルー、アス」
目の前に魔方陣が2つ現れネコルーとアスが飛び出してきた。初めて試したが箱庭の中にいても呼び出すことは可能らしいね。アスは速俺の肩によじ登り…まああれだ、羽はあるが軽くしか飛べないからちまちまと飛びながらよじ登る。ネコルーは言うまでもなく魚をくわえていた。早く食べてしまいなさい!
2匹の獣魔を呼び出したら若干執事のローレンスさんの顔が引きつっていた。獣魔も一緒でいいと言っていたから呼び出したんだけどね? いきなり建物の中で呼ばなかっただけ良心的だと思うんだけど。そしてそんな視界の端でジエルがネコルーによじ登ろうとしていてルーに叩かれていた。うん…ビラビラした服着てそれはないわ。
コンコンとローレンスさんが案内して連れてきた先の扉を叩いた。場所からしていきなり食堂とかではないみたいだが、建物のわりに部屋数が多いので何の部屋だかわからんな。普通に考えたら居間というか呼び出した人がいる部屋とかになると思うんだが…もしくはとりあえず客間に通して相手を呼んでくるとか? まあよくわからんから黙ってついてきている。
「入ってくれ」
中から声がしてローレンスさんが扉を開けた。俺たちが入るように扉を持ち、手を差し出している。真っ先に中に入ったのはジエル。その後ろからルー、シズク、俺とネコルーとアス。
「よく来てくださった」
そういうと男性は私達にソファーに座るように勧めてきた。
ソファーに座るのは俺とジエル。ジエルの後ろにはルーが立ち俺の後ろにはシズクが。そして俺の肩にアスは乗ったままだし、ネコルは横手に寝そべった。とりあえず大人しくしてくれるようでほっとする。
「この度は孫娘のために譲ってくださったそうでありがとうございました」
話によると港町に住んでいた孫娘が馬車でここに向かう途中で、どうしても馬車を止めなければならなくなったらしい。詳しい理由は本人が許可しない限り教えられないと言われた。まあ身分的に知られたら弱みになるとか何か問題があるのかもしれないからそれ以上聞くのはやめた。
「それにしても…」
とちらりとジエルの方を見る男性。まあ自己紹介をしたのでエルフの姫だということがわかってちょっと驚いていたからね。相変わらず裏でルーが喋る謎仕様だ。まああんな小さな馬車にそんな立場の人がいるなんて思わないわな。俺だったらそんなの知ったらかかわりたくもない。
「こちらは里への帰還中でありますが…困るものがいるのであれば道を譲るくらいは問題のないこと」
いや、ルーがめっちゃ断ってたじゃん! なにしれっと嘘いってんのっ シズクはめんどくさいのか終始よそ見をしているし、ジエルは左横から俺を通り越してその先の寝そべっているネコルーを見て嬉しそう…せめてちゃんと前を向けよと言いたい。
「いえいえ本当に助かりましたから、簡単ではありますがぜひ我が家で食事をしてってください」
「わかりました、それを礼とみなし受け取りましょう」
とりあえず話は終わったみたいだ。実は俺もあまり話は聞いていなかった。まあルーだけは聞いていただろうから問題ないだろう。
3
あなたにおすすめの小説
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる