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フィレーネへの帰還

224. 留守

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 結局この後再び怒られた。そんな人外な速度で町中を走ったのかと…人外って言われてもねえ? 俺人なのに。ただちょっとステータスが高いだけ。世界中探せばまだまだ俺よりもすごい人なんてたくさんいるはずだ。俺まだレベル11だし。うん。

 まあ何はともあれこれで解放されたし、さっさとフィレーネに向かいますか。テレポートは…うん、山は山で別になっているみたいだ。つまりここから3回は飛ばないといけないってことだね。草取りをしている間に魔力も結構回復しているし回数も少ないから問題なく俺はフィレーネに戻ることが出来た。

「…ふむ」

 フィレーネの門を見上げつい懐かしいとか思ってしまった。まだ1か月すら離れていなかったのにね。それでも一番長くいた町だからそう思ってしまったのかもしれない。それと…この西平原もしっかりと草が伸びてきて……俺が片付けるしかないよね?

 門をくぐり町の中へと入る。うんうん、この見慣れた感じいいねっ 俺は街並みを眺めながら北にあるヨルさんの家へと向かう。だけど門番の人にたずねたらヨルさんが留守だと聞かされ無駄足になってしまった。

「むぅ…どうしようか」

 少し時間を置けば戻ってくると思うけど、連絡入れてみようか?

『ヨルさん、フィレーネに戻ったけど』
『…リョータ? わりぃちょっと仕事で町離れてる。明日には戻るから話はそれからで頼む』

 なんてことだっ 急いで戻った意味がなかったとか! 捕まって罰で草取りまでやらされたのに…まああんまり罰になっていなかったけども。でもいないのなら仕方ないか。

 俺は西門から外に出て門番から離れたところで箱庭を開いた。明日ヨルさんが戻るまでのんびりと待つことにするのだ。といっても空はうっすらと赤くなり始めているからどっちにしても夕食の時間になる。今日は何を食べようか? そんなことを考えながら家の中へと入り、そのままシズクの部屋に向かい扉をノックする。

「様子はどう?」
「リョータ、今どのあたりだ?」
「もうフィレーネに着いたよ」
「はえーな…まあ子供たちは見ての通りだよ」

 どうやら子供たちはまだ目を覚ましていないみたいだ。今は外見上怪我はないがまだまだ治っていないから体を治すことに集中していて起きないんだろう。

「夕食作るけど食べるだろう?」
「ああ、すまんけど頼む」

 壁に調理場を設置し俺は夕食作りへと向かった。そうだ今日はコロッケにしようか。手作りだと時間がかかりすぎるから冷凍のやつだけど! これを油であげるだけ。後はサラダとスープ、ご飯とパンはどっちがいいだろうか? まあ後で聞けばいいか。

 夕食を食べ終えた後俺は自分の部屋のベッドに転がった。ふかふかで気持ちがいいね。複製しておいてよかったわ。天井を見ながら今日の出来事を思い返す。なんていうか…色々ありすぎだったんじゃないだろうか? そうそうルリアーナさんから御神木復活のための準備金を貰った。まあ準備金と言っても移動などにかかるお金くらいだけど。受け取ったのは金貨10枚。いろんな場所を馬車を利用したらあっという間に終わってしまうかもしれない。まあネコルーに乗って移動すればお金かからないけれども、そもそも俺が道を知らないって言うのが痛いな。だから馬車は利用することになると思う。

『…タさん。今どのあたりですか?』
『ルー? 今はもうフィレーネについてるよ』
『そうなんですね。こちらはジエルの魔力供給の休憩中なんですよ』
『休憩って…まだしばらく続けるってこと?』
『はい、多分3-4日はかかると思います。毎日数時間行っていれば問題なかったんですけどね』

 あーそうか御神木様からしばらく離れていたせいなのか。ルーはそのジエルの世話についているってことなんだな。結構大変そうだ。
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