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逃げてきた聖女
228. スコーンを食べる
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うーん響子はしばらく起きそうにないかな? 気持ちよさそうに寝息を立てて寝ている響子の頭をなでた。どことなく嬉しそうに笑った気がする。
「一つ聞いていいか?」
「ん?」
「その聖女はリョータの恋人か何かか?」
「…は?」
「いやなんつーか距離感て言うのかがかなり近い気がして」
距離感…いわゆる幼馴染の距離感だと思っていたのだがもしかしてこの世界ではこれは近すぎるってことなのか?
「えーと…どちらかというと子供のころから一緒に育った家族みたいなものなんだが」
「つまり両親公認の婚約者ってところか…それなら助けることが出来てよかったな!」
なんていうか考え方の違いなんだろうか? たまーになんかかみ合わないんだよな。訂正するのもめんどくさい。
「どっちにしてもここじゃ関係ないだろう?」
「まあそうなんだが、そうだっ リョータはエルフの里にいってきたんだろう? 色々話を聞かせてくれよ」
あ、ごまかしたな。まあこれ以上話してもややこしいしいいんだけども。俺はエルフの里であったことをヨルさんに聞かせた。別に口止めとかされてないし問題ないよな。
「ほ~ リョータが住んでいた町ににた作り」
「ああ」
「それに御神木様か…こっちの大陸にも同じような木があったんだよな。うーんわりぃが流石に俺じゃわからねぇわ」
まあ簡単に見つかるわけがないよね。そこらにうろついている妖精からの情報もまだないくらいだし。この場所がわかると知れば御神木様を切り倒した当事者くらいか? 切り倒したんじゃないかもだけど。
「そうだヨルさんこれ食べるか? ちょっとしたお試しなんだが」
俺はこの間作ったスコーンを取り出した。
「お? 菓子か。だったらお茶がいるだろう」
ヨルさんがベルを鳴らすと少ししてメイドが茶器を整えてやってきた。ベル一つで何を求めているのかわかるだなんてメイドって優秀なんだな…もしかして俺の持っているメイドのスキルで同じことが出来るんだろうか? ちょっと自分がメイド服着てベルでヨルさんに呼ばれるのを想像して顔をしかめてしまった。自分に当てはめるのが間違ってたわ。これがルーなら…うん、しっくりとくる。そんなことを考えていると目の前にお茶が並び終わっていた。
「じゃあ早速食べてみるわ」
「どうぞ」
ヨルさんがスコーンを手に取り口へと運ぶ。それにしてもここの貴族たちは警戒もせずになんでも口に入れるよな。普通は毒見とかする人がいたりするもんじゃないのか?
「ん? なんかついてるか??」
「目と鼻と口」
「普通だな」
「いや毒見とかしないんだなーって思ってさ」
「ああ、なるほどな。普段はやってるぞ? でもリョータはそんなことはしないだろう??」
「え、そうだけど…」
なんだそれは…つまり俺のことを信用しているというパフォーマンス的な…
「なんだ照れてるのか?」
「うっさい!」
「うん、これうまいなっ」
くそう油断した! 人に信頼されるのが嬉しいなんてどんだけぶりなんだよっ 小さい頃なら手放して喜んでいただろうがなんていうか…こそばゆいっ
「…ええ~…目を覚ましたらりょーちゃんとイケメンさんが雪ちゃんフィールド…」
「なんでだよって…響子大丈夫か?」
「うん、ちょっと疲れてただけ。それよりも…」
ちらちらとヨルさんと俺の顔を見比べるのやめい! 響子いわく雪ちゃんフィールドというのはいわゆる男同士の恋愛的なあれだ。雪乃がその手の書物をよく読んでいた。まあ…人の好みに文句を言ってはいけない。
「響子も食べるか?」
「あ、スコーン。食べる食べるっ」
響子の分の茶器も置かれていたのでポットに残っていたお茶を注いでやる。さっきと違って響子もだいぶ落ち着いたのか普通に食べているな。これなら食べ終わった後で話をきけるだろうか。
「一つ聞いていいか?」
「ん?」
「その聖女はリョータの恋人か何かか?」
「…は?」
「いやなんつーか距離感て言うのかがかなり近い気がして」
距離感…いわゆる幼馴染の距離感だと思っていたのだがもしかしてこの世界ではこれは近すぎるってことなのか?
「えーと…どちらかというと子供のころから一緒に育った家族みたいなものなんだが」
「つまり両親公認の婚約者ってところか…それなら助けることが出来てよかったな!」
なんていうか考え方の違いなんだろうか? たまーになんかかみ合わないんだよな。訂正するのもめんどくさい。
「どっちにしてもここじゃ関係ないだろう?」
「まあそうなんだが、そうだっ リョータはエルフの里にいってきたんだろう? 色々話を聞かせてくれよ」
あ、ごまかしたな。まあこれ以上話してもややこしいしいいんだけども。俺はエルフの里であったことをヨルさんに聞かせた。別に口止めとかされてないし問題ないよな。
「ほ~ リョータが住んでいた町ににた作り」
「ああ」
「それに御神木様か…こっちの大陸にも同じような木があったんだよな。うーんわりぃが流石に俺じゃわからねぇわ」
まあ簡単に見つかるわけがないよね。そこらにうろついている妖精からの情報もまだないくらいだし。この場所がわかると知れば御神木様を切り倒した当事者くらいか? 切り倒したんじゃないかもだけど。
「そうだヨルさんこれ食べるか? ちょっとしたお試しなんだが」
俺はこの間作ったスコーンを取り出した。
「お? 菓子か。だったらお茶がいるだろう」
ヨルさんがベルを鳴らすと少ししてメイドが茶器を整えてやってきた。ベル一つで何を求めているのかわかるだなんてメイドって優秀なんだな…もしかして俺の持っているメイドのスキルで同じことが出来るんだろうか? ちょっと自分がメイド服着てベルでヨルさんに呼ばれるのを想像して顔をしかめてしまった。自分に当てはめるのが間違ってたわ。これがルーなら…うん、しっくりとくる。そんなことを考えていると目の前にお茶が並び終わっていた。
「じゃあ早速食べてみるわ」
「どうぞ」
ヨルさんがスコーンを手に取り口へと運ぶ。それにしてもここの貴族たちは警戒もせずになんでも口に入れるよな。普通は毒見とかする人がいたりするもんじゃないのか?
「ん? なんかついてるか??」
「目と鼻と口」
「普通だな」
「いや毒見とかしないんだなーって思ってさ」
「ああ、なるほどな。普段はやってるぞ? でもリョータはそんなことはしないだろう??」
「え、そうだけど…」
なんだそれは…つまり俺のことを信用しているというパフォーマンス的な…
「なんだ照れてるのか?」
「うっさい!」
「うん、これうまいなっ」
くそう油断した! 人に信頼されるのが嬉しいなんてどんだけぶりなんだよっ 小さい頃なら手放して喜んでいただろうがなんていうか…こそばゆいっ
「…ええ~…目を覚ましたらりょーちゃんとイケメンさんが雪ちゃんフィールド…」
「なんでだよって…響子大丈夫か?」
「うん、ちょっと疲れてただけ。それよりも…」
ちらちらとヨルさんと俺の顔を見比べるのやめい! 響子いわく雪ちゃんフィールドというのはいわゆる男同士の恋愛的なあれだ。雪乃がその手の書物をよく読んでいた。まあ…人の好みに文句を言ってはいけない。
「響子も食べるか?」
「あ、スコーン。食べる食べるっ」
響子の分の茶器も置かれていたのでポットに残っていたお茶を注いでやる。さっきと違って響子もだいぶ落ち着いたのか普通に食べているな。これなら食べ終わった後で話をきけるだろうか。
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