【本編完結】異世界に召喚されわがまま言ったらガチャのスキルをもらった

れのひと

文字の大きさ
243 / 356
逃げてきた聖女

227. 無茶な行動

しおりを挟む
『おーいリョータ戻ってるぞ』
『わかったそっちに向かうよ』

 ちょうどギルドで草取りの報酬を受け取ったところでヨルさんから連絡が入った。報酬の金額は銀貨5枚。今となっては多いのか少ないのかよくわからないね。


ガチャポイント:219446→220573


 ポイントはぼちぼちかな? まあ髪の毛にはかなわないけれどね。残念だったのはやっぱり何度も草取りをしていた場所なので薬草関係が一切手に入らなかったことくらいか。まあジエルが作ってくれたポーションがたくさんあるから当分だいじょうぶだけども。

 ヨルさんの家についた。門番さんに言ってあったのかろくに話もせずに中へと通される。楽でいいけどもうちょっと会話しようよ?

「久しぶりだなリョータ」
「ヨルさんも元気そうで。ところでジルベスターさんは戻っているのかな?」
「いや、まだ帰ってきていないんだ。ダルシア男爵の捜索に参加していると思うが…」

 なるほど、話の感じからすると連絡がないのか。

「それでダルシア男爵はどうやって逃げたんだ?」

 そう、結構な人数に連れられて馬車に閉じ込められて連れていかれたダルシア男爵はどうやって逃げることが出来たのか…

「それなんだが、俺も詳しくは聞かされていなくて逃げたことしか知らないんだ」
「ふむ…」
「あー後それがどうやら王都につく直前のことだったらしい」

 ふむ…怪我人も出てるみたいだし襲撃されたとかなのかな? 急いで戻った割に情報が無くて残念だな。俺を襲ったダルシア男爵…手に入れたかったネコルー一体何だったのだろうか。

「ん? なんか廊下が騒がしいな…」

 ヨルさんが扉に近づき開けようとしたところで勢いよく扉が外側へと開かれ、飛び込んできた人物がヨルさんの胸に飛び込む形となった。

「りょーちゃんっ りょーちゃん!」
「響子? なんでここに…」

 ヨルさんの胸に飛び込んだまま俺に向けて手を伸ばす響子。その表情は必死で言いたいことがうまく言えず歪んでいる。

「あー…これが俺が出かけてた理由なんだ」

 えーと…ヨルさんが響子を連れてきたってこと? なんで?? もしかして出来るだけ早く戻ってくれってこっちがメインの話なのか?

「ほら、リョータはいるだろう? とりあえず落ち着いてくれって」
「りょーちゃん…っ」
「響子ほら」

 俺が両手を広げると響子が俺の胸に飛び込んできた。

「りょーちゃんだぁ~ りょーちゃんの匂いがする」
「って嗅ぐな!」

 これだけ言うとにへらと笑い膝から崩れ落ちた。ええ~…一体なんなんだよ。

 響子をソファーに横に寝かせヨルさんと向かい合って話を進める。なんでもムコン男爵あてに連続で手紙が届いたんだそうだ。だけどジルベスターさんは留守だし仕方なくヨルさんが手紙を確認したところ、聖女である響子からの手紙だった。その内容は助けを求めるもの、リョータにどうやったら会えるかというものだったとか。日に日にその手紙の差し出し場所がフィレーネへと近づいてくることを不審に思いヨルさんは最後に手紙を出されたと思う町の方へと向かうことにした。その途中盗賊に囲まれている響子を見つけ保護してきたという話だった。

「一人旅とか無茶するな~」
「まあ詳しくはまだ聞いていないんだわ」

 盗賊に襲われてたってヨルさんが間に合わなければやばかったんじゃないのか?

「たけと雪乃はどうしたんだろう…」
「えーと勇者と大賢者だっけ? どうやら2人をおいて一人で来たらしいぜ」
「普通じゃないよな…」
「そうだな」

 聖女…いやその前に女の子一人で旅をするとかありえないだろう。でもシズクの例もあるし、ありなのか? 何にせよ響子が落ち着いて体を休めてから話を聞くしかない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。 彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。 最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。 一種の童話感覚で物語は語られます。 童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。 僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。 そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに…… パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。 全身ケガだらけでもう助からないだろう…… 諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!? 頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。 気づけば全魔法がレベル100!? そろそろ反撃開始してもいいですか? 内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...