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境界門
247. 探す
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王都から北へと出発し、村を2つほど通過した。村を通過する際に住んでいた住人に変わったことはないかだけたずねてみたが、新しい住人が増えたという話もないし、不審人物の目撃などもなく…いたって普段通りの生活だという話だ。ただ俺たちのように他の貴族が村に寄ったらしく、似たようなことを聞いて去っていったとか何とか。多分ジエルベスタ―さんだろう。
「あ、そうだルーそろそろ昼にしようか」
「わかりました」
さっきから他の馬車を見かけなくなったのでこのタイミングで昼食にすることに。念のために街道の脇によってから馬車をインベントリにしまい、箱庭へと移動した。
箱庭に入ると朝あれだけ人がいたのにそれぞれが自由に行動をしており静かな物だった。ケーキ屋に入るとエルナとミイしかいない。どうやらジエルはおやつを手に入れて帰っていったみたいだな。
「おかえりなさいです」
「です~」
「そろそろ昼にするから店を閉めて家に来てくれよ」
「わかりました」
「はーい」
あと家に戻っていないのは誰だ? 地図を取り出し確認すると…
「あれ?」
シズクも響子もどっちもいないじゃないか。ヨルさんがいないのは帰ったからだからいいけど、2人はどこに行ったんだ?
「どうかしましたか?」
「いや…シズクと響子がいないみたいなんだ」
「扉を使ってどこかにでかけたんじゃないんですか?」
「多分ね」
だけど昼食の時間になるというのにいないというのはおかしい。どこかで自分たちで食事をするのならそれでもいいけど、はっきり言って食べられるけどおいしいっていうものは売っていない。たしか2人が登録した扉は中央の島と王都…登録がいくつ出来るかまだ確認していないからわからないが、自分たちで登録していなければこの2ヶ所だけだ。
「どうかしたんですか?」
「ですか~?」
「シズクさんとキョーコさんがいないみたいなの」
家にやってきたエルナとミイがルーと会話している。それが目に入った俺はひとまず目の前のこと…みんなの昼食を用意することにした。まあ増やして出すだけなんだが。
「先に食べててくれ。俺はちょっと2人をさがしてみるわ」
「私も手伝いましょうか?」
「いやいいよ。もしかしたらここにすぐ戻ってくるかもしれないから、ルーは2人が戻ってきたら教えてくれ」
そういうと俺は箱庭から王都へと扉を経由して移動した。中央の島も扉を繋げておけばよかったんだが、俺は素通りしてしまったのでここしか扉が繋げていない。はっきり言って王都は広いからあまり探したくないんだが…
「さて、どこから探したものか」
ぶらぶらと町の中を歩きながら2人がよりそうなところを考える。王都でわざわざ食事や甘味を買うということはないだろう。あまりおいしくないし、甘味に関してははっきり言って高すぎる。となるとそれ以外で欲しいもの…いや、物とは限らないのか?
「わからん…」
特徴としてはフードを被った2人組だからその分見つけやすいと思ったんだけど、一緒じゃない場合もある…か。
『リョータさんシズクさんとキョーコさん戻りましたよ』
ルーから連絡が入った。俺が探している間に2人が戻って来たみたいだ。俺は適当な建物の裏手に周ってから箱庭を開き移動した。
「りょーちゃんお帰り~」
「おかえりってお前な…」
「ん~?」
「いやとりあえず食べてくれ」
言いたいことは色々あるがまずは昼食を済ませよう。それに一度渡したスキルを取り上げることも出来ないから外出するなとも言えない。
昼食後俺はシズクと響子と向き合って座っていた。
「えーとりょーちゃん?」
俺が中々しゃべりださないのにしびれを切らしたのか響子が話しかけてくる。さて…
「2人ともどこ行ってたんだ?」
「ちょっと王都へ」
「シズクは?」
「キョーコが一人じゃいやだって言うからついていったんだよ」
「何をしに?」
この言葉に響子が視線をさまよわせ始める。どうやらちょっと言いにくいもののようだ。
「あーキョーコがパン…」
「あーあーあーあーあー!」
「なんだよもうっ」
響子が大声をあげてシズクの声を遮った。パン…? パン…ああなるほど。必要な物だろうし別に見せろとか言わないから恥ずかしがることもないと思うんだが。
「うう…もうちょっと数欲しくて。今まで自由に買い物出来なかったから~ それにこの間の島には全然売ってなかったんだよぉ」
「…ルーちょっとそのイヤリング貸して」
「あ、はい」
ルーからイヤリングを受け取り自分のイヤリングとセットで複製をする。今の魔力量ならさほど気にならないが魔道具を2つ複製とか消費がやばいな。
「2人も俺と連絡が取れるようにこれ付けてくれ」
「あっ 電話みたいなやつだ~」
ひとまずこれで探し回るってことだけは無くなったかな。ただなくしたり取られたりしたら意味がない。
「あ、そうだルーそろそろ昼にしようか」
「わかりました」
さっきから他の馬車を見かけなくなったのでこのタイミングで昼食にすることに。念のために街道の脇によってから馬車をインベントリにしまい、箱庭へと移動した。
箱庭に入ると朝あれだけ人がいたのにそれぞれが自由に行動をしており静かな物だった。ケーキ屋に入るとエルナとミイしかいない。どうやらジエルはおやつを手に入れて帰っていったみたいだな。
「おかえりなさいです」
「です~」
「そろそろ昼にするから店を閉めて家に来てくれよ」
「わかりました」
「はーい」
あと家に戻っていないのは誰だ? 地図を取り出し確認すると…
「あれ?」
シズクも響子もどっちもいないじゃないか。ヨルさんがいないのは帰ったからだからいいけど、2人はどこに行ったんだ?
「どうかしましたか?」
「いや…シズクと響子がいないみたいなんだ」
「扉を使ってどこかにでかけたんじゃないんですか?」
「多分ね」
だけど昼食の時間になるというのにいないというのはおかしい。どこかで自分たちで食事をするのならそれでもいいけど、はっきり言って食べられるけどおいしいっていうものは売っていない。たしか2人が登録した扉は中央の島と王都…登録がいくつ出来るかまだ確認していないからわからないが、自分たちで登録していなければこの2ヶ所だけだ。
「どうかしたんですか?」
「ですか~?」
「シズクさんとキョーコさんがいないみたいなの」
家にやってきたエルナとミイがルーと会話している。それが目に入った俺はひとまず目の前のこと…みんなの昼食を用意することにした。まあ増やして出すだけなんだが。
「先に食べててくれ。俺はちょっと2人をさがしてみるわ」
「私も手伝いましょうか?」
「いやいいよ。もしかしたらここにすぐ戻ってくるかもしれないから、ルーは2人が戻ってきたら教えてくれ」
そういうと俺は箱庭から王都へと扉を経由して移動した。中央の島も扉を繋げておけばよかったんだが、俺は素通りしてしまったのでここしか扉が繋げていない。はっきり言って王都は広いからあまり探したくないんだが…
「さて、どこから探したものか」
ぶらぶらと町の中を歩きながら2人がよりそうなところを考える。王都でわざわざ食事や甘味を買うということはないだろう。あまりおいしくないし、甘味に関してははっきり言って高すぎる。となるとそれ以外で欲しいもの…いや、物とは限らないのか?
「わからん…」
特徴としてはフードを被った2人組だからその分見つけやすいと思ったんだけど、一緒じゃない場合もある…か。
『リョータさんシズクさんとキョーコさん戻りましたよ』
ルーから連絡が入った。俺が探している間に2人が戻って来たみたいだ。俺は適当な建物の裏手に周ってから箱庭を開き移動した。
「りょーちゃんお帰り~」
「おかえりってお前な…」
「ん~?」
「いやとりあえず食べてくれ」
言いたいことは色々あるがまずは昼食を済ませよう。それに一度渡したスキルを取り上げることも出来ないから外出するなとも言えない。
昼食後俺はシズクと響子と向き合って座っていた。
「えーとりょーちゃん?」
俺が中々しゃべりださないのにしびれを切らしたのか響子が話しかけてくる。さて…
「2人ともどこ行ってたんだ?」
「ちょっと王都へ」
「シズクは?」
「キョーコが一人じゃいやだって言うからついていったんだよ」
「何をしに?」
この言葉に響子が視線をさまよわせ始める。どうやらちょっと言いにくいもののようだ。
「あーキョーコがパン…」
「あーあーあーあーあー!」
「なんだよもうっ」
響子が大声をあげてシズクの声を遮った。パン…? パン…ああなるほど。必要な物だろうし別に見せろとか言わないから恥ずかしがることもないと思うんだが。
「うう…もうちょっと数欲しくて。今まで自由に買い物出来なかったから~ それにこの間の島には全然売ってなかったんだよぉ」
「…ルーちょっとそのイヤリング貸して」
「あ、はい」
ルーからイヤリングを受け取り自分のイヤリングとセットで複製をする。今の魔力量ならさほど気にならないが魔道具を2つ複製とか消費がやばいな。
「2人も俺と連絡が取れるようにこれ付けてくれ」
「あっ 電話みたいなやつだ~」
ひとまずこれで探し回るってことだけは無くなったかな。ただなくしたり取られたりしたら意味がない。
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