58 / 356
旅支度
とあるギルド職員視点②
しおりを挟む
本日も私は監視の仕事が入るまではギルドで書類仕事をしていた。監視をするのは主に目の前で確認をしないと仕事が終わったかどうかが判断しにくい物のために、用意された仕事になる。なのでそう毎日ある仕事ではない。そう…ないはずなんだ。
「仕事だよ」
「…どの?」
「監視」
「わかりました…」
それなのに珍しく連日仕事が監視をすることになるとは。
「これが依頼書な」
「……私の目が悪いのかな?」
そこには昨日と同じ仕事の内容が書かれていた。西平原の草取り…昨日の時間がかかってしまった計算を思い出して血の気が下がったのがわかる。きっと今私の顔は顔色が悪いことだろう。
「昨日と同じ子だね」
「そうですか…やっぱり。これ、他の人に代われませんか?」
「…同じ内容、同じ人。なら監視も同じ人がやれば効率がいい。わかるよね?」
「はい…」
「じゃあさっさと行くっ」
半ば追い出されるかのように私はギルドを出発することになった。とても足取りが重い…
西門のところで待っているとやはり昨日の人が来たことにがっかりとしてしまう。同じ名前の違う人であれば良かったのにと思ってしまうくらいに。
「では始めますね~」
「お手柔らかにお願いします…」
私が言えるのはこれだけだった。なぜか私の言ったこの言葉に首を傾げていましたが。
さて…昨日と同じように彼は走り出しました。少し違うところとしては昨日は連れていなかった獣魔だと思われる生き物を連れていることでしょうか。どうやら追いかけっこをする形で獣魔と交流をしながらついでに草を取るつもりのようです。まあどっちがついでなのかもうよくわかりませんが。
驚きました。彼の連れていた獣魔はかなり足が速いようですね。昨日彼が走るのもずいぶん早く感じたものですが、それよりも早く獣魔は走っていきます。あっ
「まってくださいよ~」
そうでした。今回は早いうちから草取りの範囲を確認しておきたいのです。昨日のように時間がかかってしまうとさらに面倒になりますからね。あー…でももう姿が見えません。まあ私が見るのは草取りをした範囲ですので別に姿は見えなくてもいいんですけどね。
…舐めていましたこの仕事。普段書類整理ばかりをしているので、どうやら私は運動が足りていなかったみたいです。息が切れてとても苦しいです。ですが門のところにまで戻らなければ意味がないのです。ここで足を止めても誰も文句は言わないでしょうが、自力で戻らなくては仕事を完了することすらできないのです。
もつれるようにふらつきながらもやっと門が見えてきました。彼は…いましたね。どうやら休憩していたみたいです。
「あああ…ありがとうございます~~」
「じゃあもう1往復行ってくるね?」
「私は休んでおります…」
差し出されたコップには水がなみなみと注がれています。私はそれを飲み干し。地面に座り休憩を取ります。あー空はこんなに青かったのですね~…頬に受ける風を感じながら私は仕事も忘れぼんやりと空を眺めます。運動の後の一杯はなぜこんなにおいしいのでしょうか。
「おや…」
そこでやっと気がつきました。このコップガラス製ですね。こんな高い物を壊したら今日の仕事が無駄になってしまいます。ですが…こんなコップを使用している人が草取りなんてする必要があるんですかね? ちょっとそのあたりが気になるところです。
「仕事だよ」
「…どの?」
「監視」
「わかりました…」
それなのに珍しく連日仕事が監視をすることになるとは。
「これが依頼書な」
「……私の目が悪いのかな?」
そこには昨日と同じ仕事の内容が書かれていた。西平原の草取り…昨日の時間がかかってしまった計算を思い出して血の気が下がったのがわかる。きっと今私の顔は顔色が悪いことだろう。
「昨日と同じ子だね」
「そうですか…やっぱり。これ、他の人に代われませんか?」
「…同じ内容、同じ人。なら監視も同じ人がやれば効率がいい。わかるよね?」
「はい…」
「じゃあさっさと行くっ」
半ば追い出されるかのように私はギルドを出発することになった。とても足取りが重い…
西門のところで待っているとやはり昨日の人が来たことにがっかりとしてしまう。同じ名前の違う人であれば良かったのにと思ってしまうくらいに。
「では始めますね~」
「お手柔らかにお願いします…」
私が言えるのはこれだけだった。なぜか私の言ったこの言葉に首を傾げていましたが。
さて…昨日と同じように彼は走り出しました。少し違うところとしては昨日は連れていなかった獣魔だと思われる生き物を連れていることでしょうか。どうやら追いかけっこをする形で獣魔と交流をしながらついでに草を取るつもりのようです。まあどっちがついでなのかもうよくわかりませんが。
驚きました。彼の連れていた獣魔はかなり足が速いようですね。昨日彼が走るのもずいぶん早く感じたものですが、それよりも早く獣魔は走っていきます。あっ
「まってくださいよ~」
そうでした。今回は早いうちから草取りの範囲を確認しておきたいのです。昨日のように時間がかかってしまうとさらに面倒になりますからね。あー…でももう姿が見えません。まあ私が見るのは草取りをした範囲ですので別に姿は見えなくてもいいんですけどね。
…舐めていましたこの仕事。普段書類整理ばかりをしているので、どうやら私は運動が足りていなかったみたいです。息が切れてとても苦しいです。ですが門のところにまで戻らなければ意味がないのです。ここで足を止めても誰も文句は言わないでしょうが、自力で戻らなくては仕事を完了することすらできないのです。
もつれるようにふらつきながらもやっと門が見えてきました。彼は…いましたね。どうやら休憩していたみたいです。
「あああ…ありがとうございます~~」
「じゃあもう1往復行ってくるね?」
「私は休んでおります…」
差し出されたコップには水がなみなみと注がれています。私はそれを飲み干し。地面に座り休憩を取ります。あー空はこんなに青かったのですね~…頬に受ける風を感じながら私は仕事も忘れぼんやりと空を眺めます。運動の後の一杯はなぜこんなにおいしいのでしょうか。
「おや…」
そこでやっと気がつきました。このコップガラス製ですね。こんな高い物を壊したら今日の仕事が無駄になってしまいます。ですが…こんなコップを使用している人が草取りなんてする必要があるんですかね? ちょっとそのあたりが気になるところです。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
296
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる