たとえばこんな異世界ライフ

第１章 白石直人

１話 初めまして夢の国？

「うわっ！」

　驚いて飛び起きた。
　ベッドに寝ていた所を見ると、どうやら夢だったようだ。

「あー驚いた～」
「どうかされましたか？」
「いやね、もう死んだかとおも…」
「ご無事でなによりです。」
「……」

　とりあえず状況確認をしてみよう。１５歳の誕生日を迎えた朝、学校に登校するために部屋の扉を開けた…はず。そしたらなんか浮遊間と青い空間を見た。んで……そのまま落ちた。…で今。

　……だれ？
　というか自分の部屋じゃないし！！

　辺りを見回して見ると、全く知らない部屋だった。目の前には長い金髪を一つの三つ編みで束ねた、青い目の少女が心配そうに覗きこんでいる。どうみても日本人には見えない。

　あれ…？
　今言葉が通じていたような……
　あー…まだ夢の中っていうことかっ

「あのー…」

　一人で納得していると、再び少女が話しかけてきた。

「わたくしは、クラスタ。この町で冒険者をしております。」

　冒険者？ずいぶん楽しそうな夢だな！
　でも…夢ならもうちょっと状況がわかりそうなものなんだけど、まったくわからん。なんでだ？
　そうだ！

「直人、白石直人しらいしなおと。」
「しろ…？」
「あー、ナオト・シライシ。名前が直人だよ。」
「ナオトさんですか。」
「ところで…ここはどこ？どうやら名前以外何もわからないかもしれない…」

　まずは自己紹介をして記憶喪失のふりをすることにした。まあ、知らないのは嘘だじゃないし？いいよね？



　食事しなが話そうということで、移動することになった。後について階段を降りていくと、食堂のような所にでた。どうやらここは宿のようだ。クラスタに案内されるまま椅子に腰掛け、食事は見てもよくわからなかったのでクラスタに任せ注文してもらう。それを待ちながらここのことを少し教えてもらった。


　・ここは港町『ヴィータ』
　・生命の守護神に守られている
　・冒険者ギルドなど、色々ギルドがある


　と、ザックリと説明してくれた。
　せっかくだから冒険者とかやってみたいよなー

「そのギルド？に行けば冒険者になれるのか？」
「ギルドで登録すれば誰でもなれます。でも…」

　クラスタは少し困った顔をしていた。

「ナオトさんは浜辺で倒れていたんですよ？」
「ん？そうなんだ？？」
「町周辺の魔物は弱いのに…」

　あーなるほど。心配されてるわけね。

「あ、そうでした。これを…」

　クラスタは小さめな麻袋を渡してきた。受け取ると程々にずっしり重さを感じる。

「倒れていた周辺に落ちていましたのでナオトさんの持ち物かと。」
「どうも？」



　身に覚えはないがとりあえず受け取ることにした。するとクラスタの顔にぱっと花が咲いたかのように、いいことを思いついたという感じに両手を合わせた。

「そうだ、ステータスを見ましょう。」
「ステータス？」

　ステータスがあるのか…まるでゲームみたいだな。



　クラスタの説明によるとステータスはギルドであればどこでもみることができるそうで、一般的には冒険者ギルドで調べるものらしい。

「冒険者を勧めていいのかの判断材料にしましょう。」

と言うので、二人で冒険者ギルドに向かうことになった。