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第2章 転移者
18話 王女アストレア
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王に会う手続きをすませ、会議室と思われるくらいの部屋に通される。
「なあ、王様とかに会うのってこう…長い絨毯の先に豪華な椅子があって王様が座っているゲームでよく見るやつみたいな?あれじゃないの?」
「謁見の間な。まあ普通そうなのだが、今回は表だった内容ではないからな。知っているのも少数だ。」
少しの間雑談をしながら待っていると、扉が開き2人の人間が入ってきた。1人は王様だ。もう1人は銀髪の長い髪をした15.6歳くらいの女の子だった。 どちらも高そうな服を着ている。
クラスタとテンタチィオネは王様を確認すると、膝をついて頭を下げた。直人も真似をすることにした。
「頭をあげよ。」
王様が手を上げ頭をさげている3人に声をかける。
「して、そちらが『勇者』かね?」
「はい、『勇者』直人でございます。まだこの世界にきて日が浅いゆえ能力は高くありません。そしてこちらが『勇者』を保護していたものでクラスタと申します。」
「クラスタと申します。」
紹介されクラスタと直人は頭を下げた。
「魔王の動きはどうなっている?」
「今のところ進軍してくる気配はありません。」
動きと言うかそもそも攻める気ないよな?
そんなことを考えていると王様と一緒に入ってきた女の子が声をかけてきた。
「あなたが『勇者』様?」
「はい、どうやらそのようでまだ力はありませんが『勇者』として召喚されました。直人と申します。」
「そう……私は王の娘。アストレアと呼ぶがいい。」
王女は右手を差し出し握手を求めた。
王女と握手……?
少し疑問は残るが手を下げる気は無いようなので、右手を出す。すると王女は両手で握り込んできた。手に紙のようなものを握らせられた。
ん…?
「うむ。『勇者』とやらに会えて妾は感激したぞ。」
そう言うともう用はないと言うばかりに部屋から出て行った。
「すまんな。会ってみたいと言うので連れてきたのだが、もう気がすんだようだ。」
「いえ、そんな…」
慌てて受け取った紙をポケットにしまう。
「さて今後のことだが、『勇者』殿にはこの世界に慣れていただき、能力の向上をしてもらいたい。テンタチィオネはその手助けと魔王の動向を見張ってくれ。」
「誠心誠意努めさせていただきます。」
テンタチィオネが片膝ついて頭を下げたので、後について同じく真似をする。王様はうんうんと頷いていた。
「もう下がってよいぞ。あぁそうだそこの娘に金一封を。」
王様がそう言うとすぐそばに控えていた人がクラスタに何か手渡した。
「それでは失礼します。」
3人は頭を下げ、部屋から退室した。
王城から出ると、辺りは大分日が落ちていた。
「今日はひとまずここで宿でも取るか。」
テンタチィオネの提案にしたがい、まずは宿を取ることになった。宿に入り手続きをしているとポケットにいれた紙を思い出した。先程王女様から受け取ったものだった。
「あ……ちょっと街中を探索していてもいいかな?」
「もう暗くなるから早めに戻れよ。」
「あぁわかった。」
宿を飛び出しそこから少し離れる。2人が来ていないことを確認してから紙を開いた。どうやら手紙のようだ。
《勇者様に折り入ってお話があります。城から帰られました後、冒険者ギルド裏通りに必ずお越しくださいませ。》
と、書かれていた。
なんだ……?
よくわからないが必ず来いとある。すっぽかしたら後で大変なことになりそうな予感がする。
「…冒険者ギルドは城と反対側だったよな。」
出来るだけ急いで冒険者ギルドの方へ向かうことにした。
「遅いですわ…」
その頃冒険者ギルドの裏通りで待っていたアストレアは独り言をつぶやいていた。
「いくらなんでも待たせすぎですわ。」
そこへ丁度直人が後ろから近づいた。
「申し訳ありません。それにしても王女様は後ろにも目があるのですか?」
「ひゃうっ」
アストレアは突然の声に驚き変な声を上げる。
「お、驚かせないでくださいまし。」
「そんなつもりはなかったのですが…」
「まあいいわ。話はこちらでしましょう。」
アストレアの『ディメンションウオール』は直人のものより狭かった。家具はかろうじて机と椅子があるくらいだ。
「とりあえずかけよ。」
王女に勧められ座る。
「それでお話というのは……?」
「…………」
何か考え込んでいるのか顎に指をかけて下を向いている。
「…うん。順番に聞いていこうか。」
どうやら何か順番に聞かれるらしい。
「まずはお主の事だが、本当に『勇者』か?」
「どうなんでしょう?テンタチィオネに召喚されたのは確からしいんですが、防具も武器も未だ持たず、魔法もそれほど使えません。魔力だけは多いですね。あ、称号に勇者候補?って前は書いてありましたね。」
「ふむ。ステータスは見せてもらえまいか?」
「はあ、いいですよ?」
少し久しぶりにスマホを起動した。充電出来ないのにまだ動いているから不思議である。
名前 白石 直人
性別 男
年齢 15歳
種族 人間族
職業 学生
レベル 25
体力 2345/2345
魔力 21580/21580
称号 転移者 勇者 冒険初心者 魔王の身内? 王女の友人?
魔法 火魔法 4
水魔法 1
風魔法 1
土魔法 1
光魔法 1
闇魔法 1
氷魔法 1
雷魔法 1
空間魔法 10
生活魔法 5
スキル 物理耐性 5
魔法耐性 1
武術スキル 8
体術スキル 5
鑑定スキル 1
開錠スキル 1
加護 地球神の加護 1
また火魔法のレベルが上がっているくらいかな。
王女はスマホの画面を食い入るように見つめている。
「なんじゃこれは……っこの魔道具も不思議じゃが、そして勇者と書いてある。問題はこの魔王の身内?ってところだが…」
確かに。勇者で魔王の身内とかないわな。さすが夢である。これはあれですか?王女様に説明コース?
「…………」
「妾の話を進める前に説明を頼めるか?」
はい、予想通りでしたっ!
「なあ、王様とかに会うのってこう…長い絨毯の先に豪華な椅子があって王様が座っているゲームでよく見るやつみたいな?あれじゃないの?」
「謁見の間な。まあ普通そうなのだが、今回は表だった内容ではないからな。知っているのも少数だ。」
少しの間雑談をしながら待っていると、扉が開き2人の人間が入ってきた。1人は王様だ。もう1人は銀髪の長い髪をした15.6歳くらいの女の子だった。 どちらも高そうな服を着ている。
クラスタとテンタチィオネは王様を確認すると、膝をついて頭を下げた。直人も真似をすることにした。
「頭をあげよ。」
王様が手を上げ頭をさげている3人に声をかける。
「して、そちらが『勇者』かね?」
「はい、『勇者』直人でございます。まだこの世界にきて日が浅いゆえ能力は高くありません。そしてこちらが『勇者』を保護していたものでクラスタと申します。」
「クラスタと申します。」
紹介されクラスタと直人は頭を下げた。
「魔王の動きはどうなっている?」
「今のところ進軍してくる気配はありません。」
動きと言うかそもそも攻める気ないよな?
そんなことを考えていると王様と一緒に入ってきた女の子が声をかけてきた。
「あなたが『勇者』様?」
「はい、どうやらそのようでまだ力はありませんが『勇者』として召喚されました。直人と申します。」
「そう……私は王の娘。アストレアと呼ぶがいい。」
王女は右手を差し出し握手を求めた。
王女と握手……?
少し疑問は残るが手を下げる気は無いようなので、右手を出す。すると王女は両手で握り込んできた。手に紙のようなものを握らせられた。
ん…?
「うむ。『勇者』とやらに会えて妾は感激したぞ。」
そう言うともう用はないと言うばかりに部屋から出て行った。
「すまんな。会ってみたいと言うので連れてきたのだが、もう気がすんだようだ。」
「いえ、そんな…」
慌てて受け取った紙をポケットにしまう。
「さて今後のことだが、『勇者』殿にはこの世界に慣れていただき、能力の向上をしてもらいたい。テンタチィオネはその手助けと魔王の動向を見張ってくれ。」
「誠心誠意努めさせていただきます。」
テンタチィオネが片膝ついて頭を下げたので、後について同じく真似をする。王様はうんうんと頷いていた。
「もう下がってよいぞ。あぁそうだそこの娘に金一封を。」
王様がそう言うとすぐそばに控えていた人がクラスタに何か手渡した。
「それでは失礼します。」
3人は頭を下げ、部屋から退室した。
王城から出ると、辺りは大分日が落ちていた。
「今日はひとまずここで宿でも取るか。」
テンタチィオネの提案にしたがい、まずは宿を取ることになった。宿に入り手続きをしているとポケットにいれた紙を思い出した。先程王女様から受け取ったものだった。
「あ……ちょっと街中を探索していてもいいかな?」
「もう暗くなるから早めに戻れよ。」
「あぁわかった。」
宿を飛び出しそこから少し離れる。2人が来ていないことを確認してから紙を開いた。どうやら手紙のようだ。
《勇者様に折り入ってお話があります。城から帰られました後、冒険者ギルド裏通りに必ずお越しくださいませ。》
と、書かれていた。
なんだ……?
よくわからないが必ず来いとある。すっぽかしたら後で大変なことになりそうな予感がする。
「…冒険者ギルドは城と反対側だったよな。」
出来るだけ急いで冒険者ギルドの方へ向かうことにした。
「遅いですわ…」
その頃冒険者ギルドの裏通りで待っていたアストレアは独り言をつぶやいていた。
「いくらなんでも待たせすぎですわ。」
そこへ丁度直人が後ろから近づいた。
「申し訳ありません。それにしても王女様は後ろにも目があるのですか?」
「ひゃうっ」
アストレアは突然の声に驚き変な声を上げる。
「お、驚かせないでくださいまし。」
「そんなつもりはなかったのですが…」
「まあいいわ。話はこちらでしましょう。」
アストレアの『ディメンションウオール』は直人のものより狭かった。家具はかろうじて机と椅子があるくらいだ。
「とりあえずかけよ。」
王女に勧められ座る。
「それでお話というのは……?」
「…………」
何か考え込んでいるのか顎に指をかけて下を向いている。
「…うん。順番に聞いていこうか。」
どうやら何か順番に聞かれるらしい。
「まずはお主の事だが、本当に『勇者』か?」
「どうなんでしょう?テンタチィオネに召喚されたのは確からしいんですが、防具も武器も未だ持たず、魔法もそれほど使えません。魔力だけは多いですね。あ、称号に勇者候補?って前は書いてありましたね。」
「ふむ。ステータスは見せてもらえまいか?」
「はあ、いいですよ?」
少し久しぶりにスマホを起動した。充電出来ないのにまだ動いているから不思議である。
名前 白石 直人
性別 男
年齢 15歳
種族 人間族
職業 学生
レベル 25
体力 2345/2345
魔力 21580/21580
称号 転移者 勇者 冒険初心者 魔王の身内? 王女の友人?
魔法 火魔法 4
水魔法 1
風魔法 1
土魔法 1
光魔法 1
闇魔法 1
氷魔法 1
雷魔法 1
空間魔法 10
生活魔法 5
スキル 物理耐性 5
魔法耐性 1
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体術スキル 5
鑑定スキル 1
開錠スキル 1
加護 地球神の加護 1
また火魔法のレベルが上がっているくらいかな。
王女はスマホの画面を食い入るように見つめている。
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確かに。勇者で魔王の身内とかないわな。さすが夢である。これはあれですか?王女様に説明コース?
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「妾の話を進める前に説明を頼めるか?」
はい、予想通りでしたっ!
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