49 / 60
第5章 祭り祭りそして祭り
49話 祭り2日目終了
しおりを挟む
アストレアと分かれた後直人は再び祭りの人込みを見つめている。これだけの人が一体どこから集まってきたんだろうかと不思議に思うくらいの人の多さだ。その人込みを少し外れた裏路地で『ディメンションウォール』を開く。この中で少しお礼の品でも考えるつもりだ。
さてお礼の品だが、そこらにないものがいいだろう。折角自分で作り付与することが出来る。その辺で売ってる物では負けたような気になってしまう。となると身近にいるテンタチィオネが作れないものの方がいいだろうか…
変わった食べ物など消耗するものでもいいのだが、もう2度と会えなくなる人達なのでどうせなら形の残るものが直人は用意したかった。
テンタチィオネが作れず…便利。それでいて今現在自分が付与出来ている物のなかから選ぶとすると、やはり『転移』関係だろうか。テンタチィオネも作ることが出来るがお互いを登録しないと出来ないものであった。後どうやら距離も離れすぎるとつかえないらしい。
以前クラスタに貰いテンタチィオネが作ったらしい指輪を眺める。どうやら『転移1』がついているようだ。
転移1
登録したもの同士の横に移動する。建物の中には出られない。距離:小距離
転移4
知っている人の横に移動する。建物の中には出られない。距離:小距離
『転移4』は直人が原石2個を使ってつけたことがある付与である。2と3が分からないがこの感じだと3ごとに距離も変わりそうだ。
ためしに石を加工しテンタチィオネの指輪に付けてみた。
転移2
登録したもの同士の横に移動する。建物の中には出られない。距離:中距離
2になったら距離が伸びた。4にも石を付けてみる。
転移8
行った事がある場所へ移動する。距離:中距離
つまり…3ごとに効果が変化しているらしい。じゃあ最後の10は一体どうなるんだろうか?
「…とそろそろ片付けに行かないと。」
『ディメンションウォール』の外へ顔をだしチラリと見ると、だいぶ日が傾いてきていた。夜も出している露店ではないので一度片付けに戻らねばならない。
少しだけ人の減り始めた祭り会場の中を早足で歩く。露店の場所につくころには薄っすらと暗くなり始めていた。
「初心者、遅い…」
ネネが少しだけ頬を膨らませている。露店はすでに片付け終わっており、直人が戻ってくるのをまっていたようだ。
「遅かったですねナオトさん、片付けはもう終わりましたよー」
露店は2人以外すでにいなく、ラスティンとオルガはもう帰ってしまったようだ。
「ごめん、ネネ、クラスタ。」
手を合わせ2人に謝るとクラスタはとくにきにしておらず、ネネはまたどっか狩りに連れて行けとそれだけ言うと気が済んだのかさっさと帰っていった。
「不思議なものですね…」
「ん?」
「ただちょっと困らせてやりたかっただけなんですよ…」
どうやらクラスタは会ったころのことを思い出しているようだ。
「でも最終的には目的達成されちゃうわ、失恋しちゃうわ…なにやってるんだろうなーと。」
親子づれやカップルが通り過ぎていくのをぼんやりとクラスタは眺めている。なんと言っていいのか直人は迷っていた。
「気にしないでくださいね?ふと、言ってみたくなっただけなので。」
「えーと…聞くだけでいいならいつでもどうぞ。」
「ふふっ…ありがとう。」
少しだけ2人で祭りを眺めた後解散した。
宿に戻ってきて食事を済ませた後、直人は部屋にこもり明日の分の鎖を作る。祭り最終日なので全部売り切るつもりで少なめに用意することにした。
祭りが終わるとなると魔道具の使用実験をやってみようかと直人は思う。そもそも距離がはっきり書かれているわけではない。小距離とはどこまでなのか…長距離でもしかして元の世界に帰れたりしないだろうかというのを確認するためだ。
幸いノンジーから余分に鉱石を売ってもらえたのでレベルをそれぞれ作り試してみよう。
『ディメンションウォール』を開き中に入ると、召喚獣達がおのおの自由に過ごしていた。こまめに中に入って『クリーニング』しておかないと抜け毛や羽が散らばっている。一体いない間に何がおきているんだろうか気になるところだがまあ、見ることが出来ないのでしかたない。
「うさ野郎~」
うさ野郎に聞きたいことがあったので来たのだが反応がない。周りを見るとうさ野郎を発見した。ソファーの上でぐったりとしている。近寄って触ってみると温かいので生きてはいるらしい。
「あ、御主人…」
「調子でも悪いのか?」
「いえ…クリアと漆黒が走り回って何度も跳ねられてちょっと疲れが…」
うん、どうやらみんなは元気なようだね。
「ところでうさ野郎の連続飛行時間はどれくらいかな?」
「ちょ…こっちの話は無視ですかい!…まあいいですけど。」
一瞬だけ微妙な顔をしていたが心配してもしかたがない。召喚獣は魔力の枯渇や寿命以外で死ぬことがないらしいのだ。
「えーと連続飛行時間でしたっけ…前も言った気がしますけど重くなると長く飛べません。」
「僕1人だったら?」
「……2,3時間いけると思いますが、そんな時間空にいれますか?」
なるほど、こちらが耐えられないかもしれないのか。まあこれはおいおい試していくとするか。
確認が終わったのでここから出ようとすると背後から声が聞こえた気がする。まあいるのは召喚獣だけなので気にしなくてもいいだろう。「話をきいてーっ」という声が聞こえた気がするが流石にもう寝たい直人は気にせずベッドへとダイブしたのであった。
さてお礼の品だが、そこらにないものがいいだろう。折角自分で作り付与することが出来る。その辺で売ってる物では負けたような気になってしまう。となると身近にいるテンタチィオネが作れないものの方がいいだろうか…
変わった食べ物など消耗するものでもいいのだが、もう2度と会えなくなる人達なのでどうせなら形の残るものが直人は用意したかった。
テンタチィオネが作れず…便利。それでいて今現在自分が付与出来ている物のなかから選ぶとすると、やはり『転移』関係だろうか。テンタチィオネも作ることが出来るがお互いを登録しないと出来ないものであった。後どうやら距離も離れすぎるとつかえないらしい。
以前クラスタに貰いテンタチィオネが作ったらしい指輪を眺める。どうやら『転移1』がついているようだ。
転移1
登録したもの同士の横に移動する。建物の中には出られない。距離:小距離
転移4
知っている人の横に移動する。建物の中には出られない。距離:小距離
『転移4』は直人が原石2個を使ってつけたことがある付与である。2と3が分からないがこの感じだと3ごとに距離も変わりそうだ。
ためしに石を加工しテンタチィオネの指輪に付けてみた。
転移2
登録したもの同士の横に移動する。建物の中には出られない。距離:中距離
2になったら距離が伸びた。4にも石を付けてみる。
転移8
行った事がある場所へ移動する。距離:中距離
つまり…3ごとに効果が変化しているらしい。じゃあ最後の10は一体どうなるんだろうか?
「…とそろそろ片付けに行かないと。」
『ディメンションウォール』の外へ顔をだしチラリと見ると、だいぶ日が傾いてきていた。夜も出している露店ではないので一度片付けに戻らねばならない。
少しだけ人の減り始めた祭り会場の中を早足で歩く。露店の場所につくころには薄っすらと暗くなり始めていた。
「初心者、遅い…」
ネネが少しだけ頬を膨らませている。露店はすでに片付け終わっており、直人が戻ってくるのをまっていたようだ。
「遅かったですねナオトさん、片付けはもう終わりましたよー」
露店は2人以外すでにいなく、ラスティンとオルガはもう帰ってしまったようだ。
「ごめん、ネネ、クラスタ。」
手を合わせ2人に謝るとクラスタはとくにきにしておらず、ネネはまたどっか狩りに連れて行けとそれだけ言うと気が済んだのかさっさと帰っていった。
「不思議なものですね…」
「ん?」
「ただちょっと困らせてやりたかっただけなんですよ…」
どうやらクラスタは会ったころのことを思い出しているようだ。
「でも最終的には目的達成されちゃうわ、失恋しちゃうわ…なにやってるんだろうなーと。」
親子づれやカップルが通り過ぎていくのをぼんやりとクラスタは眺めている。なんと言っていいのか直人は迷っていた。
「気にしないでくださいね?ふと、言ってみたくなっただけなので。」
「えーと…聞くだけでいいならいつでもどうぞ。」
「ふふっ…ありがとう。」
少しだけ2人で祭りを眺めた後解散した。
宿に戻ってきて食事を済ませた後、直人は部屋にこもり明日の分の鎖を作る。祭り最終日なので全部売り切るつもりで少なめに用意することにした。
祭りが終わるとなると魔道具の使用実験をやってみようかと直人は思う。そもそも距離がはっきり書かれているわけではない。小距離とはどこまでなのか…長距離でもしかして元の世界に帰れたりしないだろうかというのを確認するためだ。
幸いノンジーから余分に鉱石を売ってもらえたのでレベルをそれぞれ作り試してみよう。
『ディメンションウォール』を開き中に入ると、召喚獣達がおのおの自由に過ごしていた。こまめに中に入って『クリーニング』しておかないと抜け毛や羽が散らばっている。一体いない間に何がおきているんだろうか気になるところだがまあ、見ることが出来ないのでしかたない。
「うさ野郎~」
うさ野郎に聞きたいことがあったので来たのだが反応がない。周りを見るとうさ野郎を発見した。ソファーの上でぐったりとしている。近寄って触ってみると温かいので生きてはいるらしい。
「あ、御主人…」
「調子でも悪いのか?」
「いえ…クリアと漆黒が走り回って何度も跳ねられてちょっと疲れが…」
うん、どうやらみんなは元気なようだね。
「ところでうさ野郎の連続飛行時間はどれくらいかな?」
「ちょ…こっちの話は無視ですかい!…まあいいですけど。」
一瞬だけ微妙な顔をしていたが心配してもしかたがない。召喚獣は魔力の枯渇や寿命以外で死ぬことがないらしいのだ。
「えーと連続飛行時間でしたっけ…前も言った気がしますけど重くなると長く飛べません。」
「僕1人だったら?」
「……2,3時間いけると思いますが、そんな時間空にいれますか?」
なるほど、こちらが耐えられないかもしれないのか。まあこれはおいおい試していくとするか。
確認が終わったのでここから出ようとすると背後から声が聞こえた気がする。まあいるのは召喚獣だけなので気にしなくてもいいだろう。「話をきいてーっ」という声が聞こえた気がするが流石にもう寝たい直人は気にせずベッドへとダイブしたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
World of Fantasia(ワールド・オブ・ファンタジア)
緋色牡丹
ファンタジー
生きる意味を見出せない三十二歳の男・山田緋色。
夏の夜、光の渦に呑まれ、彼が目を覚ましたのは――幻想の森だった。
壊れた愛車、知らない空、そして湖に浮かぶ青髪の少女。
異世界での出会いが、“止まった人生”を再び動かしていく。
異世界叙情ファンタジー、開幕──
※この小説は、小説家になろう、カクヨムにも同時掲載しています。
挿絵はAIイラストを使ったイメージ画像です。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる