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第一話:かくして世界征服は稟議に通らなかった
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魔王城の最深部、黒曜石の玉座の間。
天井からは血のように赤いシャンデリアが下がり、床には歴代勇者の骸で織られたという趣味の悪い絨毯が敷かれている。雰囲気は満点だ。
俺、魔王ヴァルヴレイヴは、荘厳な玉座に深く腰掛け、眼下に控える最強の配下たちを睥睨(へいげい)した。
「聞け、我が精鋭、四天王よ!時は満ちた!本日これより、我ら魔王軍は、積年の悲願たる世界征服を開始する!」
我ながら完璧な演説だった。カリスマ、威圧感、そして程よい悪役っぽさ。部下たちの士気も最高潮だろう。さあ、鬨(とき)の声を上げよ!
しかし、四天王の反応は、俺の期待とは180度違っていた。
最初に口を開いたのは、”破壊”の四天王、ゼノビア。一振りで山脈を砕くという、脳筋ゴリラ女だ。
「お待ちください、魔王様。その件ですが、先ほど提出した資料No.3-B、『世界征服における費用対効果の試算』はご覧いただけましたでしょうか?」
「……は?」
ゼノビアはどこからか取り出したポインターで、虚空に投影された円グラフを指し示した。なんでパワポが使えるんだお前は。
「我が軍の現有戦力で人類へ総攻撃を仕掛けた場合、勝利は確実です。しかし、インフラの維持コスト、捕虜の管理費、占領地の治安維持費を考慮すると、征服後100年間は赤字経営が続く見込みです。この事業、投資としてはいかがなものかと」
「事業じゃない!世界征服だ!」
「そもそも論でよろしいですか?」
次に口を挟んだのは、”深淵”の四天王、リリス。古代の禁術を極め、アンデッド軍団を意のままに操る、史上最悪の魔女。
しかし、その実態は、自室の棺から一歩も出たがらない究極のインドア派ニートだ。今日も今日とて、使い魔のインプが持ってきたタブレット端末からのリモート参加である。
「はい、リリスさんどうぞ」
「なんで私がわざわざ戦場に行かなきゃいけないんですか?私のアンデッド、5G対応してないんで、遠隔操作だとラグるんですよ。それに、出張手当は出ます?代休は?まさか裁量労働制じゃないですよね?」
「労基法みたいなこと言うな!お前は魔女だろ!」
タブレットの向こうで、リリスは心底面倒くさそうに溜息をついた。
「ていうかさー、今どき物理で征服とか、ダサくない?」
最後に発言したのは、”幻惑”の四天王、フェイ。その美貌と幻術で数多の国を内側から崩壊させてきた傾国の美女。
だが、その本質は、承認欲求に魂を売ったSNS中毒者だ。
「もっとスマートに行こうよ、スマートに。例えばさ、私が『歌ってみた』動画をアップして、全世界の人間を骨抜きにするじゃん?で、勇者くんとコラボ配信してさ、『【ドッキリ】魔王軍幹部だけど、勇者と付き合ってみたwww』みたいなのやれば、一発でバズって世界取れるって!」
「取れるか!そんな炎上系チューバーみたいな方法で!」
俺は頭を抱えた。どうしてこうなった。
俺の部下たちは、間違いなく最強だ。ゼノビアは物理で、リリスは魔法で、フェイは精神で、それぞれが単独で国を滅ぼせる。
だが、全員、能力の使いどころと価値観が、致命的にズレていた。
ゼノビアは脳筋のくせに、全てをコスパと効率で判断するミニマリスト。
リリスは最強の魔女のくせに、労働環境の改善しか頭にないホワイト企業信者。
フェイは最悪の幻術師のくせに、世界の支配より「いいね」の数が大事なインフルエンサー気取り。
「いいかお前ら!我々は魔族だ!恐怖と絶望の象徴だ!破壊!略奪!支配!これぞ魔王軍のアイデンティティだろ!」
俺の魂の叫びに、三人はきょとんとした顔で顔を見合わせた。
「え、コンプライアンス的にどうなんです?」(リリス)
「略奪品は資産として計上するんですか?確定申告が面倒ですね」(ゼノビア)
「えー、それじゃ私のブランドイメージが下がるじゃん…」(フェイ)
「ああああああもういい!わかった!最初の標的は、隣国アストリア王国!理由は、俺がムカつくからだ!以上!異論は認めん!」
俺が無理やり話をまとめようとした、その時だった。
玉座の間に、伝令兵が血相を変えて転がり込んできた。
「も、申し上げます!勇者一行が、我が軍の食糧庫に侵入!」
「なんだと!?」
ついに来たか!迎え撃て!
だが、伝令兵の報告は、俺の想像の斜め上を行っていた。
「は、はい!道に迷って偶然たどり着いた模様!そして、備蓄してあった『三年熟成闇イノシシの燻製』を全て食べ尽くし……現在、全員が激しい食あたりで戦闘不能に!」
「…………」
間抜けすぎるだろ勇者。
しかし、これで好機だ!敵は満身創痍!今こそ攻め込む時!
「よし、全員出撃…」
「お待ちを」
俺の言葉を遮ったのは、またしてもゼノビアだった。彼女は青い顔で計算盤を弾いている。
「なんてことだ…あの燻製は一個あたり金貨50枚。それが500個。つまり金貨25,000枚分の資産が損失…!魔王様、これはもう戦争どころではありません!緊急予算会議を開き、リスク管理体制の見直しを…!」
「そんなことやってる場合か!」
「ていうか、食中毒って労災認定されますかね?勇者サイドから訴えられたら、ウチの衛生管理責任が問われますよ?」(リリス)
「ちょ、待って!今の状況、動画に撮ったら絶対バズる!『【放送事故】勇者、食い逃げで自滅www』ってタイトルで速攻アップしなきゃ!」(フェイ)
「お前らあああああああああ!!!」
俺の絶叫が、虚しく玉座の間に響き渡った。
結局、その日の世界征服計画は、勇者一行が勝手に苦しみ、勝手に撤退(腹痛で)していったことで、何もせずに終わった。
我が軍の被害は、最高級の食料と、俺の胃だけ。
玉座で一人、胃薬を飲みながら、俺は固く決意した。
――世界征服の前に、まず、この組織の働き方改革から始めなければならない。
前途は、果てしなく暗い。
天井からは血のように赤いシャンデリアが下がり、床には歴代勇者の骸で織られたという趣味の悪い絨毯が敷かれている。雰囲気は満点だ。
俺、魔王ヴァルヴレイヴは、荘厳な玉座に深く腰掛け、眼下に控える最強の配下たちを睥睨(へいげい)した。
「聞け、我が精鋭、四天王よ!時は満ちた!本日これより、我ら魔王軍は、積年の悲願たる世界征服を開始する!」
我ながら完璧な演説だった。カリスマ、威圧感、そして程よい悪役っぽさ。部下たちの士気も最高潮だろう。さあ、鬨(とき)の声を上げよ!
しかし、四天王の反応は、俺の期待とは180度違っていた。
最初に口を開いたのは、”破壊”の四天王、ゼノビア。一振りで山脈を砕くという、脳筋ゴリラ女だ。
「お待ちください、魔王様。その件ですが、先ほど提出した資料No.3-B、『世界征服における費用対効果の試算』はご覧いただけましたでしょうか?」
「……は?」
ゼノビアはどこからか取り出したポインターで、虚空に投影された円グラフを指し示した。なんでパワポが使えるんだお前は。
「我が軍の現有戦力で人類へ総攻撃を仕掛けた場合、勝利は確実です。しかし、インフラの維持コスト、捕虜の管理費、占領地の治安維持費を考慮すると、征服後100年間は赤字経営が続く見込みです。この事業、投資としてはいかがなものかと」
「事業じゃない!世界征服だ!」
「そもそも論でよろしいですか?」
次に口を挟んだのは、”深淵”の四天王、リリス。古代の禁術を極め、アンデッド軍団を意のままに操る、史上最悪の魔女。
しかし、その実態は、自室の棺から一歩も出たがらない究極のインドア派ニートだ。今日も今日とて、使い魔のインプが持ってきたタブレット端末からのリモート参加である。
「はい、リリスさんどうぞ」
「なんで私がわざわざ戦場に行かなきゃいけないんですか?私のアンデッド、5G対応してないんで、遠隔操作だとラグるんですよ。それに、出張手当は出ます?代休は?まさか裁量労働制じゃないですよね?」
「労基法みたいなこと言うな!お前は魔女だろ!」
タブレットの向こうで、リリスは心底面倒くさそうに溜息をついた。
「ていうかさー、今どき物理で征服とか、ダサくない?」
最後に発言したのは、”幻惑”の四天王、フェイ。その美貌と幻術で数多の国を内側から崩壊させてきた傾国の美女。
だが、その本質は、承認欲求に魂を売ったSNS中毒者だ。
「もっとスマートに行こうよ、スマートに。例えばさ、私が『歌ってみた』動画をアップして、全世界の人間を骨抜きにするじゃん?で、勇者くんとコラボ配信してさ、『【ドッキリ】魔王軍幹部だけど、勇者と付き合ってみたwww』みたいなのやれば、一発でバズって世界取れるって!」
「取れるか!そんな炎上系チューバーみたいな方法で!」
俺は頭を抱えた。どうしてこうなった。
俺の部下たちは、間違いなく最強だ。ゼノビアは物理で、リリスは魔法で、フェイは精神で、それぞれが単独で国を滅ぼせる。
だが、全員、能力の使いどころと価値観が、致命的にズレていた。
ゼノビアは脳筋のくせに、全てをコスパと効率で判断するミニマリスト。
リリスは最強の魔女のくせに、労働環境の改善しか頭にないホワイト企業信者。
フェイは最悪の幻術師のくせに、世界の支配より「いいね」の数が大事なインフルエンサー気取り。
「いいかお前ら!我々は魔族だ!恐怖と絶望の象徴だ!破壊!略奪!支配!これぞ魔王軍のアイデンティティだろ!」
俺の魂の叫びに、三人はきょとんとした顔で顔を見合わせた。
「え、コンプライアンス的にどうなんです?」(リリス)
「略奪品は資産として計上するんですか?確定申告が面倒ですね」(ゼノビア)
「えー、それじゃ私のブランドイメージが下がるじゃん…」(フェイ)
「ああああああもういい!わかった!最初の標的は、隣国アストリア王国!理由は、俺がムカつくからだ!以上!異論は認めん!」
俺が無理やり話をまとめようとした、その時だった。
玉座の間に、伝令兵が血相を変えて転がり込んできた。
「も、申し上げます!勇者一行が、我が軍の食糧庫に侵入!」
「なんだと!?」
ついに来たか!迎え撃て!
だが、伝令兵の報告は、俺の想像の斜め上を行っていた。
「は、はい!道に迷って偶然たどり着いた模様!そして、備蓄してあった『三年熟成闇イノシシの燻製』を全て食べ尽くし……現在、全員が激しい食あたりで戦闘不能に!」
「…………」
間抜けすぎるだろ勇者。
しかし、これで好機だ!敵は満身創痍!今こそ攻め込む時!
「よし、全員出撃…」
「お待ちを」
俺の言葉を遮ったのは、またしてもゼノビアだった。彼女は青い顔で計算盤を弾いている。
「なんてことだ…あの燻製は一個あたり金貨50枚。それが500個。つまり金貨25,000枚分の資産が損失…!魔王様、これはもう戦争どころではありません!緊急予算会議を開き、リスク管理体制の見直しを…!」
「そんなことやってる場合か!」
「ていうか、食中毒って労災認定されますかね?勇者サイドから訴えられたら、ウチの衛生管理責任が問われますよ?」(リリス)
「ちょ、待って!今の状況、動画に撮ったら絶対バズる!『【放送事故】勇者、食い逃げで自滅www』ってタイトルで速攻アップしなきゃ!」(フェイ)
「お前らあああああああああ!!!」
俺の絶叫が、虚しく玉座の間に響き渡った。
結局、その日の世界征服計画は、勇者一行が勝手に苦しみ、勝手に撤退(腹痛で)していったことで、何もせずに終わった。
我が軍の被害は、最高級の食料と、俺の胃だけ。
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