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20話
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最後のお客さんを見送った所でベアトリスが帰ってきた。
顔は少し疲れをみせる。
「おかえり、、どうしたの?大丈夫?」
ベアトリスの顔を覗き込んだエルザはそう声をかけた。
「、、、昨日教えていただいたパン屋さん以外のパンはどうして、どうして、どーしてあんな固そうなパンを置いているのですか!?と言うか家に行く方面のパン屋さんは特に!」
真剣な顔のベアトリスに拍子抜けしたエルザは少し笑ってしまった。もっと深刻なことかと思っていたら食べ物のこととは。。。
「笑い事じゃないですよ!?ハードパンは実はソフトパンなのかってぐらいですよ?あんなのそのまま食べたら歯が折れますよ!?スープに入れてふやかして食べないと食べれないじゃないですか!毎回スープと共に食べるもの専用のパンとかですか?パンのくせにきっちり家事させるのですか?」
エルザは少し笑いながら、理由を教えることにした。
「それはね、まず家がある方面への道は隣の街へ行く道があるの。で、隣街へ行く道中に食べれるものだから長持ちさせるように乾燥させてるの。あ、干し肉もそんな感じよ?」
そういうとベアトリスは思い当たる節があるのか渋い顔をした。
「隣町までどれくらいでつきますか?」
エルザは少し考えて「馬車で約4日」だと答えた。4日だと気温によって生物はダメになってしまう。パンは保存方法によっては硬くなりカビが生えるのも出てくる。
「あ、でも、エルザさん宅にあるアイテムBOX?時間止まるじゃないですか?あれに入れれば問題ないんじゃないのですか?」
エルザは苦笑した。あれはかなり高価で小金貨30枚すると伝えると、ベアトリスは買ってきた食べ物を落としかけて慌てて持ち直した。
「いやいやいやいやいやいやいやいや、、、エルザさん若いよね?何でそんな年齢で!!?ってか、あれ?待って、、、え?あれそんなに大きくなかったですよね!?内容量そんなにって言ってたじゃないですか!?え、何その金額?高級車か何かですか?よく広告で『この金額から家が建てれますよー』ってあるけど内装どうなってんの?って言う家の金額とおんなじですよね?高くない?いや家だと安いけどさ、え?マジっすか?」
いっきに捲し立てるベアトリスに苦笑しつつ、途中から何を言っているか理解できなかったエルザはとりあえず最後にベアトリスが言った言葉を復唱してみた。
「マジっす」
「○△×◯⬜︎!!!」
どこかに言葉を置いてきたベアトリスの口から発された音はエルザを笑わせた。
「さ、とりあえず食べましょう?今日は何を買ってきたの?」
エルザの質問は耳に入っているようで手と体は動いてはいるが思考回路がショートしているのか、顔は真顔で視線が合わない。エルザは苦笑して食べ物をカウンターに置きベアトリスを椅子に誘導し座らせ、机のものを片しお皿と飲み物を並べ、カトラリーを出しベアトリスが買ってきたものをお皿に出し盛り付けた。
「さ、ベアトリス?食べましょう?」
ハッとなったベアトリスは「あ、ありがとうございます!」っと言って無言で食べ始めた。エルザもベアトリスが食べるのを見て自分も食べ始めた。
エルザは先ほど見せてもらったデザインの話をしようと思ったが食事中のベアトリスは考え事をしているのか黙々と食べていたので、エルザは食後少し一息つくとまたお客が見え2人は食器を片しつつ接客と作業に徹した。
昨日よりは少し遅い夕暮れ時、エルザは「疲れたわ」っといい、外の看板をcloseに変え店を閉め始めた。外を歩くのは仕事を終え帰る人ばかり。エルザはさっさと帰りたいのか片付けが早い。ベアトリスもエルザの手伝いで掃除などをする。
帰り道、ベアトリスが書いたデザインの話になった。
エルザが気になったのは動物のような顔の袋。
「あ、あれはこう耳が長くてぴょんぴょん跳ねる動物です」
そう言いながら手を頭の上に置いてぴょんぴょん跳ねて見せてくれたのだが、それが可愛い動作でエルザは少し笑ってしまった。ベアトリスは少し恥ずかしくなって頬を掻き「す、すみません」っと言った。
「あ、ごめんなさい。つい可愛くて。。。きっとそれはラビットね?じゃぁ、耳が三角のは猫ちゃんかしら」
「そうです!あと他にもいろんな動物をモチーフにしたカバンを作ろうかと思うのです!ほら可愛くて実用的だと嬉しくないですか?特に女子には大受けですよ!!」
興奮するベアトリスにエルザは微笑み、家に帰ったら試しに作り始めてみてはと提案してみると、縦に何度も頭を振るベアトリス。
「あ、でも文字の練習もしたいです。教えていただけますか?」
と聞くのでエルザは笑顔で了承した。
顔は少し疲れをみせる。
「おかえり、、どうしたの?大丈夫?」
ベアトリスの顔を覗き込んだエルザはそう声をかけた。
「、、、昨日教えていただいたパン屋さん以外のパンはどうして、どうして、どーしてあんな固そうなパンを置いているのですか!?と言うか家に行く方面のパン屋さんは特に!」
真剣な顔のベアトリスに拍子抜けしたエルザは少し笑ってしまった。もっと深刻なことかと思っていたら食べ物のこととは。。。
「笑い事じゃないですよ!?ハードパンは実はソフトパンなのかってぐらいですよ?あんなのそのまま食べたら歯が折れますよ!?スープに入れてふやかして食べないと食べれないじゃないですか!毎回スープと共に食べるもの専用のパンとかですか?パンのくせにきっちり家事させるのですか?」
エルザは少し笑いながら、理由を教えることにした。
「それはね、まず家がある方面への道は隣の街へ行く道があるの。で、隣街へ行く道中に食べれるものだから長持ちさせるように乾燥させてるの。あ、干し肉もそんな感じよ?」
そういうとベアトリスは思い当たる節があるのか渋い顔をした。
「隣町までどれくらいでつきますか?」
エルザは少し考えて「馬車で約4日」だと答えた。4日だと気温によって生物はダメになってしまう。パンは保存方法によっては硬くなりカビが生えるのも出てくる。
「あ、でも、エルザさん宅にあるアイテムBOX?時間止まるじゃないですか?あれに入れれば問題ないんじゃないのですか?」
エルザは苦笑した。あれはかなり高価で小金貨30枚すると伝えると、ベアトリスは買ってきた食べ物を落としかけて慌てて持ち直した。
「いやいやいやいやいやいやいやいや、、、エルザさん若いよね?何でそんな年齢で!!?ってか、あれ?待って、、、え?あれそんなに大きくなかったですよね!?内容量そんなにって言ってたじゃないですか!?え、何その金額?高級車か何かですか?よく広告で『この金額から家が建てれますよー』ってあるけど内装どうなってんの?って言う家の金額とおんなじですよね?高くない?いや家だと安いけどさ、え?マジっすか?」
いっきに捲し立てるベアトリスに苦笑しつつ、途中から何を言っているか理解できなかったエルザはとりあえず最後にベアトリスが言った言葉を復唱してみた。
「マジっす」
「○△×◯⬜︎!!!」
どこかに言葉を置いてきたベアトリスの口から発された音はエルザを笑わせた。
「さ、とりあえず食べましょう?今日は何を買ってきたの?」
エルザの質問は耳に入っているようで手と体は動いてはいるが思考回路がショートしているのか、顔は真顔で視線が合わない。エルザは苦笑して食べ物をカウンターに置きベアトリスを椅子に誘導し座らせ、机のものを片しお皿と飲み物を並べ、カトラリーを出しベアトリスが買ってきたものをお皿に出し盛り付けた。
「さ、ベアトリス?食べましょう?」
ハッとなったベアトリスは「あ、ありがとうございます!」っと言って無言で食べ始めた。エルザもベアトリスが食べるのを見て自分も食べ始めた。
エルザは先ほど見せてもらったデザインの話をしようと思ったが食事中のベアトリスは考え事をしているのか黙々と食べていたので、エルザは食後少し一息つくとまたお客が見え2人は食器を片しつつ接客と作業に徹した。
昨日よりは少し遅い夕暮れ時、エルザは「疲れたわ」っといい、外の看板をcloseに変え店を閉め始めた。外を歩くのは仕事を終え帰る人ばかり。エルザはさっさと帰りたいのか片付けが早い。ベアトリスもエルザの手伝いで掃除などをする。
帰り道、ベアトリスが書いたデザインの話になった。
エルザが気になったのは動物のような顔の袋。
「あ、あれはこう耳が長くてぴょんぴょん跳ねる動物です」
そう言いながら手を頭の上に置いてぴょんぴょん跳ねて見せてくれたのだが、それが可愛い動作でエルザは少し笑ってしまった。ベアトリスは少し恥ずかしくなって頬を掻き「す、すみません」っと言った。
「あ、ごめんなさい。つい可愛くて。。。きっとそれはラビットね?じゃぁ、耳が三角のは猫ちゃんかしら」
「そうです!あと他にもいろんな動物をモチーフにしたカバンを作ろうかと思うのです!ほら可愛くて実用的だと嬉しくないですか?特に女子には大受けですよ!!」
興奮するベアトリスにエルザは微笑み、家に帰ったら試しに作り始めてみてはと提案してみると、縦に何度も頭を振るベアトリス。
「あ、でも文字の練習もしたいです。教えていただけますか?」
と聞くのでエルザは笑顔で了承した。
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