手に入れたいのは君だけだ

青い縞猫

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名前を知らなきゃ探せない

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この学園は男女共学ではあるけれど
お互いに顔を合わせる機会は少ない。

それぞれ、学び舎が分かれているからだ。
ただ一つの例外が、生徒会。
生徒会の運営だけは、男女入り混じることになる。


それ以外では大きな集会は、全生徒が集められるので顔を合わせることもある。
しかし、それは同じ場所に集まる
というだけで、何かしらの会話をするには至らない。

だからこその、待ち伏せだったのだが…


美少女を見かけてから今日で5日目。

いまだ、現れず…。

やっぱり、名前も学年もわからないと探しようがない!!
僕1人の力では無理なのか?

生徒会の人ならわかるかな…。
でも、あんまり親しくない人には頼み辛い。
しかし、幼馴染ではあるがシーヴェルにはもっと、こういう話はしてはいけない気がしていた。

昼休みも終わりそうだから、本を閉じて教室に戻る。

「読書は進んだ?」

シーヴェルが話しかけてくる。

「まぁまぁかな。」

「今、何読んでるの?」

「ん? これ? 
これは薬草の図鑑だよ。
来週、家に薬師が来ることになっててさ。
しばらく滞在するみたいだから、いろいろ聞いてみたいと思って。」

「へぇ~。その薬師、どこから来るの?
誰か、家の人の具合でも悪い?」

「出自は…
遠い親戚って聞いた覚えがあるけど…
数年に1度里帰りみたいな感じで、戻ってくれば家に滞在していく人?
って感じだったと思う。」

「なんだ、具合が悪いんじゃなかったらいいんだ。
ちょっと心配しちゃったよ。」

「ありがとう、シーヴェル。
まぁ、前回会ったのも5年以上前だからね…
それまでは結構頻繁に帰ってきていたみたいだけど。
やっぱり、おばあ様がいなくなったからかな。」


ふぅん…
と興味なさそうな声を出していたけど、なんとなくシーヴェルの様子が変だった。
どこか、調子悪いのかな?

薬、必要なら頼んであげるのに。
後で聞いてみようかな。

とりあえず、授業が始まってしまったのでそちらに集中することにする。
成績が悪いと、文官にもなれないからね。




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