2 / 23
生まれてきます
しおりを挟む
お母様のお腹はかなり大きくなってきました。
今は臨月。
いつ生まれてもおかしくない状況とのことですので、なんとなく家の中に緊張感が…
子どもを取り上げてくださる方もいつ呼ばれてもいいように、屋敷に待機してくださっています。
それは、大きな満月の夜でした。
「お腹…痛い…」
お母様が痛みを訴え、産室へと運ばれて行きます。
こんな夜中に…
と、お父様も心配してお部屋の前をウロウロ。
クマのように徘徊しておりますが、そのようなことをしてもお母様がどうにかなるわけでもありませんのにね。
翌日未明、元気な産声が上がりました。
「エルダー!!! 喜べ!!
元気な男の子だ!!!!」
お父様がノックもなく私の部屋へ入ってきました。
「お喜びはわかりますが、お父様。
お部屋のノックはなさってくださいね。」
私は、5歳児らしからぬ冷静さでお父様を窘めます。
「おお… すまない…」
お父様は目を泳がせています。
「今、弟には会えるのですか?」
会えるのなら、会っておきたい。
そう思って聞いたところ
「今はまだ会えないが、今日の夕食が終わったころには大丈夫だろう。」
その後の私は、弟の姿を楽しみに夕方までの時間を過ごすのでした。
今は臨月。
いつ生まれてもおかしくない状況とのことですので、なんとなく家の中に緊張感が…
子どもを取り上げてくださる方もいつ呼ばれてもいいように、屋敷に待機してくださっています。
それは、大きな満月の夜でした。
「お腹…痛い…」
お母様が痛みを訴え、産室へと運ばれて行きます。
こんな夜中に…
と、お父様も心配してお部屋の前をウロウロ。
クマのように徘徊しておりますが、そのようなことをしてもお母様がどうにかなるわけでもありませんのにね。
翌日未明、元気な産声が上がりました。
「エルダー!!! 喜べ!!
元気な男の子だ!!!!」
お父様がノックもなく私の部屋へ入ってきました。
「お喜びはわかりますが、お父様。
お部屋のノックはなさってくださいね。」
私は、5歳児らしからぬ冷静さでお父様を窘めます。
「おお… すまない…」
お父様は目を泳がせています。
「今、弟には会えるのですか?」
会えるのなら、会っておきたい。
そう思って聞いたところ
「今はまだ会えないが、今日の夕食が終わったころには大丈夫だろう。」
その後の私は、弟の姿を楽しみに夕方までの時間を過ごすのでした。
0
あなたにおすすめの小説
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
この闇に落ちていく
豆狸
恋愛
ああ、嫌! こんな風に心の中でオースティン殿下に噛みつき続ける自分が嫌です。
どんなに考えまいとしてもブリガンテ様のことを思って嫉妬に狂う自分が嫌です。
足元にはいつも地獄へ続く闇があります。いいえ、私はもう闇に落ちているのです。どうしたって這い上がることができないのです。
なろう様でも公開中です。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
結婚式をボイコットした王女
椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。
しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。
※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※
1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。
1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)
私たちの離婚幸福論
桔梗
ファンタジー
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について
えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。
しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。
その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。
死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。
戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる