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レガスタ様の領地
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執事が手紙を出して3日後、レガスタ様よりの返信は
「好きに使ってよい」
という物でした。
さっそく、ご当主様と相談します。
「お嬢様が管理なさるそうですが、さすがにご自身で作付けは難しいものと考えます。」
「確かに、そうだな。
薬草と温室か…。」
「専門の者を至急選定し、必要なものを聞き出しましょう。」
「そうしてくれ。」
「護衛の方はいかが致しましょうか?
さすがにお嬢様お1人で行かせるわけにも行かないかと…。」
「それも含めて、お義父上から手紙が届いている。」
「お手紙でございますか…。」
「お義父上の孫3人のうちから、1人護衛にという事だ。
1週間後にこちらに3人寄越すと書いてあった。
実際に会ってみて、エルダーに選ばせるのがよかろう。」
「畏まりました。滞在の準備も進めておきます。」
「よろしく頼むぞ。
では、エルダーを呼んでくれ。」
執務室を後にした執事はエルダーを呼びに行きます。
「お嬢様、旦那様がお呼びです。」
お部屋にも、サロンにもいらっしゃらないと思えば
調理場で何やら作業をされておいででした。
声を掛けますと
「今行きます!!」
と元気のよい返事が返ってきました。
今回使用許可の下りたレガスタ様の領地はヴェルヌ家が治める領地より南にあります。
比較的温暖で、作物の良く育つ肥沃な大地。
ここはもともと、別の貴族家の持ち物でしたが、レガスタ様が奥様と結婚する際に起きた出来事により賜った者だそうです。
所謂、曰くつき物件。
エルダーお嬢様が謂れを知らないので、そのままお借り受けするようですが…
私としては、複雑な心境です。
「好きに使ってよい」
という物でした。
さっそく、ご当主様と相談します。
「お嬢様が管理なさるそうですが、さすがにご自身で作付けは難しいものと考えます。」
「確かに、そうだな。
薬草と温室か…。」
「専門の者を至急選定し、必要なものを聞き出しましょう。」
「そうしてくれ。」
「護衛の方はいかが致しましょうか?
さすがにお嬢様お1人で行かせるわけにも行かないかと…。」
「それも含めて、お義父上から手紙が届いている。」
「お手紙でございますか…。」
「お義父上の孫3人のうちから、1人護衛にという事だ。
1週間後にこちらに3人寄越すと書いてあった。
実際に会ってみて、エルダーに選ばせるのがよかろう。」
「畏まりました。滞在の準備も進めておきます。」
「よろしく頼むぞ。
では、エルダーを呼んでくれ。」
執務室を後にした執事はエルダーを呼びに行きます。
「お嬢様、旦那様がお呼びです。」
お部屋にも、サロンにもいらっしゃらないと思えば
調理場で何やら作業をされておいででした。
声を掛けますと
「今行きます!!」
と元気のよい返事が返ってきました。
今回使用許可の下りたレガスタ様の領地はヴェルヌ家が治める領地より南にあります。
比較的温暖で、作物の良く育つ肥沃な大地。
ここはもともと、別の貴族家の持ち物でしたが、レガスタ様が奥様と結婚する際に起きた出来事により賜った者だそうです。
所謂、曰くつき物件。
エルダーお嬢様が謂れを知らないので、そのままお借り受けするようですが…
私としては、複雑な心境です。
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