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3番目の選択肢

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土竜の討伐から1か月、それまで小さな依頼しか受けていなかったのに

「討伐戦、受けるか?」

突然バルトが意見を求めてきました。

「どんな魔物なの?」

「2種類あって、一つは土竜と同類の岩竜
もう一つは、飛竜だな。」

「…… それって、討伐に時間かかるんじゃないの?」

「岩竜は土竜と同じくらいかな。
飛竜は1週間かからないと思うが… 姿を捕捉することに時間がかかるから見つけるまでの時間は別だな。」

「もう…それって戦わないっていう選択肢はないわけ?」

「しかしなぁ……
もうそろそろ冒険はじめて1年だろ?
べリアはいいのか?今のレベルとスキルで。
後で後悔しないか?」

「後悔…ねぇ…。
よくわからないわ… だって、どれだけスキルやレベルを上げても私1人だけではどうにもならないってわかったし…
でも、自分で選ぶことはできるのよね。」

「あと2ヶ月ほどで1年経つだろう?自分はどうなりたいんだ?
最初の目標では、どうなりたかったんだ?」

真剣にバルトは聞いてくれます。
今まで、私の意見をこんなに真剣に聴いてくれた人はいませんでした。

「私は、自分の事は全て自分でできるようになりたかった、、、」

「しかし、それは無理だったのだろう?」

「ええ。そうよ。
全て自分1人で。
なんて無理だったわ。これからどれだけ経験を積んでもスキルをあげても叶いそうにないもの。」

「じゃあ、このまま爺さんのところに帰るか?」

「えっ⁉️まだ、2ヶ月もあるのに?」

「でも、討伐にでないならもうレベルあげたり、スキルを磨く必要は無いだろう?」

「そんな、、、
せっかくの機会なのに、勿体ないわ!!」

「じゃあ、どっちがいいか選んでくれ」

なんとなく、納得がいかないままに上級魔物討伐が決定してしまった、、、
せめて、解体の手間が少ない方がいい。

「じゃあ、飛竜で決定な。」

そう告げて、バルトは部屋を後にしました。

改めて、ベリアは考えていました。
自分がやりたかった事、
そしてどうなりたかったのか?

このまま冒険を終えても、続けるにしても1人ではどうにもならない事を知りましたからとにかく頭を悩ませてしまいます。

それでも、、、
自分の幸せのためには、考えないわけには行きません。
だって、、、

誰かに縋ってたって、自分の意思がなければ幸せにはなれないのですけら。

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