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消沈 俊視点

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「俊さん!」

騒がしい声が聞こえる。

「幸樹。どうした?とりあえず落ち着け」

乱れた息を整えても焦りが滲み出ていた。

「せ、先パイが…」

こいつはどんだけ優人に揺さぶられてるんだよ…

「眠そうだったな、相変わらず」

「そうじゃなくて!」

怯えてたんです、と言った声は震えていた。

「俺から言えることは何もないぞ」

「なんで…」

「あいつも踏み込まれることが嫌いだ。分かってやれ」

今これ以上関わるのはお互いのためにも避けたかった。
それにいくら幸樹とはいえ他人が絡むなら本当に面倒事になる。

俺に聞くのは誤っていると悟ったらしく幸樹は渋々去っていった。
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