第八皇子は人質王子を幸福にしたい

アオウミガメ

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第弍部ーⅤ:二人で歩く

204.紫鷹 できないことを二人で

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ピュルリ、ピュルリと籠の中で鳥が鳴いた。

「おるごる。僕としおうの、でーとの、記念。りくのお店で、一個だけ。世界中、探しても、僕と、しおうだけ。いいね、いいね!」

鳥の囀りに合わせて日向は頭を揺らし、おかしな歌を歌い出す。
足が痛むくせになあ。体をくねらせ、ベッドの上で跳ねて随分とご機嫌だった。

「いいわねえ、」

そんな日向に、母上もここ数日中にはないほど表情が良い。
ベッドに上がりこんでぴたりと寄り添った日向が隣で暴れても気にもせず、むしろ日向に合わせるように肩を揺らす。

「すみれこさま、頬がピンク。元気なった?」
「そうねえ。日向さんのデートのお話が楽しくて、何だか気分がいいみたい、」
「じゃあ、もう一回、ね!おるごる聞いたら、もっと良くなる、」
「………日向、お前大人しくしてる約束だろうが、」
「もう一回、だけ!」

興奮した日向は母上以上に頬を赤くしているくせに、俺が止めるのも聞かず、再びゼンマイを回す。
ピュルリ、ピュルリと鳥が歌い出すと、またおかしな歌を歌って、母上と一緒にベッドの上で踊った。

「でーとで、しおうは、らくだを触ったよ。ひーって、泣きそうが、可愛かった。ねこが、いっぱいきたも、ひーって、言った!いいね、いいね!」
「あらあら、まあまあ、」

全く困った日向だ。

町で色んなものを見たおかげで、デート後の日向はパンク寸前だったんだろう。離宮に帰る頃には、熱が出て真っ赤な顔をしていた。
だが、よほど楽しかったのか、小栗(おぐり)の診察中もふにゃふにゃ笑いながら猫や鳩の話をする。隠れ家で一眠りした後には、モゾモゾと這い出して雁書を書き、亜白(あじろ)にも色々とバラした。風呂の間も、俺が寝かしつける間も、あれが楽しかっただの、俺の顔がどうだっただの、喋り通しだ。

朝起きてみれば足が腫れて痛がっていたが、それすら「でーとの印」だとか言って笑っていた。

これまで見た中でも、最上の笑顔だったよ。
何の不安も恐怖も滲ませず、赤ん坊のように無邪気に笑ったかと思えば、熱のせいで潤んだ瞳を細くして蕩けたようにも微笑む。青巫鳥(あおじ)が窓辺に来た時には、小さな子供みたいにはしゃいでオルゴールを聞かせても見せた。

「夏休みの、うんと特別。いいね!」

足の痛みよりも楽しさが勝って心底幸せそうに笑う日向に、俺はもう完敗だ。
強請られれば日向の足代わりになってブランコを揺らしたし、オルゴールを自慢したいんだと言う日向のために離宮のあちこちを回ってもやった。母上にも教えるんだと言われた時には複雑な気分にもなったが、結局のところ絆されて、寝室を訪ねたわけだ。

結果として、俺たちのデートの仔細は母上にほとんどバレた。
どこで何をしたかは草からも聞いているだろうが、二人だけで話したことや、日向以外知りようがない恥ずかしいことまで全部だ。
母上はまだ病床だし、日向も熱が上がってきたから大人しくしていると約束したはずなんだけどな。興奮状態の日向はもはや手のつけようがない。

「……貴方も相当だと思ったけど、日向さんもなかなかねえ、」

母上の寝室で鉢合わせた姉上も、さすがに呆れただろう。
初めはニコニコと話を聞いていたのが、いつの間にか苦笑に変わっていた。

「おかげで、ハリマの機嫌が悪くて困っているんだけど、」
「はあ?」
「デートは好き同士がするものだから、ハリマは違うと日向さんに言われたんですって。貴方たちが町で楽しんでいる間、こっちは大変だったんだから、」
「あー…、日向なら言うなあ。可哀想に、」

悪気があった訳ではないと思うが、言葉の足りない日向だ。
しかも、語彙は着実に増えてきた一方で、まだ誤魔化しや配慮はできなくて、真正直な言葉しか選べない。ド直球の言葉は、グサグサ刺さるんだよな。真っ直ぐに愛情や喜びを投げられて、俺は毎日翻弄されてる。その逆もまた然りだろう。

播磨に同情はする。
だが、よく言ってくれた、と思わないわけでもない。

「……そう言う本音は心の中にしまっておいてちょうだい、」

姉上に盛大なため息を吐かれたから、口に出ていたか。

「悪いけど、本命は日向だと言う相手に、俺は気遣いはできないよ、」
「呆れた。日向さんの影響?随分と正直になったのねえ、」

何とでも言え。
そもそも、日向相手に本気になったところで、播磨の失恋は確定だ。期待を持たせる方が酷だろう。

『しおうが足で、僕が目をやったが、1番楽しかった。僕ができないは、しおうがやる。しおうができないは、僕がやる。しおうと僕は、二人で一つ。おるごると一緒。番いは一個、』

デートの最後に登った高台で、日向はそんなことを言った。
デートの始まりに大事そうに抱えていた本は手放し、腕には鳥籠のオルゴールを抱く。夕日に染まる町を眺めながら、どこか自慢げだったのが印象的だった。

枷の全てを外してやれたわけではないだろう。
でも、俺と分け合って生きることを日向は選んでくれた。
二人で一つ。
俺と日向は、この先もそうやって二人で生きていくんだ。
他の誰かが入り込む隙なんかありはしない。

「……貴方のその顔、四紺(しこん)が見たら、何て言うかしら、」
「はあ?何であいつが出てくるんだ、」

ピュルリ、ピュルリと三度鳴き出したオルゴールに、日向がふにゃふにゃと笑うのを眺めていたら、姉上が言う。
人が幸せを噛み締めていたと言うのに、何だ。

「呉須色乃宮(ごすいろのみや)から、いい加減に婚約者を紹介しろと連絡が来てたわよ。貴方たちの噂、宮城にも届いたみたい。もうあちこちから接触があって、大変よ、」
「四紺は、俺を揶揄いたいだけだろ。放っておけばいいよ、」
「緋色乃宮(ひいろのみや)からは、母上の療養中に何をやっているんだとお叱りも来てたわねえ、」
「朱華(はねず)には関係ないだろ。あいつ、喜んでるくせに、」
「陛下からは、お祝いの品が届いているから、ちゃんとお礼しなさいね、」
「………何やってんだ、父上は、」

昨日のデートは、市中で相当な噂になったようで、多方面から接触が増えているのは俺も聞いている。
皇家の人間の反応は様々だが、いよいよ俺と日向の関係を確信しただろう貴族たちからは、茶会や晩餐の誘いが次々に来ていた。利狗(りく)の店にしたって、俺たちが帰った後は、色んな人間がひっきりなしに訪ねてきて早々に店を閉めたと草から報告も受けている。
尼嶺(にれ)からも、何らかの申し出があったようだが、これに関しては俺の耳に入れる前に草が処理してくれた。

「婚約の儀の日取りも決まったんでしょう?父上や呉須色乃宮くらいには、紹介しておくべきだと思うけど、」
「……考えていない訳じゃないよ、」

いつかは、日向を俺の婚約者として公に示す必要があるのは分かっている。
日向を守るためにも、国民や貴族連中、皇族には立場を明確にしてやるのは不可欠だ。今はまだ俺も日向も未成年だと言うのと、婚約の儀も済んでいないとのことである程度許容されていたが、尼嶺との折衝が済み、後は儀式を待つのみとなった。

いよいよ、日向は正式に俺の婚約者になるわけだ。
そのことはすぐにも世界中に自慢してやりたい。腹違いの兄姉の配偶者や婚約者よりも、俺の日向が1番だーーーそう見せつけてやりたい。

だけどなあ。

初めてのデートに喜び笑う一方で、足が腫れ、熱が出るような日向だ。
学院で出会ったよりも多様な人間に会ったから、色んな声も聞いただろうし、傷つくこともあっただろう。一度にたくさんのものが流れ込んできて、処理し切れない結果が、発熱だ。
足だって、夏季休暇に入って腫れる頻度は増えた。昨日はデートだからといつもより長く歩いたせいではあるが、それでも俺たちが日常生活で歩く距離の半分にも満たないだろう。

裏庭でキャンプをしてテントで眠ったり、ガラス張りのテラスで星を見上げながら眠ったりして、隠れ家を離れる練習もさせている。だが、その後には決まって昼寝の時間が長くなっているのも事実だ。
まだ混乱して「怖がり」になることもあるし、大きな感情の揺らぎには、体ごと固まって対処ができない。
昨日町を歩いて、「人間」が1番怖いんだな、と言うことも改めてわかった。

正直、今の日向を皇家の人間に会わせるのは負担が大きすぎる。

「…四紺は、貴方が思うほど悪い人間じゃないわよ。そもそも呉須色乃宮はこちらの人間でしょう。貴方たちの婚約にだって好意的なのに、」
「分かってるよ。だけど、会わせたい人間じゃない、」
「本っ当、過保護ねえ。日向さんって意外と逞しいと思うんだけど、そんなに心配?」

日向が逞しいのなんて、言われなくても知ってる。
15年1人で生きてきたんだ。日向は強い。俺なんか手も足も出ないくらい壮絶な人生を日向は生きてきた。
でも、尼嶺でなく、この離宮で生きていくことを選んでくれたんだ。
日向にとっては何もかも未知の、新しい世界で。

「日向は……今初めて他人と生きる手段を模索してるんだ。焦らせたくない、」
「だけど、外の人間って言うのは、貴方たちと同じようにはしてくれないでしょう?日向さんのことは貴方が1番分かっているでしょうから、これ以上は言わないけど。貴方の負担も大きいんじゃないかと心配にはなるわ、」
「それは承知の上だよ、」

日向の成長はゆっくりだ。
それでも全てがその成長を待ってくれる訳ではないのは、承知の上だ。
だから、日向のできないことは俺が負う。その覚悟はした。

「まあ、播磨には、後で謝っておくよ、」
「あら、」
「日向のせいで傷ついたなら、俺の責任でもあるからな、」
「あらあら、まあまあ、」

大袈裟に驚いてみせる姉上に恥ずかしさはあったが、俺は変わったらしいからな。日向のためなら、これくらいする。

それより、日向だ。
あいつ、そろそろ限界だろう。

「日向、部屋に帰る時間だ。お前、また熱が上がってるだろう。いい加減大人しくしてないと、治るものも治らないぞ、」

愉快に歌う日向だが、明らかに声が弱々しくなっているし、顔はもう茹で蛸だ。
だが、ベッドに歩んで抱き上げようとしたら、小さな体は母上の布団の中へと消えた。

「やだ、」
「は?」
「すみれこさまと、寝る、」
「何でだ。お前がいたら母上は休めないだろ。日向だってしんどいんだから、部屋に帰ってゆっくり寝な、」
「だいじょぶ。しおうが、すみれこさまと、僕の、お世話する、」
「はあ?」

何を言い出すんだ、こいつは。
母上のことが気がかりで離れ難いのは分かる。母上を元気にしてやろう、と俺と約束したことを頑なに守ろうとしていたのも知っている。
あるいは、昨日一日母上の元を離れたから、甘えたいのかもしれない。

だが、何かおかしな方向に転がっていないか。
そう思った矢先、布団の中から「僕は、番いだから、」と声がした。

「しおうが、できないは、僕がやる、」
「何の話だ、」
「しおうは、甘えん坊が下手、」
「うん!?」
「本当は、すみれこさまに、いたいのに、しおうは下手だから、できない。だから、僕が、やる。僕がいたら、しおうは、いるが、できる。そしたら、すみれこさまにも、いるができる、」

案の定、おかしなことを言い出した日向に、母上は「あらまあ、」と目を丸くした。
姉上は母上と同じ口癖を吐いた後、丸い布団の山と俺を何度か見て嬉しそうに目を細める。
母上の侍女と日向と侍女は、揃いも揃って口を押さえているから、何かをこらえているんだろう。

俺はと言えば、日向のど直球な言葉の意味を理解して、頭が沸騰した。

「ひ、ひ、ひなた、」
「しおうを分かるは、僕が、1番、」
「待て。お前、熱でおかしくなってるんだろ!ちょっと黙れって、」
「しおうは、本当は、すみれこさまの、お世話が、したい。でも、できない、くて、僕といっぱい泣いた、」
「日向……!」

お前の素直な言葉は大好きだが、今は止めてくれ。
姉上がニヤニヤしだして、悪い顔になってるだろう。まるで四紺だ。
鶴喰(つるばみ)がいそいそと何か出してきた。それは、日向用の布団じゃないのか?日向が母上の世話をすると言い出してから、なぜか母上の寝室に増えたやつだろ。何でだ。俺は同意してないぞ。

「日向さんは、お母様と寝てくれるのね?」
「……うん。僕…お世話できない…から、しおうに言ってね…」
「ええ、日向さんの分も紫鷹さんにたくさんお世話してもらいますね。だから、安心してお眠りなさいな、」
「…う、ん、」

母上がにこにこと布団の山を撫でると、もぞもぞ動いていた山はすぐに静かになって、規則正しく上下するだけになった。
母上はもうその山を離す気がないようで、そのまま抱くように一緒に横になると、嬉しそうに微笑んで瞳を閉じる。

呆然と立ち尽くしていると、すぐ隣で、ふふっ、と笑う声が聞こえた。

「すごい子を伴侶に選んだわね。貴方、尻に敷かれるんじゃない?」
「……なっ、」
「さ、私は仕事に戻らなきゃ。離宮の雑務は任せなさいね、お姉様がしっかり努めてあげますから。その代わり、母上のお世話は頼みましたよ、」
「いや、ちょっと、姉上、」
「日向さんにできないことは、貴方がするんでしょう?」
「………!」

頼んだわよ、と満面の笑顔で姉上が去っていくと、俺は母上の寝室に取り残された。

むにゃむにゃと、布団の中から日向の寝言が聞こえる。
こういう寝言が言えるのは、日向が安心して寝ている時だ。
俺にとんでもない難題を押し付けたくせに、何を一人で平和に寝ているんだ。

勝手におかしなことをしてくれた日向を放って、部屋に帰ってしまおうか。そう思わない訳ではなかった。
だが、日向だ。
日向が俺のことを1番分かると言ったように、俺は日向を1番よく知っている。

お前、俺がやると本気で思っているだろ。
俺は日向の側にいて、日向の代わりに日向のできないことをしてくれるんだと、1ミリも疑うことなく信頼しきっているだろう。それで、自分は俺のできないことをやってやれたと自慢に思っている。
心の底から、俺とお前は一つだと、思っているから。

「……くそっ、」

俺はもう日向に日向自身を人質に取られたようなもので、母上の寝室に居座るしかないわけだ。
日向の信頼を裏切るわけがないと、日向には1番知られてしまっているから。

なんてことだ。
俺は、お前を番いにしたことを初めて後悔しかけたじゃないか。
でももっと困るのは、こんなに恥ずかしくて、居た堪れなくて、頭が沸騰するのに、そんな風に信頼されることに喜びが湧いてくる俺だ。

困った。
本当に困った。
俺は、本当にどうしたって日向から逃れられないんじゃないか。
本当に困った日向だよ。
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