第八皇子は人質王子を幸福にしたい

アオウミガメ

文字の大きさ
203 / 209
第弍部ーⅤ:二人で歩く

201.日向 自由になる 


「他には何が気になった?」
「他はない。犬に行ったら、だいじょぶ、なった、」


犬を撫でてバイバイって手を振ったら、しおうはまた聞く。
でももう大丈夫。僕はでーとの続きができる。本当だよ。その証拠に僕の足は言うことを聞くようになって、またしおうと手を繋いで一緒に歩いた。

「んな訳あるか。お前、さっきから体が半分あっちを向いてるの気づいてないのか、」
「あっち、」
「馬か?ロバもヤギもいるな。分かった、ラクダだろ、」

歩いてたら町はどんどん賑やかになって、人も生き物も増えた。
市が近いんだよ、ってしおうが教える。帝国や帝国の外から商人が来るし、お客も集まるから賑やかなんだって。

あちこちに生き物がいるのは、荷物を運ぶから。
向こうに馬車が並んでるね。こっちでは馬じゃなくてろばが車を引いて、トコトコしてる。あっちはらくだ。背中にこぶがついた変なやつ。変な背中に大きな荷物を何重にも積み重ねてゆらゆら歩いてた。

でも違うよ。
僕はもう犬に行ったから、らくだは行かない。
我が儘は言わないで、しおうと歩いて思い出を聞く。

だから、あの変なこぶが硬いのかな、柔らかいのかな、って気になったけど、離宮に帰った後であじろに聞くことにして我慢した。
でも、もぐもぐって、口が横に動くのが不思議だね。上の顎と下の顎が反対に動いて、変な顔がもっと変になる。らくだって、何を食べるかな。しおうの馬はにんじんが好きだから、らくだも好きかもしれない。牛みたいに草も食べるかな。歯は何本だろ。

「……らくだ、」
「ほら見ろ。お前、もうラクダのとこに行きたくて仕方ないんだろ、」

違うよ、って言いたかったのに、僕の足は急に固まって動かなくなった。何で。

「…しおうのせい。僕は、我慢したのに。しおうが、らくだを、言うから、」
「うん、それでいいから我慢なんかしないで、言ってみな、」

僕はうーって唸って、足に動け動け!って言おうとするのに、しおうは僕が足を叩こうとするのを捕まえて、紫色の目でじっと見る。
綺麗な目。その目がうんと優しくなって、いいんだよ、って言うから、僕は我慢ができなかった。

「……………………らくだに、行きたい、」
「よし、来た!」
「わ、」

僕が言ったら、しおうはよく言えたな、って僕を抱っこする。
歩けるよ、って言ったけど、市は人が多いからはぐれないようにするんだって。しっかり捕まってな、って言うからぎゅってしたら、しおうはあっという間に僕をらくだに連れて行った。

「わあ、」
「おお…、ラクダのコブって意外と柔らかいんだな…」

しおうが飼い主と話して、僕は初めてらくだを触った。
らくだはしおうより大きくて、しおうが抱っこしないと僕は背中に届かない。背中を触ったら茶色の毛はふかふかで、柔らかかった。離宮の絨毯に似てるね、って言ったら、らくだの毛で作った絨毯もあるんだって。
こぶはね、ぶにぶに。しおうは硬いと思ってたからびっくりして、ひーって悲鳴をあげた。可愛い。

「らくだのこぶは、脂肪、」
「何だ、知ってたのか。教えてくれよ、鳥肌が立った、」
「脂肪が、やわらかい、はわからない、かった、」
「…ああ、図鑑じゃ手触りまでは分からないもんな。来て良かっただろ?」

ほらな、ってしおうは自慢げな顔。
僕はちょと悔しかったけど、らくだが嬉しくて、しおうが優しくて、うん、って頷いた。

「お前は、本当に生き物が好きだなあ!」

しおう、楽しそう。
うんとたくさん笑って、キラキラしてる。
生き物が嫌いなのに、犬もらくだも撫でたね。
一つのこぶのやつと二つのこぶのやつがいたから、もっと触ってみよう、ってウキウキしながら僕を連れてった。

何で、そんなに嬉しい?
でーとと違うのにいいの?

そう思ったけど、しおうがあんまり楽しそうだから、僕も楽しくなって、らくだをたくさん触った。

「しじゅの服に似てる、」

大きなこぶの真ん中が凹んでる変ならくだがいた。
何でって、しおうが聞いたら一つのやつと二つのやつの雑種だって商人が教える。
その商人の服がしじゅやけまるたちが着てるのに似てた。布を何枚も被ってくるくる巻くやつ。何で?

「ああ、咫木野乃国(とぎののくに)か、その辺りの商人だな、」
「らくだは、こぶがあるからいっぱい歩く。咫木野乃国は、遠い?」
「転移門を使えば数日で行けるけど、あの商人のように陸路で旅したらひと月はかかるかな、」
「ひとつき、」

びっくりした。
僕は今日、離宮からうんと遠くまで来たと思ったのに、もっと遠くがある。
学院に通い始めてから、しおうと湖を見たり、森を探検したり、原っぱでピクニックをしたりしたけど、全部一日で行って帰って来られたよ。それだってうんと遠かったのに、ひと月だって!

僕があんまりびっくりしたから、しおうはぽかんって開いた口を撫でて笑った。

「口閉じなくなるぞ。そんなんじゃ、咫木野に行ったら顎が外れちゃうなあ、」
「もっとびっくり、する?」
「驚きすぎて日向は大変だろうなあ。あそこは景色も文化も何もかも、帝国とは違うから。俺も初めて行った時は、知らないことだらけで新鮮だったよ、」

青いタイルで彩られた建物が綺麗なんだって。
しじゅをお迎えした時に見た青。あの青の花柄だらけで、そのまま海まで続いているように見えるから、見応えがあるんだって。
僕にもいつか見せてやりたいんだ、ってしおうの紫の目が細くなる。

「しおうは行った、」
「姉上の婚礼の時と、チビ達が生まれた時な、」
「また、僕だけ、知らない、」

細くなった紫色が、今度はまん丸。
それがまた細くなったら、嫉妬か、ってしおうは嬉しそうにした。

うん、嫉妬する。
僕だけ、昔のしおうを知らない。

しじゅがね、小さい頃のしおうは、にんじんが嫌いでいつも残したって教えたよ。隠して馬にあげたこともあるって。でも、僕の知ってるしおうはにんじんも食べる。
すみれこさまはね、しおうが誕生日にくれたものを全部大事にしてるんだって。最初はまるばっかりの似顔絵だったのが、手紙になって、メダルになって、花束になって、木で作った小箱になった。去年の誕生日には、すみれの刺繍が入った小さな鞄をくれたのよ、お仕事の時もいつも持っていくの、って笑ってたよ。僕はすみれこさまの誕生日にしおうが贈り物をしてるのを知らなかったから、悔しいのと、すみれこさまが嬉しそうでふわふわするのとで、ふくざつだった。

とやも、はぎなも、小さい頃しおうがやったいたずらを覚えてる。
そらとやまとは、小さい頃のしおうは、手がつけられないくらいヤンチャで大変だったってため息をついた。
みずちとうつぎとゆりねは、昔のしおうは怖くて話したことがなかったって。

「色んなしおうが、いたのに、僕だけ、知らない。悔しい、」

だって、僕より小さいはりまも、しおうの思い出があったよ。
はりまが湖に落っこちた時、真っ先に助けたのがしおうだって。転んだらおんぶしてしじゅのとこまで連れて行ってくれたし、はりまが花輪を作って贈ったらうんと喜んでくれたって。

「みんなが、しおうは変わった、って言うが、僕だけわからない、」
「だから思い出が聞きたかった?」
「うん、」

そうか、ってしおうの目はどんどん細くなる。
僕がこんなに悔しいのに、しおうは嬉しいね。

「日向がいるからな、」
「僕?」

しおうの顔があんまり綺麗で、僕がふくざつな気分になってたら、しおうは言う。

「日向にしか見せられない顔ってのが、俺はあるの。日向がいると、それがダダ漏れになるから、姉上達からすると違って見えるんだろ、」
「泣くやつ?」
「お前は……、何で俺が泣くのが好きなんだ。まあ、でもそうだよ。日向以外の前では、泣かないかなあ、」
「すみれこさまが、しおうを泣かすは、僕の役目ね、って言ったよ、」
「はあ?」
「しじゅも、しおうは兄上の話は、しなかったのに、僕のおかげ、ね、って言った、」
「あ、お前、姉上にもバラしたな、」

今度はしおうがふくざつな顔になる。
しおうの兄上はしじゅと同じで遠くの国に行ったんだって。それが悲しくてしおうは、兄上の話をしなくなったのに、僕には会わせたいって言ったから驚いた、ってしじゅが言ったよ。

「……兄上の話は無意識だったけど、日向の前だと、俺は感情が丸裸にされるんだよ。そんなのお前だけだ、」

ふくざつな顔が、拗ねた顔になって可愛かった。

「僕だけ?」
「そうだよ。俺は日向がいなきゃ、らくだなんて触らない。あんなの触って楽しいのは、日向ががいるからだ。だから、らくだを触った時の顔は日向しか知らないの、」
「僕だけ、」
「散々人のこと翻弄しといて無自覚なのが怖いよなあ。日向のせいで、恥ずかしいとこも曝け出す羽目になってるんだから、日向が俺のことは1番知ってるだろ。むしろ、1番じゃなきゃ困るよ、」
「僕が、1番…、」

そうだよ、ってしおうが言った。
これからも、しおうと僕は2人の時間がたくさんある。そしたら、僕しか知らないしおうがたくさん増えて、いつかすみれこさまや、とやや、しじゅたちよりも、しおうと僕の思い出が1番多くなるんだって。

僕が、1番。
僕が、しおうの1番。

「あはっ!」

1番、って言葉が体の中にぐんぐん広がって溢れそうになって、僕はしおうの腕の中で、ぴょんって跳ねた。

「僕、ときめいたみたい!」

しおうの首をぎゅって抱きしめたら、しおうは、はあ?って驚いたような困ったような顔になる。
可愛いね、しおう。

「僕、もっとしおうを好きになった、みたい。でーとは、好き同士がもっと、好きになる。これは、でーと?」

しおうが可愛くて、胸の中がドキドキとふわふわでいっぱい。目の前がキラキラにも見えた。これはときめくって言う。
僕はあると王子とさあらみたいには、でーとができないと思ったけど、しおうは同じって言ったでしょ。
これは、同じ。
きっと同じ。

「……そういう直球を急に投げるなよ。俺の心臓が持たない、」
「しおう、真っ赤、」
「俺だってなあ、日向が嬉しそうなのを見たらもっと好きになったよ!」
「しおうも、同じ、」

少しは恥ずかしがれ、ってしおうは言ったけど、僕はもう嬉しいがいっぱい。
体中ふわふわとキラキラが溢れて、うんと幸せだった。

しおうが僕の気になるを知りたい、って言ったね。好き同士を知るのが、でーとのだいごみだって。
僕の気になるを話したら、僕の知らないしおうがいたよ。
僕はもっとしおうを分かるになって、しおうも僕を分かるになった。
そしたら、僕らは2人とももっと好きになって、うんと幸せ。

「ほら、気になるもの、まだあるだろ。もう出し惜しみするな。言ってみな、」
「ねこが、あっちに、走ってった!」
「よし、」

真っ赤なまま言うしおうが可愛くて、僕はもう我慢は忘れた。
でも、いいかもしれない。
だって、しおうはすごく嬉しそうになって、僕をおんぶする。それから走り出して、一緒に猫を追いかけた。

「お前のが目はいいんだから、ちゃんと指示しろよ。足は俺がやるから、」
「ねこは、はやいよ、」
「はあ?俺だって猫くらい追えるよ。いつまでも東(あずま)に負けてられるか、」

何で、あずま?って聞いたら、森や裏庭であずまばかり僕の面倒を見るのが悔しいんだって。最近のしおうは「適材適所だ、」ってあずまを信頼してたから、びっくり。

「また、はじめてのしおう!」
「あ、こら、暴れるな。ちゃんと捕まってろって、」
「あ、あっち!しおう、ねこ、屋根に行った!」
「ん、任せろ、」

屋根は高いから無理かな、って思ったけど、しおうはぴょんぴょん跳んで屋根に行った。

色んな色の屋根が遠くまで続いていて、町はうんと広いんだ、って僕ははじめて知ったよ。町の向こうには森も山もあって、空がどこまでも続いてる。
雲が近くなって、空を走ってるみたいだった。
風がさーって吹いて、しおうと2人、風になってねこを追いかける。

しおうがこんなに速く走るのを初めて見たよ。
怖くないか、ってしおうが聞いたけど、紫色の髪が風になびくとしおうの香りがして安心する。
しおうの背中、大きいね。腕も強くて、僕をしっかり捕まえて落とさない。

だからかな。
しおうがいたら、僕はどこまでも行ける気がした。
ブランコでも、プールでも、魚や鳥の方がすいすい行ける気がして羨ましかったけど。
しおうがいたら、僕は僕のままで、自由になれる。

しおう。
僕のしおう。
僕の1番。

僕はうんとしおうが大好きだと思ったけど、もっともっと大好きになった。
感想 49

あなたにおすすめの小説

おひめさまな俺、帝王に溺愛される

  *  ゆるゆ
BL
帝王陛下に捧げられることになった小国の王族レイには、大変な問題が──! ……男です。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます

ひと息
BL
突然の過労死。そして転生。 休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。 転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。 そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・ 知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?

処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる

猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。 しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。 当然そんな未来は回避したい。 原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。 さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……? 平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。 ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)

恋人に好きな人が出来たと思ったら、なにやら雲行きが怪しい。

めっちゃ抹茶
BL
突然だが、容姿も中身も平凡な俺には、超絶イケメンの王子と呼ばれる恋人がいる。付き合い始めてそろそろ一年が経つ。といってもまだキスもそれ以上もした事がない健全なお付き合い。王子は優しいけど意地悪で、いつも俺の心臓を高鳴らせてくる——だけどそれだけだ。この前、喧嘩をした。それきり彼と話していない。付き合っているのか定かじゃない関係。挙句に、今遠目から見つけた王子の側には可憐な女の子。彼女が彼に寄り掛かって二人がキスをしている。 その瞬間、目の前が真っ黒になった。もう無理だ。俺がスイッチが切れたようにその場に立ち尽くした、その時だった。前にいる彼から聞いたこともない怒声が俺の耳に届いたのは。 ⚪︎佐藤玲央……微笑みの王子と呼ばれ、常に笑顔を絶やさない。物腰柔らかな姿勢に男女問わずモテる ⚪︎中田真……両親の転勤で引っ越してきた転校生。平凡な容姿で口が悪いがクラスに馴染めず誰とも話さないので王子しか知らないし、これからも多分バレない ※全四話、予約投稿済み。 本編に攻めの名前が出てこないの書き終わってから気が付いた。3/16タイトル少し変更しました。 ※後日談を3/25に投稿予定←しました。Rを書くかはまだ悩み中