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葡萄酒色 ぶどうしゅ ★
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マルクは十七歳、ニフリートは十二歳となった。
マルクは煩悶する日々が続いた。
昼間は、ニフリートにできる限り優しく接して、とても大事に育てた。
夜間になると、ニフリートへの懸想を募らせ、思春期の抑えきれない熱も混じり、妄想の中で、純粋無垢なニフリートを犯しながらの自慰に耽る夜が続いた。
……彼の腕を縛り上げて梁から吊るし……怯えた表情の、彼の唇を噛むように奪うと……早急に舌を口内に差し入れ、口内を蹂躙する……舌は彼の滑らかな肌をなぞり、その綺麗な身体に吸い付いて……胸の尖りを、指で摘んで、もう片方を口に含んで舌で嬲る……背中をツゥ──っと肩から腰まで指を滑らせると……双丘を軽く揉んで、その中心にある孔に、無遠慮に指を潜り込ませて、蕩けるまで愛撫する……
んぅー、と突然、寝息を零したニフリートの寝返りに、ビクッと肩を震わせるマルク。彼の顔を見ると、すやすやと眠り込んでいる。
身体を寝返って、マルクは再び息を潜め、昂りを欲望のままに弄り、擦り上げる。
……縛り上げていた縄を解くと、ドサッと寝台にころがった彼は、快楽に全身を痙攣させる……それを上から見下ろし、ほくそ笑む……濡れそぼったニフリートのそこに、マルクの熱杭をあてがい、隘路にぐっと押し込んだ……耐え忍び「ああっ……」と零れる彼の嬌声に欲情を掻き立てられ……細腰をしっかりと掴み、強欲に熱杭を打ち続ける……「もう無理……やめて」と泣き叫ぶ彼に嗜虐心を煽られて……
マルクは、ニフリートの泣き叫び、苦しげな表情を妄想すると、異常なほど興奮して、一気に高みへと押し上げられイッた。
荒げる呼吸を宥めながら、マルクはまたも暗澹の沼に落ちる。
ニフリートを、ただただ大事にしたいのに、加虐欲が加速してゆく……まるで幼少期に自身が受けた悲劇のように……。
あんな思いを、ニフリートには絶対にさせたくない……。
俺は、侯爵になってしまったんだろうか……。
マルクは知らなかった、普通の愛の紡ぎ方も、恋人同士の営みも……。思春期特有の猛烈な色欲を。その感情に少しの嗜虐心がないまぜになることも、それらが人並みの心理とも知らずに責苦に苛まれる。
たとえ、妄想だとしても、自身の劣情が許せなかった。
劣情から逃れるように、マルクは次第に酒に溺れてゆく。
その酒場は、王都の冒険者ギルドの隣りの路地を入ってすぐの場所にある。
店の名は『淡月のうさぎ亭』
一見、重そうな木製のドアは、力を入れて開くと軽く弾むように開き、カランカランと高らかに入店を知らせるベルが鳴り響く。
中にいた客が一斉にこちらに視線を向ける、若造が……と言いたげな表情が目につき、不快になる。
この世界の成人は十六歳で、とうに過ぎてるマルクは何も違法はしていない。
そそくさとカウンターに座り、気の優しそうな店主と世間話をして、エールを差し出される。
ツマミのチーズナッツを看板娘が爽やかな笑顔で運んできた。
厨房では、店主の妻が威勢の良い声で大鍋をふるう。
客席も恐慌など感じさせない活気で賑わっている。
テーブル奥には、剣士、タンク、ヒーラー、弓使い、魔法師の王道パーティに、屈強な男ばかりのパーティ。エルフだけしかいないパーティなど、さまざまな冒険者達が集っていた。
飛び交う会話に耳を澄ませると、一番多いのは勇者一行の武勇伝、その次は強い魔獣に遭遇した話、仲間の恋話などだった。
飲み始めは、店主の話や、客の会話でマルクは気を紛らわせるのだが、酔いが進むにつれ、ニフリートのことが浮かんできて、深酒になり、酷いときには泣き上戸になる始末。
身長も伸び、見目よく成長したマルクは、女性冒険者に声をかけられることも、しばしば。
さりとてマルクの泥酔していく姿を見るなり、幻滅した女たちは、塵のごとく散っていった。
ドアのベルがなると、大きな魔女帽にマントという、いかにも魔法使いらしい、艶やかな魔女が入ってくる。
彼女は、店内を見まわし、マントを外すと、胸の谷間までぱっくりと開いたワンピース姿になって、マルクの隣に座った。
「ねぇ、ぼうや一緒に飲まない?」
艶のある声で魔女が声をかける。
酒でぼんやりとしたマルクは、正直一人で飲んでも良かったが、せっかく誘ってくれたのだからと、適当に返事をする。
「ああ」
特に会話が弾むでもない二人。酩酊して、溜息ばかりつくマルクに、呆れた魔女が口を開いた。
「なんか、悩み事でもあるの?」
優しい声が降ってきたのに驚いて、視点の合わない眼で魔女を見あげる。
「あんたまだ若いでしょ? 相談にのってあげるっていってるの」
魔女は、酒の合間に煙草を吹かせながら、マルクを横目で見下ろし言った。
マルクは葡萄酒を一口飲むと、訥々と話しだした。
「……俺は卵から育てている、獣人の家族がいるんだ。それはもう可愛くて……、成長が早くて、……いつの間にか美人になってた。……すごく大切にしたいのに……俺は、……俺は彼を性の対象として見てしまうんだ」
マルクは歯噛みをして。俯き背を丸めて、握った拳で、力なくカウンターを叩き、眦に水分を含む。
「それは……恋? ううん、愛かな……」
魔女は煙草の灰を皿に落とし、さらっと言った。
マルクは、涙眼で魔女を少し睨み、鼻にかかった声で訴えた。
「そんな高尚なものじゃない……、彼にはそんな感情を持ってはいけないんだ……、それなのに欲がおさまらなくて……」
マルクは頭を抱えて、カウンターに突っ伏す。
魔女は大きな溜息をつき、そんなマルクの肩をチョンチョンとつつき、耳元へささやく。
「私で試してみる? 少しは紛れるかもよ」
魔女は、艶を含んだ笑顔を見せる。
マルクは朦朧として、神にでも縋るかのように魔女の後ろを覚束ない足取りでついていく。店の勘定をしたのかもあやふやだった。
宿の部屋は、シックな深い緑の壁紙と、センスの良い飾り棚以外は簡素な家具が設えてあり、壁には杖が数本、机には魔法書らしき書物と水晶がおかれ、小綺麗に片付けられていた。
魔女は魔導灯の灯りを小さくすると、魔女帽とマントをハンガーにかけて、ワンピースをさらりと脱ぎ去り、ガーターベルトが付いた黒い下着姿になった。
マルクはその光景を見て、ギョッとした。
その身体は、マルクには美しいとは感じられなくて、まるで醜いものを見ているような嫌悪感に襲われた。
「すまない、気が変わった……」
そう告げると、マルクはその部屋を飛び出した。
走って、走って、王都を東西に分ける河にかかる石橋まで来た。
国章が刻まれた欄干に手をおいて、夜景を眺めていると、街の明かりが滲んで、目頭が熱くなり涙を堪える。
俺はもう穢れてしまったんだ……。
その場に蹲るマルク。離れた遠い海上にいる船は、優しく寂しげな汽笛を鳴らした。
魔女は、マルクが出て行ったドアを、唖然と眺める。
次第に怒りが込み上げた彼女は顔を歪ませ、ガラスの灰皿をドアに投げつけた。
荒げた息を整えながら、ドアを睨みつけ、煙草に火をつけ一服し、もくろむ。
女に恥をかかせやがって!
……そうだ、呪いをかけてやろう。
愛する人を手放したくなるほどの、心痛の呪いを……。
魔女に恥をかかせたことを後悔するように……。
魔女は冷ややかな笑みを浮かべる。
賑わう酒場のカウンターで、泥酔して突っ伏せているマルクは、黒いケープのフードを目深に被った人物が、よろけて背中に触れたことなど気にしてはいなかった。
その人物はフードの影で、ひっそりと妖しく微笑み、闇夜の喧騒に紛れ、消え去った。
──青い色情は、やがて葡萄酒色に耽溺してゆく──
マルクは煩悶する日々が続いた。
昼間は、ニフリートにできる限り優しく接して、とても大事に育てた。
夜間になると、ニフリートへの懸想を募らせ、思春期の抑えきれない熱も混じり、妄想の中で、純粋無垢なニフリートを犯しながらの自慰に耽る夜が続いた。
……彼の腕を縛り上げて梁から吊るし……怯えた表情の、彼の唇を噛むように奪うと……早急に舌を口内に差し入れ、口内を蹂躙する……舌は彼の滑らかな肌をなぞり、その綺麗な身体に吸い付いて……胸の尖りを、指で摘んで、もう片方を口に含んで舌で嬲る……背中をツゥ──っと肩から腰まで指を滑らせると……双丘を軽く揉んで、その中心にある孔に、無遠慮に指を潜り込ませて、蕩けるまで愛撫する……
んぅー、と突然、寝息を零したニフリートの寝返りに、ビクッと肩を震わせるマルク。彼の顔を見ると、すやすやと眠り込んでいる。
身体を寝返って、マルクは再び息を潜め、昂りを欲望のままに弄り、擦り上げる。
……縛り上げていた縄を解くと、ドサッと寝台にころがった彼は、快楽に全身を痙攣させる……それを上から見下ろし、ほくそ笑む……濡れそぼったニフリートのそこに、マルクの熱杭をあてがい、隘路にぐっと押し込んだ……耐え忍び「ああっ……」と零れる彼の嬌声に欲情を掻き立てられ……細腰をしっかりと掴み、強欲に熱杭を打ち続ける……「もう無理……やめて」と泣き叫ぶ彼に嗜虐心を煽られて……
マルクは、ニフリートの泣き叫び、苦しげな表情を妄想すると、異常なほど興奮して、一気に高みへと押し上げられイッた。
荒げる呼吸を宥めながら、マルクはまたも暗澹の沼に落ちる。
ニフリートを、ただただ大事にしたいのに、加虐欲が加速してゆく……まるで幼少期に自身が受けた悲劇のように……。
あんな思いを、ニフリートには絶対にさせたくない……。
俺は、侯爵になってしまったんだろうか……。
マルクは知らなかった、普通の愛の紡ぎ方も、恋人同士の営みも……。思春期特有の猛烈な色欲を。その感情に少しの嗜虐心がないまぜになることも、それらが人並みの心理とも知らずに責苦に苛まれる。
たとえ、妄想だとしても、自身の劣情が許せなかった。
劣情から逃れるように、マルクは次第に酒に溺れてゆく。
その酒場は、王都の冒険者ギルドの隣りの路地を入ってすぐの場所にある。
店の名は『淡月のうさぎ亭』
一見、重そうな木製のドアは、力を入れて開くと軽く弾むように開き、カランカランと高らかに入店を知らせるベルが鳴り響く。
中にいた客が一斉にこちらに視線を向ける、若造が……と言いたげな表情が目につき、不快になる。
この世界の成人は十六歳で、とうに過ぎてるマルクは何も違法はしていない。
そそくさとカウンターに座り、気の優しそうな店主と世間話をして、エールを差し出される。
ツマミのチーズナッツを看板娘が爽やかな笑顔で運んできた。
厨房では、店主の妻が威勢の良い声で大鍋をふるう。
客席も恐慌など感じさせない活気で賑わっている。
テーブル奥には、剣士、タンク、ヒーラー、弓使い、魔法師の王道パーティに、屈強な男ばかりのパーティ。エルフだけしかいないパーティなど、さまざまな冒険者達が集っていた。
飛び交う会話に耳を澄ませると、一番多いのは勇者一行の武勇伝、その次は強い魔獣に遭遇した話、仲間の恋話などだった。
飲み始めは、店主の話や、客の会話でマルクは気を紛らわせるのだが、酔いが進むにつれ、ニフリートのことが浮かんできて、深酒になり、酷いときには泣き上戸になる始末。
身長も伸び、見目よく成長したマルクは、女性冒険者に声をかけられることも、しばしば。
さりとてマルクの泥酔していく姿を見るなり、幻滅した女たちは、塵のごとく散っていった。
ドアのベルがなると、大きな魔女帽にマントという、いかにも魔法使いらしい、艶やかな魔女が入ってくる。
彼女は、店内を見まわし、マントを外すと、胸の谷間までぱっくりと開いたワンピース姿になって、マルクの隣に座った。
「ねぇ、ぼうや一緒に飲まない?」
艶のある声で魔女が声をかける。
酒でぼんやりとしたマルクは、正直一人で飲んでも良かったが、せっかく誘ってくれたのだからと、適当に返事をする。
「ああ」
特に会話が弾むでもない二人。酩酊して、溜息ばかりつくマルクに、呆れた魔女が口を開いた。
「なんか、悩み事でもあるの?」
優しい声が降ってきたのに驚いて、視点の合わない眼で魔女を見あげる。
「あんたまだ若いでしょ? 相談にのってあげるっていってるの」
魔女は、酒の合間に煙草を吹かせながら、マルクを横目で見下ろし言った。
マルクは葡萄酒を一口飲むと、訥々と話しだした。
「……俺は卵から育てている、獣人の家族がいるんだ。それはもう可愛くて……、成長が早くて、……いつの間にか美人になってた。……すごく大切にしたいのに……俺は、……俺は彼を性の対象として見てしまうんだ」
マルクは歯噛みをして。俯き背を丸めて、握った拳で、力なくカウンターを叩き、眦に水分を含む。
「それは……恋? ううん、愛かな……」
魔女は煙草の灰を皿に落とし、さらっと言った。
マルクは、涙眼で魔女を少し睨み、鼻にかかった声で訴えた。
「そんな高尚なものじゃない……、彼にはそんな感情を持ってはいけないんだ……、それなのに欲がおさまらなくて……」
マルクは頭を抱えて、カウンターに突っ伏す。
魔女は大きな溜息をつき、そんなマルクの肩をチョンチョンとつつき、耳元へささやく。
「私で試してみる? 少しは紛れるかもよ」
魔女は、艶を含んだ笑顔を見せる。
マルクは朦朧として、神にでも縋るかのように魔女の後ろを覚束ない足取りでついていく。店の勘定をしたのかもあやふやだった。
宿の部屋は、シックな深い緑の壁紙と、センスの良い飾り棚以外は簡素な家具が設えてあり、壁には杖が数本、机には魔法書らしき書物と水晶がおかれ、小綺麗に片付けられていた。
魔女は魔導灯の灯りを小さくすると、魔女帽とマントをハンガーにかけて、ワンピースをさらりと脱ぎ去り、ガーターベルトが付いた黒い下着姿になった。
マルクはその光景を見て、ギョッとした。
その身体は、マルクには美しいとは感じられなくて、まるで醜いものを見ているような嫌悪感に襲われた。
「すまない、気が変わった……」
そう告げると、マルクはその部屋を飛び出した。
走って、走って、王都を東西に分ける河にかかる石橋まで来た。
国章が刻まれた欄干に手をおいて、夜景を眺めていると、街の明かりが滲んで、目頭が熱くなり涙を堪える。
俺はもう穢れてしまったんだ……。
その場に蹲るマルク。離れた遠い海上にいる船は、優しく寂しげな汽笛を鳴らした。
魔女は、マルクが出て行ったドアを、唖然と眺める。
次第に怒りが込み上げた彼女は顔を歪ませ、ガラスの灰皿をドアに投げつけた。
荒げた息を整えながら、ドアを睨みつけ、煙草に火をつけ一服し、もくろむ。
女に恥をかかせやがって!
……そうだ、呪いをかけてやろう。
愛する人を手放したくなるほどの、心痛の呪いを……。
魔女に恥をかかせたことを後悔するように……。
魔女は冷ややかな笑みを浮かべる。
賑わう酒場のカウンターで、泥酔して突っ伏せているマルクは、黒いケープのフードを目深に被った人物が、よろけて背中に触れたことなど気にしてはいなかった。
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