【BL】異世界転移したら猫獣人の国でした〜魔石食べたらチートになりました〜

アベンチュリン

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終戦☆

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 僕達と隠密部隊は、ようやく敵陣を抜け出し、転移魔法で戦場に戻った。

 僕は要請のあった西の砦へ、セオを含む隠密部隊は所属の第三騎士団南の砦に向かった。
 各団は戦略として、前日とは違う砦を護る。日盛りにも至らない時間だというのに、あの緊急要請……。胸がざわつく。

 

 西の砦に到着し、視界に映る景色は地獄そのものだった。
 敵兵を見遣ると、前衛にゴブリンとオークが配置され、後衛のマンティコアは毒針や毒霧を放ち、青龍は炎を吐き、前衛に出れば鉤爪で攻撃していた。
 自陣を注視すると……。
 団員の大半は猫型になり、眼をやられた者、身体に傷を負い流血して横たわっている者、毒を浴びて動けない者、前脚を骨折しているであろう地に脚をつけられない者。
 その姿を目の当たりにした僕は怒りで、ふつふつと血が頭に上がっていくのを感じた。

〈おい!ルカ落ち着け! と、とりあえずヒールだ!〉敵兵に足が向く僕を見たのだろう、賢者様の荒げた声がぼんやり聞こえた。

 エリアヒールを唱え、いまは回復だけで持ち堪えて欲しいと願う。
 元凶をやらなければ、全員共倒れだ。
 敵兵の目の前に着くと。

ネルザンドうちの猫をやったのは君たち?」

 ルカは氷のような冷ややかな声で敵兵のテイマーを睥睨する。

契約解除アンテイム!」を唱えた。敵兵は従魔が扱えなくなり狼狽える。

〈そんな魔法、猫又のとこで教わったか⁉︎〉賢者様は目を剥く。

 続けてルカは隷従の首輪を破壊し、従魔達に告げる。

〈住処に帰っていいよ〉

 従魔達は理解できないのか威嚇を続ける。

〈森へ帰って!〉恫喝ぎみに声を荒げると、オークやゴブリンは怯んで、すぐに森に帰っていった。

 マンティコアは面倒だったので、敵陣に転移させた。

 青龍ブリュードは怪訝そうにしていたので、掌を開いて両手を上げ攻撃しないことを示して念話で話しかけた。

〈初めましてブリュード様、私はルカと申します。ロゼッティア様より伝言を賜りました。ヘーゼルの丘で待つとのことです〉

 胸に手をあて、膝をつき頭を垂れる。緋龍から青龍は高貴なお方だと伺っている。

〈それは本当か!〉青龍は目を瞠った。

〈はい。私と友が解放致しました〉クロを思い出し、胸がぎゅうっと痛い。
 
 青龍は翼を大きく広げて感嘆を示す。翼を閉じると勇決して。

〈とても感謝している。今から我はネルザンドに加担しよう〉雄々しく青龍は告げる。

〈本当に宜しいのですか?〉

〈ここで恩を返さねば、末代までの恥となるだろう〉 

 僕は治療に専念するため、青龍に闘ってもらった。

 瞳を龍の鉤爪でやられたのか左眼を負傷している団長ラファエル(皇太子)に声をかける。

「ラファエル様治療いたします」手をかざそうとすると。

「私は魔力で止血できる。他の団員を診てやってくれ」片眼を掌で覆った団長が告げる。

「宜しいのですか?……それではお言葉に甘えて重傷者から診ていきますね」

 重傷者の中には助けられない者もいた。それでも懸命に一人ずつ治癒していく。自分が倒れるわけにはいかないのでハイポーションをガブ飲みしながら施術していく。
 治癒や蘇生に必要なポーションや薬草を各団より回してもらい、青龍が加勢することも伝えた。

 ルカが甲斐甲斐しく団員を治癒する姿を、熱い眼差しで見つめる者がいたことなど誰も気づきはしなかった。
 
 青龍は強かった。敵兵や魔獣を諸共せずに倒していく。
  
 ややあって青龍の強さに慄いたのか、敵兵は降参を示す白旗を揚げる。

 青龍に感謝を述べ「ロゼッティア様と末永くお幸せに」と伝えると、大きな龍の瞳は細められ頷いた。

 終戦の鐘が国中に鳴り響く。

 そうして二日間続いた戦は幕を閉じた。

 
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