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★敵の大将
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私達が詰めている物見櫓は、そんなに大きくは無いけど、二人で見るには大きすぎる。
けれどそれは普通の人間にとってはの話で、私と賢者様の二人にはなんて事の無い、余裕の守備範囲だ。
「カメリア、今どの辺りまで見えてるかな?」
「ん~っと……。川でイワナが跳ねるのが見えたよ」
賢者様の魔法で私の五感が研ぎ澄まされ、近くを流れる川で起きた事を説明する。
「川って、森の向こうのかい?しかも種類まで分かるのか。……もしかしてカメリア。前より目が良くなったんじゃないかい?」
「かな?うん、そうかも」
頷くと「少し効果を落とすね」と言われ、視界が狭まり、川がぎりぎり見える程度になる。
「視界は良好。次は聴覚。私達以外に人の声は聞こえるかな?」
「……ううん、なんにも」
目を閉じて集中してみるが、聞こえてくるのは鳥のさえずりのみ。
でも賢者様は「まあそうだよね」と苦笑するだけ。
「近くにいたとしても偵察部隊。べらべらお喋りしてるわけないよ。それじゃあ最後、嗅覚。人間の匂いはするかな?いたら指差しや顔を向けずに教えてほしい」
「ん……」
私はもう一度目を閉じて鼻をひくつかせる。
風に乗って、複数の人の匂いが漂ってくる。
「賢者様の、斜め左後ろの方に一人。その人のずっと後ろに三人いるよ」
「上出来。顔は見えるかな?」
ゆっくりと目を開けてちらりとそちらを見ると、草むらの間からこちらを見つめる目とぶつかる。
私には見えても、向こうは見つかったとは思っていないのか、微動だにしない。
「あまりそちらばかり見ないで」
「草むらに隠れてて目しか見えない。でもたぶん、カメリアに見つかってるとは思ってないよ。全然動かないもん」
賢者様に言われてすい、と視線を外して辺りの景色を見渡すふりをする。
「裸眼である私の視力じゃ全く見えないからね。向こうも道具を使わない限り、こちらの表情までは見えないんだろうね。……うん。状況は大体分かった。ありがとう、カメリア。それじゃあ次は、今回の敵の大将について話しておこうかな」
賢者様が櫓から離れるのにならって、私も外に出していた顔を引っ込める。
「何か聞こえたらすぐに教えてね」と言いつつ、賢者様はこの辺りの地図を机に広げる。
「私達がいる場所がここ。カメリアが見た密偵がいる方向がこっち。だから多分、大将がいるのは……この辺りかな?」
す、す、と指差し、最後に示したのは国境ぎりぎり、川を越えない辺りの開けた土地だ。
「その大将が、前にカメリア達が出会った人なの?」
「おそらくね。私も直接確認したわけじゃなく、城で得た情報だけど、まず間違いないと思う」
「……教えて?」
先を促すと、賢者様は「分かったよ」と頷く。
「彼の名前はエイサー。数年前からギルガロッソに雇われている傭兵で、剣の腕が立ち、魔法の心得もあるらしい。魔法が扱える剣士はかなり希少だ。時代が時代なら、間違いなく勇者候補の一人だったろうね」
エイサー。それがあの時の、剣士の名前。
彼が私の仲間を殺し、私が彼の仲間を殺した、因縁の関係。
「それでこのエイサー君の特徴なんだけど、戦場を鎧も着ずに駆け回っているらしい。見た目は好青年だけど身体中生傷だらけ。痛みで強くなるタイプなのかもしれない。あとは敵将目掛けて突撃するタイプで、それ以外は眼中に無しってところだね」
賢者様がエイサーについてつらつらと説明してくれるが、正直、彼がどんな人物だったのかほとんど覚えていない。
あの時の私は魔王様の血を大量に取り込んで暴走状態だったから、残っているのは仲間が殺されてしまったという喪失感だけだ。
「カメリア?大丈夫かい」
「……あ、うん。へーき」
ぼんやりとした私を気遣う賢者様に微笑むと、賢者様はほんの少し私を見つめた後、話を続ける。
「彼が前線に出てきたなら、真っ先に私達の元へ来るだろう。けど私達の目的は彼の阻止。ここで彼を退ける事だ。いいね?」
「うん。……ねえ賢者様。それってその人を、殺すって事だよね?」
なんとなく聞いてしまった。
けれど賢者様は何も戸惑う事無く答える。
「彼が大人しく退いて、今後コルスタンに手を出さないというならそれでいい。けど、私達をつけ狙い、他に迷惑をかけるというならそうなるかもね。……嫌かい?」
「……分かんない」
俯き答える。
私には、どうすればいいのか分からない。
彼は、仲間を殺した仇。それに間違いはない。
けれども私は、賢者様という新しい家族に出会えた。
ティー姉さんやアデリーという優しい仲間にも出会えた。
この人達を守る為に戦う気持ちはもちろんある。
でも殺したいか?と問われれば迷いが生じる。
彼もまた、仲間を失った一人だ。
私と違って何年も独りで生きてきたのだとしたら、それはとても寂しい事だ。
「……?」
ぽん、と不意に賢者様に頭を撫でられる。
優しい微笑みで、何度も何度も。
「難しく考える必要は無いよ。これは戦争なんだ。君は君自身と、守りたい人の為に生き抜く事だけを考えれば良い。後は大人の仕事だ」
生き抜く……。
その言葉のおかげで、少しだけ胸のつかえが取れたように軽くなった気がする。
そうだ。私は賢者様と、ティー姉さん達の為に戦おう。
「……うん。ありがとう」
「どういたしまして」
お礼を言うと、賢者様もにっこりと微笑む。
「さて、それじゃあ今後の方針だけど。私達はひたすらここで見張りと大将の迎撃だ。数で押し切られてしまうのは仕方がない。こぼれはティーナ達に任せる。けどエイサー君は、私達が何としても止める。今日攻めてくる事はまず無いと思うから、油断はせずに、ほどほどにリラックスしてていいよ。夜は私が見張りを変わろう」
「どうして今日は来ないの?」
「こちらを見張っている密偵達は、さっきここの見張り全員が撤退したのを目撃している筈だ。そして残っているのが見慣れない私達二人。何か変化が起きたのは確実だけど、攻め時なのかは判断が出来ない。だから様子を見る必要がある。よほどの猪突猛進でもない限り、明日も何も無いだろうね」
「そっか……」
私ならたぶん、すぐに向かって行ったろうなという感想は呑み込んで、違う質問をする。
「じゃあ賢者様は、いつ敵が来ると思うの?」
「うーん、そうだね……」
賢者様は一度立ち上がり、密偵達がいる方向に遠い目をして呟くように答えた。
「……早くて三日。遅くても一週間には、敵の大将に会えるんじゃないかな?」
けれどそれは普通の人間にとってはの話で、私と賢者様の二人にはなんて事の無い、余裕の守備範囲だ。
「カメリア、今どの辺りまで見えてるかな?」
「ん~っと……。川でイワナが跳ねるのが見えたよ」
賢者様の魔法で私の五感が研ぎ澄まされ、近くを流れる川で起きた事を説明する。
「川って、森の向こうのかい?しかも種類まで分かるのか。……もしかしてカメリア。前より目が良くなったんじゃないかい?」
「かな?うん、そうかも」
頷くと「少し効果を落とすね」と言われ、視界が狭まり、川がぎりぎり見える程度になる。
「視界は良好。次は聴覚。私達以外に人の声は聞こえるかな?」
「……ううん、なんにも」
目を閉じて集中してみるが、聞こえてくるのは鳥のさえずりのみ。
でも賢者様は「まあそうだよね」と苦笑するだけ。
「近くにいたとしても偵察部隊。べらべらお喋りしてるわけないよ。それじゃあ最後、嗅覚。人間の匂いはするかな?いたら指差しや顔を向けずに教えてほしい」
「ん……」
私はもう一度目を閉じて鼻をひくつかせる。
風に乗って、複数の人の匂いが漂ってくる。
「賢者様の、斜め左後ろの方に一人。その人のずっと後ろに三人いるよ」
「上出来。顔は見えるかな?」
ゆっくりと目を開けてちらりとそちらを見ると、草むらの間からこちらを見つめる目とぶつかる。
私には見えても、向こうは見つかったとは思っていないのか、微動だにしない。
「あまりそちらばかり見ないで」
「草むらに隠れてて目しか見えない。でもたぶん、カメリアに見つかってるとは思ってないよ。全然動かないもん」
賢者様に言われてすい、と視線を外して辺りの景色を見渡すふりをする。
「裸眼である私の視力じゃ全く見えないからね。向こうも道具を使わない限り、こちらの表情までは見えないんだろうね。……うん。状況は大体分かった。ありがとう、カメリア。それじゃあ次は、今回の敵の大将について話しておこうかな」
賢者様が櫓から離れるのにならって、私も外に出していた顔を引っ込める。
「何か聞こえたらすぐに教えてね」と言いつつ、賢者様はこの辺りの地図を机に広げる。
「私達がいる場所がここ。カメリアが見た密偵がいる方向がこっち。だから多分、大将がいるのは……この辺りかな?」
す、す、と指差し、最後に示したのは国境ぎりぎり、川を越えない辺りの開けた土地だ。
「その大将が、前にカメリア達が出会った人なの?」
「おそらくね。私も直接確認したわけじゃなく、城で得た情報だけど、まず間違いないと思う」
「……教えて?」
先を促すと、賢者様は「分かったよ」と頷く。
「彼の名前はエイサー。数年前からギルガロッソに雇われている傭兵で、剣の腕が立ち、魔法の心得もあるらしい。魔法が扱える剣士はかなり希少だ。時代が時代なら、間違いなく勇者候補の一人だったろうね」
エイサー。それがあの時の、剣士の名前。
彼が私の仲間を殺し、私が彼の仲間を殺した、因縁の関係。
「それでこのエイサー君の特徴なんだけど、戦場を鎧も着ずに駆け回っているらしい。見た目は好青年だけど身体中生傷だらけ。痛みで強くなるタイプなのかもしれない。あとは敵将目掛けて突撃するタイプで、それ以外は眼中に無しってところだね」
賢者様がエイサーについてつらつらと説明してくれるが、正直、彼がどんな人物だったのかほとんど覚えていない。
あの時の私は魔王様の血を大量に取り込んで暴走状態だったから、残っているのは仲間が殺されてしまったという喪失感だけだ。
「カメリア?大丈夫かい」
「……あ、うん。へーき」
ぼんやりとした私を気遣う賢者様に微笑むと、賢者様はほんの少し私を見つめた後、話を続ける。
「彼が前線に出てきたなら、真っ先に私達の元へ来るだろう。けど私達の目的は彼の阻止。ここで彼を退ける事だ。いいね?」
「うん。……ねえ賢者様。それってその人を、殺すって事だよね?」
なんとなく聞いてしまった。
けれど賢者様は何も戸惑う事無く答える。
「彼が大人しく退いて、今後コルスタンに手を出さないというならそれでいい。けど、私達をつけ狙い、他に迷惑をかけるというならそうなるかもね。……嫌かい?」
「……分かんない」
俯き答える。
私には、どうすればいいのか分からない。
彼は、仲間を殺した仇。それに間違いはない。
けれども私は、賢者様という新しい家族に出会えた。
ティー姉さんやアデリーという優しい仲間にも出会えた。
この人達を守る為に戦う気持ちはもちろんある。
でも殺したいか?と問われれば迷いが生じる。
彼もまた、仲間を失った一人だ。
私と違って何年も独りで生きてきたのだとしたら、それはとても寂しい事だ。
「……?」
ぽん、と不意に賢者様に頭を撫でられる。
優しい微笑みで、何度も何度も。
「難しく考える必要は無いよ。これは戦争なんだ。君は君自身と、守りたい人の為に生き抜く事だけを考えれば良い。後は大人の仕事だ」
生き抜く……。
その言葉のおかげで、少しだけ胸のつかえが取れたように軽くなった気がする。
そうだ。私は賢者様と、ティー姉さん達の為に戦おう。
「……うん。ありがとう」
「どういたしまして」
お礼を言うと、賢者様もにっこりと微笑む。
「さて、それじゃあ今後の方針だけど。私達はひたすらここで見張りと大将の迎撃だ。数で押し切られてしまうのは仕方がない。こぼれはティーナ達に任せる。けどエイサー君は、私達が何としても止める。今日攻めてくる事はまず無いと思うから、油断はせずに、ほどほどにリラックスしてていいよ。夜は私が見張りを変わろう」
「どうして今日は来ないの?」
「こちらを見張っている密偵達は、さっきここの見張り全員が撤退したのを目撃している筈だ。そして残っているのが見慣れない私達二人。何か変化が起きたのは確実だけど、攻め時なのかは判断が出来ない。だから様子を見る必要がある。よほどの猪突猛進でもない限り、明日も何も無いだろうね」
「そっか……」
私ならたぶん、すぐに向かって行ったろうなという感想は呑み込んで、違う質問をする。
「じゃあ賢者様は、いつ敵が来ると思うの?」
「うーん、そうだね……」
賢者様は一度立ち上がり、密偵達がいる方向に遠い目をして呟くように答えた。
「……早くて三日。遅くても一週間には、敵の大将に会えるんじゃないかな?」
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