俺ログその後の恋愛模様

獅子十うさぎ

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掲示板勢集合!

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ヴァーミリオンハーツでは、秋の十五夜イベント『月からウサギがやってきた!』が開催されようとしていた。

それについてのスレで書き込まれた一言が、事の発端だった。

ーーーーーーーーーーーーーー

22:通行人A
ところでウサギと聞いて謎ウサ召喚氏を思い出したのはオレだけか?

ーーーーーーーーーーーーーー

これに反応したのは、1年以上前にアヒト救出の為に動いた面々だ。
あの時以来集まるような事もなかったのだが、この機会に当時のメンバーで集まってはどうかという流れになる。

このスレを見た人が当時共に動いたフレンドに連絡し、ヴァーミリオンハーツで偶然再会してフレンドになったメンバーに連絡し、またその人が別の人に連絡しと連鎖していく。

ーーピロン♪

「ん?」

そしてその連絡は、カイトのところにも届いた。
内容を確認し、ニヤリとするカイト。

「ユメナ、これ」

「!」

その場で一緒にいるユメナに転送する。
内容を確認したユメナは目を輝かせた。

「ユメナは当時の人で知ってるやついる?」

「あ、パンちゃんならフレンドです」

「じゃあ送って。俺も他のやつに転送するわ」

そうしてカイトとユメナがいそいそとメッセージ転送をし、何事かとアヒトとクレハは首を傾げる。

「何かあったのか?」

「んっとな、今度十五夜イベントあるだろ?その時に謎ウサ召喚氏救出メンバーで集まらないかって連絡きたんだよ」

「えっ、本当か?」

アヒトにとっては恩人達の集合だ。
もっとも、救出隊もアヒトに助けられたが故に集まった面々だが。

話を聞いていたクレハもアヒトに質問する。

「えと、前に言ってたアヒト君を助けてくれた人達?」

「そうそう。結局まだ2人にしか会えてないんだよな」

その内の1人はユメナである。
もう1人は偶然遭遇した攻略組の善良なオークだ。

「で、いつ集まるんだ?」

「まだそこまでは決まってないな。イベント期間中なのは間違いないけど」

「今回のイベントは集まったプレイヤー達での共闘もあるからちょうど良さそうですね」

「おもち怪獣だっけ?名前聞いて笑っちゃった」


ここで、イベント内容について説明しよう!

『ある日月からこの世界に遊びにやってきたウサギ。
しかし、イタズラおもちに大切な月の石を盗まれてしまった!
あれが無いと月へ帰れないウサギ。
そんなウサギの為に月の石を取り返してあげよう!』
といったストーリーだ。

プレイヤー達のやる事としては、まず困り果てたウサギに話を聞いて依頼を受ける。
次にイタズラおもちの出現エリアが限られているので、そのエリア内を探して見つけだす。
だがイタズラおもちは発見されると逃げる為に月の石を飲み込んで巨大なおもち怪獣となってしまうので、その際に戦闘エリア内にいるプレイヤー達みんなで協力して打ち倒し月の石を取り戻すのだ。
最後にウサギに月の石を渡せばクエストクリアとなる。



そんなイベントに集結することになった当時のメンバー達。
何度かのやり取りの末、イベント初日の夜にウサギから依頼を受けた状態でイタズラおもちが居るというエリアに集合する事となった。


「おー、久しぶりだなぁ!」

集合場所にて、カイトとアヒトは早速中年の男性に声を掛けられた。

「オークさん!」

「お久しぶりです!」

2人は笑顔で挨拶を返す。
善良なオークの隣にはもう1人熊のような中年男性が居た。

「そっちの方は?」

「コイツはアレだ。ほら、えーと…アレ…」

歳を取ると名前が直ぐ出てこない。

「蜂蜜酒マニアだよ。ここではミードって呼んでくれ」

「おぉ、こっちでは一応初めましてミードさん!」

BTO時代も掲示板でのやり取りしか無かったのでカイトも初対面だった蜂蜜酒マニア。
その大柄なオジサン2人の後ろから、また違うプレイヤーがやってくる。

「いた!謎ウサの友人!」

「マジで久しぶりだなカイト!」

そう声を掛けてきたのは流れの吟遊詩人とくっころ騎士だ。
この2人は結構歳の近い男子である。

「お~久しぶりぃ」

「あれ!?お前デカくなってない!?」

「前俺らより小さかったよな!?」

「ハッハッハ、身長の伸びが止まらなくて参ってるよ。体が痛くて痛くて」

「うわ腹立つ」

BTOの時と同じく、このゲームもリアルの姿が反映されている。
と、また後ろから声が掛かる。

「コイツ相変わらずだなぁ」

「背は伸びたけど性格は変わってないのか」

そう言ったのは長靴をはいたクマとゴブリンスラッシャーだ。
カイト達より少し年上の男性である。

それから立て続けに、通行人Aや山賊見習い、馬車男と懐かしい面々が集まってくる。
皆久しぶりの再会で雰囲気は同窓会状態だ。

「なんかBTO思い出すなぁ」

「みんな元気そうで良かった!」

「あと来てないのって誰だ?」

そう言っている間に「おーい」と別の声が聞こえてくる。
見るとその声の主は魔法剣士ライゾフだった。

「おぉライゾフじゃん!」

「て事はその隣に居るのって…」

「おう、コイツが英雄王だ」

「俺の出番が来てしまったな」

「ワオ間違いねえ」

相変わらずの自信満々さに全員が確信する。
それから、ふとプレイヤー名を確認した。

【HIDEO】

「「「ブッハ!!!」」」

全員が同時に吹き出した。

「お…おま…ヒデオだったんかwwww」

「英雄と書いてヒデオかwwww」

「お、俺今度からお前の事ヒデ王って呼ぶわwwww」

ツボに入り笑い転げる掲示板勢。
ひとしきり笑ってから、何とか呼吸を落ち着かせて長靴をはいたクマがカイトに質問した。

「ところでカイト。お前の隣に居るのってさ、もしかして…」

実は、触れなかったもののカイトを見つけた時から掲示板勢の人々は気になっていた。
もしや…と。

「そう、コイツは我らが謎ウサ召喚氏だ!!」

「おぉやっぱり!!」

ついに実物を見られ、善良なオーク以外の皆んなのテンションが最高潮になる。

「え…と、あの時は皆さん本当にありがとうございました」

「固い固い!」

「大体先に助けてくれたのお前だろ!」

バシバシと背中を叩きながら言われ、アヒトも緊張が解れた。
そして掲示板勢の勢いは止まらない。

「それにしても割とイメージ通りの見た目だったな!」

「確かに!これでイケメンだったら助けた事後悔してたわ」

「いやそれは酷くないか!?」

アヒトの反応に笑う面々。
そこに、ニヤニヤしながらカイトが水を差す。

「そんなお前らに良いことを教えてやろう。ここにいる美少女、誰だと思う?」

カイトが少しだけ離れた所にいたクレハを近くまで連れてくる。
あまりの美少女っぷりに目を丸くする掲示板勢。

「えっ、どちら様…ですかね」

「プ、プレイヤー、だよな?」

「ちょっ、勿体ぶらずに教えろよ!」

動揺と緊張で勢いが落ちる男達。
カイトはニコリと笑って言い放った。

「この子はな、なんと謎ウサ召喚氏の彼女だ!」

その瞬間、その場がシーンとなった。
そして皆んなが膝から崩れ落ちる。

「「「こんな奴助けるんじゃなかった!!」」」

「いっそ清々しいなお前ら!!」

とんでもない美少女の彼女がいると知り、手のひらを綺麗にひっくり返す面々。
期待通りの反応にカイトは満足そうにしながら続ける。

「でもって…おーいユメナ!」

離れた所でパンちゃんこと森のパン屋さんと談笑していたユメナを呼ぶ。
カイトに呼ばれてトコトコ駆け寄ってくるユメナ。
そんなユメナの肩に手を置くカイト。

「この子は俺の彼女になりました」

「「マぁジか!!」」

ユメナは掲示板勢の一員なので、反応が変わってくる。

「うわー、なんかお前ら怪しいと思ってたんだよ!」

「え、実は元々知り合いだったん?」

「いや、あの時が初対面」

「じゃあアレが出会いのキッカケか!それはなんかおめでとう!」

身内のような感覚なのでアヒトと違い喜ばれる。
が、1人だけ「なん…だと」と言いながら崩れ落ちた。

「どうしたヒデ王」

「さてはコイツ、ユメナさん狙ってたな」

「どんまいヒデ王w」

みんなに適当にあしらわれる英雄王。
それをアヒトだけが慰め、「やっぱり俺に優しいのはお前だけだぁあ!」と泣きついている。

と、そんな風に騒がしくしていた時、突然掲示板勢とは違うガラの悪い集団が現れた。


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