【完結】愛を刻んで

さか様

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学生編 3年生

クリスマス

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秋旅行からしばらく経ち、街はすっかり冬の装いに変わった。

冷たい風に肩をすくめながら大学の帰り道を歩く。

「優真、ゼミ大変そうだな」

隣で歩く陸が、マフラーに顔をうずめながら言った。

「まぁね……でも、旅館でしっかりリフレッシュできたから、がんばれそう」

優真は照れくさそうに笑う。

「そういえば行ってきたって言ってたな、旅行。いいな」

陸はハルの顔を思い浮かべながら返した。

ちょうどそのとき、向こうから見慣れた人影が手を振ってくる。

「陸~!あ、優真も!」

ハルは笑顔で合流し、3人並んで歩き出す。

「ねぇクリスマス、今年はどうしようかしら? アキとユキもスケジュール開けてるって言ってたわ」

「そういえばまだ決まってないですね」

優真が首をかしげる。

「みんなで集まるのは決定だろうな。場所はまた考えるとして」

陸が言うと、ハルも頷いた。

駅前に着くと、陸が軽く手を振る。

「じゃ、俺達はこっち」
「ふふ、じゃあね」

ハルと別方向へ歩き出す。

優真はアパートへ向かいながら小さく呟いた。

「……クリスマス、やっぱり楽しみだな」

――数日後。

蓮のスマホに届いたメッセージはシンプルだった。

『クリスマス、今年も蓮の家でお願いね! ―ハル』

「……はは」

苦笑しながら蓮はスマホを閉じた。

――

日々は慌ただしく過ぎていった。

優真は大学でゼミ発表やレポートに追われ、図書館や研究室で夜遅くまで過ごす日が増えた。

『あと少し、がんばれ』

机に突っ伏しそうになるたび、蓮からの短いメッセージが支えになる。

蓮もまた、年末進行の撮影や施術の予約で連日フル稼働だった。

疲れた夜、スタジオを出て白い息を吐きながらスマホを開けば、優真からの連絡に思わず笑みがこぼれる。

一緒に過ごせる時間は決して多いとは言えなかった。
しかし、その少しのやり取りと秋の夜の記憶が、確かに2人を繋いでいた。

――

そしてクリスマスの昼下がり。

玄関のチャイムが鳴ると同時に、外からにぎやかな声が聞こえてきた。

「メリークリスマス!おじゃまー!」

先頭で声を張り上げたのはアキ。
両手に持った袋から、カラフルなラッピングの箱がちらりとのぞく。

「なんで毎度俺の部屋なんだよ……」

ドアを開けながら蓮がぼやく。

「いいじゃない、広さもちょうどよくて駅から近いし!」

ね、陸?とハルがさらっと言うと、後ろで陸が黙って頷いた。

「ふふ、そういうこと。おじゃまするね」

ユキが静かに微笑みながら、紙袋を抱えて中へ入る。

「ま、いーけど?」

蓮はそう言うとドアを閉めた。

優真は蓮と並んで笑顔で皆を出迎える。

「脱いだコートとか預かりますね!」
「優真、俺も手伝う」

陸は優真からコートを預かった。

楽しいひとときが始まる、蓮は優真がちょこちょこ動く様子を見て微笑んだ。

――

テーブルには、すでにピザとケーキ、シャンメリー、ワインのボトルが並んでいる。

「よし、飾り付けしよ!」

アキの合図で、みんなが袋からごそごそと取り出したのは、100均で揃えたらしいガーランドや風船。

「蓮さん、ここ乗っていいですか?」
「ん、転ぶなよ?」

優真が脚立代わりにソファの肘掛けに立って、ガーランドを壁に貼る。

後ろで蓮が腕を組み、落ちたらすぐ支えられるように控えていた。

「あ、ゆーまくん!そこ曲がってる」

アキが指差して叫ぶ。

「えっ、ほんとですか?!」

慌てて直そうとすると、ユキが横から軽くアキの肩を叩いた。

「アキ、細かすぎ!」

「俺、こういうのは完璧にしたいの!」

「……はは、じゃあお前がやれよ。うちの優真をこき使うな」

蓮が呆れ気味に言い返し、アキは「えー!高いとこ怖い!」とすぐ逃げる。

ハルは風船を膨らませては、ふぅ、と息をつく。

「結構重労働ね…誰よ、今年から風船持ってきたの?!」

「はは、真剣に風船を膨らませるハルも可愛いな。俺の記憶では、ハルが風船を荷物に入れてた」

「そうだったわね…。
私、風船を膨らませる顔まで可愛いかしら?」

少し照れてとぼけるハル。
陸は当たり前だ、と言い風船を膨らますのを手伝った。

ドタバタの末、リビングは赤と緑に彩られ、なんとなくクリスマスらしい雰囲気に仕上がった。

――

「よし、じゃあ乾杯するか!」

テーブルに全員が揃い、蓮が音頭をとる。

「メリークリスマス!」
「かんぱーい」

グラスがぶつかり、シュワッとした音が響いた。

シャンメリーを口にした優真は、ふと隣の蓮の横顔を盗み見た。

(こうやってみんなで祝うたびに、蓮さんの雰囲気が柔らかくなってくなぁ…昔は色々あったかもだけど、一緒にいれて嬉しい、)

少しだけ最初の出会いを思い出したりもした。

蓮はアキと肉の取り合いをしながら、優真と目が合うとお前も食えよ、とチキンの大きい部分を皿に分けてくれた。

「ふふ、蓮さん、ありがとうございます!」

――

「やるか、お楽しみの…!」

アキが即席くじを作り、テーブルの上に積まれたプレゼントに番号を振り分けわける。

くじ引きをして、プレゼント交換が始まった。

最初にアキがくじを引く。書かれた番号の包みから出てきたのは、シックな黒地のマフラー。

「おっ、いいじゃんこれ!肌触り良~!」

「ふふ、僕の。似合ってるよ」

ユキが微笑むと、アキは「ユキのセンス好き!」とマフラーに顔をうずめた。

「……これは、」

「俺のだ!」

アキが得意げに胸を張る。

次に陸が手にした箱からは、赤と緑のトナカイ柄の派手なアグリーセーター。
この時期になると流行りだす、ウケ狙いのアイテムだった。

陸は困惑しつつも広げて服の上から合わせてみる。

「ぶはっ、男前がダサセーター着てるのやべーな!」

蓮が吹き出すと、ハルまで傑作ねと笑いながらスマホを向ける。

陸もそれにつられて困ったように笑った。

続いてハルの選んだ包みから出てきたのはふわふわのブランケット。

「ふふ、あったかそうね」

「お、おれのです……!」

優真が小さく挙手する。

「ありがと。こういうの、ちょうど欲しかったのよ」

ハルが嬉しそうに肩にかける。

優真が選んで開けた箱には、上品なデザインの紅茶セット。

「もしかして、これ……ハルさんですか?」

「そうよ。冬といえば温かい飲み物じゃない?」

ハルはニコリとほほ笑み答えた。

「ありがとうございます……!」

「ふふ。お互いプレゼント交換になったわね」

「あ、ほんとですねっ!ふふ…」

優真の綻んだ顔が部屋の空気をより朗らかなものにした。

蓮のが選んだ缶の包みを開けると、中にはぎっしり詰まったクッキー。

「おっ、甘いもん!いいな。撮影に持ってって、ちょっとずつ食べよ」

子供みたいウキウキする蓮に、優真は胸が温かくなる。

そのとき陸が気まずそうに言った。

「……それ、俺なんですけど、ハルが選びました」

「ちょっ、陸!なんで言うのよ!」

内緒って言ったじゃない、とハルが陸の袖を掴む。

「だって、どう見ても俺らしくないだろ」

「…ははっ、確かに」

優真が肩を揺らし、蓮も笑う。

「はは、でもありがとな。マジで嬉しい」

最後にユキが手にした包みから現れたのは、深い色合いの赤ワイン。

「じゃあこれは……蓮だね」

「おう。年末でもいいし、気が向いたときに開けて」

「うん。ありがとう、大事に飲むね」

「ねぇユキ今飲みたい!!」

瓶を奪おうとするアキをかわしながら、ユキが柔らかく頷いた。

「いや~、プレゼント交換ってやっぱ面白いな!」

アキが笑い、ハルはグラスを片手に、優真のブランケットを大切そうに撫でる。

「今年もいいチョイスだったわね、アキ以外」
「なんで!!!!!」

すかさずアキの抗議が響く。

「……ですね」

優真は照れながら笑い、隣で蓮が頭をぽんと撫でてきた。

ツリーの光と笑い声に包まれて、クリスマスの夜は賑やかに深まっていった。

――

パーティーが終わり、みんなが帰ったあとの静かな部屋。

テーブルには食べ残したチキンの骨と、グラスに半分残った赤ワイン。

外はすっかり冷え込んで、窓の外の街路樹にイルミネーションが瞬いている。

「……ふぅ、静かになったな」

ソファに背を預けて大きく伸びをした蓮が、優真の隣に腰を落とした。

優真はそんな蓮を見て微笑み、隠してたいた袋を取り出した。

「……あの、蓮さん。おれたちの、プレゼント交換…」

「ん?あー、そっか!開けていい?」

「もちろんです!」

包みを開けると黒いレザーのバイク用グローブ。

手のひら部分は厚く補強され、指先には細かいステッチが施されている。

「冬でもバイク乗るじゃないですか。冷たそうで……。これ、使ってもらえたらあったかいかなって、」

蓮は目を細めて手袋を取ると、ゆっくり指を通した。
すっと手に馴染む感触に「おぉ」と声を上げる。

「……ちゃんと見てんなぁ。サイズもぴったりだわ。ありがとな、優真」

頭をぽんと撫でられ、優真は頬を赤くした。

「……えへへ」

「じゃあ俺からも、はい」

ぽんと笑顔で渡された小さな黒い箱。
重厚感のある包装に優真は既視感を覚え、一瞬背筋が固まる。

恐る恐るリボンを解き、蓋を開けた瞬間――。

「……なっ!?!?!?」

そこには光沢のあるシリコンの、前立腺バイブが鎮座していた。

一瞬で耳まで真っ赤になり、手がぷるぷる震える。

「な、な、なっ……なんですかこれ!!」

「ん?見てわかるだろ。……バイブ。これは前立腺を刺激してくれるってさ」

飄々とした顔で説明する蓮。

「ちょっ……!去年、おれの誕生日にみんなからもらったやつ、勝手に捨てたくせに!?」

「……はは、根に持つじゃん。俺がちゃんと選んだやつだから機嫌直して?」

「そ、そういう問題じゃ……!」

とは言いつつも未だに興味はある。
目の前にある無機質な光沢に、期待と不安がないまぜになって喉が鳴る。

蓮は優真の顔を覗き込み、口角を上げた。

「……さっそく、試してみる?」

「なっ……ここで!?クリスマスの夜に!?」

「クリスマス夜だから、だろ?」

蓮の低い声が甘く落ちる。
優真の抗議は、次の瞬間に唇を塞がれて奪われた。

――

ゆっくりと口付けが深まっていき、舌が絡むたびに優真の胸が甘く痺れ、体の力が抜けていく。

唇を離した蓮は「ほら、口開けて」と囁き、濡れた指を優真の口に差し込んだ。

「んっ……っ」
 
ちゅぱ、と唾液の絡む音。

「は、もう顔とろとろだね?」

蓮の指に唾液を絡め取られ、優真の喉から小さな喘ぎが漏れる。

そのままベッドに押し倒され、シャツを捲られると、乳首に舌が触れた。

「んっ……あ、ぁっ……そこ、だめ……っ」

「だめじゃないよな?ここ、硬くなってる」

舐めて、吸って、甘く責められる。
優真は必死に布団を握った。

蓮の手がゆっくり下りてきて、優真の中心、勃ち上がったものを包み込む。

視覚的に追い詰めるように、蓮はその先端を舌でぬるりと舐め上げた。

「ひぁっ……っ!やっ、それ…っ」

「はは、こんなに濡らして、可愛いな」

顔を真っ赤にして震える優真。

その表情を楽しむように、蓮は舐め、吸い、喉奥で熱を飲み込んだ。

――

「……じゃあ、こっちも」

バイブを手にした蓮が、ゆっくりと優真の太ももを開く。
ローションを塗られ、冷たい感触に「ひゃっ」と声が漏れた。

「怖い?」

「……ちょっとだけですけど、」

「まぁ、だよなぁ」

そっと押し当てられる異物。
指とは違う無機質な圧迫感に、優真の腰が跳ねる。

「んっ……あ、ぁ……っ」

「……ほら、少しずつ」

蓮が支えながらゆっくり押し込んでいく。
内側をぐり、と擦られるたび、優真の背中が弓なりに反った。

「んぁ……っ、変な、感じ……っ」

「気持ちいい?」

「わかんない……でも、くる……っ」

バイブが奥を押し分けていく。
その不安と快感の入り混じった顔を、蓮は愛しそうに見つめていた。

――

バイブの細かい振動とそれを繊細に動かす蓮の手の動き。

優真は快感を追うのに精一杯で、しかしその中にいつもと違う違和感を覚えた。

「……っあ、だめ、なにか……っ」

中を何度もぐりぐりと押され、優真の目の前がいつもより一層、白く弾けた。

突如として、太ももの間から温かい液体が噴き出す。

「ひゃああっ……!やっ、なにこれっ……!」

シーツに水たまりが広がっていくのを見て、優真の顔が一瞬で青ざめる。

「……れ、蓮さん……ど、どうしよ……おしっこ、でちゃった……っ」

涙目で顔を覆って震える優真。

その肩を抱き寄せながら、蓮はシーツに広がった水を指ですくい、ためらいなく舐めた。

「……え?!、ちょ…」

「んー、潮。おめでとう」

「っ……う…」

耳まで真っ赤になり、顔を隠してぐすぐす泣く優真を、蓮は優しく撫で続けた。

――

「ほら、まだいける」

「む、無理です……腰、抜けちゃって……まって、お水…」

ベッドから立とうとして転びそうになった優真を、蓮が抱き留める。

「だーめ。俺、まだだし」

潤んだ瞳で蓮を見る優真。
次の瞬間、再びベッドに戻され奥を突かれて声が弾けた。

「ひゃっ、あ、あああああっ!!」

「はは、やわらか…」

軋むベッドの音と水音が響く。

蓮のピストンがどんどん早くなり、優真がつま先を丸めたとき。
ふと、蓮の動きが止まった。

「…あっ?!?!……れん、さっ…ん…」

「優真、ちょっと頑張れる?」

後ろに感じる2つ目の存在感。

「え、ぁ…?まっ…」

ずちゅ、

「は、ぁ…あ……」
(こ、れ…さっきの……?)

今までに感じたことのない圧迫感に優真の呼吸が浅くなる。

「きっつ……」

蓮の余裕のない声とカチ、と入るスイッチの音。

「ああああああっ……!!!」

振動とお腹を埋める熱でどうにかなりそうだった。

「は、ごめん…ちょっと動く、」

そう言うと蓮はゆるゆると腰を動かした。

「あ、あ、あっ…だ、め!れんさん…ほんと…おれ」

今まで何度も体を重ねても経験したことのない感覚が押し寄せる。

「あ、こわい…こわっ…、れんさん…」

瞳を潤ませ、すがるように腕を絡める優真を抱きしめながら蓮は耳元で優真に告げた。

「俺のと、どっちも咥えてすげぇよ…ここ、」

下腹部に手を触れる。

言葉にされた恥ずかしさと下腹部のぬくもりに優真は目をぎゅっと瞑る。

ぐ、と奥に蓮のものが埋まり、さらにゴリ、とバイブが前立腺を刺激した瞬間。

「や、や、やだぁ…っ」

ぷしゃっ、

2度目の優真の奔流がシーツを濡らした。
優真は蓮の腕の中でびくびくと震え、弱々しく声を洩らした。

「は、優真…出るっ……」

蓮はそのまま優真の中に欲望を放った。

「……っ、もう……っ、やだぁ……」

「…ん、よしよし。優真、いい子」

汗と涙と潮に濡れた体を抱き締め、蓮は何度もキスを落とす。
そして最後に、耳元で低く囁いた。

「優真、ずっと一緒にいて…」

優真の目が見開かれ、頬が赤く染まった。

「……ん、はい…」

消え入るような声で答えた。

――

シーツを替え終わったあと、ぐったりした優真を腕に抱き、蓮はソファに腰を下ろした。

優真はまだ恥ずかしさで顔を隠しながら、ぐすぐすと鼻を鳴らしている。

「……潮…は出ちゃうし…2つも入っちゃったし……もう、生きていけない……」

目尻を濡らしながら、震える唇で拗ねるように言う。
蓮はその顔を指で拭って、優しく額に口付けた。

「はは、大丈夫だって。……俺がいるから」

囁かれるたび、身体の芯がまだ甘く震える。
優真は「もう…」とクッションで顔を隠した。

やっと落ち着いた頃、蓮がバイブをタオルで拭き取り、片付けながらぼそりと呟く。

「……これ、クリスマスプレゼントだからな、大事に使えよ?」

「……つかっ…使い…ま、せんっ!」

涙目で抗議する優真に、蓮は喉の奥で笑いを堪えきれず吹き出した。

「ははっ……やっぱ可愛いな、おわっ」

優真はクッションを蓮に投げつけ、耳まで真っ赤にして顔を覆う。

蓮はそれを受け止め、可愛く拗ねる優真に目を細めた。

外ではイルミネーションが瞬き、静かなクリスマスの夜が更けていった。

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