新卒社畜、SS級ランカー御用達の娼館で肉体労働します。〜毎日俺を買う勇者たちが絶倫すぎる〜

さか様

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翌日。

体が重い。
昨日の疲労が、遅れてきたみたいに腰の奥に残っている。

夜勤明けの休み、みたいな制度はないらしい。
いい職場?いや、この世界、ブラックすぎる。

ノックは二回。
控えめで、正確。

扉を開けると、金髪碧眼のキレイ系騎士様が立っていた。王子様?
ここに来るのはどうやら勇者、らしいけど、血の匂いより整えられた清潔感が先に来る。

鎧は磨かれていて、姿勢がいい。
顔、普通に好みだな……って思った瞬間、負けを自覚した。いや、何の負け?男として?

……で、名乗らない。

なんで?
ここ、最初に名乗らない文化?

「本日は、この方を」

リーネが短く言って、すぐ下がる。同席はなし。
扉が閉まる。

あ、この部屋でやる感じ?

昨日と同じ配置。
ベッド、椅子、整えられた空気。
仕事部屋。

騎士様は一歩距離を取って、まず言った。

「同意の確認からお願いします。無理なことはしません。途中でやめるのも可能です」

……ちゃんとしてる。
ちゃんとしてる人、いちばん怖い。

「……仕事なので」

社畜の定型文が、今日も口から出る。

彼はほっとした顔で、続けた。

「僕の性癖の話をします。…スライムが好きです」

直球。

「包まれる感覚、触れたところから、反応が伝わるのが」

この時点で、心の中で名前が決まった。

スライム王子。

「はい、あの、よくわからない…」

俺の本音が漏れてる間にも床に、半透明の気配が広がる。
形は定まらず、ゆるやか。

足首に触れた瞬間、じんとした。

……なにこれ。同意は?

感触は、ひやりともせず熱くもない。
触れたところから甘い痺れが身体中に広がる。

砂糖を舐めたあと、舌の奥がきゅっとする、あの感じが、皮膚の内側で起きてる。

「……んっ?!」

息が、勝手に深くなる。

スライムは形を変えながら、俺に沿ってくる。
包んで離れない。
締めつけないのに、逃げ場がない。

変幻自在。
俺が少し動くと、感触も少し変わる。
暴れてるっていうか、最適な形を探してる。

「呼吸、できますか」
「……はい」

自分の声が落ち着いていて、逆に怖い。

手首。
腕。
背中。

触れられた場所が、気持ちいいと主張してくる。

……やば。

これ、触れられてるだけだよね?

なのに、体が完全にその気だ。

「……は、ぁ……」

声が、滑るみたいに出る。
抑えたつもりが、柔らかい音。

え、やっぱり俺、こんな声出るの?

スライムが形を変えるたび、
感覚も変わる。

お尻に割入る、前にも。
巻き付く、扱く、締め上げる。

……ちょっと待って。

スライムって、こういうことに使うものなの?

俺の知ってるスライムと違う。

「見た目的には…最高なんですが、不快感はありませんか?」

「……ぁ、えっ……ん…分かりま、せん」

正直な答えしか出ない。

分からないけど、気持ちいいのは、確か。

身体の中に入って…るよな?

大丈夫?
俺の体、大丈夫??

悲しいかな、不安な感覚は全部気持ちいい方向に行く。

スライム王子は近づかない。触れない。
でも、完全に主導権を握ってる。

「無理なら、止めます」

その一言が、いちばんずるい。

俺は止めてほしいとは言わなかった。

そして情けないことにイッてしまった。
気づいたら、甘しびれだけが体に残っていた。

腕も、背中も、
じんわりしてる。

……結果。
スライム、気持ち良すぎる。

「……どうでした?」

「……あの、スライム…?すごいですね」

語彙が死んだ。

スライム王子は小さく笑った。

「でしょう」

そこで、ようやく名乗る。

「あ、僕はアルベルトです」

遅い。ほんと遅い。

スライム王子。
見た目は騎士様、性的な嗜好は完全に変態。

「また来ます。段階を進めたい」

翌日配送か?迷いがない。

扉が閉まる。

……どうなるんだろう、俺。

ガルドの熱と甘え。
アルベルトの設計と可塑性。

このギャップで脳が焼け切れそうだった。
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