新卒社畜、SS級ランカー御用達の娼館で肉体労働します。〜毎日俺を買う勇者たちが絶倫すぎる〜

さか様

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その日、ガルドは遅かった。

扉が開く音がして、鎧の金属が小さく鳴る。
重たい足取りが、部屋に近づいてくる。

「……すまない」

低い声。
疲れが、そのまま乗っている。
いや待って?本当に来たよこの人。

でも無事に帰ってきた、それだけで胸が少し緩む。
ガルドが近くに来て、ふっと眉を寄せた。

「……スライム臭いな」

……あ。

言われて、ようやく気づく。
そういえば、体、ちゃんと拭かれてない。

甘しびれの余韻ばかり気にしていて、匂いのことまで頭が回ってなかった。

「え、あ、えっと……」

言い訳を探している間に、ガルドは小さく息を吐いた。

「まあいい」

軽く言ってから、俺を見る。
その目が、もう戦場のそれじゃない。

「ちょっと昂ぶってるから。…抱かせろ」

……え?

今?

一拍、思考が止まる。

あれ?連勤ですか?
頭の中で、社畜的警告(なにそれ)が鳴る。

・休憩なし
・連勤
・ブラック労働

やっぱ俺、社畜の星に生まれてる?

そう思った瞬間、ガルドの顔が視界に入る。

疲れてるのに、傷だらけなのに、それでも、圧倒的に、顔がいい。
ビジュいいのずるくない?

……だめだ。

「……いい、です」

自分で言っておいて、笑いそうになる。

ガルドは一瞬だけ目を細めて、「助かる」と短く言った。

そこからは、早かった。

さっきまでの、甘しびれとかは全部、吹き飛ぶ。

熱。
重さ。
包まれる感じ。

「あ……っ」

声が、勝手に出る。

ガルドは相変わらず、優しい。
荒いのに、雑じゃない。外さない。

「……きついなら、言え」

低い声が、近い。

「だいじょ……ぶ……」

さっきまで、スライムに沿われていた体が、今度は、ガルドに抱かれている。

ギャップが、えぐい。

「……っ、は……」

また、声が上ずる。

え、待って。
今日、もう十分だったはずなのに。

「……まだ、いけるのか」

ガルドが、少し驚いたみたいに言う。

「しら……ない……」

本音だ。

体が、勝手に覚えてる。甘しびれの名残が、熱に上書きされていく。

目の前がチカチカする。

あれ?
あれーーーー??

気持ち良すぎない?

スライムだろうが、ガルドだろうが、
正直、今は、気持ちいいから、なんでもいいかも。

……よくない思考。でも、止まらない。

「あ……あぁっ……」

声が、完全に裏切る。
ガルドが、少し困ったように笑う。

「……そんな声、出すな。理性が保たん」

「……もとから……ない…くせに…」

言った瞬間、ガルドが小さく吹き出した。

「それは、否定できん」

そのまま、額に額が触れる。

近い。あったかい。

「無茶、させたな」

「……連続で…」

言い返したつもりが、自分でも笑ってしまう。

しばらくして呼吸が落ち着いて、天井が視界に戻ってくる。

ガルドが、俺の額に手を置く。

「……今日は、休め」

「次は、ちゃんと時間を作る」

「……約束?」

「約束だ」

即答。胸の奥が、きゅっとなる。

「……スライム臭いの、やっぱり気になる?」

聞くと、ガルドは少し考えてから言った。

「正直、気にはなるが…、お前なのには変わらないから、いい。俺が綺麗にする」

……ずるい。

「……変な客、来ても、言えよ」

「……言えるかな……」

「言え」

短く、強い。

その一言が嬉しく感じて、目を閉じる。

連続だろうが、夜勤明けだろうが、社畜の星だろうが。

こうして、ちゃんと名前を呼ばれてちゃんと話せて、抱かれてるなら。

……まあ、いいか。

明日のことは、明日考えよう。
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