4 / 20
幼年期編
創作知識で魔法をはじめよう 前編
しおりを挟む
「坊っちゃま、宜しいでしょうか?」
味のない麦粥を何とか押し込み、胸の悪さを掻き毟って誤魔化しているとメイが戻ってくる。
「大丈夫だよ」
入室の許可を出すと「失礼します」と声がかかってゆっくりと部屋に入り一礼する。
「それで、どうだった?」
「はい。旦那様からは食事の具合を見て良さそうなら私が教えるよう仰せつかりましたが…………食べきれた所を見るに大丈夫そうですね、御気分が悪くなったりしておりませんか?」
空になった皿をみてそう問い掛けられ、胸を擦っていた手をそっと隠し手持ち無沙汰に頬を掻き愛想笑いで誤魔化すと思いきって疑問をぶつけてみることにした。
「あはは……そういえば普段の食事ってもう少し味のあるものかな?」
病人食だとは思うが流石に薄すぎる味にやんわりと不満を述べると何故かキョトンとされる。
「お気に召しませんでしたか?」
「いや病み上がりだからかもしれないけどひどく塩気が薄く感じられてね」
そこまで言う驚愕の顔を浮かべたメイは焦ったら様子で他に異常はないかと聞いてくる。
何とか落ち着かせて話を聞いてみると特に病人食だからというわけではなくこの場所では普通に使われる、領主一族という事でともすれば多い程の量の調味料が使用されており倒れる前までは普通に食べていたものだという。
「あ……そうなんだ。ちょっとまだそこら辺は記憶が曖昧で…………。もしかして塩が貴重、下手をしたら不足してる?」
「それはまぁ、海もありませんし不足しがちですが……」
事情のありそうな引っかかる物言いに何かを感じつつ、とりあえずは魔法についてをどうするかに意識を向けリドルの記憶を探る。
まずは……。
「坊っちゃま?どうしましたか、大丈夫ですか?」
思考の海に潜ろうとしたとき心配したメイが話しかけてきて、引き戻されてしまう。
「あ、いや大丈夫だよ。ちょっとおかしな事を聞かないか心配になっちゃってね……変な事をきいてゴメンね」
「そうですか、まだ少し寝ていたほうがよろしいのでは?」
普通なら確かにそうだが、だがこの場合記憶こそあるが馴染みきっていないこの時を逃したら何時へんなボロを出して怪しまれるかわからない以上言葉を濁しながらでも丸め込まないといけない。
「やはりまだ少しお疲れなのでは?」
「そう、かな?でもやっぱり早いうちにやっておきたいんだけど……それに今回のことで一から勉強しなおしたくて」
メイの勘違いにこれ幸いと畳み掛けると、そうですかと前置きしそのまま空になった食器を片付けながらハッとした様子で微笑む。
「かしこまりました。ではこれを片付けて参りますので少々お待ち下さい」
そう言って部屋を後にし、リドルは一人残され意図せずして述懐する暇ができる。
「…………第一関門は乗り切ったか、はやく慣れないと何時ボロがでるかわかったものじゃないな」
なんとか怪しまれずに色々と教わることができそうでホッとすると同時に魔法という空想でしかあり得なかったものを習える期待に胸が膨らませながら音を立てないようにそっとベッドから降りると閉じた扉に耳をあて誰も来ていない事を確認し、授業に備えて軽く体を解していく。
「坊っちゃま、メイでございます。入ってもよろしいでしょうか」
しばらくして室外から告げられるその言葉に急いでベッドの端に腰掛けると簡単に身形を整えて入室を促す。
失礼しますという声の後、教材らしい分厚い本を何冊も抱えたメイが入ってくる。
重そうなそれを机のうえに並べると小さな黒板にチョークを俺に渡し、自分は懐から教鞭を取り出すと二、三度掌にピシャリと打ち付ける。
(あれ使う人初めて見たぞ。マンガとかでならよく見るけど実際目の前にすると怖いな……身が竦む……)
「坊っちゃま?」
「っ!なんでもないよ、それより出来たら初歩の初歩から頼みたいんだけどいいかな?」
一瞬ビクリっとしてしまうが、すかさず話題を変え事なきを得る。
一から勉強しなおしたいと言えば否とは言えずそちらが優先される筈だからだ。
「かしこまりました。では、始めさせていただきます」
メガネを取り出しキラリと光らせながら言われるとリドルもつられてお願いします、と言って授業が開始される。
「魔法とは大きく分けまして『属性魔法』、『特異魔法』、『儀式魔法』の三つに大分されます。
まずは最も基本の『属性魔法』からお教え致します。
『属性魔法』は『火』『水』『土』『木』『風』といった自然に存在するものに働き掛け各々の特性に合わせた事象を起こすもので」
メイの説明にゲームでよくあるやつだなと思いながら、リドルは渡された黒板にメモをとる。
「そしてこれらを使う際に必要なものは『魔力』『詠唱』『適性』の三つでございます。このうちのどれが欠けても魔法は発動しません、少しやってみましょう」
教材の中から木片を取り出し教鞭を器用に差し向け『湿化《モイストラァゼン》』と唱えれば、乾いた木片がみるみるうちに濡れ始め水滴が床に滴り落ちる。
「これが『水』の基本魔法『湿化』です。他にはそれぞれ『発火《ティンダァ》』『活化《アクテベィト》』『礫化《グラベレィション》』『涼風《クゥルブリィズ》』があり一番詠唱が短く発動させやすいものになります」
所謂練習魔法らしく簡単そうな代わり効果も据え置き、といったそれらに思わずキャンプ用品かと思ってしまったがよくよく考えてみれば機械の類いが見あたらないこでは利器として需要があるのかと思い直す。
「メイ先生、複数の属性もしくはあまり『適性』のない属性を使おうとするとどうなりますか?」
敢えて先生と呼び手を挙げて質問するとメイは嬉しそうに眼鏡をクイッとさせながら答えてくれる。
「良い質問でございますね。確かに複合属性の魔法は存在しますが数人係でようやくといった具合なうえに相当高度で複雑極まりないものですので。坊っちゃまの『適性』は土ですから今はその練習に専念致しましょう」
そう言うや否や木片を此方に差し出してくる。
「此れにほんの僅か力を籠める要領で魔力を流し『礫化』と唱えてください。良いですか?くれぐれも少し、ほんの少しでございますよ」
何度も念押ししながら差し出された木片を受けとると何故かメイは身構え始める。
「えーっと……」
魔力の使い方がわからない
とりあえず深呼吸をして木片が脆くなるのをイメージしながらほんの少し念じるようにして力を込める。
すると木片の質感が変わりはじめる。あわてて言われた呪文を唱えればパキパキと音をたててひび割れ、軽く指で叩くとポロポロと崩れ破片が散らばる。
「あ、成功したかな。ってメイ?」
なんとかうまくいった事にホッとすると臨戦態勢をとっていたメイが緊張を解かないまま涙を流すという器用な挙動を見せる。
「坊っちゃま……とうとう」
「いやどうしたの?」
拙いながらなんとか成功させたが基本中の基本らしいそれが出来ただけにそこまでのリアクションをされると逆に不安になる。
「坊っちゃま……やっと……やっと……」
「えっ!チョッ!」
感極まった様子のメイをなんとか落ち着かせて話を聞く。どうやら本格的に魔法を成功させたのは此れが始めてとのことで長らく教えてきた身として感動の涙が出てしまったらしい。
そんなバカな、と思いつつも記憶を探ればリドルが魔法をまともに成功させた場面は一つとして浮かばず今この時が人生初と言って良い成功の瞬間であった。
「あぁ、……今まで何度となくお教えしてきて、坊っちゃま自身も努力なさって、……私の教えが悪いとばかり……」
「そんな大袈裟な」
とは言ってみたもののラノベやらアニメやらで齧った知識でイメージを固めた結果成功させたのであって元々の素養は充分らしいポテンシャルからして、恐らく元の身体の持ち主はイメージの部分で躓《つまづ》いていたのだろうと推測すると急に身体が怠くなり始める。
「あ…………れ…………?」
「坊っちゃま!!…………恐らく急に魔力を使ったからでしょう。そのくらいのお歳ではよくあることでございます」
フラフラとしだした体を支えながら色々と調べるとメイは今日はここまでに致しましょう、といってそっとベッドに寝かせて暮れる。
「ありがとう」と御礼を言うと慣れない事をしたせいか徐々に瞼が重くなり、そのまま睡魔に為されるがまま意識を落とすのだった。
味のない麦粥を何とか押し込み、胸の悪さを掻き毟って誤魔化しているとメイが戻ってくる。
「大丈夫だよ」
入室の許可を出すと「失礼します」と声がかかってゆっくりと部屋に入り一礼する。
「それで、どうだった?」
「はい。旦那様からは食事の具合を見て良さそうなら私が教えるよう仰せつかりましたが…………食べきれた所を見るに大丈夫そうですね、御気分が悪くなったりしておりませんか?」
空になった皿をみてそう問い掛けられ、胸を擦っていた手をそっと隠し手持ち無沙汰に頬を掻き愛想笑いで誤魔化すと思いきって疑問をぶつけてみることにした。
「あはは……そういえば普段の食事ってもう少し味のあるものかな?」
病人食だとは思うが流石に薄すぎる味にやんわりと不満を述べると何故かキョトンとされる。
「お気に召しませんでしたか?」
「いや病み上がりだからかもしれないけどひどく塩気が薄く感じられてね」
そこまで言う驚愕の顔を浮かべたメイは焦ったら様子で他に異常はないかと聞いてくる。
何とか落ち着かせて話を聞いてみると特に病人食だからというわけではなくこの場所では普通に使われる、領主一族という事でともすれば多い程の量の調味料が使用されており倒れる前までは普通に食べていたものだという。
「あ……そうなんだ。ちょっとまだそこら辺は記憶が曖昧で…………。もしかして塩が貴重、下手をしたら不足してる?」
「それはまぁ、海もありませんし不足しがちですが……」
事情のありそうな引っかかる物言いに何かを感じつつ、とりあえずは魔法についてをどうするかに意識を向けリドルの記憶を探る。
まずは……。
「坊っちゃま?どうしましたか、大丈夫ですか?」
思考の海に潜ろうとしたとき心配したメイが話しかけてきて、引き戻されてしまう。
「あ、いや大丈夫だよ。ちょっとおかしな事を聞かないか心配になっちゃってね……変な事をきいてゴメンね」
「そうですか、まだ少し寝ていたほうがよろしいのでは?」
普通なら確かにそうだが、だがこの場合記憶こそあるが馴染みきっていないこの時を逃したら何時へんなボロを出して怪しまれるかわからない以上言葉を濁しながらでも丸め込まないといけない。
「やはりまだ少しお疲れなのでは?」
「そう、かな?でもやっぱり早いうちにやっておきたいんだけど……それに今回のことで一から勉強しなおしたくて」
メイの勘違いにこれ幸いと畳み掛けると、そうですかと前置きしそのまま空になった食器を片付けながらハッとした様子で微笑む。
「かしこまりました。ではこれを片付けて参りますので少々お待ち下さい」
そう言って部屋を後にし、リドルは一人残され意図せずして述懐する暇ができる。
「…………第一関門は乗り切ったか、はやく慣れないと何時ボロがでるかわかったものじゃないな」
なんとか怪しまれずに色々と教わることができそうでホッとすると同時に魔法という空想でしかあり得なかったものを習える期待に胸が膨らませながら音を立てないようにそっとベッドから降りると閉じた扉に耳をあて誰も来ていない事を確認し、授業に備えて軽く体を解していく。
「坊っちゃま、メイでございます。入ってもよろしいでしょうか」
しばらくして室外から告げられるその言葉に急いでベッドの端に腰掛けると簡単に身形を整えて入室を促す。
失礼しますという声の後、教材らしい分厚い本を何冊も抱えたメイが入ってくる。
重そうなそれを机のうえに並べると小さな黒板にチョークを俺に渡し、自分は懐から教鞭を取り出すと二、三度掌にピシャリと打ち付ける。
(あれ使う人初めて見たぞ。マンガとかでならよく見るけど実際目の前にすると怖いな……身が竦む……)
「坊っちゃま?」
「っ!なんでもないよ、それより出来たら初歩の初歩から頼みたいんだけどいいかな?」
一瞬ビクリっとしてしまうが、すかさず話題を変え事なきを得る。
一から勉強しなおしたいと言えば否とは言えずそちらが優先される筈だからだ。
「かしこまりました。では、始めさせていただきます」
メガネを取り出しキラリと光らせながら言われるとリドルもつられてお願いします、と言って授業が開始される。
「魔法とは大きく分けまして『属性魔法』、『特異魔法』、『儀式魔法』の三つに大分されます。
まずは最も基本の『属性魔法』からお教え致します。
『属性魔法』は『火』『水』『土』『木』『風』といった自然に存在するものに働き掛け各々の特性に合わせた事象を起こすもので」
メイの説明にゲームでよくあるやつだなと思いながら、リドルは渡された黒板にメモをとる。
「そしてこれらを使う際に必要なものは『魔力』『詠唱』『適性』の三つでございます。このうちのどれが欠けても魔法は発動しません、少しやってみましょう」
教材の中から木片を取り出し教鞭を器用に差し向け『湿化《モイストラァゼン》』と唱えれば、乾いた木片がみるみるうちに濡れ始め水滴が床に滴り落ちる。
「これが『水』の基本魔法『湿化』です。他にはそれぞれ『発火《ティンダァ》』『活化《アクテベィト》』『礫化《グラベレィション》』『涼風《クゥルブリィズ》』があり一番詠唱が短く発動させやすいものになります」
所謂練習魔法らしく簡単そうな代わり効果も据え置き、といったそれらに思わずキャンプ用品かと思ってしまったがよくよく考えてみれば機械の類いが見あたらないこでは利器として需要があるのかと思い直す。
「メイ先生、複数の属性もしくはあまり『適性』のない属性を使おうとするとどうなりますか?」
敢えて先生と呼び手を挙げて質問するとメイは嬉しそうに眼鏡をクイッとさせながら答えてくれる。
「良い質問でございますね。確かに複合属性の魔法は存在しますが数人係でようやくといった具合なうえに相当高度で複雑極まりないものですので。坊っちゃまの『適性』は土ですから今はその練習に専念致しましょう」
そう言うや否や木片を此方に差し出してくる。
「此れにほんの僅か力を籠める要領で魔力を流し『礫化』と唱えてください。良いですか?くれぐれも少し、ほんの少しでございますよ」
何度も念押ししながら差し出された木片を受けとると何故かメイは身構え始める。
「えーっと……」
魔力の使い方がわからない
とりあえず深呼吸をして木片が脆くなるのをイメージしながらほんの少し念じるようにして力を込める。
すると木片の質感が変わりはじめる。あわてて言われた呪文を唱えればパキパキと音をたててひび割れ、軽く指で叩くとポロポロと崩れ破片が散らばる。
「あ、成功したかな。ってメイ?」
なんとかうまくいった事にホッとすると臨戦態勢をとっていたメイが緊張を解かないまま涙を流すという器用な挙動を見せる。
「坊っちゃま……とうとう」
「いやどうしたの?」
拙いながらなんとか成功させたが基本中の基本らしいそれが出来ただけにそこまでのリアクションをされると逆に不安になる。
「坊っちゃま……やっと……やっと……」
「えっ!チョッ!」
感極まった様子のメイをなんとか落ち着かせて話を聞く。どうやら本格的に魔法を成功させたのは此れが始めてとのことで長らく教えてきた身として感動の涙が出てしまったらしい。
そんなバカな、と思いつつも記憶を探ればリドルが魔法をまともに成功させた場面は一つとして浮かばず今この時が人生初と言って良い成功の瞬間であった。
「あぁ、……今まで何度となくお教えしてきて、坊っちゃま自身も努力なさって、……私の教えが悪いとばかり……」
「そんな大袈裟な」
とは言ってみたもののラノベやらアニメやらで齧った知識でイメージを固めた結果成功させたのであって元々の素養は充分らしいポテンシャルからして、恐らく元の身体の持ち主はイメージの部分で躓《つまづ》いていたのだろうと推測すると急に身体が怠くなり始める。
「あ…………れ…………?」
「坊っちゃま!!…………恐らく急に魔力を使ったからでしょう。そのくらいのお歳ではよくあることでございます」
フラフラとしだした体を支えながら色々と調べるとメイは今日はここまでに致しましょう、といってそっとベッドに寝かせて暮れる。
「ありがとう」と御礼を言うと慣れない事をしたせいか徐々に瞼が重くなり、そのまま睡魔に為されるがまま意識を落とすのだった。
0
あなたにおすすめの小説
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる