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幼年期編
周りの人の、なにをしていますか?早く止めてください
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もうどれくらい経っただろう_________。
「もう一回」
時間の感覚が曖昧になったこの感じ_________。
「もう一回」
そう、ここに来る前……俺は経験している_________。
「もう一回」
何度も挑戦しても進まない_________。
「もう一回」
しまいには挑戦することもできず_________。
「もう一回」
ただ精神《ココロ》を殺して目の前の作業を機械的にこなしてい…………。
「…ま…ちゃま……
坊っちゃま!しっかりしてください!!」
突然意識の外から呼び掛けられる声にフッと正気に還る。
眼の奥が痺れ、前頭葉が鈍い感覚のままに声の主を認識できてくると視界には小刻みに震えるながら悲壮な顔をしたメイの姿が映った。
「やり過ぎですっ!
何でちょっと離れた間に精神壊しかけてるんですか?!」
「え……、あ?!いや、その……つい……あぁっリドル!ごめんね大丈夫かい!?」
どこか遠い意識の中、メイに今生の母親が窘められる様子を空虚なまま見据えると徐々に記憶がハッキリとしてくる。
そう、確か……。
あれから何度も何度も首元に冷たい刃を突きつけられ、時折転ばされるを繰り返されて精神をやられていてだんだんと前世の職場の無気力なまま惰性で作業を行っていた状態に近くなり恐らくハイライトの消えた瞳で挑み続けていた。
「坊っちゃま!良かった……。奥様!まだ小さい上に病み上がりのリドル坊っちゃまに何してるんですか!あれ新入りに規律叩き込む用のヤキ入れじゃないですか!」
「久しぶりに骨があったから……多少やり過ぎた!」
意識がハッキリしてくるにつれて目の前の言い争い(と言う名の について)も聞き取れるようになってきたが……。
あれ不条理に耐えさせる力を身に付けるって触れ込みの某暗黒社員研修みたいなやつだったのか……噂でしか聞いたことなかったけど異世界にきて体験することになるとは……。
「どれだけ多寄り、ですか?」
「うぅ……。最初の二、三回で停めておくつもりだったんだが予想に反して粘るものだからこっちも止め時が無くなって……」
訓練中は冷酷マシーンだった母上も流石にやり過ぎたという自覚が出来てきてしまったのか震え上がっていたメイに問い詰められタジタジとなって頬を掻く。
「それでズルズルとなったのですか?」
「うん……リドル、私が悪かったよ。ゴメン」
言い合いが一区切りつくと母上がこちらを向いて再度キッチリ眼を見て謝罪してくる。
「あ……いえ、ハッキリと言わなかったこちらも悪いので……」
未だに覚醒仕切らない頭で受け答えすると「よかった……」と言う二人の安堵の声が漏れる。
「……とりあえずその反応を見る限り精神面は素質がありそうだ。酷いヤツは数回しごいただけでプライドをかなぐり捨てて逃げたからな。時には恥も尊厳もなく逃げることも必要だが最初から逃げ癖があっては話しにならない」
安心もそこそこに鬼教官《スパルタ》の顔で思案し始める。
(母上、耐えられたのは単純に前世の記憶持ってる二十代の……そう二十代の長時間勤務経験による無駄に頑強になってしまったメンタルがあっただけです……。
普通の八歳の子供にこんなことをしたらトラウマを刻まれてストレスとオーバーワークで倒れます)
実際、理不尽や不条理な環境にはある程度なれがあったとはいえメンタルをやられ始めていた。
元のリドルと混じりあった精神は八歳の年相応に悲鳴をあげ、しかし成人してしばらくまで生きた前世の記憶とメンタリティが泣き出すことを許さず『無心』と『虚無』のスキルに助けられた形だ。
「思っていた以上に動けていたし、これならもう少し厳しくして実戦で使える技術を叩き込んでもよさそうね」
「奥様のお眼鏡に叶うとは哀、……んんっもとい将来有望でございますね」
何気に恐ろしいことを呟く母上にメイもメイで失言を誤魔化しつつズレた方向にヨイショしながら同意する。
「しかし奥様、厳しくいくのはよろしいですが限界を越えた過度の運動は成長に影響をきたすと聞き及びます。まだリドル坊っちゃまは幼き身ですので座学と魔法を中心としては?」
出来ればもう少し厳しくするという点を方向転換させてほしかった。
それでもスパルタ度合いが母上よりかはマシな方に賭けて「なんとかして」という視線を向ける。
「それはそうだが実際に動いて鍛えなければイザというときに反応が遅れる」
「確かにそうですが訓練で潰れては元も子もありませんよ。
実際何人逃亡したとお考えですか?
それに坊っちゃまには魔法の才もあるのですからそちらも伸ばしたほうが選択肢が多くなると思うのですが……」
メイは視線に気づいたのか控えめに要望を伝えてくれる。
そして後ろ手に返されるサムズアップのハンドサインに此方の意を汲んでくれたと見えるが……。
「やはりギリギリを見極めてからでないと」
前言撤回、やはりマシとはいえメイもスパルタ気質だった。
それに下手をすると倒れることができない分限界突破よりグレーゾーンのほうがキツいのは前の人生で痛いほど経験している。
「確かに予想していたよりも筋と動きは良いしソコに魔法が組み合わされば潰しは利くな。しかし養成学校に通わせるとはいえ四年しか時間がないのでは体術か魔法、どちらかしかできないな……どうしたものか」
「それでは午前中に座学をやって午後から実技を教えられてはいかがですか?体が出来上がってくるのに合わせれば不可能ではないかと思います。それに朝方の方が頭が働くと言いますし」
メイの折衷案に母上がそうだなと同意し、細々としたトレーニングのスケジュールが俺抜きでトントン拍子で進んでいく。
かくして元凄腕ソルジャー二人による強化計画のもと異世界ズブートキャンプが始められることになる。
次の日から本格的な訓練が開始された。
メイと母上コーチの下、朝一番で準備運動がてら軽いランニングから一日が始まる。
そのあと朝食をとり、少しの食休みを挟んだら実戦で使いやすい出の早い魔法や潜伏方法、対人対獣双方で使えるワイヤートラップをはじめとした仕掛けの作り方に加え食糧確保と保存方法といったサバイバル技術等を実体験を交えたエピソード込みで叩き込まれる。
そして午後からは基礎体力作りとして本格的な走り込みと腕立て伏せ、腹筋背筋といったトレーニングと習った事を実際にやってみる実地訓練となる。
そのなかで何より辛いのはそれらを駆使して終了時に締めくくりとして行われるメイと母上による実技の訓練だった。
恐らく手加減こそしてくれているものの、最初の失敗からこっちの限界ラインを見切ったのかそれを越えない範囲で本当にギリギリまで追い込んでくる。
一応こっちが未成熟な事を考慮してか小まめに休憩を挟んで長丁場にはならないようにしているが、その分密度が尋常ではない。
「よし!今日は初日なのでここまでにしよう」
「ゼヒュ……あ……う……」
濃厚な短期間詰め込み式訓練に疲労困憊となり、倒れる前に目の当たりにした死屍累々な兵士たちと同様に声にならない音を搾り出しながら大地を枕にして倒れこむ。
「始めだからキツいと思うけどそのまま体を休めておきなさい。それに……」
母上が訓練中の口調からギャップの激しいいつもの優しげな口調に戻しながらこっそりと指差す。
その方向につられて横になりながら見てみると屋敷で見かけた使用人が遠巻きにこちらを観察しているのが見えた。
「大方、ビートの差し金で探りを入れにきたのでしょう。こちらでもキッチリと引き締めは行うけど、今後はこういう探りも増えて来るからあなたも気を付けなければならないわよ」
「…………はい」
ゆっくりと息を整えながら答えると使用人は母の視線に気づいたのかそそくさと屋敷へ戻っていく。
「……。、、。」
気のせいか去り際に憐れみがこもった眼を向けると一瞬だけ祈りを捧げるような仕草をして立ち去る。
訓練内容の厳しさに同情なりされたのかもしれないが、それならばいっそのこと邪魔してくれても良かったという感情が頭を過る。
しかし、母上の経歴と容赦のなさを考えると止められない、関わりたくないという気持ちも身をもって解っているため無理と解りつつも微妙な感覚に陥りながらクールダウンに勤しむのだった。
「もう一回」
時間の感覚が曖昧になったこの感じ_________。
「もう一回」
そう、ここに来る前……俺は経験している_________。
「もう一回」
何度も挑戦しても進まない_________。
「もう一回」
しまいには挑戦することもできず_________。
「もう一回」
ただ精神《ココロ》を殺して目の前の作業を機械的にこなしてい…………。
「…ま…ちゃま……
坊っちゃま!しっかりしてください!!」
突然意識の外から呼び掛けられる声にフッと正気に還る。
眼の奥が痺れ、前頭葉が鈍い感覚のままに声の主を認識できてくると視界には小刻みに震えるながら悲壮な顔をしたメイの姿が映った。
「やり過ぎですっ!
何でちょっと離れた間に精神壊しかけてるんですか?!」
「え……、あ?!いや、その……つい……あぁっリドル!ごめんね大丈夫かい!?」
どこか遠い意識の中、メイに今生の母親が窘められる様子を空虚なまま見据えると徐々に記憶がハッキリとしてくる。
そう、確か……。
あれから何度も何度も首元に冷たい刃を突きつけられ、時折転ばされるを繰り返されて精神をやられていてだんだんと前世の職場の無気力なまま惰性で作業を行っていた状態に近くなり恐らくハイライトの消えた瞳で挑み続けていた。
「坊っちゃま!良かった……。奥様!まだ小さい上に病み上がりのリドル坊っちゃまに何してるんですか!あれ新入りに規律叩き込む用のヤキ入れじゃないですか!」
「久しぶりに骨があったから……多少やり過ぎた!」
意識がハッキリしてくるにつれて目の前の言い争い(と言う名の について)も聞き取れるようになってきたが……。
あれ不条理に耐えさせる力を身に付けるって触れ込みの某暗黒社員研修みたいなやつだったのか……噂でしか聞いたことなかったけど異世界にきて体験することになるとは……。
「どれだけ多寄り、ですか?」
「うぅ……。最初の二、三回で停めておくつもりだったんだが予想に反して粘るものだからこっちも止め時が無くなって……」
訓練中は冷酷マシーンだった母上も流石にやり過ぎたという自覚が出来てきてしまったのか震え上がっていたメイに問い詰められタジタジとなって頬を掻く。
「それでズルズルとなったのですか?」
「うん……リドル、私が悪かったよ。ゴメン」
言い合いが一区切りつくと母上がこちらを向いて再度キッチリ眼を見て謝罪してくる。
「あ……いえ、ハッキリと言わなかったこちらも悪いので……」
未だに覚醒仕切らない頭で受け答えすると「よかった……」と言う二人の安堵の声が漏れる。
「……とりあえずその反応を見る限り精神面は素質がありそうだ。酷いヤツは数回しごいただけでプライドをかなぐり捨てて逃げたからな。時には恥も尊厳もなく逃げることも必要だが最初から逃げ癖があっては話しにならない」
安心もそこそこに鬼教官《スパルタ》の顔で思案し始める。
(母上、耐えられたのは単純に前世の記憶持ってる二十代の……そう二十代の長時間勤務経験による無駄に頑強になってしまったメンタルがあっただけです……。
普通の八歳の子供にこんなことをしたらトラウマを刻まれてストレスとオーバーワークで倒れます)
実際、理不尽や不条理な環境にはある程度なれがあったとはいえメンタルをやられ始めていた。
元のリドルと混じりあった精神は八歳の年相応に悲鳴をあげ、しかし成人してしばらくまで生きた前世の記憶とメンタリティが泣き出すことを許さず『無心』と『虚無』のスキルに助けられた形だ。
「思っていた以上に動けていたし、これならもう少し厳しくして実戦で使える技術を叩き込んでもよさそうね」
「奥様のお眼鏡に叶うとは哀、……んんっもとい将来有望でございますね」
何気に恐ろしいことを呟く母上にメイもメイで失言を誤魔化しつつズレた方向にヨイショしながら同意する。
「しかし奥様、厳しくいくのはよろしいですが限界を越えた過度の運動は成長に影響をきたすと聞き及びます。まだリドル坊っちゃまは幼き身ですので座学と魔法を中心としては?」
出来ればもう少し厳しくするという点を方向転換させてほしかった。
それでもスパルタ度合いが母上よりかはマシな方に賭けて「なんとかして」という視線を向ける。
「それはそうだが実際に動いて鍛えなければイザというときに反応が遅れる」
「確かにそうですが訓練で潰れては元も子もありませんよ。
実際何人逃亡したとお考えですか?
それに坊っちゃまには魔法の才もあるのですからそちらも伸ばしたほうが選択肢が多くなると思うのですが……」
メイは視線に気づいたのか控えめに要望を伝えてくれる。
そして後ろ手に返されるサムズアップのハンドサインに此方の意を汲んでくれたと見えるが……。
「やはりギリギリを見極めてからでないと」
前言撤回、やはりマシとはいえメイもスパルタ気質だった。
それに下手をすると倒れることができない分限界突破よりグレーゾーンのほうがキツいのは前の人生で痛いほど経験している。
「確かに予想していたよりも筋と動きは良いしソコに魔法が組み合わされば潰しは利くな。しかし養成学校に通わせるとはいえ四年しか時間がないのでは体術か魔法、どちらかしかできないな……どうしたものか」
「それでは午前中に座学をやって午後から実技を教えられてはいかがですか?体が出来上がってくるのに合わせれば不可能ではないかと思います。それに朝方の方が頭が働くと言いますし」
メイの折衷案に母上がそうだなと同意し、細々としたトレーニングのスケジュールが俺抜きでトントン拍子で進んでいく。
かくして元凄腕ソルジャー二人による強化計画のもと異世界ズブートキャンプが始められることになる。
次の日から本格的な訓練が開始された。
メイと母上コーチの下、朝一番で準備運動がてら軽いランニングから一日が始まる。
そのあと朝食をとり、少しの食休みを挟んだら実戦で使いやすい出の早い魔法や潜伏方法、対人対獣双方で使えるワイヤートラップをはじめとした仕掛けの作り方に加え食糧確保と保存方法といったサバイバル技術等を実体験を交えたエピソード込みで叩き込まれる。
そして午後からは基礎体力作りとして本格的な走り込みと腕立て伏せ、腹筋背筋といったトレーニングと習った事を実際にやってみる実地訓練となる。
そのなかで何より辛いのはそれらを駆使して終了時に締めくくりとして行われるメイと母上による実技の訓練だった。
恐らく手加減こそしてくれているものの、最初の失敗からこっちの限界ラインを見切ったのかそれを越えない範囲で本当にギリギリまで追い込んでくる。
一応こっちが未成熟な事を考慮してか小まめに休憩を挟んで長丁場にはならないようにしているが、その分密度が尋常ではない。
「よし!今日は初日なのでここまでにしよう」
「ゼヒュ……あ……う……」
濃厚な短期間詰め込み式訓練に疲労困憊となり、倒れる前に目の当たりにした死屍累々な兵士たちと同様に声にならない音を搾り出しながら大地を枕にして倒れこむ。
「始めだからキツいと思うけどそのまま体を休めておきなさい。それに……」
母上が訓練中の口調からギャップの激しいいつもの優しげな口調に戻しながらこっそりと指差す。
その方向につられて横になりながら見てみると屋敷で見かけた使用人が遠巻きにこちらを観察しているのが見えた。
「大方、ビートの差し金で探りを入れにきたのでしょう。こちらでもキッチリと引き締めは行うけど、今後はこういう探りも増えて来るからあなたも気を付けなければならないわよ」
「…………はい」
ゆっくりと息を整えながら答えると使用人は母の視線に気づいたのかそそくさと屋敷へ戻っていく。
「……。、、。」
気のせいか去り際に憐れみがこもった眼を向けると一瞬だけ祈りを捧げるような仕草をして立ち去る。
訓練内容の厳しさに同情なりされたのかもしれないが、それならばいっそのこと邪魔してくれても良かったという感情が頭を過る。
しかし、母上の経歴と容赦のなさを考えると止められない、関わりたくないという気持ちも身をもって解っているため無理と解りつつも微妙な感覚に陥りながらクールダウンに勤しむのだった。
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