運命の君

沢渡奈々子

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番の契り

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「はぁっ……、や、り、りん……!」
 鳴海は蒼の屹立を口に含んだまま、後孔に手を伸ばす。そして既にオメガ特有の愛液に溢れたそこに、指を挿し入れた。
「あぁっ、や、だぁ……」
 瞬間、蒼の中心から白濁が噴き出す。鳴海はそれを平然とした顔で飲んだ。そして後孔の指を奥まで挿入てから、ゆっくりと引き出し、途中のある部分で止める。鳴海は若干硬くなっているそこを、そっと押す。
「ひっ、やだ! そこ……っ」
 蒼が何かに襲われたように身体を跳ねあげた。
「──気持ち、いい?」
 言いながら、集中的にそこを愛撫する。
「やだやだやだ……っ、な、何か変だよ……っ!  んんんー!!」
 身体を強張らせたかと思うと、蒼は再び吐精した。くったりと身体をベッドに沈め、四肢を投げ出す。
「はぁ、はぁ……り、んのばかぁ……」
 蒼は力の入らない拳で鳴海の肩を叩く。鳴海は再び口で受け止めた蒼の精液を飲み干してにこりと笑う。
「気持ちよくなかった?」 
「は……き、気持ちよ、かったけ、ど……こ、怖ぇよ……何あれ……」
 あの箇所に触れられただけで全身が総毛立ち、大きく強張った。末永蒼という名の器に、一気に快感を注ぎ込まれてあっという間に溢れた。それほどに急激な流れだったので、怖くなってしまったのだ。
「前立腺、だと思うよ」
「ふぇ……何それ……も……やだ……」
 涙目になる蒼。
「もうやめる? 蒼が無理なら今日はもうやめよう」
 鳴海が眉尻を下げて蒼に尋ねる。
(もう無理……マジ無理……!)
 心でそう叫んだ蒼の目に入った鳴海の下腹部――そこは先ほど吐精したとは思えないほど、硬く大きく崛起していた。
「あ……」
 自分はもう何度も射精して疲れすら感じているが、鳴海は未だ蒼の拙い口淫で一度放っただけなのだ。それなのに、献身的とも言える奉仕の後に「無理しないで」と心配して具合を尋ねてくれる彼の優しさに、蒼は涙が溢れそうになる。
 鳴海のことも自分が気持ちよくしてあげたいと、ついさっき豪語したばかりなのに――蒼はかぶりを振って頭に残った恐怖心を追い出した。
「や、やめない……だ、だって、番になるんだろ? 俺たち……。俺、早くなりたいもん、凛の番に」
 蒼は両手を伸ばして鳴海を抱き寄せ、力を込めた。
「ん、そうだね。俺も早く蒼の番になりたい」
 甘い甘い笑みで、鳴海が蒼のくちびるにキスを落とす。
 鳴海は身体を起こすと蒼の潤びた後孔に自身を宛がい、
「蒼……愛してる」
 蒼の瞳を見つめながら呟き、腰を押し進めた。
「あ……、お、れも……っ、」
 オメガの後孔は普通の男性とは違い、ある程度男性器を受け入れられるように出来ている。しかしまだセックスの体験が二度目である蒼にとっては、やはり鳴海の大きさを受け止めるのは、違和感と苦しさをを覚えずにはいられなかった。昨夜は発情と鳴海に対する渇望とで心身ともにがんじがらめになっていたので、そんなことを感じる余裕もないままにただただ鳴海を求めていたのだ。
「んん……はぁ」
「痛い? 大丈夫?」
 鳴海は相変わらず蒼を心配する。蒼は苦しそうに引きつらせた笑いを浮かべ、
「ははは……やっぱ、凛のは大きいな……ちょっと羨ましいや……」
 そう言って後孔をきつく締めつけた。
「あ、蒼……っ、それ、はちょっ、っと……っ」
 ゆるゆると動いていた鳴海の腰がふいに止まる。
「ん?」
 蒼がにやりと笑う。悪戯に成功した時の子供のような眼差しだ。鳴海は苦笑しつつかぶりを振ると、
「ったく……蒼が悪いんだよ?」
 言い残し、鳴海が蒼の後孔を穿ち始める。
「はぁっ、や、だ……っ、ちょっ、まっ……っ!!」
「もう、待てない」
「あっ、あぁっ……っ」
 鳴海が蒼の弱いところを突くと、たちまち蒼は涙ぐみ枕の端をつかむ。同時に鳴海は蒼の屹立を握り込み、刺激した。
「あっ、だめ、だか、……らっ。イッ……っっ」
 言うが早いか、蒼自身の先端からは幾度目かの白濁が噴き出す。鳴海は動きを止めることなく蒼を穿ちながらも、彼自身への愛撫もやめなかった。
「ふぁっ、り、りん……っ。やめ……、あっ、あっ」
 蒼の口からは止め処もなく色づいた声が溢れる。鳴海を止めようにも喘ぎ声しか上がらないので、それはもはや彼を煽るものでしかない。がつがつと貪りながら、蒼を快楽の渦に差し立て続ける鳴海。そんな彼を止める術など、蒼にはなかった。鳴海の頬からは汗が滴り、蒼の首筋に落ちる。
「やっ、お、れ、こわ、い……っ、あぁっ」
 どこまで気持ちよくなってしまうのだろうかと、透明度の低い底なし沼に落ちていくようで怖くなる。こんなにも激しく愛されるなんて予想外で、後で鳴海を責めてしまいそうだ――と、蒼は思ったのだが、
「っ、蒼……好きだよ……っ。こんな姿、もう俺以外に見せないで……」
 そのやるせなさに満ちた表情を目の当たりにしたら、非難なんて出来るはずもない。
「お、おれも、好き……っ。凛……好きだか、ら……ぁっ」
 蒼は目元を歪めて何度も頷いた。それから少しして、鳴海は蒼の中で達した。
 鳴海は避妊具を替えてから今度は蒼をうつ伏せにした。そして後ろからその裸身を貫く。鳴海から与えられる小刻みな振動に耐えるようにふるふると震えている蒼。そのうっすらと汗をかいた背中を、鳴海はうっとりと愛おしそうに撫でる。そして、首筋に触れると背中に覆いかぶさり、
「蒼、俺の番になって……」 
 蒼の耳元でそう呟いてから、うなじにくちびるを寄せた。
 寸時の後、
「うぁっ!」
 がり……と音がしたかと思うと、緩い快感に溺れていた蒼が目を見開いた。今までにない強烈な何かが体内を駆け抜ける。脳髄から爪先までを凄まじい勢いで抜けていくそれは、蒼の中で化学反応を起こしたようにぱちぱちと弾け、目の前を白く塗りつぶしていく。
「あ……あ……」
 胎内が収縮し、鳴海をきつく締めつける。蒼の屹立からは申し訳程度に白濁が流れ落ち、鳴海も何度か身体を揺すった後、吐精した。
 頬に涙が一筋伝わるのと同時に、蒼は意識を手放した。

「ん……」
 蒼が目を覚ますと、窓の外は暗くなっていた。五時間くらいは寝てしまっただろうか。
 目の前には鳴海の寝顔があった。
(寝ててもイケメンだなぁ……)
 うっそりとその麗しい寝顔を見つめていると、ふいにそのまぶたが動き、ぱちりと目を開いた。
「おはよう、蒼」
 色気に満ちた満面の笑みでもって寝起きの蒼を迎える鳴海。
「え……な、凛、起きてたの?」
 目をこすりながらしぱしぱと瞬きをする蒼。鳴海は既に服を着ており、自分を見るとパジャマを身に着けていた。更には吐き出した精液で汚れたシーツは剥がされ畳まれて部屋の隅に置かれており、代わりにバスタオルが敷いてあった。
「シーツの場所とか分からなかったから、床にあったバスタオルを敷いたんだ。シーツの場所とか教えておいてくれたら、今度からちゃんと替えておくからね」
「うぅ……ご、ごめん。そんなことさせちゃって……」
「ううん。むしろ至福の時だったよ。蒼の身支度整えたり寝顔見てたりして」
 二人が数時間ほど抱き合った後、蒼はこと切れたように眠ってしまった。しかし鳴海はさほど疲れておらず、眠り続ける蒼を見つめていてその後の時間を過ごしていたようだ。
「そ、そんなの見てて楽しい?」
「すっごく」
「っ、」
「きっと一日中見てても飽きない自信あるよ。あ、蒼、薬用意しておいたからちゃんと飲んで?」
 そう言って鳴海はベッドのヘッドボードを指差した。そこには発情抑制剤とペットボトルの水が置いてあった。番になったことでフェロモンは発生しなくなるのだが、発情することに代わりはないので、薬の服用は依然必要であることを鳴海は知っているようだ。
「あ、うん」
「飲ませてあげようか?」
「い、いいよっ! 自分で飲む!」
 蒼は慌てて起き上がり、薬を口に放り入れ、水でごくごくと飲み下した。喉も渇いていたのでそのまま飲み続けながら、ふと数時間前のことを思い出す。
(そ、そういえば……)
「り、凛……俺たち、番になった……んだよな」
 あのセックスの最後に確かにうなじを噛まれた。強烈な快感が走り抜ける中、身体の中で何かが作り変えられていくような感覚があったのを、うっすらと覚えている。
 蒼は自分のうなじをさすった。そこには、鳴海の噛み跡がくっきりと残されている。
「うん。俺たちは番になったんだよ。蒼」
「そっか……これからもよろしくな、凛」
「こちらこそ。ずっとずっと大事にするから。蒼も俺だけに発情して」
 昼間の情事を思い出しては恥ずかしくなり、蒼は話題を切り替える。
「あ、のさ……。凛は、前から俺がオメガで……で、自分の番だって分かってたのか?」
 そう尋ねると、鳴海は「話が長くなるけど聞いてくれる?」と蒼の髪を梳きながら前置きをした。
「俺は代々続いてきたアルファの一族の生まれで、祖母や父はその能力の高さである程度の成功を収めてきたんだ。でもその反面、兄や親戚がアルファであるのをいいことに昔から節操なく遊び歩いてオメガの子たちを泣かせてきたのを見ていて、セックスとかにいいイメージがなくて。
 極めつけは中学の時にオメガの友達がベータのやつにレイプされそうになっているのを見てしまったことだったな。もちろんその場ですぐに友達を助けた。けど相手は友達なのに、その時オメガのフェロモンにあてられて、俺は明らかに欲情してしまっていて……。そんな自分は兄たちと一緒なんだ、って後で吐き気がした。それ以来、俺の年でも大丈夫な一番効き目の強い抑制剤を飲み始めたんだ」
「そうなんだ……」
「だから、入学式の時に蒼を見て……本当に驚いたんだ。一瞬で鼓動が速くなって、腹の底から今まで抑えてきた欲求が湧き上がってきて、初めて会った子なのに欲しくてたまらなくなって……最初は抑制剤を飲み忘れたのかと思った。でもその後すぐに気づいたんだ。――あぁ、俺は出会ってしまったんだ、って」
 鳴海はそう言った後、かぶりを振って、
「……いや、違うな。俺は出会うことが出来たんだ」
 と、継ぎながら蒼の頬を撫でた。
「蒼が恵斗に襲われた時、俺はGPSアプリを使って蒼を見つけたって言ってたけど、嘘なんだ。あの日、ちょうど風紀委員で残っていて、使われていない教室を点検していたんだ。その時急に強いフェロモンを感じて。蒼に何かあったんだと思ってそれを辿ったんだ。でも本当のことなんて言えなかったから、GPSだなんてごまかして。元々、蒼は俺を見ても何も反応しなかったし、ベータを自覚してるみたいだったから番だなんて名乗り出ることも出来なかった。
 二年生で同じクラスになって――蒼のことを見るたびに、ますます欲しくてたまらなくなって。時々ふらふら側に行っていたのは、もうほとんど無意識で。その頃はもっと強い抑制剤を飲んではいたけど、運命の番相手にはあまり効かなかったんだろうな。そんな俺から出るフェロモンが、蒼をオメガとして覚醒させてしまったんだ。ベータのままなら平和に暮らせたのに……俺のせいだとずっと申し訳ないと思っていたんだ」
「だから初めて俺とセックスした時もうなじを噛まなかったの?」
 蒼の問いに、鳴海が頷いた。
「あんな風に蒼のヒートの弱みにつけこむ形で番になりたくなかった。俺、蒼は竹内のことを好きなんだとずっと思っていたから……」
「へ? 充? 俺が充のことを好きだと思ってたの?」
 思いがけない鳴海の言葉に、蒼は驚く。まさか自分が充に想いを寄せていると思われていたとは。
「あんなに仲がいいし、竹内はいつも蒼を女の子を扱うみたいに守ってたし。本当は、俺があいつの代わりになりたいといつも思っていた」
(えー……女の子を扱うみたい、って、それちょっと違う。いつも小馬鹿にされてたしー。どちらかと言うと俺を小学生の弟くらいに思ってたよ、あれは)
 蒼がはははは、と声を上げた。
「充には彼女いるよ? 俺だってあいつに恋愛感情なんて持ってないし。ただ、小学校の時から一緒だし、もうほとんど兄弟みたいな感じなんだ」
 学校ではいつも一緒にいたため、確かに「おまえらデキてんじゃねぇ?」などとからかわれることもあったが、二人とも笑い飛ばしていたし、事実ではないため気にしてはいなかったのだが、鳴海に誤解されていたとは思いも寄らなかった。
「実は今日の朝方……蒼の家を出た後、竹内に話があるからと呼ばれて……殴られたんだ」
「え、マジで? 大丈夫か?」
 言われてみれば、頬がうっすら腫れているし、口元に出血の跡が出来ている。
「大丈夫。結構しっかり冷やしたから」
 鳴海は苦笑した後、話を続けた。
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