とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第35話 夏休み開始

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 惨劇の打ち上げから2日後、今日は第一期期末試験の最終成績発表日と言われ、教室に集まっていた。
 ちなみに、惨劇の打ち上げでは、ほとんどの皆が後半の記憶がないらしく、ルークも私が言った事は覚えていないのか、追及している事はなく安堵の息をついた。
 そして担当教員から、試験お疲れ様と言葉を掛けられた後、最終成績発表が行われた


 第一期期末試験クラス内最終成績
  1位 ルーク   11位 シンリ
  2位 ニック   12位 トウマ
  3位 クリス   13位 ケビン
  4位 ガウェン  14位 リーガ
  5位 マックス  15位 ガードル
  6位 シン    16位 ピース
  7位 アルジュ  17位 ベックス
  8位 ヴァン   18位 モーガン
  9位 フェルト  19位 ガイル
  10位 ノルマ   20位 ライラック


 結果が表示されると、皆は様々な反応していた。
 私はその結果に、不満はあるものの、実力試験の結果からある程度予想はしていたので、あまり驚くことはなかった。
 改めてこう最終成績を見ると、意外とうちのクラスは学科試験から、そこまで大きく変動してないなと私は思った。
 そして続いて、第2学年全体の最終成績トップ10が発表された。


 第一期期末試験全寮最終成績
  1位 ロムロス
  2位 ダンデ
  3位 スバン
  4位 ルーク
  5位 レオン
  6位 ニック
  7位 リーフ
  8位 クリス
  9位 スザク
  10位 プロンス


 学年全体の成績を見て、ルークが1位でない事に一瞬驚いたが、あいつは手を抜いていた事を思い出し、そりゃ1位な訳ないなと納得した。
 それと同時に、レオンが上位に食い込んでいたので、私はそっちが気になっていた。
 その後担当教員から、今後の予定を話しだした。

「第一期期末試験の成績発表も終了した所で、今後の予定だが、まずはお前らも楽しみにしている夏休みが始まる」
「いやっふぅ~!」
「喜ぶのはいいが、騒ぐのは話を聞いてからにしろよ」

 担当教員の言葉に、皆は一瞬だけ叫んだ後、直ぐに静かになった。
 いつもこうやって素直ならいいんだがと、担当教員が愚痴をこぼしながら、話を続けた。

「一週間ほど夏休みを取った後、例年通り修学旅行に行く」
「えっ」

 その言葉に、何故か皆は固まっていた。
 私には、普通なら喜びそうな所なのにと思っていたが、担当教員が話を続けていたので、気にせずに聞き続けた。

「修学旅行終了後は、残りの夏休みを存分に満喫した後、第二期授業を開始する。簡単にだが、これが今後の予定だ」

 そう言った後、ちょうど学院の鐘が鳴り響いた。
 そして担当教員は、今日で第2学年第一期は終了すると言って、修学旅行までの夏休みを楽しめよと言って、教室を出て行った。

 だが皆は、担当教員がいなくなっても騒ぎ出さなった。
 夏休みが始まったのに、全く先程のテンションを出さない皆を見て、違和感を感じ気になって仕方がないので、いつも通りアルジュに確認しに行った。
 するとアルジュは、片手を顎につけてテンションが下がっている奴らの方を見ながら、教えてくれた。

「あれはだな、修学旅行が一週間後にあるって聞いたからだよ。去年だともう少し先だったが、今年は早くてああなってるんだよ」
「何で、修学旅行であそこまで暗い顔してるんだ? 普通なら、楽しいイベントじゃないのか?」

 アルジュは、片手をひらひらと横に振って、違う違うと言われた。
 この学院には、修学旅行が2回あると初めて私は知る。
 基本的に、どの学院も修学旅行という学院外でのイベント事があり、その場所で普段体験出来ない事を行ったり、学んだりするものだが、それが2回もあるというのに驚いた。
 でも、それなら落ち込む必要がないのではと、言うとアルジュは同じような内容を2回もやるわけないだろと返してきた。

 一般的に行われている修学旅行は、この学院では冬の時期にやるらしく、夏の修学旅行は別名で、地獄の夏合宿と呼ばれているらしい。
 地獄の夏合宿と呼ばれている所以は、簡単に言うと各生徒の基礎力底上げを行うカリキュラムを、日々こなすだけで楽しくはないからだ。
 それを達成すると確かに成長する事が出来るのだが、学院に帰って来てからは、疲れ果てて何もできずに夏休みが終わることから、地獄の夏合宿と呼ばれている。

「あ~何故だ! 何故地獄の夏合宿が、一週間後なんだ!」
「去年はもっと後だったろ! 俺の夏休みの予定が崩れさる」
「地獄がすぐそこまで来ているなんて……何と言う仕打ちだ!」

 クラスの皆は、各々に悲痛な声を上げていた。
 その後アルジュは、帰り仕度が終わると、私に短い夏休みかもしれないから、楽しめるだけ楽しむ方がいいよと言って、教室を出て行った。
 私もひとまず帰り仕度をしようと席に戻ると、帰ろうとするルークと目が合い、約束のことを思い出してしまう。

 嫌な事を思い出してしまったな……どうするか、あいつには正体を黙っててと言っといて、私が条件をやらないと言うのは、卑怯だよな。
 う~~ん、とてつもなく嫌だが、これも自分が招いた結果だ。
 嫌な事はさっさと終わらしてしまおう!
 そう私は覚悟を決めると、ルークに近寄って小声で話し掛けた。

「おいルーク。その……例の件だけど……俺としてはさっさと済ませたいんだが」
「ん? あ~例の件ね。まさか、お前の方から言ってくるとは、律儀だなお前は」
「なっ! ふざけんなよ、俺だってやりたくねぇんだ! でも、お前に黙ってろと言っておいて、俺が条件果たさないのは、卑怯だと思ったからだよ」

 私の言葉に、ルークは鼻で笑う。
 コイツ、私の覚悟を鼻で笑いやがったよ! 本当にムカつく奴だな!
 するとルークは、少し考えた後さっさと済ませたいなら、3日後にしようと提案して来た。
 ルークも少し用事があると言い、私にも準備とか気持ちを切り替える時間があった方がいいだろと、ルークのくせに意外と考慮して来た内容で、私は少し関心してしまった。
 コイツにも、相手のことを考えることが出来たんだと見ていると、確認を取って来たので了承した。

「それじゃ、3日後。夏休み中は、外出自由だから外出権は売ってないからな」
「わ、分かってるわ、そんな事!」

 そう言い残し、ルークは教室を出て行った。
 私は一度自席座り、小さくため息をついた。
 あの感じだと別にやっても、やらなくてもいい雰囲気だったな~……はぁー、私は無駄な気遣いで自分の首を絞めたのか。

 いや! 後悔なんてしてる場合じゃない! こうなったら、本当の私の姿であいつをあっと言わせてやる!
 そうと決めたら服の準備からだ! 女性物は全く持ってきてないから、今から外出して用意しにいくか。
 私は直ぐに帰り仕度を済ませ、寮へと戻るとすぐさま着替えて、街へと繰り出した。
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