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第84話 大運動会④~副寮長 VS 『超人』~
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「おいおい、なんだありゃ!? 本当にベックスか?」
トウマの声と共に競技を見ていた私たちは、驚きの視線を向けた。
完全にイメージが真逆の人が現れた為動揺していると、リーガが声を上げる。
「俺、あいつ知ってるぞ! あの姿覚えてねぇのか? 転入組なら知ってるだろ、俺らの代の入学試験の時に『超人』って呼ばれて無双した奴がいたろ!」
その言葉にマックスとケビンが、思い出した様に「そう言えば居たな」と答えると、トウマたちもうっすらと思い出し始めた。
リーガが言うには、高等部から学院に入る際に毎年入学試験を行っているそうなのだが、自分たちの代つまりマックスたちの時に、入学試験で圧倒的な力と学科試験満点という快挙を成し遂げた人物が居たらしい。
その人物は、進学組初等部から繰上りする生徒にも耳に入っており、『超人』と呼ばれて一時騒ぎになったらしい。
だが、その『超人』は結局入学する事はなかったそうだが、名前がベックスと呼ばれていた事が判明すると同じ名前の人物がいると分かり見に行くが、全く真逆の人間で同姓同名と言う騒ぎが第1学年の時にあったと話してくれた。
私はそれを聞き、再びベックスの方へと視線を向けた。
その頃、マルロスとワイズも同じような会話をしていた。
「どうなってるんだ? 完全にさっきと別人になったぞ」
「相手は、お前がしてくれるんだろ」
先程、ワイズに言った言葉を返されマルロスは言葉に詰まった後、落胆のため息をついた。
「嫌だ、嫌だ。あんなんになるって分かってたら言わなかったのに……ってか、知ってたなワイズ」
だがワイズは首を横に振った。
ベックスが秘めた力を持っているとは思っていなかったと口にしたが、彼があの『超人』と騒がれた同一人物だとは疑っていたと答えた。
「『超人』って、あの入学試験で話題になったが、入学して来たのは同姓同名で全くの別人でしたっていうあれか?」
「そう。確かにあの入学試験では、もう1人同じ名前の奴がいた。が、生まれ持った魔力は皆異なり、強い奴程特徴が出るもんだ。我輩は、入学生を見てそれを見つけ強い奴があると分かってたんだ」
「いやいや、それはワイズが昔から持ってる嗅覚的なもんでしょ。すぐそうやって、適当な事言うんだから全く。でも、ワイズの嗅覚は外れないって言うし、彼がその『超人』なのは間違いなってことか」
そこでマルロスは、再びため息をついた。
「ただでさえ、戦闘が苦手のに強そうな奴が相手とか、本当に無理……」
「あはははは。お前のそう言う所は、お前の寮長と真逆だな」
「笑い事じゃないんだけどな」
と談笑をしていると、親切にベックスがどっちが相手をしてくれるのかと問われ、ワイズがマルロスの背を押し「こいつがする」と答えた。
背を押されたマルロスは、少し頬を膨らませ不満そうにワイズを見たが、ワイズからは仮面をしているのでそこまで表情を読み取れずにいた。
マルロスは気を取り直して、ベックスの方を向いた。
「それじゃ、始めよ……」
と言いかけた直後だった、ベックスが一瞬でマルロスとの間を詰めて来て、勢いよく殴り掛かった。
しかし、マルロスは瞬時に状況を判断し、体を横に反る様にしてベックスの正拳付きを避ける。
「(速い。移動系、もしくは身体能力向上系の魔法を使っている? いや、そんなそぶりはなかった。となると……)」
マルロスはその場でベックスの能力分析を始め、もう一度距離を取ろうと足元に力をしてた時だった。
ベックスの左手が自分の胸ぐらを掴んでおり、逃げる事が出来ずそのまま地面へと叩きつけられる。
マルロス自身でも、いつ掴まれたのか分からず自分今地面に倒された事に、驚いていた。
一瞬の出来事に、会場も競技を見ていた生徒たちもすぐに理解出来ずにいたが、遅れて声が響き渡った。
「まずはその仮面、壊させてもらう!」
「っ!」
次にマルロスが目を開けた時には、ベックスの拳が目の前まで迫っていた。
だが首を瞬時に横にして、拳をかわし、文句を言いながらベックスの視線と自分の視線を合わせにいく。
「だから戦闘は苦手なんだよ!」
するとベックスは咄嗟に視線を真横にずらした。
予想もしていない行動に、マルロスが「えっ」と小さく声が出てしまう。
その声が聞こえたのか、ベックスは小声で話した。
「貴方のその目は、魔眼ですよね。それと仮面は、その魔眼を隠すための物。そして、その目を見ると力が抜け動けなくなる能力を持っている」
「!?」
それを聞いたマルロスは、押さえつけられたベックスの腕の関節を両手で曲がらない方へと力を入れ、痛みで隙が出来た所でベックスを蹴り飛ばし距離をとった。
そのままワイズの元まで下がった。
「すまないが、自分と彼とでは相性が悪い。交代してくれ、ワイズ」
「……分かった。では、我輩が『超人』の相手をしよう」
ワイズはマルロスの雰囲気を感じとり、何も茶化す事無く前に出て行った。
「(何なんだ、あの後輩。何故そこまで言い切れた? あいつに力を使ったのは、さっきが初めてだが……まさか、直前の戦いを遠目で見て理解したと言うのか?)」
一方蹴り飛ばされたベックスは、むせつつも体勢を整え目線を上げると、マルロスに代わりワイズが近付いて来たと知る。
「ごほっ……選手交代ってとこか」
「さて『超人』、我輩と拳で語り合おうか!」
直後、ワイズは両腕に炎を纏わせ突っ込んで来た。
すぐさまベックスも、ワイズへと踏み込み両者が同時に拳を突き出し、拳と拳がぶつかり合った音が響く。
その音は、石と石が勢いよくぶつかった時の音に似ており、私はその音に体がびくついた。
すると拳を付き合わせたワイズが口を開いた。
「なるほど、物凄い高度な魔力操作だ。体全身に薄い魔力を纏い、鎧の様にしているのか。更に、魔力質量や技量の応用で、一点に魔力を集め今の様な力や、防御力を上げ魔法を跳ね除けていたのか」
「っ! そこまで分かるのか!?」
「あぁ、なんせ吾輩は、副寮長だからな!」
そう言って、付き合わせていた拳を押し返し、ベックスを押しのけるとそのまま距離を開けずに、もう一度詰める。
よろめく様に、後ろへと後退していたベックスは慌てて両腕を顔の前に出し、防御の姿勢をとる。
そこへワイズは、何度も殴り掛かりながら話し続けた。
「その魔力操作で得た驚異的な力は、まさしく『超人』と言えるな。だが、体への負担が大きすぎるな。それは、お前人身も理解しているんじゃないのか?」
「ぐっ……」
「だが、この場でその力を使った事は間違えではない。むしろ、幸運に巡り合えたと喜べ!」
その言葉にベックスは、驚き力が緩んでしまう。
その瞬間を見逃さなかったワイズは、一度踏ん張り右手に力を籠める。
「なんせ、うちの寮長と同じ様な力を使えるんだ。寮長の戦い方を見て学び、更に強くなれるんだ! これ程の幸運はそうないぞ!」
「!?」
「『六武衝・一衝』炎拳!」
ワイズの拳はベックスの力の緩んだ両腕を突き抜け、腹部へと直撃しそのまま場外へと吹き飛ばされる。
吹き飛ばされてたベックスは、仰向けの大の字で地面に倒れて驚いた表情をしていた。
「俺と同じ力……」
そしてベックスの体は徐々に元に戻って行った。
ワイズは技を決めた後、マルロスの方を振り向くと、マルロスは「戦う気はないから、降参」と言い、第5競技の『バトルロイヤル戦』が終了した。
1位がワイズ、2位がマルロスの第3学年となり、3位はベックスと言う形で各ポイントが振り分けられた。
大運動会ポイント累計
第3学年 210点
第2学年 130点
第1学年 20点
そして、第5競技が終了すると時刻は正午を迎え、1時間の昼食時間となった。
昼食時間の話の中心は完全に、ベックスであり色々と聞かれたりしていたが競技終了後ともあり、タツミ先生に連れて行かれてしまう。
そのまま1時間の昼食時間が終了し、ポイント累計を見て一気に第3学年に離されてしまったと話し、トウマが居る人たちと勝手にどう挽回するかの会議を始める。
だが短時間では、結局答えと言うものは出なかったので、とりえず次の第6競技で1位を取れるようにトウマたちが大声で応援する事になった。
その応援を聞いた次に出場者の1人が、振り返りトウマの方を見て口を開いた。
「うるさい、トウマ! そんなに大声だと、頭に響いて集中出来ん!」
「な、何だとニック! せっかく応援してやってるんだぞ」
「お前の大声のせいで、勝てないって言ってんだ。このまま1位を一度も取れないまま、終わりたくないなら邪魔にならない程度にしろ」
「ニック、お前って……ツンデレって奴か?」
「ちげぇわ!」
するとニックは、少し怒ったまま集合場所へと向かって行くと、その後ろをガウェンが付いて行った。
そして、大運動会後半最初の第6競技の『綱引き』が始まった。
トウマの声と共に競技を見ていた私たちは、驚きの視線を向けた。
完全にイメージが真逆の人が現れた為動揺していると、リーガが声を上げる。
「俺、あいつ知ってるぞ! あの姿覚えてねぇのか? 転入組なら知ってるだろ、俺らの代の入学試験の時に『超人』って呼ばれて無双した奴がいたろ!」
その言葉にマックスとケビンが、思い出した様に「そう言えば居たな」と答えると、トウマたちもうっすらと思い出し始めた。
リーガが言うには、高等部から学院に入る際に毎年入学試験を行っているそうなのだが、自分たちの代つまりマックスたちの時に、入学試験で圧倒的な力と学科試験満点という快挙を成し遂げた人物が居たらしい。
その人物は、進学組初等部から繰上りする生徒にも耳に入っており、『超人』と呼ばれて一時騒ぎになったらしい。
だが、その『超人』は結局入学する事はなかったそうだが、名前がベックスと呼ばれていた事が判明すると同じ名前の人物がいると分かり見に行くが、全く真逆の人間で同姓同名と言う騒ぎが第1学年の時にあったと話してくれた。
私はそれを聞き、再びベックスの方へと視線を向けた。
その頃、マルロスとワイズも同じような会話をしていた。
「どうなってるんだ? 完全にさっきと別人になったぞ」
「相手は、お前がしてくれるんだろ」
先程、ワイズに言った言葉を返されマルロスは言葉に詰まった後、落胆のため息をついた。
「嫌だ、嫌だ。あんなんになるって分かってたら言わなかったのに……ってか、知ってたなワイズ」
だがワイズは首を横に振った。
ベックスが秘めた力を持っているとは思っていなかったと口にしたが、彼があの『超人』と騒がれた同一人物だとは疑っていたと答えた。
「『超人』って、あの入学試験で話題になったが、入学して来たのは同姓同名で全くの別人でしたっていうあれか?」
「そう。確かにあの入学試験では、もう1人同じ名前の奴がいた。が、生まれ持った魔力は皆異なり、強い奴程特徴が出るもんだ。我輩は、入学生を見てそれを見つけ強い奴があると分かってたんだ」
「いやいや、それはワイズが昔から持ってる嗅覚的なもんでしょ。すぐそうやって、適当な事言うんだから全く。でも、ワイズの嗅覚は外れないって言うし、彼がその『超人』なのは間違いなってことか」
そこでマルロスは、再びため息をついた。
「ただでさえ、戦闘が苦手のに強そうな奴が相手とか、本当に無理……」
「あはははは。お前のそう言う所は、お前の寮長と真逆だな」
「笑い事じゃないんだけどな」
と談笑をしていると、親切にベックスがどっちが相手をしてくれるのかと問われ、ワイズがマルロスの背を押し「こいつがする」と答えた。
背を押されたマルロスは、少し頬を膨らませ不満そうにワイズを見たが、ワイズからは仮面をしているのでそこまで表情を読み取れずにいた。
マルロスは気を取り直して、ベックスの方を向いた。
「それじゃ、始めよ……」
と言いかけた直後だった、ベックスが一瞬でマルロスとの間を詰めて来て、勢いよく殴り掛かった。
しかし、マルロスは瞬時に状況を判断し、体を横に反る様にしてベックスの正拳付きを避ける。
「(速い。移動系、もしくは身体能力向上系の魔法を使っている? いや、そんなそぶりはなかった。となると……)」
マルロスはその場でベックスの能力分析を始め、もう一度距離を取ろうと足元に力をしてた時だった。
ベックスの左手が自分の胸ぐらを掴んでおり、逃げる事が出来ずそのまま地面へと叩きつけられる。
マルロス自身でも、いつ掴まれたのか分からず自分今地面に倒された事に、驚いていた。
一瞬の出来事に、会場も競技を見ていた生徒たちもすぐに理解出来ずにいたが、遅れて声が響き渡った。
「まずはその仮面、壊させてもらう!」
「っ!」
次にマルロスが目を開けた時には、ベックスの拳が目の前まで迫っていた。
だが首を瞬時に横にして、拳をかわし、文句を言いながらベックスの視線と自分の視線を合わせにいく。
「だから戦闘は苦手なんだよ!」
するとベックスは咄嗟に視線を真横にずらした。
予想もしていない行動に、マルロスが「えっ」と小さく声が出てしまう。
その声が聞こえたのか、ベックスは小声で話した。
「貴方のその目は、魔眼ですよね。それと仮面は、その魔眼を隠すための物。そして、その目を見ると力が抜け動けなくなる能力を持っている」
「!?」
それを聞いたマルロスは、押さえつけられたベックスの腕の関節を両手で曲がらない方へと力を入れ、痛みで隙が出来た所でベックスを蹴り飛ばし距離をとった。
そのままワイズの元まで下がった。
「すまないが、自分と彼とでは相性が悪い。交代してくれ、ワイズ」
「……分かった。では、我輩が『超人』の相手をしよう」
ワイズはマルロスの雰囲気を感じとり、何も茶化す事無く前に出て行った。
「(何なんだ、あの後輩。何故そこまで言い切れた? あいつに力を使ったのは、さっきが初めてだが……まさか、直前の戦いを遠目で見て理解したと言うのか?)」
一方蹴り飛ばされたベックスは、むせつつも体勢を整え目線を上げると、マルロスに代わりワイズが近付いて来たと知る。
「ごほっ……選手交代ってとこか」
「さて『超人』、我輩と拳で語り合おうか!」
直後、ワイズは両腕に炎を纏わせ突っ込んで来た。
すぐさまベックスも、ワイズへと踏み込み両者が同時に拳を突き出し、拳と拳がぶつかり合った音が響く。
その音は、石と石が勢いよくぶつかった時の音に似ており、私はその音に体がびくついた。
すると拳を付き合わせたワイズが口を開いた。
「なるほど、物凄い高度な魔力操作だ。体全身に薄い魔力を纏い、鎧の様にしているのか。更に、魔力質量や技量の応用で、一点に魔力を集め今の様な力や、防御力を上げ魔法を跳ね除けていたのか」
「っ! そこまで分かるのか!?」
「あぁ、なんせ吾輩は、副寮長だからな!」
そう言って、付き合わせていた拳を押し返し、ベックスを押しのけるとそのまま距離を開けずに、もう一度詰める。
よろめく様に、後ろへと後退していたベックスは慌てて両腕を顔の前に出し、防御の姿勢をとる。
そこへワイズは、何度も殴り掛かりながら話し続けた。
「その魔力操作で得た驚異的な力は、まさしく『超人』と言えるな。だが、体への負担が大きすぎるな。それは、お前人身も理解しているんじゃないのか?」
「ぐっ……」
「だが、この場でその力を使った事は間違えではない。むしろ、幸運に巡り合えたと喜べ!」
その言葉にベックスは、驚き力が緩んでしまう。
その瞬間を見逃さなかったワイズは、一度踏ん張り右手に力を籠める。
「なんせ、うちの寮長と同じ様な力を使えるんだ。寮長の戦い方を見て学び、更に強くなれるんだ! これ程の幸運はそうないぞ!」
「!?」
「『六武衝・一衝』炎拳!」
ワイズの拳はベックスの力の緩んだ両腕を突き抜け、腹部へと直撃しそのまま場外へと吹き飛ばされる。
吹き飛ばされてたベックスは、仰向けの大の字で地面に倒れて驚いた表情をしていた。
「俺と同じ力……」
そしてベックスの体は徐々に元に戻って行った。
ワイズは技を決めた後、マルロスの方を振り向くと、マルロスは「戦う気はないから、降参」と言い、第5競技の『バトルロイヤル戦』が終了した。
1位がワイズ、2位がマルロスの第3学年となり、3位はベックスと言う形で各ポイントが振り分けられた。
大運動会ポイント累計
第3学年 210点
第2学年 130点
第1学年 20点
そして、第5競技が終了すると時刻は正午を迎え、1時間の昼食時間となった。
昼食時間の話の中心は完全に、ベックスであり色々と聞かれたりしていたが競技終了後ともあり、タツミ先生に連れて行かれてしまう。
そのまま1時間の昼食時間が終了し、ポイント累計を見て一気に第3学年に離されてしまったと話し、トウマが居る人たちと勝手にどう挽回するかの会議を始める。
だが短時間では、結局答えと言うものは出なかったので、とりえず次の第6競技で1位を取れるようにトウマたちが大声で応援する事になった。
その応援を聞いた次に出場者の1人が、振り返りトウマの方を見て口を開いた。
「うるさい、トウマ! そんなに大声だと、頭に響いて集中出来ん!」
「な、何だとニック! せっかく応援してやってるんだぞ」
「お前の大声のせいで、勝てないって言ってんだ。このまま1位を一度も取れないまま、終わりたくないなら邪魔にならない程度にしろ」
「ニック、お前って……ツンデレって奴か?」
「ちげぇわ!」
するとニックは、少し怒ったまま集合場所へと向かって行くと、その後ろをガウェンが付いて行った。
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