とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第153話 デート相手捜索

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 学院対抗戦2日目の代表者決定試合が全ての学年で行われ、学院対抗戦代表者が全員決定した次の日。
 王都ジェルバンスには、学院対抗戦に参加する他の学院生たちが続々とジェルバンス入りをし始めており、街は学院対抗戦が近付き大盛りが始まっていた。
 そんな中私は大図書館で1人で机に突っ伏していた。

「うぅぅぅ……あぁぁぁぁ……」

 私は変なうめき声を小さく口に出しつつ、頭を悩ましていた。
 その理由は、明日に遂に偽デート決行日であるのが頭を悩ます問題でもあったが、それよりも今は彼氏役をやってくれるはずだったレオンについてが一番の問題になっていたからだ。
 あ~……薄々思っていはいたけど、まさか病院に1週間もいる事になるとは、想定外過ぎる展開! 今日呼び出されて行ったら、謝りながら言われたけどあんな状態なら仕方ないよね……
 私自身、レオンが赤い魔力を発現した事に驚き心配をしていたが、本人が元気そうにしている姿を見れたので安心した。
 念の為の精密検査とは言ってたし、それで偽デートは無理だと分かったけど、その代わりに代役を立てたのは驚きだ。

 てか、誰? 誰が代役なの? 私の事情を知っている人? それとも、全く知らない人なの? 何でそこは教えてくれないのよレオンー!
 レオンに私が迫り誰かを問い詰めるも誰かを話してくれず、「大丈夫、信頼できる人だから」としか答えてくれてなかった。
 その為私は、今超絶不安で押し潰されそうになっているのだ。
 明日だよ、明日実行するのに相手が誰か分からないとかある? あーー……レオンはもう病院に行っちゃったから聞けないし~……はっ!
 私はそこで相手が誰かを見つける名案を思い付き、顔を勢いよく上げた。

「そうだ、レオンの事だしたぶん私の知り合いなのは間違いないはず。そうなれば、やんわりと聞きまわれば相手が分かるはず。ふふふふふ……」

 私は不敵な笑みを浮かべて、そうと決まれば即行動のみと思い、席を立ち大図書館を出て寮へと向かう途中で偶然にもトウマと出会った。

「ん? よう、クリス!」

 トウマか、可能性はゼロじゃないしとりあえず聞いてみるか。

「トウマ、少し聞きたい事があるんだけど」
「おう、何だクリス。何でも答えるぜ」
「それじゃ、トウマは明日予定ある?」
「へぇ? ……え、あ、明日!?」
「おう、明日」

 その問いかけに何故かトウマは少しテンパっている感じであり、私はこの感じは私との予定ではないなと直感的に理解した。
 そもそもトウマなら、私に隠し続けると言うより本人の方から言って来るよな。
 と独自の解釈で勝手に納得していると、トウマが問いかけに答え初めて来た。

「明日は特にないけど、な、何かあるのか?」
「いや、何ならいいんだ。すまん、急に予定とか聞いて。それじゃ、俺ちょっと急ぐから」
「え、ちょっと、クリス」

 私はトウマを軽くかわすように言葉をかけ、その場からすたすたと立ち去った。

「って、早クリス……何だったんだ、ありゃあ? ……わざわざあいつが俺の予定を聞く理由ってのは……もしかして、デートに誘う為か!?」

 とトウマも勝手な解釈をし始めると、何かを思い出し直ぐに寮へと戻って行くのだった。
 一方私はと言うと、寮へと戻る間にクラスメイトたちに何人かも出会うも、さすがにレオンと大きく関係がある者はそこまでいなかったので、明日の事は聞かずに挨拶だけして寮へと向かった。
 ん~私と知り合いで、レオンとも知り合いの相手って意外と少ないよね。
 トウマはもう聞いたし、後はルークくらい? いや待てよ。
 寮の目前で私は足を止めた。
 勝手に同じ寮の奴だと絞っていたけど、そもそもレオンはダイモン寮だしうちの寮の奴とは限らないのでは? もう少し範囲を広げてみるか。

「よし、とりあえずルークは後回しで他の寮の奴を当たるか」

 そう決めた私は、オービン寮にくるっと背を向けて他の寮へと向かった。
 その姿を遠くから見ていたのは、学院対抗戦に出場する事になったニック、ガウェン、ルークであった。

「何してんだあいつ? 戻って来たと思ったら、またどこか行ったぞ」
「何か用事でも思い出したんじゃないのか?」

 ニックとガウェンが会話していたが、ルークは特に話す事無くクリスの方を見ていた。
 すると背後からトウマが合流して来て、ルークだけを連れ去って寮へと先に入って行くのだった。

「何だ今の?」
「さぁ?」

 連れ去られるルークをニックとガウェンは軽く首を傾げて見ていた。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 はぁ~……まさかはずればっかりだな……
 私はあれからダイモン寮へと向かい、ダンデやダイモン寮長などにさらっと明日の予定を聞くも、訓練すると意気揚々と答えられてしまい、これは違うなと思い別の寮へと向かったのだ。
 次はエメル寮に向かったが、途中でスバンと出会ったので明日の予定を聞くと、エメル寮長たちと学院対抗戦の打ち合わせをすると聞き、これも違うと分かり最後の寮へと向かった。
 イルダ寮へと到着すると、どこか疲れた様子のロムロスとゲイネスに会ったので明日の予定を聞くと、明日は久しぶりの休みだから休むと言われた。
 そう言えば2人は、イルダ寮長の夜の依頼の手伝いをしてたんだと思い出し、この2人もないかと私は思いそのままとんぼ返りする様にオービン寮へと戻って来たのだった。

「はぁ~……こんなにも見つからないものか? もうここまで来たら、ルークしかないじゃん」
「何だクリス、呼んだか?」
「へぇ? ル、ルーク!?」

 背後から突然ルークから呼び掛けられ、私は驚いてビクッとしてしまう。

「あ~すまん。たまたま歩いていたら名前が聞こえたから、声を掛けたんだ」
「そ、そう言う事」
「それで、何か用があるか?」
「えっ……あ~その~……」

 私の煮え切らない態度にルークは首を傾げていたが、私はルークの方に体を向けてから小さく息を吐いた。

「ルークって、明日予定ある?」
「明日? いや、特にないが。何かあるのか?」
「えっ、あっいや、ちょっと聞きたかっただけって言うか、その~それだけだから。気にしないで! それじゃ!」
「おい、クリス」

 私はルークに背を向けて、直ぐに自室へと向かって立ち去った。
 ルークはその場で立ち尽くしていたが、「何だったんだ?」と呟き食堂へと向かい出すのだった。
 私は自室へと戻ると、シンは居なかったので私は机へと向かい紙を取り出した。
 あの反応、ルークも違うんじゃないか? となると、本当に誰なのか分からないぞ。
 私は思い付く限りの人に当たり、明日の予定を聞きそれを軽く書きだして整理したが他の思い付く人がおらず両手で頭を抱えた。
 も~~う! 結局誰か分からなかった! レオンー! 誰に代役を頼んだのよー!!
 そのまま明日の偽デートの相手が分からないまま、その日は過ぎて行き不安が残るまま偽デート決行日を迎えた。

 私は朝早く寮を出て、事前に外出権を購入していたのでスムーズに学院を出た。
 街は既に店を始めている所もあり、賑わいもあったが一番目に着いたのは、他の学院の制服を着た人たちが数多く街に出ていたことであった。
 そんな所を目にしながら、私は荷物預屋に行き女性物を受け取り隠れる様に着替え、髪も昔の様にロングへとして色も地毛の金色へとした。
 鏡の前で久しぶりに素の自分に戻り、少し懐かしんでいたが時間を見て待ち合わせ時間が迫っていたので、直ぐに待ち合わせ場所へと向かった。
 待ち合わせ時間や場所は、事前にレオンと決めていたのでその代役の人もそれを聞いて来るだろうと思いそこへと向かうと、まだその相手らしき人は見つからなかったので、私が先に着いたのかと思いその場で相手を待ち始めた。
 そう言えば、マリアの方にも今日の事は伝えてあるけど、その言い寄って来てる相手には伝えているのだろうか? てか、その相手も写真で見ただけだけど、周囲にはいない感じだな。
 私は周囲を軽く見回した後、近くにあったお店のショーケースに映る自分を見て髪型を気にしていると、私に声を掛けて来た人に気付き振り返る。
 だが、そこに居たのは予想外過ぎる人物であった為、私は途中で変な声が出てしまった。

「今日はよろしくお願いし……えっ!?」
「おいおい、そこまで態度に出す事ないだろ」

 そこに立っていたのは、タツミ先生であったのだ。
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