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第159話 慣れとは怖いもの
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「ど、どうしてマリアがオービン先輩に!? てか、いつから?」
「私としては、もっと早く気付くかと思っていましたよ、アリスお嬢様」
オービンの姿をしたマリアは少し呆れた様に肩をすくめる。
するとマリアはオービンの変装を一瞬で解き、いつも通りのマリアの姿に戻る。
「アリスお嬢様、詳しい話はあちらのお店で致しましょうか」
「店?」
私は未だに混乱しつつも、マリアが視線を向けた先を見ると、そこにはカフェと書かれたお店があった。
そしてマリアはそのお店へと歩き出すが、私はどうしてもマリアがいつからオービンになっていたのか気になりそれを問いかけた。
「そんなに気になりますか、アリスお嬢様?」
「気になるよ! もしかして、始めからとかじゃないよね?」
マリアは私の問いかけに、クスッと笑い私は一瞬そうなのかと思ったが、すぐにマリアは「違います」と口にした。
「そ、それじゃいつからなのよ、マリア」
「つい先程ですよ。アリスお嬢様」
それだけ言うと、マリアはそのお店へと歩き出してしまう。
私が呼び止めて話をもっと聞き出そうとするも、マリアは足を止めない為、私は渋々マリアの後追いかけて行きお店へと入るのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「はぁ……はぁ……彼女は上手くやれているだろうか? いや、それは心配いらないか。なんせ彼女は、アリス君のメイドと言っていたし、大丈夫だろう」
少し息を切らしながら、そう呟いていたのはオービンであった。
オービンはアリスに飲み物を買いに行くと言った先で、マリアと出会いそこで入れ替わっていたのだった。
そもそも、マリアとは今日のアリスとのデート前に出会っており、全ての事情を知っているオービンにマリアは話し掛けていたのだった。
その際にオービンは、自分に何かあった際には入れ替わって欲しいと伝え、マリアはそれを聞き入れていたのだった。
そして現在、オービンは表通りから少し外れた裏路地の壁に、もたれかかりだるそうにしていた。
「(まさかこんな時に、軽い発作が起きるとはね……最近なかったから油断してたな。でも、保険でマリアさんに頼んでおいて良かった)」
オービンはマリアに少し用事が出来てしまってと伝えて、入れ替わっていたのでマリアには体調が悪くなったとは言っていなかった。
そのままオービンは、息苦しい状態が終わるまでそこで何度か息を整えつつ、常備薬として以前タツミ先生に貰った物を呑んでいた。
だが完全に発作が収まる事はなく、少し焦りだすオービン。
「(初めよりかは楽になったけど、このままじゃマズいな……)」
するとオービンは、その場から動き始め一度表通りに出て座って様子を見ようと考えて路地から出た、その時だった。
「やっと見つけたぞ、オービン」
「っ……何でこんな所にいるんだよ、ミカ」
そこで出くわしたのは、ミカロスであった。
オービンはミカロスの姿を見た時に、少し驚いたがどこかでほっとしていた。
そしてミカロスは、直ぐにオービンの体調が優れないと見破り肩を貸して近くベンチへと歩き出す。
「オービン、ここ最近発作なんてなかったろ」
「そうだね。ないから油断してたよ。こんな急に来るもんだったなってさ」
「はぁ~……少し背負っていた物や隠し事が減ったからって気を抜き過ぎだぞ。全く手のかかる寮長だ」
「何言ってるんだよミカ、今じゃお前の方が寮長だろ。まぁ、正式には言っていないけど」
そんな会話をしつつ、ベンチに着くとオービンを座らせてミカは立ったまま話し続けた。
「俺にとって寮長は、お前だけだオービン。と言うか、学院対抗戦前日だと言うのに、お前はどこに行ってたんだ! 出場しないにしろ、今日は最終確認で寮長・副寮長ともに出席の会議があると言ったろ」
「そうだっけ~?」
オービンは少しとぼけた感じでミカロスに言うと、ミカロスは呆れたため息をついた。
「まぁ、おう終わった事を言っても仕方ないが、ヒビキには謝っとけよ。あいつお前がいなくて激怒してたぞ。何で俺だけいるんだ! とか言って、なだめるのだが大変だったんだぞ」
「それは悪い事をしたね。帰ったら謝りに行くよ」
「で、今日は何してたんだ? そんな変装的な事までして」
「う~ん……内緒かな」
笑顔で答えるオービンにミカロスは、そんな答えが返ってくると思わず「な、内緒?」と少し硬い表情で呟いた。
直後、軽く咳込むオービンを見てミカロスは直ぐにタツミ先生から予備として貰っていた薬を呑ました。
「……あれ? さっきより楽になった」
「今のは魔力補給剤だ。薬と言うより、栄養剤的な物らしい。お前の発作は一時的な魔力低下によって出るものらしいから、そこに魔力を足してやればおさまるだろうとタツミ先生が言っていたぞ」
「おかしいな、常備薬も呑んだんだけどな」
「それじゃ、足りなかったという事じゃないのか? さすがに詳しくは分からないが、収まったなら良かった」
ミカロスは安堵の息をついていると、そこにエリスがやって来た。
「ミカ~、そっちは居たの? って、何だ見つけてるじゃん」
「エリス。お前も俺を探してたのか?」
「最初に言い出したのはミカだけどね。私はオービンにもプライベートがあるんじゃないの? と、言ったけどミカは、いやあいつの事が心配だって彼女ずらするからさぁ~」
「なっ、俺はただ! オービンの心配をしただけで、彼女ずらなんてしてないだろうが!」
「へぇ~あんなに真剣な顔して私を誘ったくせに、そんなこと言うんだ~ふ~ん」
「俺は1人で探すより、お前に手伝って欲しかったから誘ったんだ。オービンの事情を知っている同士だし」
「それだけ?」
「そ、それだけって……」
エリスがじっとミカロスの方を見つめ続けるも、途中でミカロスは目線を外して「それだけだ」と答えると、エリスはため息をついた。
そしてエリスはオービンの横に座る。
「今の見た? オービン? これが、ヘタレ眼鏡と言う所以だよ。私傷ついちゃうな~」
「あははは。まぁまぁ、エリス。ミカは恥ずかしくてそう言うのは言えないタイプなんよ。彼女である君が一番分かっているだろ」
「な、何の話をっ……おい待てオービン。今、エリスの事彼女って言ったか?」
ミカロスは固まった状態で、オービンに訊ねると「言ったよ」と素直に返すとミカロスは黙ってしまうのだった。
「あれ? 言わない方が良かった?」
「ううん。大丈夫だよ、オービン。彼は今どこでそれを知られたのか追い返している所だよ。だから、早く言おうって言ったのにさ」
そして再びミカロスが動き出し、オービンの方を見て口を開いた。
「いつからなんだ? いつから気付いていた?」
「う~ん、エリスへの態度が少し変わった時かな? もしかしたらって思ってたけど、嘘を隠すのがミカは下手だから、直ぐに分かったよ」
「なっ……」
「ちなみに私は、この前オービンが私たちの関係を知っていると知りました」
「はぁ? なら、何で俺に言ってくれないんだエリス」
「だって、そんな事言ったら余計にオービンに言わなくなるでしょ」
「うっ……」
とエリスとミカロスのちょっとした口喧嘩が始まりそうになるも、エリスに丸め込まれてしまうのだった。
「まぁ、そんな事よりオービンも見つかったし、体調ももう問題なさそうだし、このまま直帰するのもつまらないから、どこかでご飯食べて帰りましょ」
「それは良いアイディアだな」
「おい、何言ってるんだオービン。お前さっきまで辛そうだったろ? それにエリスもオービンのさっきまでの状態知らないだろ」
するとエリスとオービンは、ミカロスの腕を掴み強制的に連れて行き始めるた。
「お、おい待て! さすがにこれは恥ずかし過ぎるから、離してくれって」
ミカロスが騒ぐも2人は聞く耳持たず、そのまま歩き続けるとエリスが小声てオービンに問いかけた。
「それで、代役として彼女と会ってたんでしょ? どうだったの?」
「エリスはどこでそんな情報を仕入れてくるんだ?」
「女の秘密よ。で、どうだったのよ」
「最後までは居られなかったけど、何とか代役としての役はこなしたって所かな」
「ふ~ん」
とエリスはニヤニヤとオービンの方を見ていると、オービンがその顔にツッコんだ。
「何だよ、その顔は?」
「いや~別に」
「気になる言い方するな。何かあるんだろ?」
「ないって別に」
「おいお前ら、俺の話を聞けって」
そんな会話を終始続けながら、仲睦まじい3人は軽く騒ぎながら街を歩いて行くのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「なるほどね~そんな事があったの」
私はストローで飲み物を飲みつつ答えると、マリアに行儀が悪いと怒られてしまう。
「まぁ、何だかんだありましたが、どうやらアリスお嬢様事私に迫って来ていた男子は諦めたのを確認しました」
「そっか。それは良かった~……ん? それってつまりマリアは今日の私を見てたってこと?」
「もちろんです。あのような乙女らしい顔もするお嬢様を見れただけで、マリアは感激です」
私は一気に顔を赤くして、直ぐに忘れる様にとマリアに迫る。
だがマリアは反抗し「絶対に忘れません」と言い返して来た。
そんなやり取りを少し続けたが、もうどうにもならないと思い私が先に諦めて机に突っ伏すのだった。
「もう~いや~あんなの見られたなんて恥ずかし過ぎるーー!」
「(この様子では、オービン様たちに見られていたのは分かっていないようですね。教えてあげてもいいですが、これ以上ダウンされてしまうと困りますし、黙っておきますか)」
そうして一通りの話を終えて、私とマリアがお店を出た時だった。
「こんな所にいた!」
「?」
突然私たちの方に向けて、声が聞こえて来たのでその方を向くとそこには、私としては少し懐かしいクレイス魔法学院の学院生服を着た1人の女の子が立っていた。
そしてそのまま近付いて来て、そこで私はその子が誰なのかようやく分かったのだった。
「全くアリス! まさかこんな所にいるなんて、他の人に知られたら大騒ぎだよ」
「……あっ、メイナ」
「はぁ? いきなり気の抜けた様な声で何言ってるの、アリス」
そう言って、メイナは私の腕を掴むのだった。
「え? ……あっ」
そこで私はマリアの方を見て、今ここにアリスとしているのは私本人であり、マリアではないのだと理解したのだった。
「私としては、もっと早く気付くかと思っていましたよ、アリスお嬢様」
オービンの姿をしたマリアは少し呆れた様に肩をすくめる。
するとマリアはオービンの変装を一瞬で解き、いつも通りのマリアの姿に戻る。
「アリスお嬢様、詳しい話はあちらのお店で致しましょうか」
「店?」
私は未だに混乱しつつも、マリアが視線を向けた先を見ると、そこにはカフェと書かれたお店があった。
そしてマリアはそのお店へと歩き出すが、私はどうしてもマリアがいつからオービンになっていたのか気になりそれを問いかけた。
「そんなに気になりますか、アリスお嬢様?」
「気になるよ! もしかして、始めからとかじゃないよね?」
マリアは私の問いかけに、クスッと笑い私は一瞬そうなのかと思ったが、すぐにマリアは「違います」と口にした。
「そ、それじゃいつからなのよ、マリア」
「つい先程ですよ。アリスお嬢様」
それだけ言うと、マリアはそのお店へと歩き出してしまう。
私が呼び止めて話をもっと聞き出そうとするも、マリアは足を止めない為、私は渋々マリアの後追いかけて行きお店へと入るのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「はぁ……はぁ……彼女は上手くやれているだろうか? いや、それは心配いらないか。なんせ彼女は、アリス君のメイドと言っていたし、大丈夫だろう」
少し息を切らしながら、そう呟いていたのはオービンであった。
オービンはアリスに飲み物を買いに行くと言った先で、マリアと出会いそこで入れ替わっていたのだった。
そもそも、マリアとは今日のアリスとのデート前に出会っており、全ての事情を知っているオービンにマリアは話し掛けていたのだった。
その際にオービンは、自分に何かあった際には入れ替わって欲しいと伝え、マリアはそれを聞き入れていたのだった。
そして現在、オービンは表通りから少し外れた裏路地の壁に、もたれかかりだるそうにしていた。
「(まさかこんな時に、軽い発作が起きるとはね……最近なかったから油断してたな。でも、保険でマリアさんに頼んでおいて良かった)」
オービンはマリアに少し用事が出来てしまってと伝えて、入れ替わっていたのでマリアには体調が悪くなったとは言っていなかった。
そのままオービンは、息苦しい状態が終わるまでそこで何度か息を整えつつ、常備薬として以前タツミ先生に貰った物を呑んでいた。
だが完全に発作が収まる事はなく、少し焦りだすオービン。
「(初めよりかは楽になったけど、このままじゃマズいな……)」
するとオービンは、その場から動き始め一度表通りに出て座って様子を見ようと考えて路地から出た、その時だった。
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「っ……何でこんな所にいるんだよ、ミカ」
そこで出くわしたのは、ミカロスであった。
オービンはミカロスの姿を見た時に、少し驚いたがどこかでほっとしていた。
そしてミカロスは、直ぐにオービンの体調が優れないと見破り肩を貸して近くベンチへと歩き出す。
「オービン、ここ最近発作なんてなかったろ」
「そうだね。ないから油断してたよ。こんな急に来るもんだったなってさ」
「はぁ~……少し背負っていた物や隠し事が減ったからって気を抜き過ぎだぞ。全く手のかかる寮長だ」
「何言ってるんだよミカ、今じゃお前の方が寮長だろ。まぁ、正式には言っていないけど」
そんな会話をしつつ、ベンチに着くとオービンを座らせてミカは立ったまま話し続けた。
「俺にとって寮長は、お前だけだオービン。と言うか、学院対抗戦前日だと言うのに、お前はどこに行ってたんだ! 出場しないにしろ、今日は最終確認で寮長・副寮長ともに出席の会議があると言ったろ」
「そうだっけ~?」
オービンは少しとぼけた感じでミカロスに言うと、ミカロスは呆れたため息をついた。
「まぁ、おう終わった事を言っても仕方ないが、ヒビキには謝っとけよ。あいつお前がいなくて激怒してたぞ。何で俺だけいるんだ! とか言って、なだめるのだが大変だったんだぞ」
「それは悪い事をしたね。帰ったら謝りに行くよ」
「で、今日は何してたんだ? そんな変装的な事までして」
「う~ん……内緒かな」
笑顔で答えるオービンにミカロスは、そんな答えが返ってくると思わず「な、内緒?」と少し硬い表情で呟いた。
直後、軽く咳込むオービンを見てミカロスは直ぐにタツミ先生から予備として貰っていた薬を呑ました。
「……あれ? さっきより楽になった」
「今のは魔力補給剤だ。薬と言うより、栄養剤的な物らしい。お前の発作は一時的な魔力低下によって出るものらしいから、そこに魔力を足してやればおさまるだろうとタツミ先生が言っていたぞ」
「おかしいな、常備薬も呑んだんだけどな」
「それじゃ、足りなかったという事じゃないのか? さすがに詳しくは分からないが、収まったなら良かった」
ミカロスは安堵の息をついていると、そこにエリスがやって来た。
「ミカ~、そっちは居たの? って、何だ見つけてるじゃん」
「エリス。お前も俺を探してたのか?」
「最初に言い出したのはミカだけどね。私はオービンにもプライベートがあるんじゃないの? と、言ったけどミカは、いやあいつの事が心配だって彼女ずらするからさぁ~」
「なっ、俺はただ! オービンの心配をしただけで、彼女ずらなんてしてないだろうが!」
「へぇ~あんなに真剣な顔して私を誘ったくせに、そんなこと言うんだ~ふ~ん」
「俺は1人で探すより、お前に手伝って欲しかったから誘ったんだ。オービンの事情を知っている同士だし」
「それだけ?」
「そ、それだけって……」
エリスがじっとミカロスの方を見つめ続けるも、途中でミカロスは目線を外して「それだけだ」と答えると、エリスはため息をついた。
そしてエリスはオービンの横に座る。
「今の見た? オービン? これが、ヘタレ眼鏡と言う所以だよ。私傷ついちゃうな~」
「あははは。まぁまぁ、エリス。ミカは恥ずかしくてそう言うのは言えないタイプなんよ。彼女である君が一番分かっているだろ」
「な、何の話をっ……おい待てオービン。今、エリスの事彼女って言ったか?」
ミカロスは固まった状態で、オービンに訊ねると「言ったよ」と素直に返すとミカロスは黙ってしまうのだった。
「あれ? 言わない方が良かった?」
「ううん。大丈夫だよ、オービン。彼は今どこでそれを知られたのか追い返している所だよ。だから、早く言おうって言ったのにさ」
そして再びミカロスが動き出し、オービンの方を見て口を開いた。
「いつからなんだ? いつから気付いていた?」
「う~ん、エリスへの態度が少し変わった時かな? もしかしたらって思ってたけど、嘘を隠すのがミカは下手だから、直ぐに分かったよ」
「なっ……」
「ちなみに私は、この前オービンが私たちの関係を知っていると知りました」
「はぁ? なら、何で俺に言ってくれないんだエリス」
「だって、そんな事言ったら余計にオービンに言わなくなるでしょ」
「うっ……」
とエリスとミカロスのちょっとした口喧嘩が始まりそうになるも、エリスに丸め込まれてしまうのだった。
「まぁ、そんな事よりオービンも見つかったし、体調ももう問題なさそうだし、このまま直帰するのもつまらないから、どこかでご飯食べて帰りましょ」
「それは良いアイディアだな」
「おい、何言ってるんだオービン。お前さっきまで辛そうだったろ? それにエリスもオービンのさっきまでの状態知らないだろ」
するとエリスとオービンは、ミカロスの腕を掴み強制的に連れて行き始めるた。
「お、おい待て! さすがにこれは恥ずかし過ぎるから、離してくれって」
ミカロスが騒ぐも2人は聞く耳持たず、そのまま歩き続けるとエリスが小声てオービンに問いかけた。
「それで、代役として彼女と会ってたんでしょ? どうだったの?」
「エリスはどこでそんな情報を仕入れてくるんだ?」
「女の秘密よ。で、どうだったのよ」
「最後までは居られなかったけど、何とか代役としての役はこなしたって所かな」
「ふ~ん」
とエリスはニヤニヤとオービンの方を見ていると、オービンがその顔にツッコんだ。
「何だよ、その顔は?」
「いや~別に」
「気になる言い方するな。何かあるんだろ?」
「ないって別に」
「おいお前ら、俺の話を聞けって」
そんな会話を終始続けながら、仲睦まじい3人は軽く騒ぎながら街を歩いて行くのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「なるほどね~そんな事があったの」
私はストローで飲み物を飲みつつ答えると、マリアに行儀が悪いと怒られてしまう。
「まぁ、何だかんだありましたが、どうやらアリスお嬢様事私に迫って来ていた男子は諦めたのを確認しました」
「そっか。それは良かった~……ん? それってつまりマリアは今日の私を見てたってこと?」
「もちろんです。あのような乙女らしい顔もするお嬢様を見れただけで、マリアは感激です」
私は一気に顔を赤くして、直ぐに忘れる様にとマリアに迫る。
だがマリアは反抗し「絶対に忘れません」と言い返して来た。
そんなやり取りを少し続けたが、もうどうにもならないと思い私が先に諦めて机に突っ伏すのだった。
「もう~いや~あんなの見られたなんて恥ずかし過ぎるーー!」
「(この様子では、オービン様たちに見られていたのは分かっていないようですね。教えてあげてもいいですが、これ以上ダウンされてしまうと困りますし、黙っておきますか)」
そうして一通りの話を終えて、私とマリアがお店を出た時だった。
「こんな所にいた!」
「?」
突然私たちの方に向けて、声が聞こえて来たのでその方を向くとそこには、私としては少し懐かしいクレイス魔法学院の学院生服を着た1人の女の子が立っていた。
そしてそのまま近付いて来て、そこで私はその子が誰なのかようやく分かったのだった。
「全くアリス! まさかこんな所にいるなんて、他の人に知られたら大騒ぎだよ」
「……あっ、メイナ」
「はぁ? いきなり気の抜けた様な声で何言ってるの、アリス」
そう言って、メイナは私の腕を掴むのだった。
「え? ……あっ」
そこで私はマリアの方を見て、今ここにアリスとしているのは私本人であり、マリアではないのだと理解したのだった。
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