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第172話 特別枠選手の実力
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するとマーガレットは周囲をキョロキョロと見回しだし、誰も居ない事を確認するとマリアへと顔を近付けた。
「別に貴方を疑っている訳ではないのだけれど、昨日のアレは誰にも言っていないのよね?」
「昨日のアレとは?」
マリアはマーガレットの問いかけに、素直に首を傾げた。
その反応はマリアにすれば当然であるが、今はマリアではなくアリスとしている為昨日の時点で何かマーガレットとの間に何かあったのだと、直後に理解する。
一方マーガレットとは、まさかの返答に一時固まるも小声で「エリスとの件よ」と口に出した。
「(エリス……エリス・クリセントですか。なるほど、アリスお嬢様は何かの言い合いの現場を偶然にも目撃したという事ですか。はぁ~ことごとく凄い所に出くわしたものですね)」
マリアは一度瞳を瞑ってから開いてから答え始めた。
「その件でしたか。もちろん、誰にも何も言っていませんよ。誰にでも隠したい秘密はあるものですし、私にもあるのですから早々と誰かにバラす様なまねはしませんよ」
マーガレットはマリアの返答に、少し驚いていた。
それは黙っていた事にではなく昨日接したアリスと少し雰囲気も態度も違っていた事に驚いていたのだった。
「どうしたのですか? マーガレット先輩?」
「いえ。貴方の感じが昨日と違っていたので驚いただけですわ。何と言うか、落ち着いた雰囲気ですわね今日は」
その言葉にマリアは一瞬黙ってしまうが、怪しまれない様にすぐに口を開いた。
「昨日は初日で浮かれていただけですよ。それに、家族にも会えましたので」
「なるほど。そう言う事でしたのね。変な事を言ってしまいすいません。それでさっきの件は今後も秘密にしてくれるとありがたいのですけど」
「もちろんです」
マリアは快く答えた後、マーガレットにそこまで隠すような事でもないと伝えると、マーガレットはそっぽを向いた。
「そ、そんな事公に言えるわけないでしょうが! 既に恋人関係にある方を好きなっているなんて」
「そうですね。すいません、マーガレット先輩の気持ちも知らないで、いらない事を言いました」
そう言ってマリアは頭を下げるとマーガレットは「貴方がそこまで謝る事はないわ」と口にした。
その後マーガレットはマリアに背を向けた。
「もうこの話は終わりにしましょう。そろそろ試合も始まりますし、私は先に戻りますわ。急に呼び出してしまって申し訳ありませんね」
するとマーガレットは歩き出し立ち去ろうとした時、小さく呟いた。
「感謝しますわアリス」
その言葉はマリアにも小さくではあるが聞こえていた。
そしてマーガレットが立ち去りマリアが1人きりなると軽く息を吐いた。
「(まさか、あのマーガレットから感謝されるとはね。少し意外でしたが、あれが彼女の素の顔なのかしら? まぁ、彼女にも色んな立場がありますしそこまで踏み込みませんが、上に立つ方はどの時代も年齢に関わらず大変ですね)」
マリアは暫く経ってから控室へと戻って行った。
そして会場の準備時間も終わり、ルーキーランクの試合が遂に始まった。
初戦は、男子第1試合のメルト魔法学院・ネアルガ魔法学院戦であり1年生同士が、己が持つ力で全力でぶつかり合った。
その結果、第1試合はメルト魔法学院が勝利した。
次の第2戦は、クレイス魔法学院・シリウス魔法学院戦でシリウス魔法学院の強みである戦闘能力で勝利を掴み取った。
そして第3戦の特別枠・バーグベル魔法学院戦は会場中の誰もが注目していた。
その理由は、特別枠の選手が遂に登場するからであった。
「おい遂に来たぞ。マジで誰なんだあの白い選手は?」
「凄く強いとか言ってたけど、実際の所どうなんだよ。ただの謳い文句なんじゃねぇか」
観客たちの中には特別枠で出場する人物の事を疑っている人も少なくなかったが、そのイメージは第3戦の結果で完全に払拭されてしまう。
結果から言うと、第3戦は特別枠で出場した男子の選手の圧勝であった。
これは相手の選手が弱かったと言う訳ではなく、相手の代表選手も1年生にしては実力は十分にあったが格が全く違うと言う印象であった。
特別枠の選手は、相手の魔法や魔力の攻撃、体術も全て防ぎ相手の一瞬の隙を完全につき勝利していたのだ。
その結果に観客たちは大きく盛り上がっており、学院生たちも驚きの表情をしている者が多く見られた。
大盛り上がりの中、ルーキーランクの女子側の試合も引き続き行われた。
そして、第1試合のネアルガ魔法学院・特別枠戦で再び女子側の特別枠の選手が可憐にそして優雅に相手選手を倒した事で会場は再度盛り上がる。
女性側の特別枠の選手は、男子側とは少し違い圧倒的な力と言うより洗練された魔法や魔力の使い方で戦い、目を奪われる様な戦いであった。
その後、女子第2試合のクレイス魔法学院・シリウス魔法学院戦では、シリウス魔法学院が勝利し、女子第3試合のメルト魔法学院・バーグベル魔法学院ではメルト魔法学院が勝利しルーキーランクの試合が全て終了した。
ルーキーランク試合終了時点
メルト魔法学院 2戦2勝0敗 +20ポイント
シリウス魔法学院 2戦2勝0敗 +20ポイント
バーグベル魔法学院 2戦0勝2敗 -10ポイント
クレイス魔法学院 2戦0勝2敗 -20ポイント
ネアルガ魔法学院 2戦0勝2敗 -20ポイント
特別枠選手 2戦2勝0敗
※特別枠選手に負けた学院はポイント減少なし
学院対抗戦2日目 ルーキーランク終了時点の総合順位
1位 シリウス魔法学院 360点
2位 王都メルト魔法学院 350点
3位 バーグべル魔法学院 270点
4位 クレイス魔法学院 260点
5位 ネアルガ魔法学院 250点
私は、会場に表示された順位結果よりも女子の特別枠選手の戦いが頭から離れずにいた。
凄かった……あんな戦い方もあるんだ。
私には、いえ、真似しようとして出来る物ではなかったけど、どこかで見たような戦い方だったような気もするんだけど……気のせいかな?
片手を顎に当てて思い出そうとしたが、全く思い当たるものが出てこなかった為、私の勘違いだったと片付けた。
「何か真剣に見てたね、女子の試合。もしかして好きな子でもいたのクリス?」
「えっ!?」
突然シンリに話し掛けれて私は驚きの声を出してしまったが、直ぐに違うと否定し特別枠選手が凄くて思い返していたと伝えた。
「あ~あの試合ね。確かに凄かったし、何か戦ってる相手が何か嬉しそうな感じの表情だったのも気になったよね」
「そうだった?」
「うん、そうだったよ。何て言うか、自分の全てをぶつけられて何がダメで何が良いのか実感出来てると言うか、凄く良い体験をしているって感じだったな。僕が見た感じではだけどね」
「良い体験……」
「そんな深く考えないでよ? 僕が見た直感的な物だからさ。ほら、クリスって何かと素直に受け取るからさ、僕の考えは軽く流してくれていいからね」
シンリは少し焦る様に私にそう言って来たので、とりあえず「分かったよ」と答えた。
別に深く考えた訳じゃないんだけどな……
私はそんな事を思っていると、アナウンスが流れた。
『これより15分間の休憩時間を挟んだ後、ミドルランクの試合を開始いたします』
「ここでまた休憩か。おいシンリ、飯買いに行くぞ!」
「えっ、ちょっと」
そう言って、リーガはシンリを強制的に連れて行きその後をライラックが追って行ってしまう。
残された私は、何故かふと再び先程の試合の事を思い出して、心の中で自分の全てを出しきり今の自分を改めて知れた彼ら彼女らを、羨ましいと思っていた。
そして少しの休憩時間を挟んだ後、ミドルランクの試合が始まろとしていた。
「別に貴方を疑っている訳ではないのだけれど、昨日のアレは誰にも言っていないのよね?」
「昨日のアレとは?」
マリアはマーガレットの問いかけに、素直に首を傾げた。
その反応はマリアにすれば当然であるが、今はマリアではなくアリスとしている為昨日の時点で何かマーガレットとの間に何かあったのだと、直後に理解する。
一方マーガレットとは、まさかの返答に一時固まるも小声で「エリスとの件よ」と口に出した。
「(エリス……エリス・クリセントですか。なるほど、アリスお嬢様は何かの言い合いの現場を偶然にも目撃したという事ですか。はぁ~ことごとく凄い所に出くわしたものですね)」
マリアは一度瞳を瞑ってから開いてから答え始めた。
「その件でしたか。もちろん、誰にも何も言っていませんよ。誰にでも隠したい秘密はあるものですし、私にもあるのですから早々と誰かにバラす様なまねはしませんよ」
マーガレットはマリアの返答に、少し驚いていた。
それは黙っていた事にではなく昨日接したアリスと少し雰囲気も態度も違っていた事に驚いていたのだった。
「どうしたのですか? マーガレット先輩?」
「いえ。貴方の感じが昨日と違っていたので驚いただけですわ。何と言うか、落ち着いた雰囲気ですわね今日は」
その言葉にマリアは一瞬黙ってしまうが、怪しまれない様にすぐに口を開いた。
「昨日は初日で浮かれていただけですよ。それに、家族にも会えましたので」
「なるほど。そう言う事でしたのね。変な事を言ってしまいすいません。それでさっきの件は今後も秘密にしてくれるとありがたいのですけど」
「もちろんです」
マリアは快く答えた後、マーガレットにそこまで隠すような事でもないと伝えると、マーガレットはそっぽを向いた。
「そ、そんな事公に言えるわけないでしょうが! 既に恋人関係にある方を好きなっているなんて」
「そうですね。すいません、マーガレット先輩の気持ちも知らないで、いらない事を言いました」
そう言ってマリアは頭を下げるとマーガレットは「貴方がそこまで謝る事はないわ」と口にした。
その後マーガレットはマリアに背を向けた。
「もうこの話は終わりにしましょう。そろそろ試合も始まりますし、私は先に戻りますわ。急に呼び出してしまって申し訳ありませんね」
するとマーガレットは歩き出し立ち去ろうとした時、小さく呟いた。
「感謝しますわアリス」
その言葉はマリアにも小さくではあるが聞こえていた。
そしてマーガレットが立ち去りマリアが1人きりなると軽く息を吐いた。
「(まさか、あのマーガレットから感謝されるとはね。少し意外でしたが、あれが彼女の素の顔なのかしら? まぁ、彼女にも色んな立場がありますしそこまで踏み込みませんが、上に立つ方はどの時代も年齢に関わらず大変ですね)」
マリアは暫く経ってから控室へと戻って行った。
そして会場の準備時間も終わり、ルーキーランクの試合が遂に始まった。
初戦は、男子第1試合のメルト魔法学院・ネアルガ魔法学院戦であり1年生同士が、己が持つ力で全力でぶつかり合った。
その結果、第1試合はメルト魔法学院が勝利した。
次の第2戦は、クレイス魔法学院・シリウス魔法学院戦でシリウス魔法学院の強みである戦闘能力で勝利を掴み取った。
そして第3戦の特別枠・バーグベル魔法学院戦は会場中の誰もが注目していた。
その理由は、特別枠の選手が遂に登場するからであった。
「おい遂に来たぞ。マジで誰なんだあの白い選手は?」
「凄く強いとか言ってたけど、実際の所どうなんだよ。ただの謳い文句なんじゃねぇか」
観客たちの中には特別枠で出場する人物の事を疑っている人も少なくなかったが、そのイメージは第3戦の結果で完全に払拭されてしまう。
結果から言うと、第3戦は特別枠で出場した男子の選手の圧勝であった。
これは相手の選手が弱かったと言う訳ではなく、相手の代表選手も1年生にしては実力は十分にあったが格が全く違うと言う印象であった。
特別枠の選手は、相手の魔法や魔力の攻撃、体術も全て防ぎ相手の一瞬の隙を完全につき勝利していたのだ。
その結果に観客たちは大きく盛り上がっており、学院生たちも驚きの表情をしている者が多く見られた。
大盛り上がりの中、ルーキーランクの女子側の試合も引き続き行われた。
そして、第1試合のネアルガ魔法学院・特別枠戦で再び女子側の特別枠の選手が可憐にそして優雅に相手選手を倒した事で会場は再度盛り上がる。
女性側の特別枠の選手は、男子側とは少し違い圧倒的な力と言うより洗練された魔法や魔力の使い方で戦い、目を奪われる様な戦いであった。
その後、女子第2試合のクレイス魔法学院・シリウス魔法学院戦では、シリウス魔法学院が勝利し、女子第3試合のメルト魔法学院・バーグベル魔法学院ではメルト魔法学院が勝利しルーキーランクの試合が全て終了した。
ルーキーランク試合終了時点
メルト魔法学院 2戦2勝0敗 +20ポイント
シリウス魔法学院 2戦2勝0敗 +20ポイント
バーグベル魔法学院 2戦0勝2敗 -10ポイント
クレイス魔法学院 2戦0勝2敗 -20ポイント
ネアルガ魔法学院 2戦0勝2敗 -20ポイント
特別枠選手 2戦2勝0敗
※特別枠選手に負けた学院はポイント減少なし
学院対抗戦2日目 ルーキーランク終了時点の総合順位
1位 シリウス魔法学院 360点
2位 王都メルト魔法学院 350点
3位 バーグべル魔法学院 270点
4位 クレイス魔法学院 260点
5位 ネアルガ魔法学院 250点
私は、会場に表示された順位結果よりも女子の特別枠選手の戦いが頭から離れずにいた。
凄かった……あんな戦い方もあるんだ。
私には、いえ、真似しようとして出来る物ではなかったけど、どこかで見たような戦い方だったような気もするんだけど……気のせいかな?
片手を顎に当てて思い出そうとしたが、全く思い当たるものが出てこなかった為、私の勘違いだったと片付けた。
「何か真剣に見てたね、女子の試合。もしかして好きな子でもいたのクリス?」
「えっ!?」
突然シンリに話し掛けれて私は驚きの声を出してしまったが、直ぐに違うと否定し特別枠選手が凄くて思い返していたと伝えた。
「あ~あの試合ね。確かに凄かったし、何か戦ってる相手が何か嬉しそうな感じの表情だったのも気になったよね」
「そうだった?」
「うん、そうだったよ。何て言うか、自分の全てをぶつけられて何がダメで何が良いのか実感出来てると言うか、凄く良い体験をしているって感じだったな。僕が見た感じではだけどね」
「良い体験……」
「そんな深く考えないでよ? 僕が見た直感的な物だからさ。ほら、クリスって何かと素直に受け取るからさ、僕の考えは軽く流してくれていいからね」
シンリは少し焦る様に私にそう言って来たので、とりあえず「分かったよ」と答えた。
別に深く考えた訳じゃないんだけどな……
私はそんな事を思っていると、アナウンスが流れた。
『これより15分間の休憩時間を挟んだ後、ミドルランクの試合を開始いたします』
「ここでまた休憩か。おいシンリ、飯買いに行くぞ!」
「えっ、ちょっと」
そう言って、リーガはシンリを強制的に連れて行きその後をライラックが追って行ってしまう。
残された私は、何故かふと再び先程の試合の事を思い出して、心の中で自分の全てを出しきり今の自分を改めて知れた彼ら彼女らを、羨ましいと思っていた。
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