174 / 564
第173話 タッグマッチのパートナー
しおりを挟む
ミドルランクの初戦、男子第1試合メルト魔法学院・シリウス魔法学院戦のアナウンスが流れ、選手が呼びこまれる。
『ではまず、シリウス魔法学院の代表選手、ラーウェン・ギルアバンス!』
そうアナウンスで名前が呼ばれると、会場にラーウェンが現れると続いてアナウンスがされる。
『そして対戦校、メルト魔法学院の代表選手、ルーク・クリバンス!』
アナウンスが流れると同時にラーウェンの時と同様に観客たちが大きな声援を送ると、ルークが会場に現れた。
そして両社が会場に揃うと、アナウンスにてこの試合がタッグマッチである事が明かされる。
「今日はいい試合にしましょうね、第二王子」
「俺はそう呼ばれるのはあんまり好きじゃないんだよ。後、お前にいい試合にしようと言われてもそんな気持ちになれるかよ」
「どうしてです?」
ラーウェンがとぼけた様に問いかけて来た事に、ルークは軽くため息をつく。
「昨日あんな事を言われて、いい気分で臨めるわけないだろ」
「あ~トウマの事ですか。俺はただ、真実を教えてあげただけじゃないですか」
「何が教えてあげただ。別に聞いてもないのに、お前が勝手に話し掛けて来たんだろうが」
「……はぁ~その様子では、本当の意味に気付いてもらえなかったようですね。彼は不幸を呼び寄せるのだから、離れた方が良いと警告してあげたんですよ」
ラーウェンは軽く肩をすくめうっすらと笑いながら答えた。
それを聞きルークは「それはどうもありがとう」と雑に返事を返した。
「人が親切に教えてあげているのに、その対応とは。やはり、出来損ないの王子と言う訳ですか」
「お前にどう思われようが俺はどうでもいいが。勝手に俺の親友を不幸な奴にするんじゃねぇよ。あいつはとんでもねお人好しで、馬鹿ぽいけど、皆に信頼されてて不幸を振りまく奴じゃねぇんだよ。お前の価値観だけで、他人をけなすな」
ルークからの言葉を聞いたラーウェンは、小さく舌打ちするとボソッと呟いた。
「あいつは不幸をもたらす奴なんだよ……」
その直後、アナウンスにて各パートナーが呼ばれ始め、先にラーウェンのパートナーが呼ばれた。
『シリウス魔法学院代表者、ラーウェンのパートナーはドウラ・ベインズ!』
名前を呼ばれ、会場に入って来たドウラはそのままラーウェンの真横へと歩いて行き立ち止まる。
「まさか、こっちの試合にも出れるとは嬉しいね」
「俺のパートナーはお前しかいないからな。それに、パートナーは同学年であれば誰でもいいって言われてたんだから、別に不正でも何でもないぞ」
「別に不正かは気にしてねぇよ」
「まぁ、何にしろこっちは学年№1と№2が揃ってんだ。負ける要素が更に減ったというわけだよドウラ」
ドウラはラーウェンの問いかけに「そうだな」と小さく答えた。
そして次に、ルークのパートナーの名前が会場中に読まれた。
『対する、王都メルト魔法学院代表者、ルーク・クリバンスのパートナーはトウマ・ユーリス!』
「っ!?」
その名前に一番驚きの表情をしたのは、ラーウェンであった。
そして会場に少しキョロキョロしながらトウマが入場して来てルークの横に立った。
「おいトウマ、少しはシャキッとしろ。挙動不審者だぞ」
「う、うっせっ! こんな大観衆の前に出る準備をあの短時間で出来るかよ! こっちは急に言われてド緊張してるんだよ!」
そんな会話をしているとラーウェンが大きく笑い始めた。
「おいおい、本気かよ第二王子? トウマをパートナーにしたのかよ? あはははは! こんなの勝負になるわけないだろうが」
ラーウェンはそのまま笑い続けると、真横のドウラが注意をするもラーウェンの態度は変わらなかった。
それを見てトウマは一度目線を落とし俯く。
「ほら見ろ。そいつはこの場に立っていいような奴じゃないし、実力もない。そんな奴をわざわざここに呼ぶとは、残酷な事をするな第二王子。でも、受ける方も受ける方だトウマ。何を勘違いして引き受けてんだよ」
ラーウェンが悪口を言い終わるとトウマの方を見下した様に見つめていた。
「(どうせお前は俺に背を向けるんだろ? また逃げるんだろ? ほら、そのまま背を向けて逃げろよ。お前は俺が怖いんだろ、関わりたくないんだろ!)」
そんな目でトウマを見ていたラーウェンは、俯いていたトウマが背も向けずに顔を上げて真っ直ぐに見つめて来た事に驚き、更にトウマの発言にたじろいだ。
「ラーウェン! 俺はな、お前と兄弟喧嘩をしに来たんだよ! いつまでも弟に馬鹿にされてて引き下がってたら、お前が調子に乗るからよ。ここで一度、その態度改めさせに来たんだよ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――遡る事1時間前。
ルーキーランクの試合開始前の会場外の周辺。
「はぁ~何してんだ俺は……」
トウマは会場が見える所のベンチに座り、頭を抱えてため息をついていた。
この日クリスと一緒に会場でルークの試合を応援するつもりでいたが、クリスに急用と嘘を付き一度会場へと向かうのを辞めていたのだった。
その理由は、この日に弟であるラーウェンの試合もありその場で自分の過去の事を名指しで言われるんではないかと言う想像をしてしまった為、周囲からの視線が怖くなり行くのを辞めていた。
だが、結局会場の目の前まで来ていた。
トウマはラーウェンに過去の事をバラされて今の関係が壊れるのを恐れている一方で、親友であるルークの試合をクリスと一緒に応援したいと言う気持ちもあった為、ウロウロと迷いながらも会場へと足を運んでいたのだった。
「あいつが俺の過去をあんな所でバラすなんて確証はないし、ルークの奴が自力で勝ち取った代表者としての試合を観たいから観るでいいんだよ。それが普通だろ……普通なのに、あのラーウェンならやりかねないと思ってしまうから動けない」
そしてトウマが大きなため息をついて、暫く頭を抱えて考えた後やはり帰ろうと思い立ち上がった時だった。
「こんな所にいたのか、トウマ」
そう声を掛けて来たのは、ルークであった。
まさかのルークにトウマは驚き、直ぐに声が出ずにキョロキョロとしてしまう。
「なぁトウマ、突然で悪いが俺のパートナーとして試合に出てくれ」
「へぇ!?」
ルークはそのままタッグマッチの事や、対戦相手の事を全て明かすとトウマは暫く黙った後「すまん……」と断った。
「どうして断るんだ? 実力が見合わないからか? 俺と比べられるのが嫌だからか? ……それとも、ラーウェンか?」
「っ!」
最後の言葉にトウマは過剰に反応してしまい、体をビクッとさせる。
その反応を見てルークは、トウマが座っていたベンチに座り昨日ラーウェンからトウマの過去の事を聞いたと告げと、トウマはその場に固まった様にピクリとも動かなかった。
「お前が何を怖がっているかは、俺には分からないが、お前はこのままずっとラーウェンを避けて怖がりながら生きて行く気か、トウマ?」
「……」
「まぁ、お前がそれでいいって言うならいいが。俺は別にお前の過去を聞いても何も変わらないぞ。と言うか、今さら過去がどうとか言われても、それがなんだって言うんだよ。そんなので態度が変わる奴が、お前の周りにいるとでも思ってるのかよ」
「……いるかもしれないだろ。失望したとか、そんな奴だとは思わなかったとか、騙してたのかとか……」
トウマはルークの方を向かずに、ポツリポツリと話し始める。
「なら、そんな奴と関わるのは辞めろ。現に、俺とクリスは態度は変わらないぞ」
「えっ」
「お前の過去がどうであれ、その先も傍にいてくれる奴と付き合って行けばいいだけだろ。まぁ、お前がフェルトを目指すって言うなら話は別だがな」
「べ、別にフェルトみたいになりたいわけじゃないぞ!」
そこでトウマはルークの方を振り向いて、否定する。
「ならそれでいいじゃないか。後は、ラーウェンに思いっきり迷惑だって言ってやればいいんだよ。人の過去をぺらぺらと話すんじゃねぇよ、馬鹿弟が! って」
「いやいやいや、そんなの無理だよ。あいつが俺の言う事聞くと思うのかよ? てか、俺があいつを、ギルアバンス家を遠ざけて来た結果が今の状況だし、何て言うかラーウェンを前にすると昔の事を思い出して見向きが上手く出来ないんだよ……」
それを聞いたルークは、思いっきりため息をつき「ダメ兄貴だな」と呟いた。
「ん? ダメ兄貴? 誰が?」
「お前だよ、トウマ。腹違いだか何だか知らないが、ラーウェンと兄弟でお前が兄貴なんだろ? 兄貴が弟を怖がっててどうすんだ。いつまでも、いびり続けられるぞ。兄弟なら兄貴の威厳ってのを見せてやるのが一番なんだよ」
「……それって、もしかして体験談か?」
「う、うっせ!」
するとルークは立ち上がりトウマの胸に片手の人差し指を突きつける。
「いいかトウマ! このまま言われぱっなしで悔しくねぇのかよ。兄貴なら調子に乗ってる弟にガツンと言ってやれよ!」
「何か、お前が言うと凄い説得力があるな」
「俺の事はどうでもいいんだよ。で、お前はやるのかよ? やんないのかよ?」
少しトウマが考えた後に口を開く。
「もしやってもよ、あいつの実力は本物だし勝てる気がしないんだよ……」
「勝てるかどうかはお前次第だろ、トウマ」
「おい、ガツンと言ってやって言ったのはお前だろうが。それなら勝たなきゃ意味ないだろう」
「別に勝つ必要はないだろ。正面向かって言ってやればいいんだけだよ。兄弟喧嘩しに来たってな」
「はぁ?」
『ではまず、シリウス魔法学院の代表選手、ラーウェン・ギルアバンス!』
そうアナウンスで名前が呼ばれると、会場にラーウェンが現れると続いてアナウンスがされる。
『そして対戦校、メルト魔法学院の代表選手、ルーク・クリバンス!』
アナウンスが流れると同時にラーウェンの時と同様に観客たちが大きな声援を送ると、ルークが会場に現れた。
そして両社が会場に揃うと、アナウンスにてこの試合がタッグマッチである事が明かされる。
「今日はいい試合にしましょうね、第二王子」
「俺はそう呼ばれるのはあんまり好きじゃないんだよ。後、お前にいい試合にしようと言われてもそんな気持ちになれるかよ」
「どうしてです?」
ラーウェンがとぼけた様に問いかけて来た事に、ルークは軽くため息をつく。
「昨日あんな事を言われて、いい気分で臨めるわけないだろ」
「あ~トウマの事ですか。俺はただ、真実を教えてあげただけじゃないですか」
「何が教えてあげただ。別に聞いてもないのに、お前が勝手に話し掛けて来たんだろうが」
「……はぁ~その様子では、本当の意味に気付いてもらえなかったようですね。彼は不幸を呼び寄せるのだから、離れた方が良いと警告してあげたんですよ」
ラーウェンは軽く肩をすくめうっすらと笑いながら答えた。
それを聞きルークは「それはどうもありがとう」と雑に返事を返した。
「人が親切に教えてあげているのに、その対応とは。やはり、出来損ないの王子と言う訳ですか」
「お前にどう思われようが俺はどうでもいいが。勝手に俺の親友を不幸な奴にするんじゃねぇよ。あいつはとんでもねお人好しで、馬鹿ぽいけど、皆に信頼されてて不幸を振りまく奴じゃねぇんだよ。お前の価値観だけで、他人をけなすな」
ルークからの言葉を聞いたラーウェンは、小さく舌打ちするとボソッと呟いた。
「あいつは不幸をもたらす奴なんだよ……」
その直後、アナウンスにて各パートナーが呼ばれ始め、先にラーウェンのパートナーが呼ばれた。
『シリウス魔法学院代表者、ラーウェンのパートナーはドウラ・ベインズ!』
名前を呼ばれ、会場に入って来たドウラはそのままラーウェンの真横へと歩いて行き立ち止まる。
「まさか、こっちの試合にも出れるとは嬉しいね」
「俺のパートナーはお前しかいないからな。それに、パートナーは同学年であれば誰でもいいって言われてたんだから、別に不正でも何でもないぞ」
「別に不正かは気にしてねぇよ」
「まぁ、何にしろこっちは学年№1と№2が揃ってんだ。負ける要素が更に減ったというわけだよドウラ」
ドウラはラーウェンの問いかけに「そうだな」と小さく答えた。
そして次に、ルークのパートナーの名前が会場中に読まれた。
『対する、王都メルト魔法学院代表者、ルーク・クリバンスのパートナーはトウマ・ユーリス!』
「っ!?」
その名前に一番驚きの表情をしたのは、ラーウェンであった。
そして会場に少しキョロキョロしながらトウマが入場して来てルークの横に立った。
「おいトウマ、少しはシャキッとしろ。挙動不審者だぞ」
「う、うっせっ! こんな大観衆の前に出る準備をあの短時間で出来るかよ! こっちは急に言われてド緊張してるんだよ!」
そんな会話をしているとラーウェンが大きく笑い始めた。
「おいおい、本気かよ第二王子? トウマをパートナーにしたのかよ? あはははは! こんなの勝負になるわけないだろうが」
ラーウェンはそのまま笑い続けると、真横のドウラが注意をするもラーウェンの態度は変わらなかった。
それを見てトウマは一度目線を落とし俯く。
「ほら見ろ。そいつはこの場に立っていいような奴じゃないし、実力もない。そんな奴をわざわざここに呼ぶとは、残酷な事をするな第二王子。でも、受ける方も受ける方だトウマ。何を勘違いして引き受けてんだよ」
ラーウェンが悪口を言い終わるとトウマの方を見下した様に見つめていた。
「(どうせお前は俺に背を向けるんだろ? また逃げるんだろ? ほら、そのまま背を向けて逃げろよ。お前は俺が怖いんだろ、関わりたくないんだろ!)」
そんな目でトウマを見ていたラーウェンは、俯いていたトウマが背も向けずに顔を上げて真っ直ぐに見つめて来た事に驚き、更にトウマの発言にたじろいだ。
「ラーウェン! 俺はな、お前と兄弟喧嘩をしに来たんだよ! いつまでも弟に馬鹿にされてて引き下がってたら、お前が調子に乗るからよ。ここで一度、その態度改めさせに来たんだよ!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――遡る事1時間前。
ルーキーランクの試合開始前の会場外の周辺。
「はぁ~何してんだ俺は……」
トウマは会場が見える所のベンチに座り、頭を抱えてため息をついていた。
この日クリスと一緒に会場でルークの試合を応援するつもりでいたが、クリスに急用と嘘を付き一度会場へと向かうのを辞めていたのだった。
その理由は、この日に弟であるラーウェンの試合もありその場で自分の過去の事を名指しで言われるんではないかと言う想像をしてしまった為、周囲からの視線が怖くなり行くのを辞めていた。
だが、結局会場の目の前まで来ていた。
トウマはラーウェンに過去の事をバラされて今の関係が壊れるのを恐れている一方で、親友であるルークの試合をクリスと一緒に応援したいと言う気持ちもあった為、ウロウロと迷いながらも会場へと足を運んでいたのだった。
「あいつが俺の過去をあんな所でバラすなんて確証はないし、ルークの奴が自力で勝ち取った代表者としての試合を観たいから観るでいいんだよ。それが普通だろ……普通なのに、あのラーウェンならやりかねないと思ってしまうから動けない」
そしてトウマが大きなため息をついて、暫く頭を抱えて考えた後やはり帰ろうと思い立ち上がった時だった。
「こんな所にいたのか、トウマ」
そう声を掛けて来たのは、ルークであった。
まさかのルークにトウマは驚き、直ぐに声が出ずにキョロキョロとしてしまう。
「なぁトウマ、突然で悪いが俺のパートナーとして試合に出てくれ」
「へぇ!?」
ルークはそのままタッグマッチの事や、対戦相手の事を全て明かすとトウマは暫く黙った後「すまん……」と断った。
「どうして断るんだ? 実力が見合わないからか? 俺と比べられるのが嫌だからか? ……それとも、ラーウェンか?」
「っ!」
最後の言葉にトウマは過剰に反応してしまい、体をビクッとさせる。
その反応を見てルークは、トウマが座っていたベンチに座り昨日ラーウェンからトウマの過去の事を聞いたと告げと、トウマはその場に固まった様にピクリとも動かなかった。
「お前が何を怖がっているかは、俺には分からないが、お前はこのままずっとラーウェンを避けて怖がりながら生きて行く気か、トウマ?」
「……」
「まぁ、お前がそれでいいって言うならいいが。俺は別にお前の過去を聞いても何も変わらないぞ。と言うか、今さら過去がどうとか言われても、それがなんだって言うんだよ。そんなので態度が変わる奴が、お前の周りにいるとでも思ってるのかよ」
「……いるかもしれないだろ。失望したとか、そんな奴だとは思わなかったとか、騙してたのかとか……」
トウマはルークの方を向かずに、ポツリポツリと話し始める。
「なら、そんな奴と関わるのは辞めろ。現に、俺とクリスは態度は変わらないぞ」
「えっ」
「お前の過去がどうであれ、その先も傍にいてくれる奴と付き合って行けばいいだけだろ。まぁ、お前がフェルトを目指すって言うなら話は別だがな」
「べ、別にフェルトみたいになりたいわけじゃないぞ!」
そこでトウマはルークの方を振り向いて、否定する。
「ならそれでいいじゃないか。後は、ラーウェンに思いっきり迷惑だって言ってやればいいんだよ。人の過去をぺらぺらと話すんじゃねぇよ、馬鹿弟が! って」
「いやいやいや、そんなの無理だよ。あいつが俺の言う事聞くと思うのかよ? てか、俺があいつを、ギルアバンス家を遠ざけて来た結果が今の状況だし、何て言うかラーウェンを前にすると昔の事を思い出して見向きが上手く出来ないんだよ……」
それを聞いたルークは、思いっきりため息をつき「ダメ兄貴だな」と呟いた。
「ん? ダメ兄貴? 誰が?」
「お前だよ、トウマ。腹違いだか何だか知らないが、ラーウェンと兄弟でお前が兄貴なんだろ? 兄貴が弟を怖がっててどうすんだ。いつまでも、いびり続けられるぞ。兄弟なら兄貴の威厳ってのを見せてやるのが一番なんだよ」
「……それって、もしかして体験談か?」
「う、うっせ!」
するとルークは立ち上がりトウマの胸に片手の人差し指を突きつける。
「いいかトウマ! このまま言われぱっなしで悔しくねぇのかよ。兄貴なら調子に乗ってる弟にガツンと言ってやれよ!」
「何か、お前が言うと凄い説得力があるな」
「俺の事はどうでもいいんだよ。で、お前はやるのかよ? やんないのかよ?」
少しトウマが考えた後に口を開く。
「もしやってもよ、あいつの実力は本物だし勝てる気がしないんだよ……」
「勝てるかどうかはお前次第だろ、トウマ」
「おい、ガツンと言ってやって言ったのはお前だろうが。それなら勝たなきゃ意味ないだろう」
「別に勝つ必要はないだろ。正面向かって言ってやればいいんだけだよ。兄弟喧嘩しに来たってな」
「はぁ?」
0
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
男女比8対1の異世界に転移しました、防御力はレベル1です
オレンジ方解石
恋愛
結婚式の最中に、夫に他の女と逃げられた花嫁、水瀬透子。
離婚届けを出す直前に事故で瀕死となった彼女は、異世界の女神から『妾と取り引きするなら、助けてやろう』と持ちかけられる。
異世界の《世界樹》の《種》を宿す《仮枝》となった透子は、女神の世界に連れて行かれ、二年を過ごすこととなった。
そこは男女比が8対1という偏った世界であり、女性が《四気神》と呼ばれる守護者に守られる世界。
女神とはぐれた透子は、そこで美形の青年、紅霞に助けられるが……。
※追記の追記を少し直しました。
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
異世界もふもふ死にかけライフ☆異世界転移して毛玉な呪いにかけられたら、凶相騎士団長様に拾われました。
和島逆
恋愛
社会人一年目、休日の山登り中に事故に遭った私は、気づけばひとり見知らぬ森の中にいた。そしてなぜか、姿がもふもふな小動物に変わっていて……?
しかも早速モンスターっぽい何かに襲われて死にかけてるし!
危ういところを助けてくれたのは、大剣をたずさえた無愛想な大男。
彼の緋色の瞳は、どうやらこの世界では凶相と言われるらしい。でもでも、地位は高い騎士団長様。
頼む騎士様、どうか私を保護してください!
あれ、でもこの人なんか怖くない?
心臓がバクバクして止まらないし、なんなら息も苦しいし……?
どうやら私は恐怖耐性のなさすぎる聖獣に変身してしまったらしい。いや恐怖だけで死ぬってどんだけよ!
人間に戻るためには騎士団長の助けを借りるしかない。でも騎士団長の側にいると死にかける!
……うん、詰んだ。
★「小説家になろう」先行投稿中です★
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる