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第177話 褒められたい
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どうしてだ……どうして父様も母様も、家の者たちも俺を見てくれない? 俺自身を褒めてくれないんだ?
何故、俺よりただ少し早く生まれたあのトウマとか言う兄の事ばかり口にするんだ。
俺と何が違うんだ? どうしていつもトウマの事を引き出して比べて、家の血が凄いとか、トウマはやっぱり庶民の血を持っているから劣っているとかを俺に話すんだ。
……俺は……俺は、ただ父様に母様に俺自身を褒めて欲しかっただけなのに、何でトウマとか血筋とかそれが出来て当然とか、どうして普通に凄いなとかよく出来たなとか言ってくれないんだ……
俺は褒めてもらう為に自分なりに頑張り続けた中で、ようやく気付く事が出来た。
そうか。
何だ簡単な事じゃないか、トウマよりも圧倒的になれば父様も母様も俺の事を見てくれるじゃないか。
そうだよ、あの先に生まれた兄など見ていても仕方ない様にすればいいんだよ。
そしてその時はやって来た。
あいつが1人で家に乗り込んで来たのだ。
そこで俺は母様に提案し、圧倒的な力をトウマにも母様にも家の者たちにも見せつける様に行動した。
その結果、トウマは俺に手も足も出ずにボロボロで放りだされ、母様にも家の者たちにも流石だと言われたが、それは俺が思っていた称賛ではなかった。
結局はギルアバンス家の正当な血筋だとか、出来の悪い部分は全てトウマに渡っただとか、全て外的な要因ばかりでそれを抜きに俺自身を褒めてくれる者はいなかった。
だが俺はこれから先は、今までの様にトウマの話などはいずれ無くなって行き俺が求めていた事が起こると期待していた。
しかし、そんな事は起こる事はなく何故が以前よりもトウマの話が多く話題に出る様になっていった。
どうしてトウマなんだ……どうして俺を誰も見てくれないんだ……父様も何か研究に没頭する様になるし、母様は自分の地位を確認する様に相手をいびったり妬んだりするばかり……どうしてこうなったんだ、何で変わらないんだ。
その後俺は、シリウス魔法学院への進学と共に家を出て寮での生活を始めた。
当初学院内では、俺の家の話が出ていたがその頃の俺は家の事を考えたくもなかったので睨んだり、あからさまな不機嫌な態度をとっていた。
するとその話は徐々にされなくなっていった。
そして俺は充実な学院生活を送っていたある日、学院対抗戦にてトウマの姿を目撃し衝撃を受けた。
何であいつはあんなへらへらとして、幸せそうに、楽しそうに、何の悩みもなく、過ごしているんだ?
そう思った直後、俺の家はお前のせいでおかしくなっているのに、お前が中心にいるせいで俺は辛い思いをしているのに、どうしてお前はそんな生活をしているんだ。
……お前がいたから俺たちは不幸になったんだ、お前がいると他の奴を不幸にしかねない、お前さえ、お前さえいなければ俺はこんな思いをしなくても済んだんだ! 父様にも母様にも俺は褒められていたんだ! トウマ、俺はお前の存在自体が憎いよ……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「消えろー! トウマー!」
ラーウェンが放った攻撃が一直線にトウマとルークへと向かって行く。
「トウマ!」
「行くぞ!」
そうトウマが声を出した瞬間、目の前に碧いシールドがトウマを守る様に楕円状に展開されラーウェンの攻撃が直撃するも、シールドによって外へと逃げすように防ぐ。
だが、ラーウェンの攻撃はその後も続いておりトウマたちはシールドを張る事しか出来ずにいた。
「防御をした所で無駄だ! これは俺の魔力が続く限り放ち続けられる! 受けようと思った時点で負けてるんだよ!」
そう言うとラーウェンは振り下ろした大剣に、より多くの魔力を流し込み放っている攻撃の威力を倍増させた。
「ぐっぅぅ……」
トウマたちは何とかシールドで耐えてはいたが、徐々に押され始める。
「ルーク! 力込めてんのかよ! お前頼りなんだぞ!」
「やってるよ!」
2人は雄叫びを上げつつ、シールド展開状態内で何かを試みていた。
「まっがっれーー!」
ルークはトウマの背中に両手を当てだし、トウマに魔力を流すようにし2人でシールドに魔力を流し始める。
すると両端のシールドが徐々に反って行き出し、ラーウェンの方を向き始める。
直後、一気にシールド全体の形状が変わり始め、ラーウェンの攻撃を弾いていたシールドがボール状へと変化し、受け流していた攻撃をそのままラーウェンの方へと打ち返したのだ。
「っ!?」
まさかの出来事にラーウェンは一瞬動揺するも、直ぐに大剣を振り上げ向かって来る自分の攻撃を相殺しようと攻撃を放つも、自身で倍増した攻撃をそう簡単にも相殺出来ず放った攻撃は飲み込まれてしまう。
次の瞬間、ラーウェンは跳ね返された自分の攻撃に呑まれてしまう。
そのままその攻撃は会場の壁へと直撃すると、大きな衝撃音を響かせ爆発し、会場の壁に大穴を空けただけで済んだ。
会場中が、あの威力の攻撃に飲み込まれたラーウェンの行方を気にしていると煙が晴れて行きそこには、何重にもした鉄の球体が1つあり外装はほぼ剥がれかかっており所々から、中の様子が見えていた。
そこには両腕で攻撃を防いでいるラーウェンの姿があった。
「……ふー……何とか間に合ったか」
ラーウェンは自分の今の状況を理解し、遠くでこちらに手を伸ばして安堵の息を付いているドウラを見て、ドウラに助けられたのだと理解し、その場で尻もちをつくように座り込む。
それと同時にラーウェンを守っていた鉄の盾がすべて消え、トウマとルークが視界に入る。
「……ふざけんなよ……何だよその力。そんなの知らないぞ……」
そうラーウェンは呟くと、試合終了の合図が会場になり響く。
結果的にはルークとトウマの勝利にはなったが、その前にラーウェンが規定違反の攻撃威力で相手を攻撃したので反則となり失格となった為の勝利であった。
その後ラーウェンは教員たちに一時的に拘束されて、会場外へと連行されて行きドウラは医務室へと運ばれて行った。
そして、会場ではアナウンスによって先程の行為についての説明や会場の修復を行う事が説明され始めていた。
そんな中私はただ黙って、会場から立ち去るトウマとルークの事を見つめていた。
「(……これからどうするのかな、トウマは? まさかルークがあんな事をするとは思わなかったけど、あれでよかったのかな……いいや、良いのかとか悪いのとかを判断するのは私じゃない。あれはトウマ自身の事なんだから、そんな事を私が考えても仕方ない……)」
私はそう考えていると、シンリがリーガやライラックたちと盛り上がっていた。
話の内容的はトウマの事についてであり、先程の攻撃を弾き返した力やタッグマッチ戦にいきなり出た事で驚いている反応であった。
会場中がざわついているなか、暫くの休憩時間を挟むことになったので一度私は席を立ち上がると、シンリが話し掛けて来た。
「もしかしてトウマたちの所に行くの?」
「えっ……あ、まぁ、会えればだけど」
「トウマは代表者じゃないから、出待ちしてれば会えるでしょ。それで捕まえたらここまで連れて来てよクリス」
「捕まえたらって」
「聞きたい事がいっぱいあるからなさ~」
シンリの後ろで不敵な笑みを浮かべる、リーガとライラックがいて私は断る事はせず「あ、うん」と答えてトウマを探しに行った。
何故、俺よりただ少し早く生まれたあのトウマとか言う兄の事ばかり口にするんだ。
俺と何が違うんだ? どうしていつもトウマの事を引き出して比べて、家の血が凄いとか、トウマはやっぱり庶民の血を持っているから劣っているとかを俺に話すんだ。
……俺は……俺は、ただ父様に母様に俺自身を褒めて欲しかっただけなのに、何でトウマとか血筋とかそれが出来て当然とか、どうして普通に凄いなとかよく出来たなとか言ってくれないんだ……
俺は褒めてもらう為に自分なりに頑張り続けた中で、ようやく気付く事が出来た。
そうか。
何だ簡単な事じゃないか、トウマよりも圧倒的になれば父様も母様も俺の事を見てくれるじゃないか。
そうだよ、あの先に生まれた兄など見ていても仕方ない様にすればいいんだよ。
そしてその時はやって来た。
あいつが1人で家に乗り込んで来たのだ。
そこで俺は母様に提案し、圧倒的な力をトウマにも母様にも家の者たちにも見せつける様に行動した。
その結果、トウマは俺に手も足も出ずにボロボロで放りだされ、母様にも家の者たちにも流石だと言われたが、それは俺が思っていた称賛ではなかった。
結局はギルアバンス家の正当な血筋だとか、出来の悪い部分は全てトウマに渡っただとか、全て外的な要因ばかりでそれを抜きに俺自身を褒めてくれる者はいなかった。
だが俺はこれから先は、今までの様にトウマの話などはいずれ無くなって行き俺が求めていた事が起こると期待していた。
しかし、そんな事は起こる事はなく何故が以前よりもトウマの話が多く話題に出る様になっていった。
どうしてトウマなんだ……どうして俺を誰も見てくれないんだ……父様も何か研究に没頭する様になるし、母様は自分の地位を確認する様に相手をいびったり妬んだりするばかり……どうしてこうなったんだ、何で変わらないんだ。
その後俺は、シリウス魔法学院への進学と共に家を出て寮での生活を始めた。
当初学院内では、俺の家の話が出ていたがその頃の俺は家の事を考えたくもなかったので睨んだり、あからさまな不機嫌な態度をとっていた。
するとその話は徐々にされなくなっていった。
そして俺は充実な学院生活を送っていたある日、学院対抗戦にてトウマの姿を目撃し衝撃を受けた。
何であいつはあんなへらへらとして、幸せそうに、楽しそうに、何の悩みもなく、過ごしているんだ?
そう思った直後、俺の家はお前のせいでおかしくなっているのに、お前が中心にいるせいで俺は辛い思いをしているのに、どうしてお前はそんな生活をしているんだ。
……お前がいたから俺たちは不幸になったんだ、お前がいると他の奴を不幸にしかねない、お前さえ、お前さえいなければ俺はこんな思いをしなくても済んだんだ! 父様にも母様にも俺は褒められていたんだ! トウマ、俺はお前の存在自体が憎いよ……
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「消えろー! トウマー!」
ラーウェンが放った攻撃が一直線にトウマとルークへと向かって行く。
「トウマ!」
「行くぞ!」
そうトウマが声を出した瞬間、目の前に碧いシールドがトウマを守る様に楕円状に展開されラーウェンの攻撃が直撃するも、シールドによって外へと逃げすように防ぐ。
だが、ラーウェンの攻撃はその後も続いておりトウマたちはシールドを張る事しか出来ずにいた。
「防御をした所で無駄だ! これは俺の魔力が続く限り放ち続けられる! 受けようと思った時点で負けてるんだよ!」
そう言うとラーウェンは振り下ろした大剣に、より多くの魔力を流し込み放っている攻撃の威力を倍増させた。
「ぐっぅぅ……」
トウマたちは何とかシールドで耐えてはいたが、徐々に押され始める。
「ルーク! 力込めてんのかよ! お前頼りなんだぞ!」
「やってるよ!」
2人は雄叫びを上げつつ、シールド展開状態内で何かを試みていた。
「まっがっれーー!」
ルークはトウマの背中に両手を当てだし、トウマに魔力を流すようにし2人でシールドに魔力を流し始める。
すると両端のシールドが徐々に反って行き出し、ラーウェンの方を向き始める。
直後、一気にシールド全体の形状が変わり始め、ラーウェンの攻撃を弾いていたシールドがボール状へと変化し、受け流していた攻撃をそのままラーウェンの方へと打ち返したのだ。
「っ!?」
まさかの出来事にラーウェンは一瞬動揺するも、直ぐに大剣を振り上げ向かって来る自分の攻撃を相殺しようと攻撃を放つも、自身で倍増した攻撃をそう簡単にも相殺出来ず放った攻撃は飲み込まれてしまう。
次の瞬間、ラーウェンは跳ね返された自分の攻撃に呑まれてしまう。
そのままその攻撃は会場の壁へと直撃すると、大きな衝撃音を響かせ爆発し、会場の壁に大穴を空けただけで済んだ。
会場中が、あの威力の攻撃に飲み込まれたラーウェンの行方を気にしていると煙が晴れて行きそこには、何重にもした鉄の球体が1つあり外装はほぼ剥がれかかっており所々から、中の様子が見えていた。
そこには両腕で攻撃を防いでいるラーウェンの姿があった。
「……ふー……何とか間に合ったか」
ラーウェンは自分の今の状況を理解し、遠くでこちらに手を伸ばして安堵の息を付いているドウラを見て、ドウラに助けられたのだと理解し、その場で尻もちをつくように座り込む。
それと同時にラーウェンを守っていた鉄の盾がすべて消え、トウマとルークが視界に入る。
「……ふざけんなよ……何だよその力。そんなの知らないぞ……」
そうラーウェンは呟くと、試合終了の合図が会場になり響く。
結果的にはルークとトウマの勝利にはなったが、その前にラーウェンが規定違反の攻撃威力で相手を攻撃したので反則となり失格となった為の勝利であった。
その後ラーウェンは教員たちに一時的に拘束されて、会場外へと連行されて行きドウラは医務室へと運ばれて行った。
そして、会場ではアナウンスによって先程の行為についての説明や会場の修復を行う事が説明され始めていた。
そんな中私はただ黙って、会場から立ち去るトウマとルークの事を見つめていた。
「(……これからどうするのかな、トウマは? まさかルークがあんな事をするとは思わなかったけど、あれでよかったのかな……いいや、良いのかとか悪いのとかを判断するのは私じゃない。あれはトウマ自身の事なんだから、そんな事を私が考えても仕方ない……)」
私はそう考えていると、シンリがリーガやライラックたちと盛り上がっていた。
話の内容的はトウマの事についてであり、先程の攻撃を弾き返した力やタッグマッチ戦にいきなり出た事で驚いている反応であった。
会場中がざわついているなか、暫くの休憩時間を挟むことになったので一度私は席を立ち上がると、シンリが話し掛けて来た。
「もしかしてトウマたちの所に行くの?」
「えっ……あ、まぁ、会えればだけど」
「トウマは代表者じゃないから、出待ちしてれば会えるでしょ。それで捕まえたらここまで連れて来てよクリス」
「捕まえたらって」
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