とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第220話 実験結果

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 私は久しぶりに正体を見破られてしまい、硬直してしまう。
 が、初めてではないので直ぐに口を開いた。

「何の冗談を言っているんですか? 俺は男ですよ? 変な冗談は言わないでください」

 私は少し不機嫌そうな態度で、フェンに言い返した。
 こうする事で自分は女子ではないと反論しつつ、これ以上の追求は余計に私を不機嫌にさせる事になると伝えられると考えて不機嫌な態度をとったのだ。
 だがフェンは、そんな私の考え通りにはいかず私に近付いて来て追求をし始めた。

「おかしいですね。私のこの魔道具ゴーグルでは、相手の体型数値を算出するのですが、貴方の数値は完全に女性のもなのですよ」
「体型数値?」
「はい、このゴーグルでは相手の魔力を読み取り、体型をスキャンして数値を出しているのです。今までに何人も見たデータから、間違いはないのですよ。ちなみに、貴方のスリーサイズは上から――」
「あっー! あぁ! あー!」
「? どうしたのです? 急に声を出して、私の話を遮る様な事をして」

 いやいや、急にスリーサイズの話なんかし出して、それを言おうなんてするかでしょ!
 するとフェンは、私から離れて付けていたゴーグルを触りだした。
 はぁ~……何なのこの先輩は? 何と言うか、今までに会った事がないタイプの人でどうしていいか分からない。
 私はひとまず一度深呼吸して、状況を整理し、目の前のフェンが私を女性だと見破ったがそれを言いふらそうとしている訳でも、追求してくる訳でもないと現状を理解した。
 となると、ここは無理に男であると通すよりも、女性だと言ってしまい黙ってもらう方がよさそうだ。
 話した感じ、魔道具への信頼は強いしあのゴーグルがどう言うのかは詳しく分からないけど、それをごまかすのは難しそうだし、名前もバレてないし、女性だと言って秘密にしてもらう様に頼めば行けそうな気がするんだよな。
 そんな事を考えつつ、私はフェンへと話し掛けようとしたが、先にフェンが話し始めてしまう。

「うん、ゴーグルの不調ではないようですので、貴方が女性と言うのは間違ってないと思います。まぁ、そもそも私は貴方が男性だろうが、女性だろうが知った事ではないのでどちらでもいいのですけど」
「へぇ?」

 そう言うとフェンは、先程まで調整をしていた魔道具へと視線を向けて調整の続きを始めた。
 私は急に興味が無くなったフェンに呆気にとられていた。
 ど、どっちでもいい? え、女子が男装して学院にいる事がどっちでもいいって……え? 結構衝撃な事じゃない? 私が言うのも変だけど。
 するとフェンは、魔道具の調整が終わったのかそれを手にして私の方を向いた。

「それでは魔道具の調整も終わりましたので、早速試して頂きますね」
「あ、あの。さっき言った、どっちでもいいって言うのは……」
「言った通りですけど。私は魔道具もしくは、それに関する情報やデータなどにしか興味がないのですよ。ですか、貴方がどうして男装をしているのかとか、それに対しての追求は興味がないのでしませんよ。それに、人には色々な事情があるものですからね」
「それは、ありがたいですけど……って、何勝手に付けてるんですか!?」

 私がフェンの考えに相槌をうって返事をしていると、フェンはそんなの関係なしに私の右手首に先程まで調整していたブレスレット型の魔道具を取り付けて来た。

「それは魔力性別判定機と言う物です。貴方は魔力は性別関係なく、同じ物だと思っていますか?」
「え? え~っと、そうですね、俺は魔力と言う物にも少し違いはあるんじゃないかと思いますよ」

 私は急にされた問いかけに、普通に答えるとフェンは「ほぉ~」と呟いた。

「良い考えを持ってますね。ちなみに私も似たような考えです。ですが、世の中には魔力を知覚的に見られる魔道具はないです。そこで私が作ったのが、対象者の魔力をデータ化して男性的な魔力か女性的な魔力かを判別する魔道具がそれなのです」
「男性や女性的な魔力を判別って、どう言う事ですか?」
「ふふふ、興味が湧いて来たようですね」
「あっ」

 私は普通にフェンの話を聞き言ってしまい、質問し返していた事に気付く。
 が、ここまで来たらそのまま話を聞かないとモヤモヤすると思って私はフェンからの答えを待った。

「貴方は男性と女性で使えやすい魔力の特徴を知ってますか?」
「はい知ってますよ。魔力分類の事ですよね」
「そうです。魔力分類は力・技量・質量・治療・創造・制御の6つで前半3つが男性が使いやすく、後半3つが女性が使いやすいものとされています。それを私は男性的、または女性的と言い換えているだけです」

 それを聞いて私は、何となくフェンが創り出した魔道具について理解した。
 要は、私に取り付けたブレスレット型の魔道具が私の魔力を読み取り、既にデータとして詰め込んだブレスレット型の魔道具がそれと照らし合わせて、男性的な魔力なのか女性的な魔力なのかを判定する物なのだろう。
 私は勝手にそう理解した事をフェンに伝えて確認すると、フェンは大きく頷いた。

「そうです! そうです! そう言う事です! うん、私を話しをこうも直ぐに理解出来るとは、素晴らしい知識や柔軟な考えをお持ちですね」
「そうですかね?」
「理解も出来ているのであれば、後は実施して感じてみるだけですね。では早速、実験開始!」
「実験?」

 私がその言葉に引っかかり口に出すも、フェンは止まることなく私に付けたブレスレット型の魔道具のスイッチを押した。
 するとブレスレット型の魔道具が光だし、青と赤の色が交互に点滅し出す。

「うんうん、順調に動いていますね。今は貴方の魔力を読み取っている段階です」
「フェンさん、現状を解説するよりもさっき実験って言いましたか?」
「はい、言いましたよ。そのブレスレット型の魔道具は、初めて私以外の人で試すのでそう言いました」
「えっ……だ、大丈夫なんですよね?」
「大丈夫かと訊かれると、絶対に大丈夫とは言えませんね。でも安心して下さい、私では既に100回は試して既に危険な事が起こらない様に調整はしてますので。起こっても、軽度な状態異常だけですよ」
「いやいや、そんな笑顔で言われても危険性があるのに変わりないじゃないですか!」

 私はフェンに魔道具を止める様に言うが、一度動かし始めた物は止められないと言われる。
 更には強引に外そうとすると何が起こるか分からないので、それだけはしない様に釘を刺される。
 私はもう何もする事が出来ず、ただただ無事に付けられた魔道具が終了する事を願うだけであった。
 お願いだから、何事もなく終了して!
 そして、ブレスレット型の魔道具の点滅が終了し赤色で止まった。

「赤色ですか。貴方の魔力は女性的な魔力と言う事ですね」
「ふ~無事に終わったって事ですよねこれ?」
「そうですね。一応データだけ取らせて下さい」

 そう言ってフェンが私の右手首に付けたブレスレット型の魔道具に手を伸ばした時だった。
 突然私の体全体に微弱な静電気が走った。
 っ!? な、何今の? 弱い電気が流れた感じだったけど、特に何か動かないって訳じゃない。
 私は両手の手を握って開いてを繰り返した。
 何ともない、よね……

「どうかしましたか?」
「いえ、その急に体全体に弱い電気が走った感覚になって」
「……それで、何か違和感とかありますか? 気になる事とか?」
「えっ? いや、特には……あ~でも、少し体が熱いかもしれないです」

 するとフェンは自身のゴーグルに片手を当てる動作と取って、暫くしてその手を離した。

「うん。先に伝えると、今回の実験は成功しましたが、最後で失敗しました」
「えっ!? ちょっ、どう言う事ですか!?」
「原因は不明ですが、魔道具の暴走と言いましょうか。その影響で、貴方の魔力に影響が及び少し魔力が変化しています。でも安心して下さい、今日の夕刻くらいには元も戻る予想ですので」

 フェンが冷静にそう言って来るが、私は今自分の体に何が起こっているのか分からずフェンに詰め寄るが、その時に少し頭部に違和感を感じだ。
 違和感と言うのは、少し頭が重くなった様な感覚であった。
 が、小さな違和感であったので気にせずにフェンに詰め寄った。

「落ち着いて下さい。え~っと名前は……」
「クリスだ! って落ち着けるかよ! 自作魔道具の実験台にされて失敗して、更には変な影響まで受けてるんだぞ!」
「クリス、影響については貴方の魔力が女性特有の魔力に変化しただけですよ。その影響で、既に髪も伸びていて体型も少しだけ胸のあたりが膨らんでいるだけです。それだけですよ」
「……はぁ!?」

 そして私はフェンが近くにあった鏡を私に向けて来て、そこで初めて私は自分の髪が伸びている事と体型が女性的になっている事を初めて理解した。
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