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第319話 新たな戦法
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私は咄嗟にゴーレム武装展開を止め、両腕でジュリルの拳を防ぐために顔の前に出す。
そのまま攻撃は防げたが、ジュリルは接近戦を続けて来て私は防戦一方となる。
どうしてジュリルが初手から体術なんか!?
私はジュリルの攻撃を防ぎながら、初手から作戦を崩されてしまったので、どう立て直すかを考え始めるとジュリルが口を開く。
「アリス、そのまま何もしないんですか?」
「っ!」
直後、ジュリルの大振りな蹴りが私の顔目掛けて振り抜かれる。
それを見て距離をとるならここだと思い、一気に真横に飛んでジュリルとの距離をとる。
そして魔法を発動させようとしたが、私の足元からジュリルの『アイスピラ』が発動する。
「くっ!?」
「攻撃する隙など与えないわよ」
そう言ってジュリルは遠距離から続けて『ブリザードスコール』を放って来る。
私は広範囲の攻撃魔法に下がる事しか出来ず、更にジュリルとの距離をとった。
くそ……一個一個の魔法が早い。
だけど、ここまで離れればたとえ早くても到達までには時間がかかる。
そう考え、私は一発の魔法威力を上げる為に腕だけの一部ゴーレム武装を再度展開させ始めた。
が、ジュリルはそれまでも読んでいたかのように私の周囲に得意の動物ゴーレムを創造させ、飛び込ませて来た。
更にその直後に自身の目の前にゴーレムを創り上げ、私へと突撃させて来た。
あーもう! タイミングが最悪過ぎる! この距離じゃ、展開させる前に攻撃される。
私は咄嗟にゴーレム武装展開を止め、周囲から迫る動物ゴーレムを一層する為に『バースト』を使おうとした直後だった。
急に動物ゴーレムたちが崩れ始め、土へと戻る。
「嘘!? どういう――っ!」
その時私はもう一体のジュリルが創り出した人型のゴーレムの方を見て、状況を理解した。
やられた! そう言う事か……
この時ジュリルが、アリスの周囲に創り出した動物ゴーレムは囮であり、意識をそちらに向ける為のものであった。
そして同時に人型ゴーレムを創り出し遅れて突撃させたのは、感覚接続していないゴーレムだと思わせる為だった。
感覚接続をすると、他に魔力を使用できない制限があるので寸前までアリスの意識を動物ゴーレムに向けさせ、近付けたら感覚接続を実行し強力な一撃を叩き込む作戦であった。
「(気付かれた、でも問題はない!)」
そのままジュリルは私に接近させたゴーレムの拳を叩き込んで来た。
私は大きく避けるのではなく、ゴーレムの懐に入り込む様に避け、真下から『バースト』を放ちゴーレムを粉砕した。
しかしこの時私は違和感を感じていた。
おかしい……感覚接続しているゴーレムなら無傷とは行かないにしろ、あんなに簡単に粉砕出来ないはず。
周囲はゴーレムの粉砕により、煙に覆われてしまい視界が奪われていたが私は直ぐに『ストーム』で煙を払い視界を確保する。
「ジュリルは?」
「ここよ」
「っ!?」
その声は私の真下から聞こえ、下に視線をずらすとジュリルが低い姿勢から拳を振り上げて来た。
私は強引に顎を上げ背を逸らし寸前の所でジュリルの攻撃を避ける。
ジュリルもまさか避けられるとは思っていなかったのか、驚いた表情をしていた。
私は避けながら、片足をジュリルに突き出し突き放す。
その後一定距離を互いに取り見つめ合う。
「その反応速度は凄いわね、アリス。ちょっと想定外よ」
「ジュリルこそ、体術なんてしないはずじゃなかったの? スタイルでも変えたの?」
「これは貴方に勝つ為だけの戦法よ。もう分かっているでしょ? 私が何に警戒しているか」
そう、私は既にジュリルがゴーレム武装を警戒し私にゴーレム武装を使わせない様に立ち回っているのだと、薄々感じていた。
初手の接近戦に持ち込み、ゴーレム武装を封じ距離を離した所で得意の遠距離の魔法とゴーレムを使い、展開までの時間を取らせない。
更には感覚接続までも自在に使い分けて、私を混乱させてきている。
この状況、以前お兄ちゃんにゴーレム武装を見てもらった時の状況に似ている。
全くやりたい事が出来ず、ゴーレム武装さえも使わせてもらえずにボロ負けした模擬戦だ。
近距離では強力ではないが鋭い体術を使い、私の動きを遮り私が距離をとったとしても、そっちでは得意の魔法攻撃にゴーレムと感覚接続を使い完全に私に何もさせないようにしている。
完全にジュリルに隙はなくなっているが、見る限りこれは物凄い運動量だとも感じていた。
ジュリルは魔力量に関しては多いと分かっているが、ここまで激しく動くのだと相当な体力が必要だ。
私も防戦一方で体力も減っていはいるがジュリルの行動範囲に比べれば消費は少ない方だと思う。
現に、ジュリルは少し息が上がっている様に思える。
「貴方が成長しているのだから、私も貴方が知っている以前までの私ではないという事よ」
「なるほどね……」
でもこの状況、普通に考えればこのまま私が防戦し続ければジュリルの体力が減って隙が出来る可能性があるわよね。
だけどもその為にはゴーレム武装を使う動作をして、ジュリルに警戒し続けてもらわないといけない。
とは言っても、さっきの様な展開が続くと考えると少しでも判断を間違えると痛い一撃を受けるのは私。
攻める姿勢を見せつつ守り続け、相手が隙を見せるのを待つか……ジュリル相手にそれが出来る? いや、やるしかない。
現状崩せる所が見つからないのだから、どんなに泥臭い作戦だろうが勝利に繋がると信じてやり通す!
そして私はあえて自分からジュリルへと突っ込んで行き、腕にゴーレム武装を展開させ始める。
するとジュリルは直ぐさま私に向けて両手を組み合わせる様に構えて口を開いた。
「『フローズンストーム』!」
私はジュリルが放った氷の嵐に飲み込まれ吹き飛ばされてしまう。
だが宙で姿勢を整え受け身をとると、ジュリルは休む間もなく連続で『サンダーストライク』を放ってきた。
やっぱり遠距離だとジュリルの方が強い。
私は真横に移動しながら避けて、ジュリルとの距離を詰めて行こうとするがそこでジュリルはまた魔法を使う。
「『ウォーターウェーブ』『ライトニンググラベル』」
「っ!?」
ジュリルを中心として周囲が水で満たされると、そこへ雷を纏った礫が私に放たれる。
私は咄嗟に飛び上がり避けようとしたが、ジュリルはそうはさせないと真上から『ストーム』を放って来て私はそこへ釘付けにされてしまう。
直後、礫が私に当たるが体が痺れる程度で大きなダメージはなかったが、そのまま礫が足元に落ちると体全身に電撃が流れて来て、私はその場で膝を付いてしまう。
周囲の水はそのまま引いていくと、次に現れたのは人型のゴーレム三体であった。
マジか……痺れて動きづらいけどやるしかない!
私は両手を運よく地面に付けていたので、直ぐに魔力を流し不恰好ながらにも人型のゴーレムを三体創り出して応戦させた。
だが次の瞬間、ジュリルと瓜二つのゴーレムがゴーレムの間を抜けて私を蹴り飛ばした。
同時にゴーレムたちは土へと返り、ジュリルのゴーレムも土へと返ったがジュリルの姿をしたゴーレムはその場に立ち尽くしていた。
「何、あれ……」
体付きから何までも精密に作り込まれており、私は目を疑っているとその隣にジュリルが並ぶ。
「これが、私が貴方に勝つ為だけに編み出し感覚接続の新しい戦法よ」
そう言うと、ジュリルとゴーレムジュリルは全く違う攻撃姿勢をとるのだった。
そのまま攻撃は防げたが、ジュリルは接近戦を続けて来て私は防戦一方となる。
どうしてジュリルが初手から体術なんか!?
私はジュリルの攻撃を防ぎながら、初手から作戦を崩されてしまったので、どう立て直すかを考え始めるとジュリルが口を開く。
「アリス、そのまま何もしないんですか?」
「っ!」
直後、ジュリルの大振りな蹴りが私の顔目掛けて振り抜かれる。
それを見て距離をとるならここだと思い、一気に真横に飛んでジュリルとの距離をとる。
そして魔法を発動させようとしたが、私の足元からジュリルの『アイスピラ』が発動する。
「くっ!?」
「攻撃する隙など与えないわよ」
そう言ってジュリルは遠距離から続けて『ブリザードスコール』を放って来る。
私は広範囲の攻撃魔法に下がる事しか出来ず、更にジュリルとの距離をとった。
くそ……一個一個の魔法が早い。
だけど、ここまで離れればたとえ早くても到達までには時間がかかる。
そう考え、私は一発の魔法威力を上げる為に腕だけの一部ゴーレム武装を再度展開させ始めた。
が、ジュリルはそれまでも読んでいたかのように私の周囲に得意の動物ゴーレムを創造させ、飛び込ませて来た。
更にその直後に自身の目の前にゴーレムを創り上げ、私へと突撃させて来た。
あーもう! タイミングが最悪過ぎる! この距離じゃ、展開させる前に攻撃される。
私は咄嗟にゴーレム武装展開を止め、周囲から迫る動物ゴーレムを一層する為に『バースト』を使おうとした直後だった。
急に動物ゴーレムたちが崩れ始め、土へと戻る。
「嘘!? どういう――っ!」
その時私はもう一体のジュリルが創り出した人型のゴーレムの方を見て、状況を理解した。
やられた! そう言う事か……
この時ジュリルが、アリスの周囲に創り出した動物ゴーレムは囮であり、意識をそちらに向ける為のものであった。
そして同時に人型ゴーレムを創り出し遅れて突撃させたのは、感覚接続していないゴーレムだと思わせる為だった。
感覚接続をすると、他に魔力を使用できない制限があるので寸前までアリスの意識を動物ゴーレムに向けさせ、近付けたら感覚接続を実行し強力な一撃を叩き込む作戦であった。
「(気付かれた、でも問題はない!)」
そのままジュリルは私に接近させたゴーレムの拳を叩き込んで来た。
私は大きく避けるのではなく、ゴーレムの懐に入り込む様に避け、真下から『バースト』を放ちゴーレムを粉砕した。
しかしこの時私は違和感を感じていた。
おかしい……感覚接続しているゴーレムなら無傷とは行かないにしろ、あんなに簡単に粉砕出来ないはず。
周囲はゴーレムの粉砕により、煙に覆われてしまい視界が奪われていたが私は直ぐに『ストーム』で煙を払い視界を確保する。
「ジュリルは?」
「ここよ」
「っ!?」
その声は私の真下から聞こえ、下に視線をずらすとジュリルが低い姿勢から拳を振り上げて来た。
私は強引に顎を上げ背を逸らし寸前の所でジュリルの攻撃を避ける。
ジュリルもまさか避けられるとは思っていなかったのか、驚いた表情をしていた。
私は避けながら、片足をジュリルに突き出し突き放す。
その後一定距離を互いに取り見つめ合う。
「その反応速度は凄いわね、アリス。ちょっと想定外よ」
「ジュリルこそ、体術なんてしないはずじゃなかったの? スタイルでも変えたの?」
「これは貴方に勝つ為だけの戦法よ。もう分かっているでしょ? 私が何に警戒しているか」
そう、私は既にジュリルがゴーレム武装を警戒し私にゴーレム武装を使わせない様に立ち回っているのだと、薄々感じていた。
初手の接近戦に持ち込み、ゴーレム武装を封じ距離を離した所で得意の遠距離の魔法とゴーレムを使い、展開までの時間を取らせない。
更には感覚接続までも自在に使い分けて、私を混乱させてきている。
この状況、以前お兄ちゃんにゴーレム武装を見てもらった時の状況に似ている。
全くやりたい事が出来ず、ゴーレム武装さえも使わせてもらえずにボロ負けした模擬戦だ。
近距離では強力ではないが鋭い体術を使い、私の動きを遮り私が距離をとったとしても、そっちでは得意の魔法攻撃にゴーレムと感覚接続を使い完全に私に何もさせないようにしている。
完全にジュリルに隙はなくなっているが、見る限りこれは物凄い運動量だとも感じていた。
ジュリルは魔力量に関しては多いと分かっているが、ここまで激しく動くのだと相当な体力が必要だ。
私も防戦一方で体力も減っていはいるがジュリルの行動範囲に比べれば消費は少ない方だと思う。
現に、ジュリルは少し息が上がっている様に思える。
「貴方が成長しているのだから、私も貴方が知っている以前までの私ではないという事よ」
「なるほどね……」
でもこの状況、普通に考えればこのまま私が防戦し続ければジュリルの体力が減って隙が出来る可能性があるわよね。
だけどもその為にはゴーレム武装を使う動作をして、ジュリルに警戒し続けてもらわないといけない。
とは言っても、さっきの様な展開が続くと考えると少しでも判断を間違えると痛い一撃を受けるのは私。
攻める姿勢を見せつつ守り続け、相手が隙を見せるのを待つか……ジュリル相手にそれが出来る? いや、やるしかない。
現状崩せる所が見つからないのだから、どんなに泥臭い作戦だろうが勝利に繋がると信じてやり通す!
そして私はあえて自分からジュリルへと突っ込んで行き、腕にゴーレム武装を展開させ始める。
するとジュリルは直ぐさま私に向けて両手を組み合わせる様に構えて口を開いた。
「『フローズンストーム』!」
私はジュリルが放った氷の嵐に飲み込まれ吹き飛ばされてしまう。
だが宙で姿勢を整え受け身をとると、ジュリルは休む間もなく連続で『サンダーストライク』を放ってきた。
やっぱり遠距離だとジュリルの方が強い。
私は真横に移動しながら避けて、ジュリルとの距離を詰めて行こうとするがそこでジュリルはまた魔法を使う。
「『ウォーターウェーブ』『ライトニンググラベル』」
「っ!?」
ジュリルを中心として周囲が水で満たされると、そこへ雷を纏った礫が私に放たれる。
私は咄嗟に飛び上がり避けようとしたが、ジュリルはそうはさせないと真上から『ストーム』を放って来て私はそこへ釘付けにされてしまう。
直後、礫が私に当たるが体が痺れる程度で大きなダメージはなかったが、そのまま礫が足元に落ちると体全身に電撃が流れて来て、私はその場で膝を付いてしまう。
周囲の水はそのまま引いていくと、次に現れたのは人型のゴーレム三体であった。
マジか……痺れて動きづらいけどやるしかない!
私は両手を運よく地面に付けていたので、直ぐに魔力を流し不恰好ながらにも人型のゴーレムを三体創り出して応戦させた。
だが次の瞬間、ジュリルと瓜二つのゴーレムがゴーレムの間を抜けて私を蹴り飛ばした。
同時にゴーレムたちは土へと返り、ジュリルのゴーレムも土へと返ったがジュリルの姿をしたゴーレムはその場に立ち尽くしていた。
「何、あれ……」
体付きから何までも精密に作り込まれており、私は目を疑っているとその隣にジュリルが並ぶ。
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