368 / 564
第367話 もしかして怖い話?
しおりを挟む
「妹がご迷惑をおかけしました!」
「いやいや、もう何度も頭を下げなくていいですから」
私は妹のエルと共に姉であるモリンに対して、そう言葉を掛けた。
トウマも似たような言葉を掛けていた。
「本当にすいませんでした。こんな事までして下さって、感謝しかありません」
「お姉ちゃん、そこまで謝らなくてもいいって言ってるよ二人とも」
「エルは黙っていて。もう、姿が見えなくて驚いたんだからね」
「うっ……それは」
「本当に心配したんだから、もう勝手に何処かに行かないでよねエル」
モリンはその場で膝をついてエルに優しく抱き着くのだった。
エルもモリンがどれだけ心配していたのか、悪い事をしたのかを理解し、ギュッとモリンに抱き着いて「ごめんなさいお姉ちゃん」と口にするのだった。
その光景を見て、私とトウマはひとまずこれで一段落したと思い安堵の息をついた。
「これで当初の作戦は達成だな。良かった、良かった」
「そうだな。エルがお姉ちゃんのモリンさんを見つけてくれなかったら、まだ時間がかかってだろうな」
モリンさんもエルを探し回っていたのかな?
私がそんな事を思っていると、モリンがエルと手を繋いだまま立ち上がった。
「トウマさん、クリスさん、この度は本当にありがとうございました」
「そんなに気にしないで下さい。俺たちは、ってより俺はほとんど何も出来てないですし。最後もエルがモリンさんを見つけてくれたから、出会えた訳ですし」
「いえいえ、トウマさんたちがエルを出会って親切にして下さっていなければ、出会えていませんよ」
モリンは私たちに笑顔で感謝を口にした。
「そう言えば、モリンさんがエルに持たせていたメモ書きの場所に、他のチームが行っているですが会いましたか?」
「いえ、今日はお店をお休みさせてエルを探していたので、その場所には行ってないです」
「そうだったんですか」
「もしかして、彼らがお店を訪ねて私やエルの事を訊いているかもしれませんが、店長は口が堅い人なので何も分からない状態かもしれないです。すいません」
「謝らないで下さい。見ず知らずの人にそう簡単に情報を教えないのは普通ですよ」
その後私たちは、モリンとエルと軽く話した後、そこで別れる事にした。
エルをお姉ちゃんであるモリンの元へ届けると言う目的も達成したので、後はルークやフェルト、ピース、ガードルにそれ伝えて皆にも無事に送り届けた事を伝えなければいけないと思ったからである。
「それでは、このお礼はまたいずれ」
「バイバイ~トウマ! クリス!」
「バイバイ、エル。今度は一人でどっかに行くなよ」
「またね~」
そうして私とトウマは二人と別れて、ルークを探し始めた。
とりあえず私とルークが別れた位置まで戻って来て、トウマとルークを探したがやはりそこには居ないのか見つける事も、通信用魔道具も反応がなかった。
「ルークはいないか。どうするクリス? ここでルークを待つか? それとも探しに行くか? それか、フェルトやピースたちの元に行くか?」
「うーん……もしかしたらルークもここに戻って来るかもしれないから、もう少しここで待っていいか」
「了解。あー何だ、寒くないか? 大丈夫か?」
「大丈夫だけど、どうしたの急に?」
「いやな、その、待つなら飲み物でも買ってこようかと思ってな。クリスもいるか?」
「ありがとうトウマ。それじゃ、お願いしてもいいか」
私の言葉にトウマは「任せておけ」と軽く胸を叩いた後、飲み物を買いに離れて行った。
そのまま私は、待っている時間をただ無駄に過ごすんではなく通信用魔道具を使い、ルークに呼びかけ続けた。
だが返事はなかったので、一度呼びかけるのを止めた。
「はぁー、どこ行ったんだルークの奴」
私は近くで大道芸している者を見ながらため息をつき、少し前のトウマの言葉の事について思い返した。
さっきはエルが偶然お姉ちゃんのモリンさんを見つけてうやむやになったけど、よくよく考えると告白紛いの事をされたんだよな私。
たぶんトウマもそれを分かっていたし、偶然うやむやになったから何事もなかった様にさっきは接していたけど、どう思っているんだろ? 今飲み物を買いに行ったのも、気まずくならない為にした事なのかな?
私はそんな風に考え事をしていると、通信用魔道具から声が聞こえていた事に気付き直ぐに耳を傾けと、聞こえて来た声はルークであった。
『クリス? クリス、聞こえているか?』
「ルーク。聞こえているぞ、今何処に居るんだ?」
『今別れた場所に、フェルトとピース、それにガードルと共に向かってる?』
「え? フェルトたちと合流してたのか?」
『いや、偶然エルを探している時に会ったんだ。それよりも、話したい事があるんだ。お前は何処に居るんだ?』
「俺もルークを探すために別れた所にもういるぞ。それにトウマとも合流して一緒だ。後、エルに関してだけどエルは見つけて、その後偶然お姉ちゃんを見つけたぞ」
『なっ!? そ、それは本当か? それで二人は?』
ん? 何か変に驚いてる? それとも連絡が遅れて怒ってるのか?
「え、二人とはもう別れたけど。どうしたの? 通信用魔道具で直ぐに伝えようとしたけど、離れ過ぎたのか全然反応なかったから遅れたのは謝るけど」
『……いや、分かった。細かい話は直接しよう。それじゃ一度切るぞ』
「分かった」
そうやってルークとの連絡は終わり、私はとりあえずルークたちの到着を待った。
「えっ……ごめん、もう一回話してもらっていい、ルーク」
私はルークたちの話が一度では理解出来ずにもう一度話してもらう様にお願いした。
ルークは素直に受け入れてくれ、もう一度話しをしてくれた。
その内容は、信じがたい物であった。
先程まで一緒にいたエルとモリンと言う人物は、25年以上も前の人物であり既にここ王都には存在しない人物だったのだ。
フェルトとピースがエルの持っていたメモ書きの場所は、確かに存在はしていたが既に廃業となった飲食店であった。
その店は25年前は人気店であり、看板娘のエルとモリンは周辺では知らない人はいなかったのだ。
だが、それから王国転覆事件前に危険を察知したのか店主共に一度王都を離れてしまい、それ以降誰も居ない店となっていたらしい。
フェルトたちは偶然その店に昔通っていた人からその話を聞いたのと、写真を見せてもらいそこにエルとモリンと思われる人物が映っているのも確認していた。
エルは学院で見た時と容姿が全く変わっていなかった為、フェルトとピースは驚いたと口にしそこにガードルも合流しそれを見て驚いた話してくれた。
それからフェルトたちは、その事をルークに伝えようと通信用魔道具で連絡をとりつつ移動していたら、偶然ルークと出会い話をしてから今に至ると話してくれた。
「え~と、つまり俺たちは存在しないはずの人たちと会話してたのか?」
「言い切れはしないが、そう言う事になる」
「で、でもエルにも触れたし、変な所は何もなかったぞ」
「だから真実とは限らないが、そういう可能性が高いと言うだけだ」
「……マジかよ」
トウマはその場で気が抜けてしまう。
そして私たちは暫く無言になってしまう。
するとフェルトが口を開いた。
「と、とりあえず、何であろうと解決はしたんだしここはパーッと何か食いに行こうぜ。ピース、何かいい店ないのか?」
「え、あ、え~と、ここからだと」
「そうだな、フェルトの言う通りエルはその姉とも会えたのだから、一件落着でいいだろ。分からない事は考えなくでもたまにはいいだろ」
「そ、そうだなよ! いい事言うぜガードル!」
「まぁ、特に変な事も起きてないしフェルトの提案に乗るか」
と、皆が前向きに盛り上がっていたので私も深い事は考えずに、今はそのテンションに合わせる事にした。
だけども、心の中では「ちょっと、怖いかも」と思っていたのは内緒である。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――とある裏路地に、エルとモリンの姿はあった。
「はぁ~ここまで来れば、もう大丈夫でしょ」
「迎えに来てくれてありがとう、モリンお姉ちゃん!」
「いやいや、もういいですってそれ」
「ん? 何の事を言ってるのか私分からないよ、モリンお姉ちゃん」
「もう辞めてくださいよ、師匠! 私が辛いですから!」
するとエルは小さくため息をつくと、両手を組んだ。
「……はぁ~もう少しやっていたかったがな。後、結構似合ってるぞ、モーガン」
「それだけは言わないでください、師匠……」
モーガンはそう口にすると、モリンの姿を解きいつもモーガンの姿へと戻る。
そしてエルも一度指を鳴らすと、その直後変身魔法が解かれいつもの姿へと戻るのだった。
「にしても、まさかあんな事態になるとはね~参った、参った。あははは」
「笑い事じゃないですよ。朝起きてから手紙見て、直ぐに指示された通りに変身魔法を使って来たのに、師匠がいないわ、来るのはフェルトたちで焦ったんですからね!」
「悪かったよ。ちょっと学院に忍び込んで、寮に入り込んで手紙を置いたまでは良かったが、軽くフラフラして帰ろうとした時にトウマに見つかってね。そのまま逃げようかとも思ったけど、寮には他にどんな奴がいるのか気になってね」
そう口にしてリリエルは笑うが、モーガンはため息をつく。
「いや~実に楽しかったし、モーガンも問題なく変身魔法を使えていて師匠としては鼻が高いぞ」
「変身魔法は苦手で何とか保っていたに過ぎないですよ。それにあの設定は何なんですか? 年の離れた姉妹って」
「あれか? あれは私が昔学院で教員をしていた時に、よく昼食を食べに行っていた店屋の看板娘たちだよ。ちょっと顔見知りだったんで、変身で使わせてもらったのさ」
「もし本人たちがいたらどうしたんですか?」
「それは大丈夫。彼女たちは今は別の地で、新しく飲食店をしているからね。それよりも、お前が送って来た手紙の本題に入ろうか」
「……はぁ~他にも言いたい事はありますけど、分かりました。今日はそれが目的ですし」
そうしてモーガンは以前リリエルに送った手紙の内容について、話始めるのだった。
「いやいや、もう何度も頭を下げなくていいですから」
私は妹のエルと共に姉であるモリンに対して、そう言葉を掛けた。
トウマも似たような言葉を掛けていた。
「本当にすいませんでした。こんな事までして下さって、感謝しかありません」
「お姉ちゃん、そこまで謝らなくてもいいって言ってるよ二人とも」
「エルは黙っていて。もう、姿が見えなくて驚いたんだからね」
「うっ……それは」
「本当に心配したんだから、もう勝手に何処かに行かないでよねエル」
モリンはその場で膝をついてエルに優しく抱き着くのだった。
エルもモリンがどれだけ心配していたのか、悪い事をしたのかを理解し、ギュッとモリンに抱き着いて「ごめんなさいお姉ちゃん」と口にするのだった。
その光景を見て、私とトウマはひとまずこれで一段落したと思い安堵の息をついた。
「これで当初の作戦は達成だな。良かった、良かった」
「そうだな。エルがお姉ちゃんのモリンさんを見つけてくれなかったら、まだ時間がかかってだろうな」
モリンさんもエルを探し回っていたのかな?
私がそんな事を思っていると、モリンがエルと手を繋いだまま立ち上がった。
「トウマさん、クリスさん、この度は本当にありがとうございました」
「そんなに気にしないで下さい。俺たちは、ってより俺はほとんど何も出来てないですし。最後もエルがモリンさんを見つけてくれたから、出会えた訳ですし」
「いえいえ、トウマさんたちがエルを出会って親切にして下さっていなければ、出会えていませんよ」
モリンは私たちに笑顔で感謝を口にした。
「そう言えば、モリンさんがエルに持たせていたメモ書きの場所に、他のチームが行っているですが会いましたか?」
「いえ、今日はお店をお休みさせてエルを探していたので、その場所には行ってないです」
「そうだったんですか」
「もしかして、彼らがお店を訪ねて私やエルの事を訊いているかもしれませんが、店長は口が堅い人なので何も分からない状態かもしれないです。すいません」
「謝らないで下さい。見ず知らずの人にそう簡単に情報を教えないのは普通ですよ」
その後私たちは、モリンとエルと軽く話した後、そこで別れる事にした。
エルをお姉ちゃんであるモリンの元へ届けると言う目的も達成したので、後はルークやフェルト、ピース、ガードルにそれ伝えて皆にも無事に送り届けた事を伝えなければいけないと思ったからである。
「それでは、このお礼はまたいずれ」
「バイバイ~トウマ! クリス!」
「バイバイ、エル。今度は一人でどっかに行くなよ」
「またね~」
そうして私とトウマは二人と別れて、ルークを探し始めた。
とりあえず私とルークが別れた位置まで戻って来て、トウマとルークを探したがやはりそこには居ないのか見つける事も、通信用魔道具も反応がなかった。
「ルークはいないか。どうするクリス? ここでルークを待つか? それとも探しに行くか? それか、フェルトやピースたちの元に行くか?」
「うーん……もしかしたらルークもここに戻って来るかもしれないから、もう少しここで待っていいか」
「了解。あー何だ、寒くないか? 大丈夫か?」
「大丈夫だけど、どうしたの急に?」
「いやな、その、待つなら飲み物でも買ってこようかと思ってな。クリスもいるか?」
「ありがとうトウマ。それじゃ、お願いしてもいいか」
私の言葉にトウマは「任せておけ」と軽く胸を叩いた後、飲み物を買いに離れて行った。
そのまま私は、待っている時間をただ無駄に過ごすんではなく通信用魔道具を使い、ルークに呼びかけ続けた。
だが返事はなかったので、一度呼びかけるのを止めた。
「はぁー、どこ行ったんだルークの奴」
私は近くで大道芸している者を見ながらため息をつき、少し前のトウマの言葉の事について思い返した。
さっきはエルが偶然お姉ちゃんのモリンさんを見つけてうやむやになったけど、よくよく考えると告白紛いの事をされたんだよな私。
たぶんトウマもそれを分かっていたし、偶然うやむやになったから何事もなかった様にさっきは接していたけど、どう思っているんだろ? 今飲み物を買いに行ったのも、気まずくならない為にした事なのかな?
私はそんな風に考え事をしていると、通信用魔道具から声が聞こえていた事に気付き直ぐに耳を傾けと、聞こえて来た声はルークであった。
『クリス? クリス、聞こえているか?』
「ルーク。聞こえているぞ、今何処に居るんだ?」
『今別れた場所に、フェルトとピース、それにガードルと共に向かってる?』
「え? フェルトたちと合流してたのか?」
『いや、偶然エルを探している時に会ったんだ。それよりも、話したい事があるんだ。お前は何処に居るんだ?』
「俺もルークを探すために別れた所にもういるぞ。それにトウマとも合流して一緒だ。後、エルに関してだけどエルは見つけて、その後偶然お姉ちゃんを見つけたぞ」
『なっ!? そ、それは本当か? それで二人は?』
ん? 何か変に驚いてる? それとも連絡が遅れて怒ってるのか?
「え、二人とはもう別れたけど。どうしたの? 通信用魔道具で直ぐに伝えようとしたけど、離れ過ぎたのか全然反応なかったから遅れたのは謝るけど」
『……いや、分かった。細かい話は直接しよう。それじゃ一度切るぞ』
「分かった」
そうやってルークとの連絡は終わり、私はとりあえずルークたちの到着を待った。
「えっ……ごめん、もう一回話してもらっていい、ルーク」
私はルークたちの話が一度では理解出来ずにもう一度話してもらう様にお願いした。
ルークは素直に受け入れてくれ、もう一度話しをしてくれた。
その内容は、信じがたい物であった。
先程まで一緒にいたエルとモリンと言う人物は、25年以上も前の人物であり既にここ王都には存在しない人物だったのだ。
フェルトとピースがエルの持っていたメモ書きの場所は、確かに存在はしていたが既に廃業となった飲食店であった。
その店は25年前は人気店であり、看板娘のエルとモリンは周辺では知らない人はいなかったのだ。
だが、それから王国転覆事件前に危険を察知したのか店主共に一度王都を離れてしまい、それ以降誰も居ない店となっていたらしい。
フェルトたちは偶然その店に昔通っていた人からその話を聞いたのと、写真を見せてもらいそこにエルとモリンと思われる人物が映っているのも確認していた。
エルは学院で見た時と容姿が全く変わっていなかった為、フェルトとピースは驚いたと口にしそこにガードルも合流しそれを見て驚いた話してくれた。
それからフェルトたちは、その事をルークに伝えようと通信用魔道具で連絡をとりつつ移動していたら、偶然ルークと出会い話をしてから今に至ると話してくれた。
「え~と、つまり俺たちは存在しないはずの人たちと会話してたのか?」
「言い切れはしないが、そう言う事になる」
「で、でもエルにも触れたし、変な所は何もなかったぞ」
「だから真実とは限らないが、そういう可能性が高いと言うだけだ」
「……マジかよ」
トウマはその場で気が抜けてしまう。
そして私たちは暫く無言になってしまう。
するとフェルトが口を開いた。
「と、とりあえず、何であろうと解決はしたんだしここはパーッと何か食いに行こうぜ。ピース、何かいい店ないのか?」
「え、あ、え~と、ここからだと」
「そうだな、フェルトの言う通りエルはその姉とも会えたのだから、一件落着でいいだろ。分からない事は考えなくでもたまにはいいだろ」
「そ、そうだなよ! いい事言うぜガードル!」
「まぁ、特に変な事も起きてないしフェルトの提案に乗るか」
と、皆が前向きに盛り上がっていたので私も深い事は考えずに、今はそのテンションに合わせる事にした。
だけども、心の中では「ちょっと、怖いかも」と思っていたのは内緒である。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――とある裏路地に、エルとモリンの姿はあった。
「はぁ~ここまで来れば、もう大丈夫でしょ」
「迎えに来てくれてありがとう、モリンお姉ちゃん!」
「いやいや、もういいですってそれ」
「ん? 何の事を言ってるのか私分からないよ、モリンお姉ちゃん」
「もう辞めてくださいよ、師匠! 私が辛いですから!」
するとエルは小さくため息をつくと、両手を組んだ。
「……はぁ~もう少しやっていたかったがな。後、結構似合ってるぞ、モーガン」
「それだけは言わないでください、師匠……」
モーガンはそう口にすると、モリンの姿を解きいつもモーガンの姿へと戻る。
そしてエルも一度指を鳴らすと、その直後変身魔法が解かれいつもの姿へと戻るのだった。
「にしても、まさかあんな事態になるとはね~参った、参った。あははは」
「笑い事じゃないですよ。朝起きてから手紙見て、直ぐに指示された通りに変身魔法を使って来たのに、師匠がいないわ、来るのはフェルトたちで焦ったんですからね!」
「悪かったよ。ちょっと学院に忍び込んで、寮に入り込んで手紙を置いたまでは良かったが、軽くフラフラして帰ろうとした時にトウマに見つかってね。そのまま逃げようかとも思ったけど、寮には他にどんな奴がいるのか気になってね」
そう口にしてリリエルは笑うが、モーガンはため息をつく。
「いや~実に楽しかったし、モーガンも問題なく変身魔法を使えていて師匠としては鼻が高いぞ」
「変身魔法は苦手で何とか保っていたに過ぎないですよ。それにあの設定は何なんですか? 年の離れた姉妹って」
「あれか? あれは私が昔学院で教員をしていた時に、よく昼食を食べに行っていた店屋の看板娘たちだよ。ちょっと顔見知りだったんで、変身で使わせてもらったのさ」
「もし本人たちがいたらどうしたんですか?」
「それは大丈夫。彼女たちは今は別の地で、新しく飲食店をしているからね。それよりも、お前が送って来た手紙の本題に入ろうか」
「……はぁ~他にも言いたい事はありますけど、分かりました。今日はそれが目的ですし」
そうしてモーガンは以前リリエルに送った手紙の内容について、話始めるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
男女比8対1の異世界に転移しました、防御力はレベル1です
オレンジ方解石
恋愛
結婚式の最中に、夫に他の女と逃げられた花嫁、水瀬透子。
離婚届けを出す直前に事故で瀕死となった彼女は、異世界の女神から『妾と取り引きするなら、助けてやろう』と持ちかけられる。
異世界の《世界樹》の《種》を宿す《仮枝》となった透子は、女神の世界に連れて行かれ、二年を過ごすこととなった。
そこは男女比が8対1という偏った世界であり、女性が《四気神》と呼ばれる守護者に守られる世界。
女神とはぐれた透子は、そこで美形の青年、紅霞に助けられるが……。
※追記の追記を少し直しました。
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
異世界もふもふ死にかけライフ☆異世界転移して毛玉な呪いにかけられたら、凶相騎士団長様に拾われました。
和島逆
恋愛
社会人一年目、休日の山登り中に事故に遭った私は、気づけばひとり見知らぬ森の中にいた。そしてなぜか、姿がもふもふな小動物に変わっていて……?
しかも早速モンスターっぽい何かに襲われて死にかけてるし!
危ういところを助けてくれたのは、大剣をたずさえた無愛想な大男。
彼の緋色の瞳は、どうやらこの世界では凶相と言われるらしい。でもでも、地位は高い騎士団長様。
頼む騎士様、どうか私を保護してください!
あれ、でもこの人なんか怖くない?
心臓がバクバクして止まらないし、なんなら息も苦しいし……?
どうやら私は恐怖耐性のなさすぎる聖獣に変身してしまったらしい。いや恐怖だけで死ぬってどんだけよ!
人間に戻るためには騎士団長の助けを借りるしかない。でも騎士団長の側にいると死にかける!
……うん、詰んだ。
★「小説家になろう」先行投稿中です★
多分悪役令嬢ですが、うっかりヒーローを餌付けして執着されています
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【美味しそう……? こ、これは誰にもあげませんから!】
23歳、ブラック企業で働いている社畜OLの私。この日も帰宅は深夜過ぎ。泥のように眠りに着き、目覚めれば綺羅びやかな部屋にいた。しかも私は意地悪な貴族令嬢のようで使用人たちはビクビクしている。ひょっとして私って……悪役令嬢? テンプレ通りなら、将来破滅してしまうかも!
そこで、細くても長く生きるために、目立たず空気のように生きようと決めた。それなのに、ひょんな出来事からヒーロー? に執着される羽目に……。
お願いですから、私に構わないで下さい!
※ 他サイトでも投稿中
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる